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法的責任取らないメディアへの「経済的な制裁」とは?

松本人志さんといえば、最近、『週刊文春』の編集長や雑誌の発行者である株式会社文芸春秋などを相手取って、巨額の損賠を請求していることでも知られます。これに関し株式会社扶桑社が運営する『ピンズバNEWS』は日曜日、松本さん側が「完全勝利」を目指していると報じました。この点、個人的に松本さんが「完全勝利」できるかどうかは疑問ですが、メディアに対する責任の取らせ方という意味では、ちょっと注目に値する事例と言えるかもしれません。

芸能人の松本人志さんの訴訟

当ウェブサイトは「政治経済評論」を標榜しており、「読んでくださった方々の知的好奇心を刺激する話題」ならばなんでも取り上げる、というスタンスですが、実際のところ当ウェブサイトで好んで取り上げている話題は、金融・統計など、一般的には多くのサイトがあまり取り上げないものが中心です。

このため、芸能、スポーツなどに関する話題については、基本的には当ウェブサイトではそれほど頻繁に取り上げてこなかったと思います。

ただ、先週の『松本氏「休業補償」要求で文春に巨額賠償認められるか』では、珍しく、芸能人に関する話題を取り上げました。

これは、人気お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志さんが現在、文春を相手取って巨額の損害賠償を求めている、というもので、これを当ウェブサイトで取り上げた大きな理由は、「メディアの情報支配構造」、「メディアは罰せられない」という日本の悪しき慣習に、メスが入る可能性があるかどうかが気になるからです。

ことの経緯についてはすでに触れたとおりですが、簡単にいえば、文春オンラインが昨年暮れ、松本氏を巡って「女性に対する性加害疑惑」を大々的に報じ、これに対し松本氏側が『週刊文春』の編集長や発行元である株式会社文芸春秋に対し、5.5億円の慰謝料などを求めている、というものです。

休業補償を持ち出した松本さん

これに関し、個人的には「慰謝料」名目で数億円単位の賠償が認められる可能性は決して高くありません。あくまでも各種論評に加え、著者自身のビジネスライフにおける個人的な拙い経験なども踏まえて申し上げるならば、裁判所が「慰謝料」という名目で、そこまで多額の賠償金の支払いを命じるとは思えません。

結局、松本氏は「泣き寝入り」、なのでしょうか?

ただ、あくまでも報道等によれば、松本氏は今月5日に行われた審理(非公開のオンライン形式)で、請求額を見直す考えを示したと伝えられています。

というのも、松本氏は今年1月以降、「裁判に集中するため」としてレギュラー番組をすべて休止しており、これに対する「休業補償」も損害賠償請求額に加算される(かもしれない)からです。

なるほど、休業補償とは、なかなかに考えたものです。

裁判所が松本氏の「休業」と文春の報道に相当の因果関係があると認めるのかについては、現時点ではよくわかりませんが、仮にその理屈が認められれば、これはなかなかに、画期的な判決となり得ます。

「やったもん勝ち」という風潮

そもそも論ですが、本件に限らず、一部週刊誌のなかには、著名人・著名企業・政治家などのスキャンダルを大々的にぶち上げて注目を集め、それで記事を売るという、一種の「炎上商法」のようなものを得意としているメディアが存在しています。

文春がそうだと断定するつもりはありません。あくまでも一般論としての話ですが、こんな流れを考えてみます。

  • ウソでも何でも良いから、とにかく目立つ記事を配信し、週刊誌が売れてX円の利益を得る」。
  • しかし配信した記事が、じつは根も葉もないウソだった」。
  • 週刊誌の側は裁判所から名誉棄損でY円の慰謝料の支払いを命じられる」。

このとき、「X>Y」であれば、週刊誌としては、虚報であろうがなんであろうが、とにかく同じようなことを繰り返すインセンティブが生じます。虚偽の記事がもとで訴えられても、雑誌が売れたことによる儲けが結果的に損害賠償を上回るならば、こうした虚偽の記事の配信、やめられない、ということになるかもしれません。

端的にいえば、「やったもん勝ち」、です。

そして、じつはこの「やったもん勝ち」の構図、べつに週刊誌に限らず、日本に一般的に見られるものでもあります。もっといえば、新聞社、民放テレビ局、NHK、通信社といったメディアの、誤報、あるいは不適切な報道の事例は、後を絶ちません。

その典型例が、『上川発言報道で共同通信「全くひるむ必要なし」講評か』を含めてこれまでに当ウェブサイトで何度となく取り上げて来た、上川陽子外相が先月、「うまずして何が女性か」と発言した、といった話題ではないでしょうか。

