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    Categories: 金融

せっかくの七夕…「新鮮な命名」見て涼を取りましょう

本日は、7月7日です。古来の伝承では、ベガさんとアルタイルさん(物理的な距離は15光年)が年1回、本日に会える日なのだそうですが、現実に15光年離れているため、本日だけ両者が会い、また元の場所に戻っていくのは非現実的であり、大迷惑です。こうしたなか、過去に「輝星」とかいて「べが」さんと読むという命名を取り上げましたが、七夕にちなみ、空に関わる名前やその他無関係な名前を改めて確認してみたいと思います。

参考資料:「命名 金星(まあず)」

7月7日といえば、1年に1回、ベガさんとアルタイルさんが出会う日であるとされており、日本では願い事を書いた短冊を笹に吊るしておく、という習慣があります。

これが転じたのか、著者自身、12月24日が近くなると、商業施設を中心に、そこここに生えて来るモミノキにも、願い事を書いた短冊が吊るされているのを見たことがあります(しかも複数回)。

個人的にはこうした文化のアレンジ、嫌いではありません。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

さて、今年の7月7日といえば、普段にも増して東京は暑苦しくなっているようですが、夜空を見上げてみると、たしかに日本の夏空に「大三角」―――ベガ、アルタイル、デネブ―――は目立ちます。

国立科学博物館のウェブサイト『七夕の星は本当に会えるのですか?』によると、これらのうち、地球からの距離は、ベガが25光年、アルタイルが17光年だそうですが、2つの星の間は15光年離れているため、「7月7日だけお互い接近してまた離れる」ということは難しそうです。

ちなみにそれぞれのスペックは、太陽と比べ、ベガが質量2.2倍・明るさ50倍で、アルタイルが質量1.8倍・明るさ11倍だそうです。ということは、ベガの方がアルタイルよりも重くて明るい、ということであり、そして、いずれにせよ、地球に近づくと大変に迷惑だ、ということでもあります。

そして一説によると、ベガさんもアルタイルさんも、自転周期が非常に短く、ベガさんが13時間、アルタイルさんが9時間ほどだそうで、どちらも遠心力の影響でしょうか、形状は真ん丸ではなく、極に向かって潰れたような形状だそうです。

こうしたなかで、ベガ、アルタイルの両者に本稿で敬称を付けているのには理由があります。

以前の『「輝星(べが)君の改名問題」について考える』でも取り上げたとおり、「ベガ」や「アルタイル」自体、個人名に使われている可能性があるからです。

実際、最近、著者自身が耳にしたことがある個性的なお名前を列挙していくと、なかなかに新鮮です。

  • 兎良(ばにら)
  • 揺無(ゆるぎな)
  • 恋空(るあ)
  • 金星(まあず)
  • 雪(あな)
  • 輝星(べが)
  • 七音(どれみ)
  • 主人公(ひいろう)
  • 諸星(らむ)
  • 赤彗星(しゃあ)
  • 混乱(まぜらん)
  • 今鹿(なうしか)
  • 海月(みづき)
  • 心太(しんた)
  • 遊女(ゆな)

…。

個人的には「輝星(べが)」さん、「金星(まあず)」さん(金星ならば「ウエヌスVENUS」や「アプロディーテーΑΦΡΟΔΙΤΗ」ではないか、といったツッコミは脇に置きます)などが非常にツボってしまっていますが、こうやって見ると宇宙や大自然などに関わる命名は最近の潮流なのかもしれません。

ちなみに「諸星(らむ)」さんや「赤彗星(しゃあ)」さん等の事例も、広い意味では宇宙と関わりそうです。

なお、どうでも良い論点ですが、これらの命名の一部についての解説は以下もご参照ください。

兎良♀

ばにら。「兎」を「ばに」、「良」を「ら」と読んだものか。「兎」を「ラビット」ではなく「バニー」と読む時点で想定外であり強烈。いわゆる「豚切り」系。読めない。

揺無♂

ゆるぎな。漢文の素養があれば「無揺」ではないか、といった指摘もある模様。読めない。

恋空♀

るあ。「恋」の音読み「れん」を無理やり「る」と読ませたうえ、「空」の訓読み「あ(く)」をぶった切ったものか。読めない。

金星♂

まあず。いわずと知れた珍名の代表格。ちなみに火星を意味するラテン語の「マールス」(Mārs)は男性の軍神であるため、男の子に付けるのは間違いではないとの説もあるが、「金星」だと女性の美の女神(ギリシャ語でアプロディーテー、Ἀφροδίτη)を意味するため、あまり男の子に付けるべき名ではないかもしれない。

雪♀

あな。某人気映画の主人公に由来か。一部では「どうせ『あな』と名付けるなら『雪』ではなく『全日空』にしたら?」といった指摘もある模様。読めない。

七音♀

どれみ。7音階(和「ハニホヘトイロ」、英「CDEFGAB」)のイタリア語読みの最初の3音階をとったものか。読めないだけでなく教養もない。

主人公♂

ひいろう。一般に英語で物語の男性主人公を「ヒーロー」と呼ぶことがあるようであり、決して間違っているわけではない…のかな?

