NEWSポストセブンは11日付の記事で、米メジャーリーグの大谷翔平選手はフジテレビ、日本テレビの報道などによって知られてしまった新居への入居を諦め、それを売却する意向を持っているとする球団関係者の発言を報じました。これが事実なら、メディア報道で野球選手に実害が生じた格好です。フジテレビ、日本テレビが大谷選手にいかなる賠償をするのか(あるいは何もしないのか)については、気になるところです。
大谷翔平選手の新居報道事件
以前の『選手のプライバシーを知りたがるのは「読者の本能」?』で取り上げたのが、とあるメディア関係者の、こんな話題です。
大谷翔平を激怒させたフジテレビと日本テレビ…もっと問題なのは、情けない関係修復の仕方だ
―――2024/06/30 09:06付 Yahoo!ニュースより【日刊ゲンダイDIGITAL配信】
これまたなかなかに強烈な記事です。配信したメディアは『日刊ゲンダイ』で、執筆したのは『週刊現代』『フライデー』元編集長という肩書の人物なのです。
記事では米メジャーリーグ・ドジャーズの大谷翔平選手の新居をフジテレビ、日本テレビのワイドショーなどが大々的に報じ、これに対し大谷選手の側が「激怒」した、などと伝えられている件に関連し、両局の「報道の仕方に問題があったのは間違いない」としつつも、なんと、こう述べるのです。
「だが、大谷側が激怒して2社の取材パスを凍結し、自分の映像を使用不可にしたというのは、私には理解できない」。
「土下座してでも大谷との関係を修復せよと、上から厳命されているようだが、これではジャーナリズムが入り込む余地など全くない。取材対象に媚びへつらうだけが記者の仕事なのか」。
以前から指摘している通り、「大谷選手が両局に対する取材パスを凍結した」云々のくだりについては誤報という可能性もあるのですが、それはともかくとして、自宅を含めた選手のプライバシーを嗅ぎ回ることが、この人物のいう「スポーツジャーナリズム」とやらなのだとしたら、それはそれで新鮮な驚きであり、衝撃です。
他人のプライバシーを嗅ぎ回るのが「読者のニーズ」?
ただ、それ以上に衝撃的な記述が、これでしょう。
「12億円の豪邸や26億円ともいわれるハワイの別荘がどのようなものなのかを知りたいと思うのは、人間の『本能』である。読者、視聴者の欲求にこたえるのはメディアの重要な役割でもあるはずだ」。
「プライバシーを守りたいのなら、大谷夫妻はドジャース球場に付設している『宿泊施設』にでも寝泊まりしたらどうだろう。警備を厳重にしてもらえばプライバシーは保てるだろうし、『さすが大谷、野球一筋』と称賛されること間違いない」。
大変申し訳ないのですが、この記述、個人的には1ミリも共感できません。そもそも論として、「野球選手の豪邸を『本能として知りたいと思っている』」というのは、正直、この記事を執筆しているご本人のことであって、「読者、視聴者」ではないような気がしますが、いかがでしょうか?
もちろん、本稿をお読みの方のなかに、「この記述に100%共感できる」と考えている方もいるかもしれませんが、それは個々人の自由ですので、「どうぞご勝手に」としか言い様がありません。
あくまでも個人的な感想ですが、野球ファンの多くが大谷選手について関心を持っているのは、ご本人がどんな「豪邸」に住んでいるか、ではなく、ご本人がどんなプレイをするか、ではないかと思いますし、こうした感覚は、あながちおかしなものではないはずです。
それに、あくまでも一般論でいえば、スポーツ選手は著名人かもしれませんが、試合とはまったく無関係なプライベート(住居や結婚相手、飼っているペットの名前や姿など)に関する情報については、守られる権利があります。
また、大谷翔平氏は「野球のプレイが素晴らしかったから」有名になったのであり、野球と無関係な要素(容姿や普段の行動)については、ご本人がそれを「ウリ」にしてでもいない限り、ことさらに取り上げるのはご本人に対し失礼です。
とりわけ野球選手のなかには、芸能人などに混じってテレビの番組に出演するのを好む人もいます。
そして、それはその選手にとって、自分を社会全体に売り込むためのアピール手段のひとつであるため、無碍に否定されるべき行動でもありません。なかには野球選手を引退後に、スポーツ解説者や芸能人などとして生計を立てていきたいと思う人もいるでしょうが、それはあくまでもその個人の選択です。
大谷翔平氏自身が、日本のメディアに積極的にプライベートを明かそうとしているフシがないこと、また、日本のメディア関係者のレベルの低さ(『野球選手の記者会見で「結婚予定」を尋ねる日本の記者』等参照)などを踏まえると、想像するに、大谷選手はむしろ、メディアへの露出を嫌がっているのではないでしょうか。
