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【お詫び】日韓往来に関する昨日の記事を差し替えます

数値の重要さを自称するサイトでありながら、当ウェブサイトでは昨日、誤った数値をもとにした議論を展開してしまいました。謹んで深くおわび申し上げます。ただ、結論的には、「日韓の相互往来については、日本人の訪韓需要の戻りは不十分だ」という部分については変わりません(あくまでも結果論ですが)。いずれにせよ、数値で検証することの重要性については、改めて強調しておきたいと思う次第です。

読者の皆さまへのお詫び:数値の間違いにつきまして

本稿冒頭では、まず、読者の皆さまに、深くおわび申し上げなければならないことがあります。

昨日の『「GWの渡航先として韓国が人気」記事を検証してみた』では、日韓の観光統計データをもとに、日本に渡航する韓国人と、韓国に渡航する日本人を比べ、前者が後者を大きく上回っているわりに、訪韓日本人はさほど増えている形跡がない、とする趣旨の記事を掲載しました。

しかし、著者自身の単純ミスにより、肝心の引用する数値自体を間違っていて、本来ならば2024年5月の数値を引用すべきところ、誤って2023年10月の数値を引用してしまっていました。

このため、こんな図表を、「2019年5月と2024年5月の比較表」として掲載してしまった次第です。

図表1 【誤】訪韓外国人(2019年5月→2024年5月)
人数の変化 増減・増減率
1位:日本 286,273→255,092 ▲31,181(▲10.89%)
2位:中国 429,654→223,319 ▲206,335(▲48.02%)
3位:米国 95,815→115,763 +19,948(+20.82%)
4位:台湾 101,779→96,845 ▲4,934(▲4.85%)
5位:タイ 52,660→46,482 ▲6,178(▲11.73%)
6位:ベトナム 44,416→46,026 +1,610(+3.62%)
7位:フィリピン 50,569→43,298 ▲7,271(▲14.38%)
8位:香港 56,186→40,684 ▲15,502(▲27.59%)
9位:シンガポール 20,114→34,710 +14,596(+72.57%)
10位:マレーシア 31,217→33,321 +2,104(+6.74%)
その他 317,001→294,359 ▲22,642(▲7.14%)
総数 1,485,684→1,229,899 ▲255,785(▲17.22%)

(【出所】韓国観光公社データをもとに作成)

正しい数値に差し替えます

「訪韓外国人はコロナ前と比べ、まだ十分に戻っておらず、とりわけコロナ前にトップだった中国人入国者が2位に転落し、トップの日本人も、ゴールデンウィークであるにも関わらず、2019年5月と比べて訪韓者数はへったままである」。

こんなことが読み取れる図表です。

この点、上述の通り、ここでは誤って2024年5月の数値ではなく、2023年10月の数値を持ってきてしまっているため、そもそも図表自体が誤っていますが、結論部分については(結果論ですが)全面的な差し替えとまではいたらないようです。

ここで、図表1を正しく書き換えたものが、図表2です。

図表2 【正】訪韓外国人(2019年5月→2024年5月)
人数の変化 増減・増減率
1位:中国 429,654→376,336 ▲53,318(▲12.41%)
2位:日本 286,273→278,423 ▲7,850(▲2.74%)
3位:米国 95,815→122,694 +26,879(+28.05%)
4位:台湾 101,779→116,956 +15,177(+14.91%)
5位:香港 56,186→45,195 ▲10,991(▲19.56%)
6位:フィリピン 50,569→44,686 ▲5,883(▲11.63%)
7位:ベトナム 44,416→38,778 ▲5,638(▲12.69%)
8位:シンガポール 20,114→37,306 +17,192(+85.47%)
9位:インドネシア 18,936→31,739 +12,803(+67.61%)
10位:タイ 52,660→28,723 ▲23,937(▲45.46%)
その他 329,282→297,627 ▲31,655(▲9.61%)
総数 1,485,684→1,418,463 ▲67,221(▲4.52%)

(【出所】韓国観光公社データをもとに作成)

いかがでしょうか。

先ほどの図表1と比べて異なっているのが、訪韓外国人のトータルと入国者の国籍別ランキングです。

これによると訪韓外国人のトップは中国人の376,336人で、コロナ直前の2019年5月の429,654人と比べれば53,318人落ち込んでいますが、それでも訪韓需要のトップが中国人ということは、中国人観光客が韓国に戻って来ていることは間違いなさそうです。

