「悪い円安」論は、多くの場合、トンデモ論です。ただ、当ウェブサイトでは「悪い円安論は、理論的にも、現在の日本経済の数値的な実情から見ても、間違っている」と述べてきたつもりですが、もっと手っ取り早いアプローチがあるのかもしれません。「1ドル=500円の時代が来て日本が破綻する」などとするハチャメチャな主張に乗っける方が、その怪しさに気付く人も増える(かもしれない)からです。
目次
円安のメリット、デメリット
普段から当ウェブサイトで報告している通り、円安には良い面と悪い面があります。
世間的には、円安といえば「海外旅行に行き辛くなる」だの、「外国人が大挙して日本にやって来て、日本人が貧しくなった気分になる」だの、「ドル建てGDPでドイツに抜かれた」だのといった「デメリット」が強調されるフシがあります(これこそ、いわゆる「悪い円安」論なのでしょう)。
しかし、逆に言えば、「悪い円安」論者が主張する「円安のデメリット」とは、たいていの場合、こうした「気分の問題」であったり、一面的なものであったり、はたまた断片的なものであったりしますし、総じて理論的・包括的・定量的な考察に基づくものとはいえません。
ちなみに『【総論】円安が「現在の日本にとっては」望ましい理由』などを含め、当ウェブサイトにおいて、円高や円安のメリット、デメリットを議論する際に利用する考え方は、おもに5つの視点ないし効果から構成されています(図表1)。
図表1 円高・円安のメリット・デメリット
©新宿会計士の政治経済評論/出所を示したうえでの引用・転載は自由
円安について説明を尽くしてきたが…
フロー面では悪影響もあるが、長期的には良い影響が!
議論を単純化するため、とりあえず、円安に焦点を当てましょう。
図表で〇(マル)、×(バツ)をつけていますが、〇は日本経済にとって良い影響を、×は日本経済にとって悪い影響を、それぞれ意味しています。
たとえばフロー面でいえば、①輸出競争力(つまり外国にモノを売る力)は上昇しますが(〇)、これと反対に②輸入購買力(つまり外国からモノを買って来る力)は減少します(×)。
これは義務教育レベルでもわかるであろう、当たり前の話です。
私たち日本国民は円建ての世界で生きていますので、その日本円の価値が下がれば、日本国内(つまり「日本円の経済圏全体」)を外貨(たとえば米ドル)に換算した価値は下がりますので、その「日本円経済圏」の製品・サービスの価格が下落し、「日本円経済圏」の外の製品・サービスの価格が上昇するからです。
そのうえ、1億人を超える人口を擁するわが国では、③の輸入代替効果(高くなった輸入品の代わりに国産品を買う動き)も無視できません。
もちろん、それらが生じる「速度」については、議論は必要です。
とりわけ日本のように、製造拠点(いわゆる「川下工程」ないし「川下産業」)を30年かけて中国などに移してしまった国の場合は、1番目の輸出競争力向上、3番目の輸入代替効果に関しては、すぐに発生するとは限らないからです。
ただ、貿易統計上、日本の輸出品目には「モノを作るためのモノ」(生産財や中間素材など)が多いことからも分かるとおり、日本の製造業は「川上工程」ないし「川上産業」に大変な強みを持っていますので、労働力不足、電力不足などの問題さえクリアすれば、製造業などが日本に大挙して戻ってくる可能性が濃厚です。
現実に日本経済の場合、円安と株高には高い相関関係が存在することが知られていますが、円安で日本経済が復活することが、自分たちにとっては「都合が悪い」と考える人たちがこの世の中にいることは間違いありません(たとえば某隣国とか)。
ストック面からは「良い影響」が直ちに生じている!