いずれにせよ、このあたりはたんに芸能・スポーツ記者の問題というよりも、もう少し広く、マスメディア業界の「中の人」の専門性の欠如、倫理観の欠如、あるいは社会常識の欠如、といった問題ともつながってくるような気がしてなりません。
NEWSポストセブン「大谷選手がLAの自宅売却意向」
さて、この「著名選手のプライベートをこそこそ嗅ぎ回ることがメディアの役割」とでも言いたいかのような記事を改めて読んだ直後で恐縮ですが、小学館が運営するサイト『NEWSポストセブン』に11日付で、こんな記事が掲載されていました。
《フジ、日テレの新居報道騒動が新展開》大谷翔平、ロスの「12億円豪邸」を売却の意向「もうあそこには住めない」と怒りの決断か
―――2024.07.11 07:00付 NEWSポストセブンより
記事タイトルでも想像がつきますが、大谷翔平選手が購入したばかりの新居を売却する意向を示している、というのです(ちなみに「ロス」とはではなくロサンゼルスのことだそうです。日本のメディアはしばしば、ロサンゼルスのことを「LA」ではなく「ROSU」と略すようです)。
NEWSポストセブンは「球団関係者」の話として、こう報じています。
「球団関係者によれば、大谷はせっかく購入した12億円豪邸についても『もうあそこには住めない』と話し、新居に引っ越さないまま売却する意向を示しているというのだ」。
現在のところ、報じたメディアが(見たところは)NEWSポストセブンだけらしいので、この記述をもって大谷氏が新居の売却に追い込まれた、などと判断するのは早計かもしれません。ただ、仮にこれが事実だったとすれば、メディア報道が実害をもたらしたという実例が、もうひとつできたことになります。
NEWSポストセブンの記事では、大谷選手の自宅の「購入が伝えられて約1ヵ月半が経とうとしている」なか、「大谷(選手)がその新居に引っ越す様子はない」と指摘。そのうえで、「球団関係者の話」として、こんな発言を紹介しています。
「現状、家の持ち主はまだ大谷選手の不動産管理会社『デコピンLLC』となっていますが、売却の方向で調整しているそうです。引っ越し前から情報が漏れてしまったという経緯もあり、大谷選手サイドは不動産会社の情報管理体制に不信感を抱いた。『責任を持って売却先を探してほしい』と要望していると聞いています」。
LAの治安悪化を考えれば、ある意味で当然?
この情報が事実なら、ではいったいなぜ、大谷選手はここまで神経質なのでしょうか。
NEWSポストセブンの記事は、こう続けます。
「大谷が神経質になるのは無理もない。いまロス<注:LAのこと>では、集団強盗が急増して社会問題になっているからだ。特に狙われているのがセレブ層で、大谷の同僚たちも被害に遭っている」。
「被害に遭った大谷選手の同僚」として、NEWSポストセブンが挙げるのは、ドジャーズの主力選手のひとりであるマンシー選手の事例です。
「試合後、家族と一緒にスタジアムから帰る道中に車の中で携帯電話に入れてあったセキュリティーシステムのアラームが鳴った。防犯カメラには複数の犯人が自宅に侵入して室内を物色している様子が映っていたといいます」。
このあたり、私たち日本人にとって、米国、とくにカリフォルニア州やLA市内における治安状況については想像が追い付かない部分もありますが、現地で活躍する大谷選手にとって、「メディア報道のせいで自宅を知られてしまうこと」は、恐怖でしかないのかもしれません。
とりわけ「野球選手は遠征が多く、自宅に妻子を残していくことも多い」(在米ジャーナリスト)なかで、「間取りから住所まで、世界中に知れ渡ってしまった新居」に入居するのが難しいというのは、ある意味では当然の話かもしれません。
いずれにせよ、フジテレビや日本テレビを含め、ここ最近、テレビ局や新聞社などの不祥事を目にする機会がめっきり増えた気がしますし、これは新聞・テレビが最近になって急に腐敗したからではなく、ネットの普及で新聞、テレビの不祥事が拡散しやすくなっているからではないかと思えてなりません。
本件NEWSポストセブンの報道が事実ならば、フジテレビや日本テレビは、損害を被ることになる大谷選手に対し、いかなる賠償をするのでしょうか(あるいは賠償せずにダンマリなのでしょうか)?
気になるところです。
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ま、どーせ件の“元編集長”だかは『それも有名税』だナンだとヌカスんでしょーナ
アーヤダヤダ
大谷サンもせっかくアメリカ合衆国に居るんだから損害賠償訴訟起こせばマスゴミに懲罰的賠償とか課されるかも??
