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【数字で見る外交】地理的に近い国との金融関係は薄い

外交関係について、「日本と地理的に近い」だの、「歴史的にも関係が深い」だのと述べ、その関係の近さを強調する意見を目にすることもあるのですが、個人的には外交関係も「定量的に」評価できる部分があると考えています。こうした観点で、韓国や中国などの日本の近隣国との関係を調べてみると、金融・投融資面では、驚くほど関係が薄いことが改めて判明します。

数字で見る外交

定量的な評価が大事である理由

当ウェブサイトは「政治経済評論サイト」と名乗っている通り、基本的には国内外の政治、社会問題などを広く取り上げているサイトですが、そのなかでも話題の中核を占めているものといえば、金融を中心とする経済分野です。

とりわけ金融・経済全般に関する話題は、多くの場合、「数字で追いかけることができる」という分野のものでもあるため、個人的には非常に評論の題材として使いやすい分野のものだと考えています。というのも、「定量的に」評価することができるからです。

たとえば、国と国との関係を議論する際に、既存のメディアはえてして、こんなことを述べます。

日本と●●は地理的に非常に近く、歴史的にも関係が深く、切っても切れない関係にある。日本にとって●●は、とても大事な相手国だ」。

この「●●」に何が入るかはご想像にお任せしますが、この文章の中で客観的に確認できる事実があるとしたら、たいていの場合、「●●は日本にとって地理的に近く、歴史的にも関係が深い」などの部分だけであり、それ以外の表現は、たいていの場合はこれを述べている人・新聞・テレビなどの「主観」です。

この「●●は日本にとってとても大事な相手国だ」、といった表現には、たいていの場合、「定量的な分析」というものが欠落してしまっているのです。

定量化できる項目は極力数値で!

しかし、当ウェブサイトで心掛けているアプローチは、そうではありません。可能な限り、次のように述べるようにしているつもりです。

日本と●●の間では、人的な往来は年間●人、相手国に在留している日本人は●人、日本に在留している相手国民は●人、貿易高は輸出が●円、輸入が●円、対外与信は●円で対外直接投資は●円である」。

つまり、ある国との関係を議論するに際しては、日本との物理的な距離(ヨコ軸)や過去の歴史に照らした関係(タテ軸)だけでなく、今この瞬間の「ヒト、モノ、カネの流れ」という「定量化できる指標」でその国との関係を把握することもまた重要だ、というのが、当ウェブサイトなりの考え方でもあるのです。

ちなみにこの「定量化できる指標」としては、「ヒト、モノ、カネの流れ」だけではありません。

たとえば、内閣府がほぼ毎年公表している、『外交に関する世論調査』で出て来る日本国民の特定国に対する意識調査(親近感や関係が良好だと思っているかどうかの割合)なども、わが国から相手国への距離感を測定するうえでは大切な指標でもあります。

こうした「定量的な情報」もなしに、ただひたすら、「●●は日本にとって重要な相手国だ」、と繰り返されても、正直、あまり説得力はないと思います。

定性的な項目ももちろん重要だ

なお、念のためお断りしておきますが、当ウェブサイトとしては、数字「だけ」ですべてを把握すべきだ、と述べているわけではありません。

たとえば外交関係の場合だと、ある国との関係の重要性を議論するには、「ヒト、モノ、カネの流れ」という定量的な側面だけでなく、地政学的な側面や、その相手国が日本と基本的価値を共有しているかどうかという側面なども重要です。

これについて、日本政府や外務省は、よく、こんな表現を使います。

●●(※国の名前)は日本と基本的価値・戦略的利益を共有する重要な相手国だ」。

この「基本的価値や戦略的利益を共有する重要な相手国」として列挙しされている諸国と、「ヒト、モノ、カネの流れ」が盛んであるとは限らず、逆に、「基本的価値や戦略的利益を共有していない相手国」との「ヒト、モノ、カネの流れ」が盛んである、という事例もあるため、注意は必要でしょう。

とりわけ、「ヒト、モノ、カネの流れで見たらその相手国との関係は重要だが、そもそもその相手国とは基本的な価値すら共有しておらず、もし交戦状態に陥ったら相手国が日本企業の資産を没収してしまう可能性がある」などの事情がある場合は、「そもそもそんな国との関係を深めて良いのか」という問題提起にもつながるからです。

