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都知事選の某候補の離党演説でなぜ聴衆を写さないのか

渋谷ハチ公前の演説では、多数の聴衆がいるかのように見せつけるかのように、聴衆に焦点を当てた写真を投稿する一方、離島での演説では聴衆自体をほとんど写さない―――。そんな候補者を見ていると、なんだか「セコい」という気がしてなりません。そんな同陣営がX(旧ツイッター)に投稿している内容を見ていると、選挙違反ではないかと思しき事例も多いのですが、そんな候補者に有権者はどんな審判を下すのでしょうか。

東京都知事選…混雑の交差点前の演説とは?

当ウェブサイトでは基本的に、なかば意図的に、地方選の話題についてはあまり詳しく取り上げないようにしていたフシがあります。

ただ、現在行われている東京都知事選に関しては、さまざまな論点があるため、どうしても取り上げざるを得ないです。

そのなかでも個人的に注目しているのが、「とある候補者」の選挙演説です(バレバレかもしれませんが、いちおう、本稿ではその候補者名については伏せたいと思います)。

この候補者は告示日(6月20日)以前から選挙違反を繰り返していたのではないかとの疑惑が浮上している(『選挙違反の通報方法を警視庁の窓口に電話で聞いてみた』等参照)ことでも知られていますが、それだけではありません。

選挙活動のやりかたが、何かと「セコい」のです。

その一例が、これかもしれません。

XX氏“渋谷ハチ公前ジャック”に非難轟轟「大半が信号待ち」「だいぶ迷惑」「印象操作やばい」

―――2024/06/24 16:47付 Yahoo!ニュースより【SmartFLASH配信】

多くの聴衆?いやいや、もともと人が多い広場ですよ!

本当は、候補者本人のウェブサイト、あるいはその事務所のX(旧ツイッター)アカウントのポストなどを見ると、もっとわかりやすい写真がほかにもいくつか上がっているのですが、それらについては(いちおう)著作権の都合もあろうかと思いますので、ここではメディア報道(『スマートフラッシュ』の記事)を紹介します。

(※なお、記事タイトルや本文には候補者本人の名前が出ていますが、引用に当たっては名前を伏せたいと思います。)

これによるとこの候補は22日(土)、東京・渋谷駅前のハチ公前広場で演説を行い、翌・23日にはやはり錦糸町、池袋と「人が多く集まる駅前で演説」を行った、などとされています。

ただし、すでにXなどで話題になっている通り、この候補者が演説を行った場所(とくにハチ公前広場)は、いずれも普段から人でごった返すことで知られており、実際、Xに投稿された写真などで確認しても、明らかに演説に目を向けていない人も多く確認される、という代物でした。

「多くの聴衆が演説に詰めかけた」、などと印象付けたいのかもしれませんが、正直、逆効果ではないでしょうか。このインターネット時代、下手な写真や動画を投稿したところで、「印象操作」だということがすぐにバレてしまいますし、かつ、証拠付きでネット上に拡散してしまうからです。

離島での演説ではなぜか聴衆が写った写真が見当たらない

この点、東京都といえば、どうしても都心部であったり、渋谷、新宿、池袋、品川、上野といった副都心であったり、錦糸町、吉祥寺、赤羽、浅草、八王子、二子玉川、下北沢、北千住といった拠点駅付近であったり、といったスポットに人が集まる傾向があることは間違いありません。

しかし、東京都には、じつは山間部の村落もありますし、離島もあります。

こうしたなか、都知事選では最有力候補のひとりが離島で選挙演説を行ったことが話題となっていますが、これを受け、本稿で取り上げている候補者も26日、とある離島を訪れたようなのです。

ただ、この「離党演説」ではひとつ、極めて不自然な点があります。

ご本人のウェブサイト、あるいはその候補者を応援している、破防法に基づく公安調査庁の監視対象団体でもある某政党などがアップロードした動画などを確認しても、それらの写真や動画には、聴衆が、ほとんど映っていないのです。

この候補者、渋谷、錦糸町などでは、候補者本人に加えてその演説を聞いている「聴衆」(※といってもおそらく単なる通行人も多いと思われ、聴衆であるとは限りませんが…)の姿をしきりに映していたのに、離島の演説では聴衆を写した写真などが、ほとんどみあたらないのです。

あくまでも想像ですが、「聴衆を写した写真」がないのではなく、「聴衆がいなかった」、あるいは「写真に写してさまになるほどの聴衆がいなかった」のが実情に近いのではないでしょうか。