懲罰的賠償でテレビ局が倒産する流れですね
従業員の退職金も給料も払わずに会社解散
フジテレビや日本テレビは、(多分)いかなる賠償もしないでしょうね。
どこぞの蓮舫さんの小汚い貼り紙事件のように『意味わかりまへん』ってね。蓮舫さんも元々この業界の出ですし、この界隈の方々の精神を含めた親和性は極めてよろしいようなので(平たく言えば同じ穴のムジナ?)、そう思ってしまいました。
フジテレビ社長がこの「事件」に対して、口頭で謝罪らしきものを述べてました(日本で)。でも、まさかそれでオワリ、じゃないでしょう。大谷翔平選手は、今やジャッジ選手らと共にMLBの顔です。家族の事とか、趣味嗜好とか住居などを暴くのは、プライバシー侵害、また公序良俗に反します。謝罪より「もう貴社とは応じない、出入禁止」と球団が守るべきでしょう。どんな事件事故に遭うか分からない。だいたい、野球選手で米国で成功を収めた方は、無口かマスコミ嫌い(になってしまう)か野球一筋アスリートです。日本でもそのスタイルを貫いた人が渡っている。
野球以外、分からないですが、私はメジャーリーグ挑戦のパイオニアは野茂英雄投手と思う。こればかりは動かせません(笑)。マッシーも居たけど。近鉄で監督と全くそりが合わず、変な形で退団した。で、米国でも新人王、日米通算200勝。
次いでイチロー選手。ライフタイムは言わずもがな。その後に現れたのが大谷翔平選手。もちろんダルビッシュ有投手とか長谷川滋利投手とか松坂投手とか田中マー君とか居るのは分かってますが、時代のインパクトという点でこの3人だと思います。で、野茂投手にしろイチロー選手にしろ大谷翔平選手にしろ、ケタ外れ規格外のプレーヤーです。ハッキリ言って、喋ったり、笑顔が出ない場合もあります(多いです)。大谷選手はまだ良いほうです。「真剣にやっているのに、何故笑わないかんのですか?」というコメントを聞いたことがあります。
ましてや家族の事や趣味嗜好、住まいなんて、今の世の中は絶対にオープンにしてはいけない。最初の元記者さんは競馬好きなのか「タメ口で話せるよう努力」なんて言ってますが、それこそ昭和の化石時代の接し方です。スーパープレーの後、読者は何を一番知りたいか、その時何をプレーヤーは感じたのか。この辺がキモじゃないですかねぇ。そのピンポイントでの切り口でのフレーズなら、選手は心を開いてくれるかもしれない。ダメもとです。またやり方を変えればいいだけ。
大したボキャブラリーも知恵の引き出しも少なく、あろうことか無断で侵入したり隠し撮り、売れるから勝手に公表なんて、マスコミは本当に落ちぶれた。翔平さん、この際ロサンゼルスなんて危険な場所(日本よりは)で大邸宅を構えるより、超一流ホテルスィートをフロア貸し切り、屈強警備付き、ご夫人と愛犬が遊べるプライベート公園(あるかな?)を借りてはいかがでしょうか?
一箇所引っ掛かってシマイマシテ…
>>マスコミは本当に落ちぶれた
ある程度高さのあるトコロからでないと“落ち”ないンぢゃないかと思って…
瓦版時代から首尾一貫連中の立ち市場はそない高いトコやないんちゃうかな…と
あー個人の感想デス
引っ掛かったオタク様
失礼しました。ちょっと軽率な表現を認めます。「マスコミは瓦版の時代から、常識外れの乱行を重ね、反社の片棒担ぎ」ですね。消え去って欲しいものです。
>読者、視聴者の欲求にこたえる
カネになるコトなら何をしても良い業界。
だから、損害賠償などのコストはあり得ない。
マイナンバーカードの個人情報ガー
って批判するのは自分基準で考えているからかな?
元編集長はこういう人間なのに編集長だったのか?
こういう人間だから編集長になれたのか?
こういう人間が出世できる講談社という組織ていったいなんなんでしょう・・?
そんな人物が「マスコミの代弁者」としてこの記事を出したのも、講談社の子会社である日刊ゲンダイですからね。
如何に、マスコミが腐敗しているかが分かると思います。
講談社と言えば、鈴木貫太郎内閣の陸軍大臣だった阿南惟幾陸軍大将のお孫さんである野間省伸氏がが社長に就いている訳ですが、祖父が何とかして日本の守ろうとしていたのを、全否定をして腐しているのが講談社と日刊ゲンダイですからね。
nanashi 様
日刊ゲンダイもこのような記事を配信して世間一般から
「そうだそうだその通りだー!」と反応が返ってくるはず
の感覚もすごすぎますね・・うん、腐ってます。
人様のプライバシーを知りたがるゲスな読者の欲求に答えるのが使命というなら
そういう仕事はまさに賤業といえますね
>本件NEWSポストセブンの報道が事実ならば、フジテレビや日本テレビは、損害を被ることになる大谷選手に対し、いかなる賠償をするのでしょうか(あるいは賠償せずにダンマリなのでしょうか)?
『引っ越し前から情報が漏れてしまったという経緯もあり、大谷選手サイドは不動産会社の情報管理体制に不信感を抱いた』ともあるので、今回は不動産会社側が負担するところかなと。
二回目は報じたメディアと漏らした不動産会社?の折半ですかね。
フジテレビはもう一度形だけの謝罪(しかも代表者ではなくアナウンサーと言う名の
台本読み人形)、日テレは今回も完全黙秘じゃないでしょうかね。
新聞程ではないにしろ、テレビ業界だって右肩下がりなんだから、
「余計な金を払った」と言う前例が出来たら同業者から袋叩きになるでしょう。
マスコミの自身の不祥事に対する今までの対応を見る限り
賠償せずにダンマリが鉄板だと思います