いずれにせよ、本日も東京地方は暑苦しい1日となりそうですが、きっと午後8時ごろには非常に清涼な話題を目にすることができるのではないか、などと思う次第です。

新宿会計士:

View Comments (27)

  • 近未来に、「「この名前は読めない」と言っていた某会計士がいたそうだ」と言われる可能性も、あるのではないでしょうか。

    • 昔は「小鳥遊」と書いて「たかなし」と読ませることを批判する人もいたのでしょう。(もしかして、今も)

  • >午後8時ごろには非常に清涼な話題を目にすることができるのではないか

    某候補:結果(今日、三等=kyousantou)を踏まえ、今後の身の振り方を考えます・・。

    • 某候補とは、日本時のフリをした「中華人民、今日、倭国」の人ですか?

      • そうですね。

        「赤いニ(ほ)ンジン」に政治は任せられないんですよね。
        外国人参政権(=foreign carrot regime?)に反対します。

  • 「覇王」と書いて「らおう」と読むとか、

    「強敵子」と書いて「ともこ」と読むとか

    中々出て来ないですね。

  • 「一二三」または「三度」と書いて「どれみ」と読ませれば、教養あるんだかないんだか分からなくなりますね。

  • >そこここに生えて来るモミノキにも
    やはり笹のほうがよろしいかと。
    爺のいやみです。

  • 新宿会計士さまは、「アルタイル君とベガ嬢は15光年離れているから、7月7日の夜の逢瀬は叶わぬ」とおっしゃいます。しかし、古来より人々は若者のこの願いをなんとか叶えてさせてあげたいと努力してきました。

    『淮南子』に、「鳥鵲填河成橋度織女」とあります。鵲が天の川の上でつばさを広げて橋を作り、織女を渡してあげたのだそうです。『荊楚歳時記』にも同様の話が載っています。

    日本でも、七夕の祭事は奈良時代八世紀の初めには行われていたようです。なぜか、日中は相撲、夜は七夕の二本立てのスケジュールだったもよう。

    なお、鵲は腹部が白い黒い鳥で、尾が長い。中国では縁起の良い(吉報を知らせる)鳥とされる。北宋の崔白「双喜図」(台湾故宮博物館蔵)には、鳴く二羽の鵲と驚いて振り向くうさぎが描かれている。

    http://jeai.edu.yamaguchi-u.ac.jp/Vol-01/no-1.pdf

  • 主人公でヒーローと読むよりも、英雄と書いてヒーローと読んだ方が良いように思います。
    ところで、令和7年5月に改正戸籍法が施行されると戸籍にも氏名の読み仮名が記録されるようになり、読み仮名が公的に証明されるようになります。
    現在は読み仮名を公的に証明するものは実は何もありません。ちなみに、住民票に記載されている読み仮名は行政が業務の便宜上ふっただけという位置付けなので、読み仮名を証明しているわけではありません。本人から自治体に申出があれば自由に変更が可能です。行政ではそのように運用されてます。
    なので、令和7年5月より前に生まれた方は実は氏名の読み仮名は自由に変更ができます。証明するものが何もないので。
    金星と名付けられた人も、オレは「あまず」ではなく、「きんせい」だと主張すれば「きんせい」と読んでもらうこともできてしまいます。今、英雄と書いて「ひでお」と読んでいる人もオレのことは「ヒーロー」と読んでくれと主張すれば「ヒーロー」になれます。

  • ゆなチャンはアマリニモかわいそうにおもいました。

    ししゅんきになったらどのようにかんじるかです。

    • 悪意の有無にかかわらず、そのことで子が抱く負の感情の責任は名付け親のものですね。

    • 「あな」もずいぶんだと思いますよ。これ、女の子の名前なんでしょ?

      • 子供の同級生に実際に「ゆな」がいますが、思春期になったとしても同世代の友人達は「ゆな」から「遊女」や「湯女」を連想しないと思います。現在使われている言葉かと言うと違いますし。

        しかし「あな」は、そのまんま「穴」ですからね。。。

  • 兎良は後ろに女偏をつければ名前の意味は伝わりそうですね。
    今鹿(いましか)は小学校に上がった頃には、あだ名でイジメにあいそうです。

    • ナウシカと呼んで貰えずにいましか呼ばわりされて、そのうち○ましか呼ばわりされる可能性が出る未来が、ただの妄想であることを願ってやみません

      • 難読・判じ物ではなくとも、流行り物から付けた名前は、当該流行り物が忘れられたり評価がひっくり返ったときが恐いですね....

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