その意味で、当ウェブサイトはいくつかの基礎統計をもとに、「日本は現在、どの国と最も関係が深いのか」、といった視点に加えて、「日本が今後、どのような国と関係を構築していくべきなのか」などの問題意識を探ることを続けてみたいと思っている次第です。

「価値と利益の共有」で見た外交青書

ちなみに『令和6年版外交青書』をもとに、日本政府が主要国をどう位置付けているかに関する記述を抜き出しておくと、こんな具合です。

日本とインドは、基本的価値や戦略的利益を共有するアジアの二大民主主義国であり、『日印特別戦略的グローバル・パートナーシップ』の下、経済、安全保障、人的交流など、幅広い分野における協力を深化させてきた。また、インドは『自由で開かれたインド太平洋(FOIP)』を実現する上で重要なパートナーであり、日米豪印といった多国間での連携も着実に進展している」(P74)

韓国は、国際社会における様々な課題への対応にパートナーとして協力していくべき重要な隣国である。とりわけ、現下の厳しい国際環境の下、日韓両国は、地域の平和と安定という共通の利益の確保に向け、多様な分野で連携を深め、協力の幅を広げていく必要がある」(P59)

台湾は、日本にとって、自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった基本的価値や原則を共有し、緊密な経済関係と人的往来を有する極めて重要なパートナーであり、大切な友人である」(P50)

地域が様々な課題に直面する中、基本的価値と戦略的利益を共有する日本とオーストラリアの『特別な戦略的パートナーシップ』の重要性はこれまで以上に高まっている」(P77)

日本とニュージーランドは、民主主義、市場経済などの基本的価値を共有し、長年良好な関係を維持している」(P79)

米国は日本にとって唯一の同盟国である」(P92)

インドや韓国に関してはダラダラと長い文章が続きますが、台湾、豪州、ニュージーランド、米国などの場合は記述がシンプルで安定しており、年によってブレることはあまりありません。こうした外交青書の記述も、日本とその相手国との関係を推し量るヒントといえるのではないでしょうか?

(※ちなみに外交青書上、中国に関しては、「日本は中国と基本的価値を共有し」、などの表現は見当たりませんでした。当たり前といえば当たり前かもしれませんが…。)

日韓関係、重要なのか?

韓国を例に:「日韓関係は大事」と述べるその理由は正しいのか?

さて、かなり以前の拙著『韓国がなくても日本経済はまったく心配ない』などでも取り上げましたが、日韓関係を巡っては、多くの論者が次の3つの理由(あるいはそれらと類似した理由)を根拠に、「日韓関係は大切だ」と言い続けてきました。

①一衣帯水論

韓国は同じアジアの国として、地理的にも近く、歴史的にも文化的にも深い関係を持っている。日韓両国は一衣帯水の関係にあり、切っても切れない関係にある。また、過去に日本は韓国を「植民地支配」するという加害者としての歴史を忘れてはならない。

②経済関係論

日本企業の多くが韓国に進出する一方、韓国の産業も日本製の製造装置や部品、素材などに強く依存しており、経済的側面から、日韓両国は相互に重要な関係にある。

③朝鮮半島生命線説

韓国は地理的に見て日本に非常に近く、この地域が日本の敵対勢力に入れば、日本の安全保障に深刻な脅威をもたらす。だからこそ、日本はあらゆるコストを払ってでも、朝鮮半島を日本の友好国に引きとどめておかなければならない。

ちなみにここで、とくに①、②については、「韓国」を「中国」に置き換えても、似たような主張が成り立つといえます(ただし③に関しては、中国の場合はまた違ったロジックが主張されているようです)が、ここではモデルケースとして、とりあえず韓国を挙げておきたいと思う次第です。

よくみると①、③は理由としておかしくないですか?

ただ、この①~③(あるいはその亜流)の考え方はよく目にするのですが、少なくとも①の主張について、「客観的に見て正しい」といえるのは「地理的に近い」の部分くらいなものであり、それ以外の部分については、客観的な事実とまでは言い難いところです。

もちろん、歴史的・文化的に見て、日本にとって韓国(あるいは李氏朝鮮や高麗など、韓国の前身の国)との付き合いが長いことは事実ですが、その事実をもって「切っても切れない関係にある」と断言できるものでもありませんし、「加害者としての歴史」のくだりに至っては正直、意味不明です。

