例の「R」ステッカー騒動を巡って、ついに地上波テレビが取り上げました。とりわけテレビ朝日・ANN系列の『グッド!モーニング』は、「税金で剥がすことに」というテロップとともに、シール問題を大きく取り上げています。ANN系列といえば立憲民主党には親和的なメディア、という印象を持つ人もいるかもしれませんが、この報道は比較的公正であり、とりわけ「行政が剥がすことになれば区民(や都民)の税金を使うことになる」という情報は、少なくない有権者に深く刺さるのではないでしょうか。
「まったく意味がわかりません」
ここ数日、ほぼ毎日のように取り上げて来た話題が、東京都知事選における「蓮舫」こと齊藤蓮舫氏の失態です。
とりわけ齊藤蓮舫氏を巡って注目しておきたいのは、彼女が積み上げて来た選挙違反の数々だけではありません。彼女の支持者が、「蓮舫」を意味するとみられる「R」のステッカーを、繁華街の公共物や道路標識などにベタベタと貼りまくるなどし、それがかなりの波紋を広げていることです。
『Rステッカー問題から徹底的に逃げる齊藤蓮舫氏が話題』などでも取り上げましたが、齊藤蓮舫氏は選挙の投開票当日の7日夜、産経新聞の記者からシールについて尋ねられ、すっとぼけた表情とともに、こう即答しました。
「まったく意味がわかりません」。
意味がわからないのは私たち有権者の側です。
SNSなどでは選挙の投票日よりも前の時点で、この手のシールがベタベタ貼られていることは報告されていましたし、また、齊藤蓮舫氏自身、シールにあったのと同じ「R」マークのシャツを着て歌ったり踊ったりしていたはずだからです。
危機管理の基本がそもそもなってない
さすがにこの「意味がわかりません」、は、ちょっと答弁として不誠実すぎます。
また、もちろん、このシールは齊藤蓮舫氏本人が指示したものではなく、齊藤蓮舫氏を応援していた日本共産党あたりがやった、という可能性もありますが、もしそうだとしても、齊藤蓮舫氏は次のように、ひとこと、申し添えれば良かったのではないでしょうか?
「私の『R』マークのシールが貼られているようですが、事実関係を確認し、もし私の支持者がそれを貼ったのであれば、すぐに剥がすように呼び掛けたいと思います」。
このように答えるというのは、政治家の危機管理としては基本中の基本です。
それなのに、齊藤蓮舫氏はそう答えず、代わりに、「まったく意味がわかりません」と答えてしまいました。しかも質問に立った産経の記者が、齊藤蓮舫氏が答えやすくなるよう、言葉をかなり選びながら再度質問を繰り返したにも関わらず、です。
そして、齊藤蓮舫氏が「まったく意味がわかりません」と答えたのに対し、産経記者が「わかりました、了解です」と応じたのは、想像するに、こういう意味だと思います。
「あなたはどれだけわかりやすく質問しても、自分に都合が悪いことは徹底的にしらを切りとおすという姿勢を貫く、ということですね?よくわかりました、了解です」。
実際、齊藤蓮舫氏はその後もしらを切りとおそうとしたわけですが、彼女にとっての大誤算があったとすれば、SNSで会見の模様が何度も何度も再生され、都知事選はすでに終わっているにも関わらず、本件が「炎上」し続けたことでしょう。
「機を見るに鈍」=心無いコメント
結局、『齊藤蓮舫氏の都知事選出馬は立憲民主党に「大打撃」?』でも取り上げたとおり、齊藤蓮舫氏(※ただし、本人ではなく「蓮舫事務所🗼」)は11日午後3時前になって、「原状回復」を呼び掛けざるを得ないところにまで追い込まれました。
まさに、「機を見るに鈍」、です(ちなみにこの「機を見るに鈍」は、当ウェブサイトにいつも無慈悲で心無いコメントを残す「元雑用係」様というコメント主の発案で、本件の表現としてあまりにも無慈悲かつ適切過ぎるといわざるを得ません)。
あるいは、選挙戦から何日も経ってからこういう呼びかけをすること自体、シールを街中にベタベタ貼ることを必死で擁護して来た彼女の熱心な支持者たち(※誰とは言いませんが…)を、まさに「後ろから銃で撃つ」ような行為でもあります。
無慈悲ついでにもうひとつ指摘しておくならば、本件への対応ひとつとっても、齊藤蓮舫氏、あるいは彼女が先月まで所属していいた立憲民主党という政党の、実務対応能力のなさが露呈しています。
『オールドメディアが作った「野党政治家の言動の幼さ」』などでも指摘しましたが、齊藤蓮舫氏、いや、彼女自身を含めた野党政治家全般を見ていて気付くのは、その言動の幼さです。
齊藤蓮舫氏の「まったく意味がわかりません」発言は、イタズラがバレた幼児が「アタシ、やってないモン!」「ボク、やってないモン!!」と否定する態度を彷彿とさせます。幼児がそれをやれば可愛げがあるかもしれませんが、国会議員を20年務めて来た50代半ばの大人がそれをやると、恥ずかしいといわざるを得ないレベルです。
大手テレビ局がこの話題を取り上げた!
