日本政府観光局(JNTO)が19にちに公表したデータによれば、2024年5月における訪日外国人が304万人となりました。単月の訪日外国人が300万人を超えるのは、3ヵ月連続のことです。このペースでいけば、今年を通じた年間の訪日者数が3000万人を超えそうであり、場合によっては3500万人かそれ以上に達する可能性もあります(それが日本経済にとって良いことかどうかは別として)。
日本政府観光局(JNTO)が19日に公表した『訪日外客統計』の速報値によると、2024年5月における訪日外国人は3,040,100人となり、3ヵ月連続で300万人を超えたことがわかりました。
入国者数の内訳は、図表1の通りです。
図表1 訪日外国人・国籍別内訳(2024年5月)
国 | 人数 | 構成割合 |
1位:韓国 | 738,800 | 24.30% |
2位:中国 | 545,400 | 17.94% |
3位:台湾 | 466,000 | 15.33% |
4位:米国 | 247,000 | 8.12% |
5位:香港 | 217,500 | 7.15% |
6位:タイ | 97,400 | 3.20% |
7位:フィリピン | 67,400 | 2.22% |
8位:シンガポール | 62,700 | 2.06% |
9位:カナダ | 55,800 | 1.84% |
10位:ベトナム | 50,600 | 1.66% |
その他 | 491,500 | 16.17% |
総数 | 3,040,100 | 100.00% |
(【出所】JNTOデータをもとに作成)
過去の単月としての入国者数のトップは2024年3月の3,081,600人、2位は2024年4月の3,042,900人でしたので、2024年5月の入国者数は過去3番目、というわけです。
入国者のトップは韓国人の738,800人で全体の4分の1弱を占め、これに中国人(545,400人)、台湾人(466,000人)が続き、米国人は247,000人で4番目に入っています(5番目は香港人の217,500人です)。
また、今年1月から5月までのトータルの入国者数は14,641,302人でした(図表2。※ただし3~5月分が速報ベースであり、JNTO公表値とは異なっています)。
図表2 訪日外国人・国籍別内訳(2024年1月~5月)
国 | 人数 | 構成割合 |
1位:韓国 | 3,738,701 | 25.54% |
2位:中国 | 2,406,951 | 16.44% |
3位:台湾 | 2,404,625 | 16.42% |
4位:米国 | 1,046,574 | 7.15% |
5位:香港 | 1,025,584 | 7.00% |
6位:タイ | 563,628 | 3.85% |
7位:フィリピン | 336,693 | 2.30% |
8位:豪州 | 333,705 | 2.28% |
9位:ベトナム | 284,383 | 1.94% |
10位:シンガポール | 241,055 | 1.65% |
その他 | 2,259,403 | 15.43% |
総数 | 14,641,302 | 100.00% |
(【出所】JNTOデータをもとに作成)
ランキングの順序は単月のものと同じで、5位以上に関してはいずれも年初からの5ヵ月間の累計入国者数が100万人を超えている状況です。
なお、年初からの5ヵ月間の累計値について、コロナ前の2019年1月~5月とも比較しておきましょう(図表3)。
図表3 訪日外国人・国籍別内訳(2024年1月~5月vs2019年1月~5月)
国 | 人数の変化 | 増減・増減率 |
1位:韓国 | 3,250,791→3,738,701 | +487,910(+15.01%) |
2位:中国 | 3,651,814→2,406,951 | ▲1,244,863(▲34.09%) |
3位:台湾 | 2,019,764→2,404,625 | +384,861(+19.05%) |
4位:米国 | 699,633→1,046,574 | +346,941(+49.59%) |
5位:香港 | 888,859→1,025,584 | +136,725(+15.38%) |
6位:タイ | 620,611→563,628 | ▲56,983(▲9.18%) |
7位:フィリピン | 248,278→336,693 | +88,415(+35.61%) |
8位:豪州 | 289,623→333,705 | +44,082(+15.22%) |
9位:ベトナム | 217,828→284,383 | +66,555(+30.55%) |
10位:シンガポール | 166,819→241,055 | +74,236(+44.50%) |
その他 | 1,699,553→2,259,403 | +559,850(+32.94%) |
総数 | 13,753,573→14,641,302 | +887,729(+6.45%) |
(【出所】JNTOデータをもとに作成)
これによると、上位10ヵ国に関していえば、2019年と比べて中国人入国者数が1,244,863人、タイ人入国者が56,983人、それぞれ減っていますが、それ以外の国・地域についてはいずれもプラスとなっており、トータルの入国者数は887,729人増えています。
このペースでいけば、今年を通じたトータルの訪日外国人数が3000万人を超えるのはほぼ確実であり、場合によってはそれ以上に達することでしょう(※ちなみに年初からの14,641,302人を単純に平均し、12倍すると、35,139,125人となります)。
いずれにせよ、訪日外国人が過去最大ペースで推移していることは間違いないでしょう(それが日本経済にとって良いことかどうかは別として)。
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私、渋谷SKYというビルの屋上が展望施設になっているところによく行くんです。おのぼりさんって指摘も正しいのですがw妻共々勤務地が近いので年間パスポートで通ってます。流石に年パスじゃないと行かないような値段設定です。
ここの来訪者はほとんどがアジアからの外国人旅行者な感じです。
で、面白いことに、外国人の方々、なぜかみーんなお行儀めちゃ良いんです。列が必要なところではきっちりと並ぶし、大声で怒鳴り散らす輩もいない。屋上オープンエアということで持ち込めるものの制限が厳しいのですが、みんな係員の指示にはきっちり従って、行儀よく渋谷からの眺めを楽しんでます。日本人じゃしないだろうレベルの際どい服装で必死に「ばえる」写真撮ってるのが迷惑っちゃ迷惑。
多分ですけど、日本がお行儀の良い国で、自国にいる時のように振る舞うと悪目立ちすると思って緊張してるんじゃないかなぁと推察します。
オーバーツーリズムといったマスコミが喜びそうな状況は皆無です。まあ、外国人押し寄せるぞーとわかってて完璧に身構えてる施設だからってのもあるでしょうが。
日本が長年築いてきたイメージが肯定的に役立ってるんだなぁという感想。
>緊張してるんじゃないかなぁと推察
先日、同じような経験をしました。
夫婦2人で新幹線に乗りましたが、空きがなくて3列席になりました。窓側の2席。
途中京都でカートを引きずった大量の外国人観光客が乗ってきて、そのうちの一人の若い白人男性が通路側席に座りました。近くの知人との会話とかでうるさいのかなーと心配してたら、全然そんなことはなくずっと無言でした。
私がトイレに立とうとすると、瞬時に足元の荷物を取り上げ全力で道を空けてくれました。そこまで気を遣わなくてもと言いたくなりそうな。(笑)
多少緊張しているような面持ちで、同じく日本のルールに必死で従ってくれてるのかなと思いました。
車内の方々に散らばった観光客も概して静かでしたね。
オーバーツーリズムによる、マイナスの経済を測定しているところはないのだろうか?
観光客として日本に入国した中国人が
大量に行方不明になっているらしい