この「うまずして」とは、上川氏が先月18日、静岡県知事の応援で、自身が支援する候補者を県知事にするという意味で発言したものですが、共同通信が配信した記事では、当初は「産まずして」と出産をほのめかす表現の見出しが用いられ、のちに平仮名の「うまずして」に書き換えられていた、という問題があります。

また、共同通信は英語版の記事 “Japan minister queries women’s worth without birth in election speech” だと、さらに露骨に、「出産」を意味する “childbirth” という単語を用いて報じました。これは好意的に見て「誤報」または「誤訳」ですが、下手をすると「捏造報道」というレベルかもしれません。

共同通信の上川報道事件は「確信犯」だったのか

ちなみにこの英語版記事に関し、産経ニュースが5月21日付で配信した『外相「うまずして」英訳記事、男性に言及あり「明示なくても『出産』比喩」 共同通信回答』という記事によると、共同通信は産経新聞の取材に対して、こう答えたそうです。

一連の発言は『出産』を比喩にしたものと考えられます。上川氏が『出産』と明示的に述べなかったとしても、発言の解釈として『childbirth』という表現を用いました」。

この回答が事実だとしたら、まさに、一種の「確信犯」として、勝手な解釈を混ぜ込んで事実誤認を誘発しようとしているかのようです。

この「上川発言報道問題」では、福島県在住のジャーナリスト・林智裕氏も、こうした報道が蔓延すれば「社会の停滞」を招くと警告しています(『上川発言報道問題で林智裕氏論考が「社会の停滞」警告』等参照)が、場合によっては、これは「社会の停滞」などという、なまやさしいレベルの問題ではないかもしれません。

日本ではこれまでともすれば、メディアによる報道は一種の「聖域」とみなされ、メディアの報道の自由に制限を加えようとする動きは、タブーとされてきたフシがあります(※もちろん、メディア批判を「タブー」としてきたのはメディア自身ですが)。

だからこそ、報道のクオリティを担保する仕組みも、不適切な報道に対し責任を取らせる仕組みもないマスメディアという「モンスター」が、報道の力を悪用し、この日本という国に巣食ってきたのかもしれません。

松本さんは「完全勝利」を決意か

もちろん、週刊誌による芸能人に対するスキャンダル関連の報道は、新聞、テレビといった大手マスメディアによる政治家の発言を捏造するといった虚報とは、社会に与える影響のレベルが異なることは事実でしょう。

しかし、「事実ではない情報を大々的に発信しても大して責任を取らされることはない」、すなわち、一種の「報じた者勝ち」という状況になってしまっている、という意味においては、新聞・テレビなどの大手メディアも、一部週刊誌も、状況は似たようなものだといえるかもしれません。

この点、念のために申し上げておくならば、著者自身も「メディアに対する報道の自由を制限すべきだ」、などと申し上げているわけではありません。ここで申し上げたいのは、「自由と見合った責任を取れ」、という点に過ぎないのです。

その意味で、松本さんが文春に対し、慰謝料5.5億円に加えて休業補償としてさらに追加で賠償金を求めるという動きは、「メディアに対する責任の取らせ方」という意味では、大変に興味深い事例となり得るはずです。

不適切な報道に対し、そのメディアに対し、会社の経営が傾くレベルの損害賠償が命じられれば、「やった者勝ち」というメディアの無法に何らかの経済的責任を負わせるという点において、画期的な判例となるかもしれないからです(※といっても、くどいようですが、裁判所が請求を認めるかどうかは別問題ですが…)。

さて、こうしたなか、株式会社双葉社が運営する『ピンズバNEWS』というウェブサイトが日曜日、「松本人志(さん)は完全勝利を目指している」とする話題を配信しました。

松本人志、「VS文春裁判」休業損害を5億5000万円に上乗せの超強気の裏で固めた「完全勝利」まで抗戦決意

―――2024/06/09 07:54付 Yahoo!ニュースより【ピンズバNEWS配信】

この記事に限らず、松本さんはいくつかのメディアでは呼び捨てにされていますが、これはおそらく松本さんが芸能人であるためでしょう。

やはりメディアへの法的責任追及は難しい

それはともかく、『ピンズバNEWS』は松本さんが今年1月以降、芸能活動を休止している事実に加え、松本さん側の代理人弁護士が休業補償名目で損賠額の上乗せの可能性を示唆した、などとする経緯を簡単に説明。