ただ、本稿ではさらに無慈悲な話も紹介せざるを得ません。
大手テレビ局のいくつかが、地上波でもこの問題を取り上げ始めたのです。
とりわけテレビ朝日・ANN系列といえば、立憲民主党には親和的な局というイメージを持つ人も多いかもしれませんが、どういう風の吹き回し化、そのテレビ朝日の番組ですら、この話題が大きく取り上げられたという事実は強烈です。
ちなみにANNの方の動画では、動画の2:48で「『グッド!モーニング』(※番組名)のスタッフが調べただけでも新宿駅付近の42ヵ所でRシールが見つかった」、などとしています。
また、X(旧ツイッター)などでも精力的に情報発信している人物としても知られる自民党の渡辺友貴・杉並区議がANNの動画に出演し、こんな趣旨のことを述べています。
「行政が剥がすとなると区民の税金を使って役所の人が出て来てシールを剥がすことになると思う」。
正直、いまや地上波テレビの情報はネットよりも遅くて不正確なことも多いのですが、それでも公正な目で見て、今回のANNなどの報道は、齊藤蓮舫氏らの振る舞いを正確に報じていると考えて良いでしょう。
この点、『ネットが好調、新聞・テレビは苦戦=メディア利用時間』などでも取り上げたとおり、新聞、テレビといえば、昨今は10代、20代といった若年層、あるいは30~50代といった社会の中堅層などから見捨てられ、いまや高齢層のメディアと化しているのが実情です。
しかし、テレビ各局がこの話題を取り上げたうえ、「(都民や区民の)税金でシールを剥がす」といった表現まで飛び出してきたことで、さすがにこの騒動が、テレビばかり見るような人たちにも認識され始めるきっかけとなるのではないでしょうか。
「税金でシールを剥がす」のパワーワード
そのうえで、「税金でシールを剥がす」は、さすがに表現として印象的すぎます。
当初は関与を完全に否定し、その間にシールを貼った者たちに近いとみられる人たちからの(言い訳にすらなっていない)言い訳が続き、選挙が終わって数日後に「シールを剥がす」ように呼び掛けることで支持者を「後ろから撃つ」ことになった齊藤蓮舫氏。
しかも、騒ぎが大きくなり、「税金で剥がす」などとするパワー・ワードが出て来るに至っては、さすがに今後、齊藤蓮舫氏が政治家稼業を続けるうえで、かなりのハードルとなってしまった格好です。
この点、Xなどでは、「(小池)百合子(氏)が(斎藤)蓮舫(氏)に猶予期間を与えている間に、さっさと声明を出さなかったのは稚拙」、「都税で(シールを)剥がされたら、(齊藤)蓮舫(氏)の政治生命は終わりだ」、などとするポストも見かけますが、これらも正鵠を射たものと言わざるを得ません。
いずれにせよ、地上波テレビまでが齊藤蓮舫氏の「R」シール事件を取り上げ始めたことで、今後、齊藤蓮舫氏の政治家としてのキャリアが終焉を迎える可能性が高まっただけでなく、彼女の出身母体である立憲民主党に対しても、しばらくは冷たい目が向けられるのかもしれません。
もっとも、それも「自業自得」、という気がしてならないのですが…。
View Comments (43)
>無慈悲かつ適切過ぎる
私も使わせていただきます。m(_ _)m
「まったく意味がわかりません」
これを聞い議員さん達
これは使える!
で、仮に斎藤さんが議員に復帰したらこのフレーズになんて答えるか想像するとワクワクします。
・意味が分からない、なかったことにはなりません。
・してはいけない事の意味が分からなということですね。
皆さんの答えは?
善悪が理解できないということでよろしいでしょうか。
「知らないR(アル)…」
座布団1枚!