また、③の「朝鮮半島生命線説」についても、虚実取り混ぜた主張といわざるをえません。もちろん、「全面的な誤り」であるとまではいえないのですが、だからといって「客観的に見て正しい事実である」とも断じることはできないからです。

この点、「韓国との安全保障面での協力」は、「もしそれがうまく機能するならば」という前提下であれば、「日本にとって非常に有益である」という点については認めたいと思います。

ただ、それはあくまでも、「うまく機能するならば」、という前提条件がつきます。

そして、コリア・ウォッチャーのひとりとして申し上げておくならば、「日本が『あらゆるコスト』を支払ったとしても、韓国を日本の友好国に留めておくこと自体が非常に難しいことである」、という点については、謹んで指摘しておきたいと思う次第です。

よく日韓関係を巡り、たとえば自称元徴用工問題などで「問題を解決するために、日本もあと少しで良いから韓国に譲歩すべきだ」、などと口走る者もいるのですが、これは言語道断です。

もしも日本が少しでも韓国に譲歩したら、その瞬間、韓国は「そらみたことか、日本が過去の不法行為の責任を認めたぞ!」とばかりに大騒ぎし、国際社会に対して日本の悪口を喧伝(けんでん)し、挙句の果てに徹底的に日本の尊厳を傷つける行動に出てきます。

実際、日本は自称元慰安婦問題でさんざんな目に遭い、懲りたのではなかったのでしょうか?

(※ちなみに『日本政府の慰安婦像撤去要求にベルリン市「解決図る」』などでも触れたとおり、自称元慰安婦問題を巡っては、つい最近も韓国系の市民団体がドイツで設置した慰安婦像の撤去をベルリン州当局に要請するなど、日本政府は今でも不毛な努力を余儀なくされています。)

現実に日韓関係を「数値で」まとめてみる

ただし、個人的にこの手のウェブ評論活動を行っていて良かったと思う瞬間がひとつあるとしたら、たとえば日韓関係を巡る上記②の「経済関係論」、すなわち「日韓両国は経済・産業における結びつきが非常に強い」とする主張に、「数字をもって反論することができる」、ということだと思います。

じつは、少し前から当ウェブサイトでは、日本と外国の関係について、「ヒト、モノ、カネ」の流れについて、ある程度データベース化し、それを定期的にアップデートするようになりました。

そして、先日の『日本の対外投資は金融業が主導…中韓との関係は希薄化』などでも述べたとおり、財務省の対外直接投資などに関する2023年分の統計が更新されたタイミングでもあるため、この「韓国とのヒト、モノ、カネの関係」を更新したものが、次の図表1です。

図表1 日韓間の「ヒト、モノ、カネの流れ」
比較項目 具体的な数値 全体の割合
訪日韓国人(2024年1月~4月) 2,999,901人 訪日外国人全体(11,601,202人)の25.86%
訪韓日本人(2024年1月~4月) 855,124人 訪韓外国人全体(3,949,089人)の21.65%
韓国に在住する日本人(2023年10月) 42,547人 在外日本人全体(1,293,565人)の3.29%
日本に在住する韓国人(2023年6月) 411,748人 在留外国人全体(3,223,858人)の12.77%
対韓輸出額(2023年1月~12月) 6兆5850億円 日本の輸出額全体(100兆8817億円)の6.53%
対韓輸入額(2023年1月~12月) 4兆3597億円 日本の輸入額全体(110兆1711億円)の3.96%
対韓貿易額(2024年1月~3月) 10兆9447億円 日本の貿易額全体(211兆0528億円)の5.19%
邦銀の対韓国際与信(2023年12月) 481億ドル 邦銀の対外与信総額(5兆0435億ドル)の0.95%
韓国の銀行の対日国際与信(2023年12月) 216億ドル 外銀の対日与信総額(1兆2681億ドル)の1.71%
日本企業の対韓直接投資残高(2023年12月) 5兆4849兆円 日本の対外直接投資全体(288兆8913兆円)の1.90%
韓国企業の対日直接投資残高(2022年12月) 77億ドル 日本の対内直接投資全体(3494億ドル)の2.22%

(【出所】日本政府観光局、韓国観光公社、外務省、法務省、財務省税関、国際決済銀行、財務省、JETROのデータをもとに作成)