ただ、以上はあくまでも「フロー面」からの議論であって、「ストック面」から見てみると、まったく違った現象が見えてきます。
図表中、④の資産効果に「〇」、⑤の負債効果に「×」が付いていることがわかりますが、これは円安局面だと、外国に(とくに外貨で)おカネを貸している側にとっては大変有利になる反面、(とくに外貨で)おカネを借りている側にとっては大変不利になる、ということを意味しています。
とりわけ⑤の負債効果に関しては、俗に「通貨危機」と呼ばれることもあります。自国通貨の価値が下がり続ければ(どこの国とは言いませんが、たとえばウォンが暴落すれば)、その国は外貨での資金調達などができなくなり、貿易・投資などの決済すらままならなくなるのです。
しかし、日本では、この通貨危機というものは、起こり得ません。国際決済銀行(BIS)の統計上、日本の銀行の対外与信が莫大であるのに対し、日本の居住者の外銀からの借入は、極めて少額であるからです(図表2)。
図表2-1 日本の銀行から外国への債権(2023年12月)
区分 | 金額 | 備考 |
日本の銀行から外国への債権 | 5兆0435億ドル | 最終リスクベース |
日本の銀行から外国への債権 | 5兆1738億ドル | 所在地ベース |
うち(相手国から見た)外国通貨建て | 4兆0346億ドル | 所在地ベース |
うち(相手国から見た)自国通貨建て | 1兆1392億ドル | 所在地ベース |
図表2-2 外国の銀行から日本への債権(2023年12月)
区分 | 金額 | 備考 |
外国の銀行から日本への債権 | 1兆2681億ドル | 最終リスクベース |
外国の銀行から日本への債権 | 1兆3256億ドル | 所在地ベース |
うち外貨建て | 5658億ドル | 所在地ベース |
うち円建て | 7597億ドル | 所在地ベース |
(【出所】The Bank for International Settlements, Consolidated banking statistics データをもとに作成)
日本の居住者(企業、政府など)が外国の銀行から借り入れているおカネは、2023年12月末時点で1兆2681億ドル(最終リスクベース)ないし1兆3256億ドル(所在地ベース)で、このうち外貨建ての借金は5658億ドルに過ぎません。
この5658億ドルという金額、日本の外貨準備高が1兆ドルを超えているという事実、日本の金融機関の対外投融資が5兆ドルを超えているという事実などに照らせば、あまりにも少額です(おそらくこの5658億ドルの正体は機関投資家による通貨・為替スワップなどを使った外貨投資ポジションのヘッジでしょう)。
経常黒字は過去最高
また、2023年度(2023年4月~24年3月)における経常収支は25兆3390億円と過去最大で、これを押し上げているのが、とくに第一次所得収支の35兆5313億円という、これまた過去最大の黒字だったりします(図表3)。
図表3 経常収支(年度基準)
(【出所】財務省『国際収支統計』データをもとに作成)
はて?
この巨額の経常収支黒字国で、果たして通貨危機などというものが発生するものでしょうか?発生するならばいかなるメカニズムでそれが発生するのでしょうか?