Rシール剥がしのボランティア募集をした場合、そのボランティアに何人集まるかで、負けた候補の、今の支持が分かるのではないでしょうか。
昨日のプライムニュースと本日の朝日新聞で、今回の東京都知事選での石丸候補の選挙戦術をやってました。もちろん、これが今後も通用するか、一過性で終わるかは分かりませんが、新しい選挙戦術として無視できなくなったのでしょうか。
蛇足ですが、落選した時に石丸候補は、「マスゴミの扱いが公平でなかった」と批判していましたが、これを他の候補の気持ちを代弁したものと考えれば、意味があるのではないでしょうか。(他の候補が、同じことを言った場合、マスゴミは扱うでしょうか)
更に蛇足ですが、石丸候補は「今後は国政に出ることも、選択肢の一つだ。例えば、岸田総理の選挙区から」と発言したそうですが、こう言われれば、マスゴミも扱わざるを得ないのではないでしょうか。
毎度、ばかばかしいお話を。
蓮舫候補:「選挙で負けた野党候補のことを、いつまでも、あれこれ批判するのはオカシイ。世の中、間違っている」
言いそうだな。
もしかして、今回の東京都知事選で蓮舫候補が石丸候補に負けたことを、蓮舫候補支持の高齢者は、この事実を受け入れないのではないでしょうか。
>立憲民主党がコメント
蓮舫氏は都知事選挙前に既に離党された方であり、立憲民主党とはもはや何の関係もございません。現在問題視されている『小汚いRマークステッカー』の不法貼付につきましては、立憲民主党としましては一切関係はございませんので、当方へのご批判をお止めいただきますようお願い申し上げます。当方へのご批判には【まったく意味がわかりません】
これ、岡田屋のボンボンあたりが言ってくれるとうけませんかね?
ステッカーのロゴ(斎場文様)は、シャツのロゴ(落選カードマン)とは全く別物なので関知しない、とか言い出したりして。
https://twitter.com/agristation/status/1810088307260588098
ANNのは、事前活動幇助放送のイメージを払拭したいかのようですね。
恒久の願いを綴った笹飾りも、現世での七夕送り《川流し》は不法投棄。
平たく言えば『祭りのあとを、あとの祭りにしてはいけない』ってこと。
・・なのかと。
以前のお店で脱糞民主党騒ぎの時みたいに
臭いものにふた な展開は避けてほしいではあります。
「まったく意味が分かりません」が流行語のせめてノミネートにはなりますように・・
そうですか・・・地上波で取り上げられましたか。。。
そう考えると、やはりR4は立憲民主党のお荷物で、切られた可能性が高いですね。
このまま共産党に入ればいいのに、と思う。
小池氏の落選を画策して
リークとかいろいろやってた
都職員組合が回収すればよかろう
超過勤務手当要求するなよ
大炎上の『Rシール』問題への
蓮舫氏と事務所の対応を私は
ちょっと違った角度から鑑賞しています。
蓮舫氏本人の
「まったく意味がわかりません」?という
開き直り発言も、
蓮舫氏事務所の
うち関わってないけど剥がしてね風の
遅きに失した火消し発言についても
多くの一般国民からは、
理解できないどころかむしろ
ヘタをうって傷を深くするように映り
心配さえしてあげそうになります。(^^);
ただ、よく観察すると、
この本人と事務所の発言には、
さすが一度は偏向マスコミの力を借りて政権まで取り、
国民の怒りを買ってあっとい間に叩き出されたのに
今日までの長きにわたって生きながらえてきた
したたかさと戦略の奥深さに逆に感心さえしまいます。
まず、
蓮舫氏個人の発言については
多くの国民からは顰蹙ものであっても
もしアノ場で素直に認めて謝罪してしまっては
彼女のコアな支持層からは
「なんでまじめに謝っとんじゃ!
がつんとやり返し足らんかい!」的に
不満が募って求心力を失ってしまうので
謝ったほうがよくても謝まれないという
苦しい事情があったと推察します。
しかしながら、一方で
いいこぶりっこして無党派層をなだめないと
今回は取り込みに失敗したとはいえ
実は少数なコアな支持者だけでは今回のように
ニ位もだめなんです 状態になってしまうので
前述の通り本人の 謝まレンホ-状態 に代わって
事務所垢での発表という陣立てを取ったと分析します。
以上から、善悪別にすると
惨敗のあとの退却戦として
コアな支持者の離脱阻止と
次回無党派層籠絡に向けた
彼らなりの次善で最上の
ダメージコントロールなんだなあと
鑑賞しています。
私も同意見です。共産党メインの支持層はこういう”お祭り騒ぎ”を
やりたくて仕方がないので、「いや、そんな事しちゃダメです!」と
言ったら「フザけんな!」と言う反応が返ってくるかと思われます。
なので今更「蓮舫側は何の関与もしていないけど、シールは剥がしてね」と
棒読みで言う事が蓮舫陣営にとってのギリギリの妥協点なのかと。
本人ではなく事務所に言わせるあたりが涙ぐましい工夫を感じさせますね。
そういう手法を、広義な慣用句で
「大本営発表」
と呼ぶような気がしますよ。
「手前味噌」とか
「自画自賛」なんかも似た臭い。
事故脱線した高速鉄道を土中に埋めてしまう、ような思考回路かな。
無謬性が世界のすべて。