訪日外国人が4ヵ月連続で300万人台を記録しました。2024年6月の訪日外国人【速報値】は3,135,600人で月間としては過去最大を更新。韓国人が70万人を超えたほか、中国人が66万人と順調に増えており、台湾、米国、香港なども伸びています。この分で行けば今年は3500万人少々、と言ったところでしょうか。もっとも、昨今の日本はただでさえオーバーツーリズム気味ですが、「2030年訪日客6000万人」がなんとも非現実的な目標に思えてなりません。
過去最大:4ヵ月連続で300万人台
4ヵ月連続で300万人台、です。
日本政府観光局(JNTO)が19日に発表した、2024年6月における訪日外国人数の国籍別統計【速報値】によれば、訪日外国人は3,135,600人を記録しました。ちなみにこれは単月として見て過去最大です。
国籍別内訳は図表1のとおりです。
図表1 訪日外国人・国籍別内訳(2024年6月)
国 | 人数 | 構成割合 |
1位:韓国 | 703,300 | 22.43% |
2位:中国 | 660,900 | 21.08% |
3位:台湾 | 574,500 | 18.32% |
4位:米国 | 296,400 | 9.45% |
5位:香港 | 250,600 | 7.99% |
6位:フィリピン | 65,000 | 2.07% |
7位:豪州 | 61,800 | 1.97% |
8位:シンガポール | 58,900 | 1.88% |
9位:タイ | 54,600 | 1.74% |
10位:ベトナム | 47,400 | 1.51% |
その他 | 362,200 | 11.55% |
総数 | 3,135,600 | 100.00% |
(【出所】JNTOデータをもとに作成)
訪日外国人総数は過去最多水準
訪日客は近隣4ヵ国・地域(中国、韓国、台湾、香港)および米国で全体の8割近くに達しますので、取り急ぎ、この5ヵ国・地域を中心に人数の推移を確認してみましょう。総数およびこれら5ヵ国・地域からの入国者数をグラフ化しておくと、興味深い傾向が出てくるのです。
コロナ禍の2020年~22年の3年間を除外し、2017年~19年の3年分と、2023年~24年の2年分、あわせて5年分の月次の訪日者数推移をグラフ化したものが、次の図表2です。
図表2-1 日本を訪問した外国人合計
まず、日本を訪問した外国人の総数(合計)に関しては、先ほども指摘したとおり、4ヵ月連続で300万人を超え、過去最大となっています。
韓国人、中国人の状況
続いて訪日客数でトップの韓国人は、6月としては過去最多を更新しています。韓国では2019年7月の日本政府による輸出管理適正化措置以降、いわゆる「ノージャパン」キャンペーンが生じ、訪日客が激減していたのですが、これがほぼ元に戻っている格好です。
図表2-2 日本を訪問した韓国人
あそこまで激しいノージャパンをコロッと忘れ、日本旅行にいそしむという心理は、私たち日本人の多くにとっては、なかなかに理解し辛いところかもしれません。
一方で中国人訪日客は、コロナ前の2019年の水準と比べればまだ少ないものの、順調に伸びており、前月と比べて10万人以上増え、6月としては2019年、2018年に続いて過去3番目に多い数値です。
図表2-3 日本を訪問した中国人
台湾、米国、香港も強く伸びる
一方で台湾人に関しては2024年6月において訪日者数が跳ね上がっており、過去最大を記録しています。
図表2-4 日本を訪問した台湾人
そして米国に関していえば、年初から過去最大水準で推移しており、これまで過去最大だった2019年の水準を大きく上回っていることがわかります。
図表2-5 日本を訪問した米国人
同じく日本を訪問した香港人も過去最大水準です。
図表2-6 日本を訪問した香港人
(【出所】JNTOデータをもとに作成)
訪日客6000万人は現実的目標なのか
いずれにせよ、訪日外国人は全体的に増えており、仮に今後も訪日外国人が300万人台で推移するならば、単純計算で、今年を通じた訪日客数は3500万人前後に達する計算ですが、それでもコロナ前に日本政府が掲げていた「年間訪日客4000万人」には少し足りません。
現時点でもすでにオーバーツーリズム気味であることを踏まえると、訪日客目標を巡る「2020年4000万人」、「2030年6000万人」が、なんとも非現実的なものであるものに思えてならないのですが、いかがでしょうか?
View Comments (7)
たくさん来ましたね
メディアは、相変わらずのコーフンぷり。
訪日客消費 年8兆円に達する勢い
https://news.yahoo.co.jp/articles/1b335a9071687f371e8aafd57b699d6484d6ef6f
外国人外国人外国人外国人外国人外国人・・・・。何かの新しい病気かのよう。
数のわりに意外なことに、そういえば韓国語を耳にした記憶はありません。なぜでしょう?私が鈍いだけなのでしょうけど。
サムライアベンジャー様
2週間ほど前、近くに用があったついでに(と言っては不謹慎ですが)、久しぶりに浅草寺に参ってきました。
いやあ、すごい数の外国人ですね。参拝客の半分以上は、外国人じゃなかったかな。
ほとんどがアジア系の人達でしたが、何となく日本人でないってことは分かります。話していた言葉から判断すると、東南アジアからの人が結構目立ちました。多分タイじゃないかな。
あと中国語もよく聞きましたが、偏見かも知れないが、話し方が尖ってないところから、大陸じゃなく台湾の人達かなと感じました。やっぱり仏教に親しみを感じていなければ、仲見世には行っても、境内でお参りまではしないのかも知れません。
韓国語はやっぱり聞きませんでしたね(笑)。
>>伊江太様
情報ありがとうございます、やっぱり場所によってそういう状態になっているんですね。
私も、中国語の聞き分けができないので、大陸人か、香港人か、台湾人か区別がつきません、機会があればちょっと勉強しようかとは思っていますが。
タイという国について情報のアップデートができていませんが、十年ちょい前、タイにちょっと興味を持ったことがあります。
スカイプを使って、たぶんITエンジニアかなんかされているような女性とチャットしました。
英語もできることから、割とちゃんとした方と思いました。ところが「海外旅行なんて考えたこともない」というのです。
学歴によって違うでしょうし、タイの平均給与がどれくらいかその時ははっきりと知りませんでした。まあ、格差は我々の想像以上という現実を知った気がしました。
タイは一応、ASEAN諸国の中ではエース国家です。観光客数データ上では、タイよりフィリピン人訪問者が多くなってますが、フィリピンこそ成長の可能性が全くないと言い切っていい「永遠の発展途上国」です。
東南アジア自体、全体的にレベルが低すぎるので議論できませんが。
個人的な経験で言うと、タイは能天気な親日国、善良な国民性ではないかと思います。
フィリピンなんて逆に要注意、価値観もなにも全く合いません。一応親日の国ということになってますが、「とげ」があります。
スペインのバルセロナでオーバーツーリズムに抗議する街頭デモが発生、水鉄砲で観光客を追い払っています。スペイン以外の国でも反ツーリズム機運が高まっているようです。
マスコミさんは 「通貨安、日本が安売り貧困になったから 外国人が押し寄せてる」
と 言いたいでしょうね。
歪んだ視線。
SNSの影響が大きいのではないでしょうか❓️もともと日本は観光資源が豊富で、知られていなかった魅力が知られるようになったんだと思いますよ。まぁDiscover Japanということでしょう‼️