日本はそもそも世界最大の債権国であり、外国からおカネを借りていない以上、「通貨が暴落して外国の銀行がおカネを貸してくれなくなる」という事態が生じたとしても、米欧などの中央銀行と無制限の為替スワップで外貨を引っ張ることができる以上、それで困ることは考え辛いところです。
あるいは、日本政府は「外為特会」勘定などにおいて、中国に次いで世界2番目に巨額の外貨準備を持っているわけですから、(法整備などの手当ては必要かもしれませんが)その気になれば外貨準備から民間企業にドル資金を貸し出すようにすれば済む話でもあります。
(経営の健全性を誇るわが国のメガバンク勢が外貨を引っ張ってくれば、外貨準備などに依存する必要すらありませんし、いざとなれば金融機関がヘッジ付外債を一斉に手放せば、そもそもの外貨調達の必要性自体が消滅します。もっとも、そうなった場合、米国債などが暴落する可能性はありますが…。)
どんなに説明しても理解しない人はいる
いずれにせよ、少なくとも中等レベルの教育を終えている人であれば、最低でも次の⓪~⑥については、理解できると思います。
- ⓪円安は日本経済に良い影響と悪い影響を及ぼす
- ①円安になれば輸出競争力が高まる(良い影響)
- ②円安になれば輸入購買力が落ちる(悪い影響)
- ③円安になれば輸入代替効果が生じる(良い影響)
- ④円安になれば資産効果が生じる(良い影響)
- ⑤円安になれば負債効果が生じる(悪い影響)
- ⑥上記①~⑤までを総合的に判断すれば、良い影響が悪い影響を大きく上回る
もっとも、ここまで言葉を尽くしても、やはり理解して下さらない方はいらっしゃいます。
- 「それでも円安は日本経済に悪影響を与えている」。
- 「私はただの一般人だから数字を使った説明はできないが、私の周りはみんな円安で苦しんでいる」。
- 「私がこの目で『円安で苦しんでいる人』の事例を多く見ているのだから、間違いない」。
このあたりは結局、『悪い円安を理論的に証明できれば「ノーベル賞」級!?』でも触れましたが、その人が「個別(ミクロ)と全体(マクロ)の話をきちんと分けて考えることができるか」、「抽象的・定量的・科学的思考ができるか」、という論点とも重なってきます。
あるいは、「どんなにわかりやすく説明しても、知らぬ存ぜぬですっとぼける」という意味では、今月7日に実施された東京都知事選で、とある候補者が産経新聞の記者から明らかな選挙違反の可能性がある行為について指摘されたところ、「まったく意味がわかりません」と即答した、という事例なども参考になるかもしれません。
【参考】『オールドメディアが作った「野党政治家の言動の幼さ」』
X(旧ツイッター)を見ていると、「若いころからちやほやされるとそこで成長が止まってしまう」という趣旨のポストを見かけました。まったく同感です。そして、「子供が悪いことをしても絶対に叱らない親」は、「野党政治家が不祥事を起こしても絶対に批判しないオールドメディア」と構図がよく似ています。甘やかすと本人がダメになるあたりもソックリです。イーロン以後のツイッター・Xイーロン・マスク氏がツイッター(現「X」)を買い取って以降、このSNSを眺めていると、本当に多様な情報が流れてくるようになったものだと... オールドメディアが作った「野党政治家の言動の幼さ」 - 新宿会計士の政治経済評論 |
したがって、著者自身も最近は、どこまでわかりやすく噛み砕いて話をしても、絶対に対話に応じようとしない人というものがこの世には存在すること、ときとしてそのような人に時間をかけて説得することが、残念ながら無意味な努力となることもあることに、気付き始めている次第です。
(※といっても、だからといって「多くの人にできるだけわかりやすく説明する」という努力を放棄して良い、という話にはなりませんが…。)
ハイパー円安とハイパーインフレというトンデモ論
1ドル=500円超えの超円安なら日本経済は完全復活してしまいますよ?