そのうえで、松本さんを巡っては「松本人志、勝手に休業してるくせに何故(休業補償を)要求するのか?」といった「厳しい声もある」としつつも、松本さんのファンからは松本さんの早期復帰を願う声があると指摘。

「民放キー関係者」による、こんな発言を取り上げます。

休業分の損害を上乗せをするというのも、松本さんの“徹底的に戦う”という意志を込めた戦略なのではないでしょうか。仕事の関係者でも、この方針を受けて“松本さんは完全勝利を目指している”と感じた人が多くいますね」。

なお、『ピンズバNEWS』には松本さんの私邸に関する記述もあるのですが、このあたりについては当ウェブサイトでは正直、興味がありませんので、紹介を割愛したいと思います。

さて、それはともかくとして、著者自身は本件に関し、正直、松本さんの請求が裁判で認められる可能性は、さほど高くはないと思っています。

さすがに「慰謝料5億円超」は、調べた限りでは前例がありませんし、また、休業補償名目での賠償も、週刊誌報道と松本氏の休業の間に因果関係を立証することができるとも限らないからです。

ただ、今回の訴訟自体、メディアによる報道の在り方に一石を投じる可能性はあると思っています。

というよりも、メディアが法的責任を取らなかったとしても、すでに「経済的責任」を取らされ始めているからです。

以前の『法的制裁受けないマスコミだが…経済的制裁は下るのか』などでも指摘したとおり、たとえば情報は「製造物責任法(PL法)」でいうところの「製造物」にはあたりませんし、そもそもメディアに対して法的責任を取らせることは、大変に骨が折れる作業です。

経済的に責任を取らされるメディア

しかし、先日の『新聞業界「購読料据置宣言」の読売ですら部数減に直面』などでも取り上げたとおり、新聞業界では現在、全体として部数が激減しており、最大手の読売新聞ですら600万部を割り込む状況だといわれます。

読売新聞は「当面、値上げをしない」、などと宣言していますが、だからといって他紙(朝日新聞、毎日新聞、日経新聞、産経新聞など)からシェアを奪っている様子は見られず、むしろ解約率が他紙よりいくぶんかマシであるだけで、部数減自体を食い止めるのに成功しているとは言い難いのが実情でしょう。

また、『朝日新聞決算は増収増益だが…「高コスト体質」課題も』でも指摘したとおり、読売に続く業界2位の大手・株式会社朝日新聞社の事例でいえば、もともと紙媒体の新聞はコストが非常に高いという構造的問題点を抱えています。

実際、最新の2024年3月期決算においても、連結ベースでの2691億円という売上高に対し、営業利益は58億円、すなわち売上高営業利益率はなんと2.2%に過ぎません。

ただし、株式会社朝日新聞社のケースでは、大手テレビ局2社(在京のテレビ朝日、在阪の朝日放送)などの持分法関連損益が経常利益を131億円にまで押し上げているのですが、それにしても売上高経常利益率は5%足らずです。

単体決算に関しても、売上高1830億円に対し営業利益は47億円で、やはり売上高営業利益率は2.6%程度で、経常利益は86億円であるため、売上高経常利益率は4.7%程度です。

いや、不動産や株式などの優良資産を多く持っている朝日新聞だからこそ、まだ辛うじて営業黒字を維持している、という言い方もできるのかもしれませんし、こうした優良資産を持たない新聞社のなかには、すでに営業赤字に転落している事例もあるのではないでしょうか。

しかも、昨年は読売新聞、中日新聞、東京新聞などを除く主要紙がいっせいに月額購読料の値上げに踏み切っています。

株式会社朝日新聞社の事例でいえば、値上げをしたわりに、売上高の伸びは十分とは言い難いのですが、これは値上げによる売上高の押し上げ効果も部数の減少というマイナス効果で、ある程度打ち消されてしまった可能性があります。

新聞業界と比べれば、テレビ業界は状況はまだマシですが、それでもテレビ業界の場合、新聞と比べて広告費への依存度合いが高いという特徴があるため、昨今の広告費の激減には、業界を挙げて苦慮しているのではないでしょうか。

いずれにせよ、あくまでも個人的な見立てですが、今後も引き続き、新聞、テレビ、週刊誌などに「虚報に対する法的責任」などを取らせることは難しいにせよ、とくに新聞、テレビにかんしていえば、売上高の激減という形で、社会から経済的な制裁を下されることが増えていくのではないでしょうか。

【総論】腐敗トライアングル崩壊はメディアから始まる』でも指摘した、官僚に始まる「非民主主義的な腐敗のトライアングル」は、真ん中にあるオールドメディアの道連れを喰らう形で、トライアングル構造自体がこれから崩壊に向かうのではないかと思う次第です。