有権者はどんな審判を下すのか

さて、ここから先は著者自身の単なる感想です。

XなどのSNSは大変便利であり、各候補・陣営の考え方についても、Xのポストを眺めていると、だいたい見えて来るものです。

たとえば、とある官庁の事務次官経験者は、問題のハチ公前演説が行われる予定の当日朝、こんな趣旨の内容をポストしています。

渋谷へ行けば会える●●さん。/●●島まで行かなければ会えない●●さん。

そもそも論として、選挙演説は、「有権者が候補者に会いに行く」ものではなく、「候補者が有権者に会いに行く」ものではないか、といったツッコミは、とりあえずナシにしましょう。

離島もれっきとした東京都であり、その離島に暮らしている人たちも東京都民なのですから、このポストは、その離島に暮らす東京都民に会いに行った候補者のみならず、そこに暮らす人たちに対しても大変に無礼なコメントではないでしょうか。

あるいは、とりわけこの陣営を巡っては、著者自身が確認できただけでも、次のような選挙違反行為(疑い)が散見されます。

  • 候補者を宣伝するビラを持って商店街などで店舗の中まで入って行っている(戸別訪問?)
  • 午前8時より前の早朝の時間帯に駅前でビラを撒きながら演説している(街頭演説の時間規制違反?)
  • 法定ビラではない宣伝ビラを撒いている(選挙用ビラの制限違反?)

…。

正直、法律や有権者を舐めているとしか思えない行動ばかりです。

もちろん、これまで警察・検察当局は、とりわけ特定野党の関係者の選挙違反に対しては取締が極めて甘く、多少の選挙違反があっても摘発されることがほとんどなかったことは間違いありません。

しかし、このインターネット時代において、さすがにこの手の選挙違反の常態化は、本人たちのためにもならない気がします。

いずれにせよ注目されるのは、有権者がどんな審判を下すか、です。

個人的な希望ですが、選挙違反を重ねている候補者は、メディアによる好意的な報道にも関わらず、得票では最有力候補どころか他の候補にも大差を付けられて完敗し、この候補者自身にとっての政治家キャリアが完全に終了する、といった展開を期待したいところですが、さて、どうなることでしょうか。

新宿会計士:

View Comments (19)

  • 日頃外交では武力ではなく話し合いで解決を
    と標榜しているのがリベラル野党です。

    ですが口を開けば離島蔑視など
    赤裸々に暴言を吐きます。
    かの方は前回の選挙で有権者は愚か
    と言って有権者を馬鹿にしています。

    結局の所平和平等環境といった発言は
    心地良い言葉であるだけで
    本心では全くやる気がなく
    むしろ逆のことをやり続けるのがリベラル野党です。

  • ある東京都知事選候補は、自分の仲間がいない所では街頭演説できないのではないでしょうか。(批判されると、心が折れるから?)

  • まぁ、こういう現場での行動は、御用メディアが誤魔化すことが出来ないコンテンツを一般人に産直で提供してくださるわけですから、これからも正規活動時間は勿論、非正規時間帯もどんどん24時間3週間働いて、それこそ選挙期間が終了した時刻後すらもしつこく実施して、心証をわるくさせるだけにとどまらず選挙違反の物証をこれでもかとばかり積み上げて、離党前の党を道連れに華々しく散ってほしい。

  • 聴衆島民はいなかった、
    が正解なように思いますが、
    島民同士は顔が割れていますから、
    島民のプライバシーに配慮して
    という言い訳はできるかもしれませんね。

  • *問われる都民の判断

    奇しくも今回の選挙で決まるのは、「都の警察組織の長」なんですよね。
    トップをきちんと選ばないと、法治がストップし兼ねないですね・・。

  •  普通に考えたら(当然そういったアピールであり本心と一致とは限らないが)、離島まで赴く候補者の方が熱心、離島であっても都民であり見捨てたり除外したりしないという意思の現われなのかなと思いますが……
     社会の救済から零れた貧困少女の援助に大変御熱心で、熱心のあまり職務外で尊い援助活動をし過ぎたがために惜しまれつつ懲戒を受け、良い再就職先をご辞退された、性j……聖人であらせられる元文科省事務次官らしからぬ発言ですね。貧困少女だけでなく離島の都民にも寄り添ってほしいものです。

    • 一般都民は離島民ではないので離島切り捨ては関係ないはずだけど
      平気で離島を切り捨てる候補は、離島以外の一般都民も平気で切り捨てるかも
      と思われて支持率が下がることが多い

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