さて、当ウェブサイトが、できるだけ正確な経済理論や正確な数値をもとに「悪い円安」論の間違いを説明しようと努めて来たなかで、ふと気づいたのが、もっと簡単なアプローチがあるのではないか、という仮説です。
具体的には、「なかなかに話にならないほどぶっ飛んでいる議論」を展開することで、間接的にその主張の間違いを人々に気付かせる、という、劇薬のようなアプローチです。
小学館が運営する『マネーポスト』が22日付で配信した記事によると、「伝説のトレーダー」と名乗る方が、「超円安の根本的な原因は、日本の国力の弱さにある」、などと主張したのだそうです。
為替介入でも「超円安」は止まらない 伝説のトレーダー・藤巻健史氏が「1ドル=500円超え」と「ハイパーインフレ」を警告する理由
―――2024/07/22 07:15付 Yahoo!ニュースより【マネーポストWEB配信】
ちなみにこの人物によると、「1ドル=200円になってもおかしくない」だけでなく、「場合によっては1ドル=400円、500円、あるいはそれ以上の円安まで考えられる」、などとしています。
なんとも結構な話です。
1ドル=400円、500円、あるいはそれ以上の円安となれば、ドルの価値が現在の3倍にも4倍にもなる、という可能性があるわけであり、そうなると巨額の対外純資産の円換算額が途轍もないことになりそうですし、日本の製造業が世界市場で中韓などの製造業者を蹴散らす未来しか見えません。
また、このくらい極端な円安になってくれれば、さすがに日本国内で反原発などと抜かしていらっしゃる方々に対する世間の目も液体窒素に漬け込んだくらいの冷たい目が注がれるようになるでしょうし、人材難から給与水準もさらに跳ね上がるのではないでしょうか。
ここまでの円安となれば、日本経済が完全復活することは間違いなさそうです。
原因と結果を取り違えている
と、こうしたツッコミどころはとりあえず脇に置くとして、もうひとつ見ておきたいのが、この人物が主張する、日本が「弱い国」になっている3つの大きな理由です。
それは①この40年間のGDP成長率が世界最低水準だったこと、②国の借金がGDP比250%と世界最悪水準に膨張していること、そして③10年あまり続いてきた異次元緩和により日本銀行のバランスシートが「メタボ」になっていること、なのだとか。
大変失礼ながら、原因と結果を取り違えていらっしゃるようです。
そもそも論として、GDP成長率が世界最低水準だったのは、旧大蔵省のバブル退治に関する政策ミス(いわゆる総量規制)と消費税を含めた強引な増税のせいですし、また、「国の借金」なる概念は財務省がでっち上げた虚偽のプロパガンダです。
さらに、資金循環統計を見ていただければ明らかですが(図表4)、日銀は「メタボ」でもなんでもありません。国債は日銀などが買い支えているものの、日銀は金融機関から日銀当預の形で資金を調達しており、金融機関は家計から預金を預かっているからです。
図表4 日本の資金循環構造(2024年3月末時点)
(【出所】日銀『物価、資金循環、短観、国際収支、BIS関連統計データの一括ダウンロード』サイトのデータをもとに作成)
大変申し訳ないのですが、国会議員というお立場で、ここまでデタラメな経済理論を展開するというのは、かなり有害です。
「日銀債務超過でトリプル安」というメチャクチャな主張
ちなみにこの人物、いわゆる「トリプル安」(円安、株安、債券安)を気にされているようですが、その根拠が、これです。
「いまのところ、日銀の純資産はプラスの状態ですが、大量のETF(上場投資信託)買いによる金融商品の評価益でかろうじて債務超過を回避しているだけです。株価が下がり、長期金利が上昇すれば、いつ債務超過に陥ってもおかしくありません」。
はて?
通貨発行権限を有している中央銀行が「債務超過状態」となったとして、それでなにか発生するのでしょうか?