貿易額と人的往来は「一見すると」重要だが…

これについて、多いと見るか、少ないと見るかは項目にもよりますが、少なくとも次の2つのことはいえるでしょう。

  • 金額「だけ」で見れば、貿易高自体は大きい:対韓貿易が日本全体の貿易に占める割合は、輸出が6.53%、輸入が3.96%であり、とりわけ輸出については日本にとって韓国は重要な相手国である
  • 人数「だけ」で見れば、日韓の相互往来は活発である:日本に入国した外国人のうち韓国人の割合は25%を超えており、また、日本に在住する韓国人は在日外国人全体の12%を占めるなど、韓国人にとっても日本が重要な渡航先であることを示唆している

これだけで見れば、日韓関係は重要だ、と思う人もいるかもしれません。

ただ、それと同時に注意しなければならない点があるとしたら、まず、貿易構造です。

昨年1年間を通じた日本から韓国への輸出額は6兆5850億円で、これに対し輸入額は4兆3597億円であり、日本は韓国に対し、年間2兆円を超える貿易黒字を計上している計算です。

つまり、日本にとって韓国は貴重な貿易黒字をもたらしてくれる相手国でもある、というわけですが、それと同時に(図表からは判明しませんが)日本から韓国への輸出品目は「モノを作るためのモノ」を中心とする高付加価値で占められています。

つまり、貿易面でいえば、日本にとって韓国が重要なのではなく、韓国にとって日本が重要なのです。

また、今年1月から4月までにおいて、韓国に渡航する日本人が855,124人であるのに対し、日本に渡航した韓国人が2,999,901人で、約3倍を超える開きが生じている事実にも注目してください。

在留者数に至っては、日本に滞在する韓国人は411,748人であるのに対し、韓国に滞在する日本人は42,547人で、10倍近い開きが生じています。

つまり、「ヒトの往来」という観点からは、韓国に出掛けようとする日本人、韓国に滞在しようとする日本人よりも、その逆のパターン――日本に出掛けようとする韓国人、日本に滞在しようとする韓国人――の方が、遥かに多いのです。

これが、日韓関係の実情に近いのかもしれません。

金融で見る外国との関係

金融面でのつながりの薄さは韓国だけでなく近隣国全般に成り立つ

そして、やはり金融評論的に注目しておきたいのは、「日韓関係の金融面でのつながりの薄さ」です。

とりわけ、日本から韓国への金融機関の対外与信は1%未満、日本から韓国への直接投資は2%未満であり、日韓が隣国同士であるという事実を踏まえると、この「関係の薄さ」はなんとも印象的です。

じつは、金融面での「関係の薄さ」は、中国、香港、台湾、北朝鮮、ロシアなどについても同様に成り立つのですが(北朝鮮に至っては、日本からの投融資残高は「ゼロ」です)、韓国も日本にとっての「投融資対象国」として見てみると、じつに関係が薄い相手国だ、という実態があらわになるのです。