新宿会計士:

View Comments (20)

  •  アニメ、ワンピースの登場人物、世界経済新聞社の社長モルガン氏が
    「報道はエンターテイメントだ」と言ってました。

     尾田先生、面白い。

  • 松本人志への文春砲自体には詳しくないのですが、合法違法ではなくプライベートでの女性遊びの適切さが論点に来ると、文春に責任を問うのは難しい気がします。

    松本人志はテレビから消えるべきだったのか…「ただちに違法ではないが不適切」という事案で考えたい論点 再発防止に必要なことは、本当に「記者会見」なのか
    https://president.jp/articles/-/78656

    >「違法ではない」が「大御所がやることとしては不適切」ではないか、という不道徳が、本件問題の本質になります。

    「愛人」が問題視される事には疑問を抱きますが、「セクハラ」や「不倫」には疑問を抱かないです。

    「女遊びは芸の肥やし」とする芸能界の価値観が、一般社会の価値観とすり合わせされていく過程なのかな?とも。

    • クロワッサンさま
       松本氏の問題は、「大御所がやることとしては不適切」だけでなく、
      1.不特定多数の「素人」「ファン」を、「一夜限りの相手」としていた
      2.自己のお笑い界における影響力を行使して、「後輩芸人」に段どりさせていた
      ことが、一般大衆の不快感を買っているのだと思います。
       まあでも「マッちゃん」ファンは多いし、「被害者」とされる方々に物申すことも多いので、さほど(ジャニーズ問題ほどは)関心は持てません。

      • なるほどです。

        ググるとこんなエピソードもあったとの事なので、対女性の価値観や考え方はいつ発火炎上してもおかしくなかったのかな?と。

        松本人志の性加害問題に「8年前とか関係ない」…“空気を読む天才”指原莉乃がカリスマに背いた「意味」
        西澤 千央2024/01/12
        https://bunshun.jp/articles/-/68320?page=4

        「それはそのお得意のカラダを使ってなんかするとかさ」ってねぇ…。

        例えば、史上最速となる初土俵から7場所目での初優勝を果たした大の里ですが、4月には未成年に対するアルハラで日本相撲協会から厳重注意を受けています。

        どれだけ結果が立派であろうと私生活でアルハラ癖が治らなければ、横綱や三役になれなくても当然でしょって考える私としては、松本人志が求める休業補償にはどうしても違和感を感じちゃいますね。

  • 誤報への経済的制裁(?)になれば、また、日本の報道の自由度ランキングは下がるのでしょうか。

    • 「報道の自由度」

      は、モンドセレクションくらいの権威だと思うのですが。

      • そりゃモンドセレクションさんが可哀想かもしれやせん

        どっちかってぇと日本アカデミー賞とか日本カーオブザイヤーとか新語流行語大賞とか…
        …知らんけど

  • 新聞をやめて10年以上たちます。なくても困らないというのが良くわかりました。

    やめようと思った理由は、不要と思うページを除くとほとんど何もないからです。広告だけでも全体の1/3くらいはある(目分量)。さらに、不要と思ったTV番組欄、投書欄、株式欄、生活文化情報のようなページ、怪しい社説などを除くと本当に読むべきページがないです。

    惰性で見ていただけでした。新聞ガミがなくて稀にこまることがある程度です。

    今日は、TVを廃棄します。これで脱NHKです。チューナレスTVも考えましたが、PCで見れるものと変わらないのでやめました。卓上ならノートPC+27インチのディスプレイで十分です。

    新聞に続いてNHKへの経済制裁です。最近は、余計なことを言わない、言っても全部は聞き取れないAFNを聞いています。

  • *文春のやらかしなのかな?(釣り人が釣られたか?)

    現状では事件化の要件が、松本氏側の追認によるほかはない案件。
    言論の自由ってのは、自己責任の範疇で行使されるものなのかと。

    肝要なのは、「祭りの後の後始末」ですね。
    「あとの祭り」にしたくなければですけど。

    読者:慌ただしいけど、何の催し?
    文春:「アフター・フェスティバル」・・かな?
    ・・。

  • フェイクニュース(≒欠陥商品)に対して「利益X>>損失Y」はおかしいんじゃね?という認識が、もっと社会で共有されるといいですね。お金で回復できない損失を受けた側は、たまったものではない。