普段から当ウェブサイトで説明している通り、通貨の信認は、その通貨を発行している中央銀行単体の財務状態ではなく、その通貨圏全体における資金循環バランスなどにも大きく依存します。
家計が巨額の資産を抱え、日本が国全体として資産超過となっていて、その結果、世界最大規模の対外純債権を抱え込んでいるという状況が変わらない限り、日銀が単独で債務超過に陥ったとして、それで資金の流れが変わるはずなどありません。
経済理論に対する知見が足りないか、少なくとも債券市場の実情をまったくご存じないか、あるいはその両方なのかはわかりません。
というよりも、現実にここまで円安・株高が続いていて、東証時価総額が1000兆円を再び超えている(『東証時価総額が再び一千兆円突破』等参照)という現実もあるわけです(この株高がいつまで続くかは別の問題ですが)。
正直、国会議員という立場でこの手のトンデモ論を唱え、日銀の金融緩和をやめさせようとしているのだとしたら、この人物を所属させている「日本維新の会」という政党は、本当に信頼がおけません。
デフレ脱却が不十分な状態で日銀が金融緩和を止めてしまい、再び日本経済がデフレと失業増の渦に叩き込まれた場合は、今度こそ、日本経済が復活できなくなってしまうからです。
少なくとも国会議員を務める以上は、「インフレ率と失業率には相関関係がある」、「金融緩和はインフレ率に働きかける政策である」、といった、金融論のごく初歩的な部分を無視したり、虚偽の説明を繰り返したりすることは許されません。
そして、このような人物が参議院議員に当選してしまう現状を見ると、「悪い円安」論や「国の借金」論を含めたトンデモ論がまだまだ罷り通っていて、当ウェブサイトの努力が足りないことを痛感せざるを得ないのです。
読者コメント欄の冷ややかな目に救い
もっとも、ヤフコメなどを見ていると、当ウェブサイトの「デフレ=財務省主犯説」の立場に近いコメントが散見されるのは、ちょっとした救いといえるかもしれません。
新聞、テレビなどのオールドメディアがさんざん、「国の借金」論や「財政再建」論、「増税」論などの財務省プロパガンダを垂れ流してきたわりには、やはり、日本人の一般読者コメントは、優秀です(記事にもよるかもしれませんが)。
そして、「悪い円安」論も、逆にこの手のハチャメチャな主張に乗っかれば、その怪しさに気付く人が増えるというものでもあります。
その意味では、この手のトンデモ論も、「悪いこと」ばかりとは言えないのかもしれませんね。皮肉な話ですが。
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「ニッポン経済終了記事」なんですが、英語で国際メディアに流通しており、いわゆる日本通・日本ウオッチャーの耳目をくすぐる効果を存分に発揮しています。
円安が「良い」のか「悪い」のかにはあまり関心はありません。円安等が引き起こしているインフレにどのように対処するかに注力しています。
マクロスライドが組み込まれていますので年金は徐々に減価していきます。節約は当然として、ささやかな老後資金の価値を維持ずるため、株等のリスク資産に手を広げざるを得ませんが、株価が暴落したら目も当てられません。
対処しきれるか自信はありませんが、人生とはそのようなものなのだろうと考えています。
国の未来は現役世代が切り拓いて行きます。ですから人生と言うのはそうゆうものです。
円安は輸出が盛んだった頃、確かにあっちこっちの中小企業が忙しかった記憶があります。
現在は輸出は昔ほど盛んではないと思いますし、大企業(製造業)はかなりの恩恵に預かっているのも間違いではないですし、日本政府にとってもメリットが大きいのは理解します。
しかし、年金の目減りのように物価高騰が一般庶民にのしかかっています。ここで大幅減税や何らかの政策を政府が打って負担を和らげれば円安が悪いとは思わなくなると思いますが。
日本は世界最大の債権国で、通貨が暴落して外国の銀行がおカネを貸してくれなくなるということ自体、ほぼ無いし、米欧の中央銀行と無制限為替スワップがあります。巨額の外貨準備を持っているわけで、何の問題も無い。
確かこの伝説のトレーダーF氏、「ブロックチェーン、暗号資産が将来の日本のメシのタネになる」とか言ってた。名前は良く聞くが、今回もトンデモ論モドキで、私は信用してません。だから資産が出来ないのか?(^.^)v。