参考までに、図表1のうちの金融に関する部分のみ、中国、台湾、香港、ロシア、北朝鮮、米国について書き換えると、図表2のとおりです。

図表2-1 金融面での日中のつながり
比較項目 具体的な数値 全体の割合
邦銀の対中国際与信(2023年12月) 833億ドル 邦銀の対外与信総額(5兆0435億ドル)の1.65%
中国の銀行の対日国際与信(2023年12月) データなし 外銀の対日与信総額は1兆2681億ドル
日本企業の対中直接投資残高(2022年12月) 18兆3555兆円 日本の対外直接投資全体(260兆2434兆円)の7.05%
中国企業の対日直接投資残高(2022年12月) 73億ドル 日本の対内直接投資全体(3494億ドル)の2.09%
図表2-2 金融面での日台のつながり
比較項目 具体的な数値 全体の割合
邦銀の対台国際与信(2023年12月) 283億ドル 邦銀の対外与信総額(5兆0435億ドル)の0.56%
台湾の銀行の対日国際与信(2023年12月) 366億ドル 外銀の対日与信総額(1兆2681億ドル)の2.88%
日本企業の対台直接投資残高(2022年12月) 2兆4536兆円 日本の対外直接投資全体(260兆2434兆円)の0.94%
台湾企業の対日直接投資残高(2022年12月) 81億ドル 日本の対内直接投資全体(3494億ドル)の2.32%
図表2-3 金融面での日港のつながり
比較項目 具体的な数値 全体の割合
邦銀の対港国際与信(2023年12月) 491億ドル 邦銀の対外与信総額(5兆0435億ドル)の0.97%
香港の銀行の対日国際与信(2023年12月) データなし 外銀の対日与信総額は1兆2681億ドル
日本企業の対港直接投資残高(2022年12月) 4兆9963兆円 日本の対外直接投資全体(260兆2434兆円)の1.92%
香港企業の対日直接投資残高(2022年12月) 198億ドル 日本の対内直接投資全体(3494億ドル)の5.67%
図表2-4 金融面での日露のつながり
比較項目 具体的な数値 全体の割合
邦銀の対露国際与信(2023年12月) 56億ドル 邦銀の対外与信総額(5兆0435億ドル)の0.11%
ロシアの銀行の対日国際与信(2023年12月) データなし 外銀の対日与信総額は1兆2681億ドル
日本企業の対露直接投資残高(2022年12月) 6017兆円 日本の対外直接投資全体(260兆2434兆円)の0.23%
ロシア企業の対日直接投資残高(2022年12月) 5481万ドル 日本の対内直接投資全体(3494億ドル)の0.02%
図表2-5 金融面での日朝のつながり
比較項目 具体的な数値 全体の割合
邦銀の対朝国際与信(2023年12月) データなし 邦銀の対外与信総額は5兆0435億ドル
北朝鮮の銀行の対日国際与信(2023年12月) データなし 外銀の対日与信総額は1兆2681億ドル
日本企業の対朝直接投資残高(2022年12月) データなし 日本の対外直接投資全体は260兆2434兆円
北朝鮮企業の対日直接投資残高(2022年12月) データなし 日本の対内直接投資全体は3494億ドル
図表2-6 金融面での日米のつながり
比較項目 具体的な数値 全体の割合
邦銀の対米国際与信(2023年12月) 2兆2696億ドル 邦銀の対外与信総額(5兆0435億ドル)の45.00%
米国の銀行の対日国際与信(2023年12月) 4627億ドル 外銀の対日与信総額(1兆2681億ドル)の36.49%
日本企業の対米直接投資残高(2022年12月) 90兆6465兆円 日本の対外直接投資全体(260兆2434兆円)の34.83%
米国企業の対日直接投資残高(2022年12月) 778億ドル 日本の対内直接投資全体(3494億ドル)の22.26%

(【出所】国際決済銀行、財務省、JETROデータをもとに作成)

おカネは簡単に距離を超える

日本にとって、金隣国であるはずの中国、台湾、香港、ロシアとの関係の薄さは印象的ですが(北朝鮮に関しては本当にゼロなのか、単にデータがないのかという問題はありますが)、米国との関係の強さもまた印象的でしょう。

経済的関係の深さと地理的な近さを比べてみると、ヒト、モノのように「物理的な運搬」を伴うものについては、やはり地理的に近い方が深くなる傾向にあることは間違いないにせよ、カネのように物理的な運搬を伴うとは限らない項目に関しては、地理的な遠さとはあまり関係がないようです。

これにはやはり、法的な安定性(相手国が国際法を守るかどうか)、地政学的な安定性(武力衝突のリスクがあるかどうか)、といった視点が大切であろうことは、想像に難くないところでもあるのです。

いずれにせよ、こうした「数値で見た議論」の大切さについては、いくら強調してもし過ぎではないでしょう。

新宿会計士:

View Comments (14)

  • >法的な安定性(相手国が国際法を守るかどうか)

    法や約束を守るのは弱者や愚者のする事であり、強者は法や約束を破って良いし、強者が法や約束を破るのは自らが強者である事を誇示する行為として是とする基本的価値観を有する韓国には全く当て嵌まらないですね。

    >地政学的な安定性(武力衝突のリスクがあるかどうか)

    南北対立や米中対立の地である事、そして北朝鮮には民族的憧憬を抱いており、中国には歴史的背景及び事大主義と時代主義によって服従が基本的姿勢である事から、不安定極まりない“地域”ですね。

    東レなどが韓国に1.2億ドル投資 先端素材・半導体生産へ
    聯合ニュース4/22(月) 16:05
    https://news.yahoo.co.jp/articles/c1d635332d9dd7039c2ac3468082b4b9c1e3ee84

    >韓国産業通商資源部は22日、日本を訪問中の安徳根(アン・ドクグン)同部長官が同日、日本の化学・繊維大手、東レと半導体素材企業1社が韓国に対し総額1億2000万ドル(約185億7000万円)規模の投資を行う内容の投資申告式に出席したと発表した。