    新聞・テレビの影響力はさらに削がれていくかもしれないが、ネット上でPV数稼ぎのための与太記事がさらに増えそうな気がする。

  •  聖域にしたいのならば相当な自律自制が必要なのですが、現状のマスコミにそんな覚悟は欠片も見当たりません。他のものづくりの現場は、聖域でもなんでもないのにかなりの自制や努力で(過剰な程の)高品質な製品を送り出し信用を得ているのですが。そこに聖域気取ったマスコミどもがズカズカと乗り込んでアラ探しをして、たまに不祥事を見つけてはエラそうにしているのだから皮肉なものです。

     本件で彼らが経済的な責任のとり方というものを学ぶかどうか大変微妙なところですが。
     上川外相の「うまずして」発言の報道が解釈によるものだという言い訳が通ると思うのであれば、その解釈を本人に否定された時点で「解釈が間違っていました」と謝罪文を大きく且つ一度ではなく一定期間は配信するくらいの責任は取ってほしいものです。タダなんだから。謝ったら死ぬ病なら知りませんが。
     そもそも通信社の"解釈"など全くの不要どころか無い方が良いくらいなのですけどね。主観が入るほどに情報の品質は下がります。
     野菜売りでも販売店がオススメレシピを付けることで販促にする程度はありますが、農家が「絶対こうやって食え」なんて指図はしませんわ。完全なる余計なお世話です。

  • 「休業補償」という表現にまず違和感がありますね。
    松本氏が「自身の判断」で「裁判に専念するため」に「勝手に」番組出演を減らしただけで、出版社が休業を強要したわけでは無いでしょうに。

    • あなた、言葉の意味を、ネットで調べてからコメントしたらどう?
      他人の行為によって、自分の本業が出来なくなれば、休業補償が請求できるんですよ。
      芸能界のようなイメージだけの人気商売、悪い噂を立てられて従来通りの仕事が出来ますかね?
      そのことを考慮して、弁護士が請求出来る可能性があると考えたから、訴求事項にした訳で、まあ、こんな訴求は初めてだから、裁判所がどう判断するか?だが、認められれば、マスゴミも芸能人の勝手な記事は書けなくなる。
      これを拡大して行くと、個人でも変な噂を流されて、会社に行けなくなったから、噂の元を流した人間に休業保障を請求できるようになるかもしれない。
      悪意の噂も用心して流さなきゃならなくなるかも。
      サラリーマン、ライバルを蹴落とす為に、嘘の噂を流す、流された方は泣き寝入り、なんてのは、サラリーマン社会の風物詩の一つだが、それも、おいそれとは出来なくなるかも。

      • そうでしょうか?
        むしろ、芸の肥やしとか言って、スキャンダルを報じられても気にせずに仕事されている方が(男性では)多かった印象がありますが。
        特に、この事例では、ご本人が否定されていますし、堂々と仕事をしながら、主張や裁判をされれば宜しいのではと思いますし、必要性が不明な休業をしてその費用補償を求めるのは、私には理解できません。

        そのようなわけで、懲罰的慰謝料が認められていない我が国で、休業補償などというものを振りかざして裁判するのは、SLAPPのように見えます。

        • 仮に文春の記事が事実無根だとすれば、
          松本氏が対応に費やした時間は本来不要の時間であったのだから、
          その分を補填しろと訴えるのはむしろ慰謝料よりわかりやすい指標だと思います。専門の対応チームに対処を任せたとしても、その費用を請求してもいいくらいです。

          芸の肥やしになる、なんかは業界特有の強がりみたいなもんで当人が言うならともかく、他人に強いられるものじゃないんじゃないんですかね。

          文春側は記事が綿密な取材のもとに客観的な証拠をそろえて迎え撃てばよろしいだけです。

  • 仮にメディアがPL法を適用された場合、具体的にどんな形で責任を取らされるか、
    それを回避する為にはどうすれば良いか……あまり想像できませんね。

    例えば今回の芸能人のケースなら、記事の冒頭に必ず「有罪無罪は確定していません。
    常に中立的な視点を持って読んで下さい」とデカデカと注意書きをつける様にすれば、
    後は読者の自己判断であり書いた側に責任はない……なんて理屈が通るのかな?

    もしそうなら、「そんなつまんねー雑誌金払って読みたくねーよ」と
    この手の業界が廃れてしまうかも知れませんが……

    • 事実の一部のみを切り取って報道することによる印象操作はどう扱うのでしょうね?
      前後を検証すれば逆の印象になるとしても、その部分のみについて改ざんなどが無ければ、責任は問えないのではないかと思います。
      あと、論評については記者?会社?の意見の表出であって、品質保証の対象外ではないかなあ、と思います。