1ドル=400円、500円となると巨額の対外純資産が更に途方もない事になり、人材難から給与水準も跳ね上がるでしょう。ここまでの円安となれば、日本経済が完全復活です、バンザーイ(失笑)。
巷でご意見頂戴すると、困った声が聞こえてくるとしたものなのかと。
喫緊に困ってる人だけが、「なんとかしろ!」と声を上げるからです。
もちろん、政治家・マスコミは、それらの声に寄り添うことも大切なのだとしても、
そこだけに捉われず、「悪い円高・円安論」は、大局観をもって論じて欲しいですね。
毎度、ばかばかしいお話を。
○○(好きな人名を入れてください):「1ドル=500円、俺なら1ドル=1000円と言う」
この話は2024年7月23日時点では、笑い話である。
「円は価値がなくなり紙くずになる」日本を大混乱に陥れる“Xデー”と“ハイパーインフレ”対策ですべきこと 1ドル500円も通過点…円暴落リスクに備えドル建て個人年金・保険に入る」
https://president.jp/articles/-/83479
藤巻氏にとって超円安&ハイパーインフレーションは、多分4半世紀以上前に読んだ記憶があります。その時の記憶ではご自身の金融資産はドルで保有していると書いていたように思います。これでこれまで飯を食ってこれてきたのでしょうから多分生涯このままなのでしょう。
昨今の円安で、ご自身の資産価値は円建てで益々増大。この説はご自身の資産運営と整合していますので、その意味でも超円安を望んでおられるのだと推察します。逆に、我慢できずに早い段階で円に戻してムカツイていてハイパーインフレーションで皆滅んじまえと思っておられるのかもしれませんが。。
横から失礼します。
私も過去に藤巻氏の著書を、時代が超円高に向かっている時に読んでしまい、「いつでもどこでも 『円は暴落する!』ポジショントークおじさん」ぐらいの認識しかないのですが、最近 ジムロジャース本を読み情報ソースが非常に近いの気がしています(本人は、肌感覚とか知人の情報とか言っていて、単に 類友かもしれませんが)。
何か英字で偏った日本の経済情報流している所でもあるか(日経英語版とかだったら非常に納得ですが)、こういった方が信用する情報ソースが何か 個人的に一番知りたい所です。
"彼"はポジショントークで儲けてるんじゃないですかねぇ?
原稿料だったり投資だったり・・・そんなうがった見方をしています。
「伝説のトレーダ」の異名があったのかどうか知りませんが、藤巻氏が言っていることは、財務省が主張したい事の代弁としか思えません。それに不安を煽って記事を売りたい出版社がのっかった形でしょうか。しかし『「伝説のトレーダ」の異名』って言ってて恥ずかしくないんでしょうかねw(大きく偉そうに見せる(権威を持たせる)常套句(?)なんでしょうが・・・)
突っ込みどころはたくさんありましたが、会計士様が細かく突っ込んでいただいているので、これ以上は無いですが、元記事読んでも解決策も提案も何もない、ただただ不安を煽る変な記事でした。
この方は逆巻さんとの愛称で有名な方なので、万が一急激な円高になってしまったらという事態に備えないといけません。
確率的にはまだどちらになるか分からない状況から、なぜかこの方の予想とはだいたい常にほとんど急に反対方向に事態が進むことが多いのです。週刊誌が儲かる話を特集しだしたら危ないというくらいにはよく知られているようです。
>>通貨発行権限を有している中央銀行が「債務超過状態」となったとして、それでなにか発生するのでしょうか?
これです。
今みで何度もこういう言説を読みましたが、日銀が債務超過になる可能性についての理屈は分かるものの、それと日本円が暴落するということの因果関係が分かりません。
日本国政府が存在する限り日本国内では日本円しか通用しないわけで、円を売ってドルに換えるのはとりあえず円が余っている人だけ。
自分が使う分の円までドルに換える人などいません。
外資が逃げるかどうかは日本で利益を上げられなくなるかどうかが基準であって、日銀の経営状態など誰も気にしません。
日銀の債務超過を日本国の信用とイコールだと考えているということは、もしかしてこの人は日銀イコール日本そのものだとでも思っているんでしょうか?
日本に通貨危機が起こる前に、 周辺国の経済がぶっ飛んでると思いますよ。それら崩壊国からの債権回収が滞って 日本が巻き込まれるということでしょう。