    電気が安いからなどと朝鮮半島南部に工場を建設した東レは、長期保有を目的とする株主にとっては背任行為と言えるかもですね。

  • アメリカが中露の防波堤として韓国を利用しよう,と考えている限り,日本は親分の命令に従うしかないのです。ただ,親分も韓国は全然信用してないので,ある程度,日本の気持ちも分かってくれてはいると思います。

    • 日本としても
      釜山に人民解放軍の爆撃機と軍艦が常駐されも困るからなー

      • 韓国に居る米軍が、対馬に移動すればいい?
        韓国にいる米軍、名目は国連軍だ。
        名目上は、朝鮮戦争は続いているのだから、釜山に中国軍がやって来るとなると、一度、朝鮮戦争は韓国国連軍が負けたことにしなければならないかもしれない。
        何か、ややこしい。

      • 朝鮮半島有事の際に韓国が彼方側になってれば、押し寄せる朝鮮人韓国人を追い払う更なる口実になりそうなのですが。

  • >韓国は、国際社会における様々な課題への対応にパートナーとして協力していくべき重要な隣国である。

    何年かすると
    韓国は、協力していくべき重要な隣国である。

    その次
    韓国は、重要な隣国である。

    最後は
    韓国は隣国である。

  • まあ、もし
    近所の知り合いにお金貸すとしても
    嘘捏造で迷惑かけられ偉そうに言ってくる
    隣家なんかには貸さないで
    まともなお付き合いできる仲のいい
    おうちには貸してあげてもいいものです。

    あ なんの話でしたっけ? (^^);

      • >「日 米”間”(にちべいかん)」

        "かん"違いだと分かるのに、随分と、"かん"がえました。

        • 真意をご理解いただき、ありがとうございます。
          協調なら「日 米”間”」で ”間”違いありません。

  • 金融や経済は数字で追えると言うのは思いあがりだと思いますね。自然を科学すると言うならわかります。しかし、経済は人間が行う事ですから心理に流されます。過去を分析してそれらしく説明する事は可能ですが、未来を予測する事はできません。再現性のない理論は科学とは言いません。

    • これまで散々、支離滅裂なコメントを書き込んで批判されたことへの逆ギレですか。相変わらず支離滅裂ですね。今回のコメントにしてもブログ主が

      「なお、念のためお断りしておきますが、当ウェブサイトとしては、数字「だけ」ですべてを把握すべきだ、と述べているわけではありません。」

      と述べているのを読んでいないし。低レベルすぎる。

      あなたのコメント、相手に文章を読まずに自分の勝手な思い込みだけで書くから支離滅裂になる。アク禁されないことを感謝したら?

    • なるほど~(笑) (^^);

      世間で
      『意味のない屁理屈』だとか
      『もっともらしい嘘シリーズ』
      という文章と呼ばれるものは、
      このまんさくさんのコメントのような
      文章のことを言うんだなあと
      感じいりました  (^^)/

  • >地理的に近い国との金融関係は薄い

    この問題は詰まるところ、低賃金を求めて日本の企業が近隣国へ生産拠点を移す、過去に盛んだった事象が既に終了していること、そして、その結果として近隣国の経済が大いに発展したかと言えば、実はそうではなかったってことを、あからさまに示しているように思えます。

    日本企業の生産移転が現地経済の核となって、次々に地元関連企業が立ち上がっていったのであれば、当然そこに生じる資金需要のかなりの部分は、日本の金融機関が担うことになるのが、自然と言えるでしょうから。

    近年、ベトナムを初めとして、ASEAN諸国の経済発展が注目されてはいますが、今のところは、日、中、韓、および欧米のグローバル企業の海外生産に依存した、下請け経済構造の域を脱しておらず、それによってもたらされる賃金の余得よって、内需も拡大している。基本はそんなところなのではないでしょうか。

    中韓などは、労賃上昇の故にそうした流れも止まって久しい。結果として、今や経済停滞を来たし、もろに中進国の罠にはまった状態に陥っているように見えます。

    CPTPP体制が発足して、まださほどのときは経っていませんから、その評価が出るのは当分先のことでしょうが、単に関税の撤廃または低減によって輸出がしやすくなるというメリット以上に、日本の企業、および金融機関とタッグを組んで、飛躍的に自国産業を発展させていく国が、参加国の中から出てくるのか。そうなってこそホンモノの経済協力体制だと思うのですが、どうなるのやら。