訪韓日本人はコロナ前の水準に満たず

次に大きく異なっているのが日本人です。

2024年5月における日本人の訪韓者数は278,423人で、中国人に続く2位に留まり、また、コロナ前の2019年5月と比べて7,850人減と、訪韓日本人数はコロナ前の水準に微妙に満たないことがわかります(その意味で、「日本人の訪韓需要が戻っていない」という昨日の結論は、結果的に変わりません)。

続いて、2025年5月の訪日外国人(A)と訪韓外国人(B)を比べ、「AとBの倍率が2倍以上だ」、などとする議論を掲載しましたが、これについても再掲しておきます(図表3)。

図表3 【誤】2024年5月の訪日外国人vs訪韓外国人
訪日外国人(A) 訪韓外国人(B) A÷B
相互往来 738,800人 255,092人 2.90倍
中国 545,400人 223,319人 2.44倍
米国 247,000人 115,763人 2.13倍
台湾 466,000人 96,845人 4.81倍
香港 217,500人 40,684人 5.35倍
その他 825,400人 498,196人 1.66倍
合計 3,040,100人 1,229,899人 2.47倍

(【出所】JNTO、韓国観光公社データをもとに作成)

この図表も、前提となる数値が誤っているため不正解で、これを正しく書き換えたものが図表4です。

図表4 【正】2024年5月の訪日外国人vs訪韓外国人
訪日外国人(A) 訪韓外国人(B) A÷B
相互往来 738,800人 278,423人 2.65倍
中国 545,400人 376,336人 1.45倍
米国 247,000人 122,694人 2.01倍
台湾 466,000人 116,956人 3.98倍
香港 217,500人 45,195人 4.81倍
その他 825,400人 478,859人 1.72倍
合計 3,040,100人 1,418,463人 2.14倍

(【出所】JNTO、韓国観光公社データをもとに作成)

ただし、日韓の外国人観光客の格差は3倍から2倍に縮小するものの、あくまでも結果論ですが、「訪日外国人が訪韓外国人を大きく上回っている」という傾向については変わりません。

とりわけ「日韓の相互往来」に関しては、訪韓日本人を訪日韓国人が2.65倍も上回っているということであり、結論的には、昨日の議論の趣旨は変わらないようです。

数値で検証することの重要性

いずれにせよ、昨日の記事で報告した、「『「GW人気渡航先は韓国」の実情』で取り上げた、韓国メディアや一部の日本のメディアを中心に流れていた『ゴールデンウィークの渡航先として韓国が大人気だ』などとする話題の検証結果」に関しては、正しい数値を使っても、結論はあまり変わりません。

いや、厳密にいえば、韓国にとっての最多入国者が日本人ではなく中国人になってしまったため、韓国にとっての日本人観光客の重要性は、昨日の議論と比べてむしろ低下することになってしまいます。

いずれにせよ、「ウェブ評論サイト」を自称していながら誤った数値を引用してしまうという姿勢は論外であり、この点についてのご批判は謹んでお受けしたいと思いますが(Xなどにポストしていただいても構いません)、数値で検証してみることが大事だ、という点については、改めて強調しておきたいと思う次第です。

新宿会計士:

View Comments (4)

  • 多くの表現は、反意を含むものです。

    >『ゴールデンウィークの渡航先として韓国が大人気だ』

    ゴールデンウィークの渡航先として韓国が大人気だ、意外だなあー!って、感じで受け取っていました。
    何が面白くて、わざわざ行くものやら、と。
    多分、書いた人も、低意としてそんな意識があったから、書いたんだろう、と。

  • 新宿会計士様の過去の記事「韓国さん、トランジットで入国者数を水増ししていませんか?」でもご指摘されていたように、日本(特に地方都市)から仁川空港を利用して海外へ行く日本人もカウントアップしてますよね。
    私の住んでいる所も仁川空港経由の方が、安いし時間もかからない。

    福岡の地方TV局は毎週のようにソウルの街並み(繁華街)を放送し観光PRをしています(苦笑)。 そこで気付くのは外国人が少ないこと。 東京や大阪とは比べものなりませんし、もしかしたら福岡市より少ないと感じます。 あっ、ここは韓国人がワンサカいますよ。

    GW前やGW中の国際空港のアンケートではハワイや南欧が人気なのですがね・・・。