X

幹線道路整備で交通事故が3割減

「多少生活が不便になっても良いから、高速道路建設を止めよう、リニアを止めよう、原発を止めよう」。冗談じゃありません。この手の主張をする人たちは、結局のところ、社会の進歩を妨げる屁理屈を探しているだけではないでしょうか。こうしたなか、重要な事実をひとつ指摘しておくと、東京外郭環状道路が開通した結果、へ移行する県道での事故が交通3割減ったそうです。

未開通の幹線道路…妨害していたのは誰だ!?

詳細は伏せますが、著者自身が暮らしていた街で、幹線道路が中途半端に寸断されていたという事例がありました。総延長30㎞ほどの都市内の幹線道路だったのですが、そのうち、とある自治体を通る2㎞ほどの区間が未開通のまま、何十年も放置されていたのです。

なぜ未開通だったのか――。

これについては後世の政治学などの研究もまたれるところですが、著者自身の主観に基づけば、ちょうど未開通区間が所属する自治体が、左翼的(?)な市長・市議会により、長らく支配されてきたことと無関係ではないと思います。

幹線道路は「無駄な公共事業」

そういえば、その自治体は社会党の著名な国会議員の地元でもありましたし、旭日旗に似た社旗で知られる某新聞の購読率が高い自治体としても知られていたようです。

そのロジックは、こうです。

幹線道路を通すと騒音で生活環境が悪化する。また、この街はこれから人口が減り始める。無駄な公共事業は進めるべきではない」。

想像するに、おそらく反対する理由があれば、何でも良いのだと思います。

しかし、正直、その道路は戦前から計画されてきたものであり、ただでさえ並行して走る2本の幹線道路、2本の高速道路は慢性的な渋滞に悩まされていました。しかも、その幹線道路は途中で寸断されてしまうがために、その寸断されている区間に相当する他の幹線道路は、よりいっそう、混雑したのです。

さらに困った問題があるとしたら、迂回するために、生活道路をビュンビュン飛ばす車の存在です。幹線道路が未開通だったころは、その幹線道路の計画区間と並行して走る、対向車とギリギリすれ違えるくらいの狭い道に自動車が殺到し、通学途中の子供が車にはねられるなどの事故も多発していたのです。

それが、その幹線道路が全線開通したことで、生活道路を無茶な速度で走行する自動車も減りましたし、懸念されていた幹線道路の騒音公害についても、速度制限を抑える、信号を多く設けるなどの対策もあってか、さほど懸念すべき状況ではありません。

やはり、幹線道路を含めた重要インフラの整備は、疎かにしてはならないのではないかと思う次第です。

日本に不必要なのはリニアではなく社民党では?

どうしてそんなことを思い出したのかといえば、社民党の国会議員が先日、「明らかに人口が減る日本に、リニアを作る必要がありますか?」とXにポストしていたからです。

この社民党の議員のポスト内容は道路ではなくリニアです。

ただ、「日本に必要ない存在」はこの場合、リニアではなく社民党の方ではないか、といったツッコミどころもさることながら、それ以上に新しい交通手段の建設に反対するときのロジックが、個人的に記憶している某市長の言い分にソックリだったので、ちょっと注目してしまいました。

左派政党が大好きなお題目といえば、「ケンポーマモレ」、だけではなく、「原発も嫌い」、「リニアも嫌い」――。

要するに、日本の技術が発展することが嫌いだ、ということなのかもしれません。

外環開通で交通事故が減少した

もっとも、本稿でこのポストを取り上げた理由は、そこではありません。

Xで、こんなポストを見かけたのです。

このポスト主の方によると、「千葉県では日本共産党が猛反対して来た東京外郭環状道路(※外環)が開通した結果、交通事故が激減した」と指摘するのですが、これについて事実関係を調べてみると、たしかにそのようなデータがあるようです。

東京外かく環状道路(三郷南IC~高谷JCT)開通後の整備効果

―――2019/12/25付 NEXCO東日本 企業サイトより

東日本高速道路株式会社のウェブサイトに掲載された『東京外かく環状道路開通後の整備効果』(本来「外郭」と書くべきところ「外かく」と記載しているのは、誤植ではなく原文ママ)というページによると、沿線での物流施設の増加による利便性向上などに加え、こんな趣旨のことが記載されているのです。

  • 都心から外環道への交通転換により、都心における大型車の交通量は減少傾向
  • 交通事故件数が国道298号に並行する県道で約3割減少し、交通環境が向上

ちなみに国土交通省・北首都国道事務所の『国道298号 外環道(北首都国道区間)の概要』によると、外環道は全延長約85㎞の幹線道路で、自動車専用の高規格幹線道路と一般道としての国道298号線を併設しているものです。

社会の進歩を妨げる詭弁に騙されるな!

考えてみたら当然ですが、幹線道路が開通すれば、生活道路に進入する自動車も減ります。

もちろん、普段から当ウェブサイトにてお伝えしている通り、最近だと無茶な運転をするのは自転車、電動アシスト自転車、モペッド、電動キックボードなどもそうですが、やはり性能的に見て、簡単に速度が出せるという意味では、自動車の危険性は格段に高いといえます。

そして、交通事故をなくすためには、社会全体でトータルな取り組み(飲酒・危険運転の厳罰化や自動運転の推進、啓蒙活動など)が必要ではあるのですが、結局のところ、交通量が多い地域では、社会の利便性を維持するためには、コストをかけてでも高規格な交通インフラを整備するしかないのです。

え?「社会が多少、不便になっても良いから、自動車の総量を規制すべき」、ですか?

まさか!

結局のところ、この手の「社会が多少不便になっても良いから高速道路を作るのを止めよう」、「リニアを止めよう」、「原発を止めよう」とする主張は、社会の進歩を止めるための屁理屈に過ぎません。

いずれにせよ、こうした「社会の進歩を妨げようとする詭弁」に騙されてはならない、とだけ申し上げておきたいと思う次第で鵜§。

新宿会計士:

View Comments (11)

  • リニア反対とかけて取舵いっぱいと解きます。
    その心はどちらも左曲がりでしょう。

  • 人間も動物も、基本的には現状維持バイアスがはたらくものなんだそうですね。生存本能と関係あるんだそうです。
    現状を変える動きに反対を唱えたとき、その問題への意識が薄い人が多いほど、本質的には反対が支持され易い傾向があるのだと思います。
    人間は現状変更したほうがメリットある未来がある、と考えれば本能に逆らって現状変更できますが、理性と知性のなせる技だと思います。

    進歩的と呼ばれる一部の野党が、結果的にですが現状変更に反対ばかりしているのは皮肉なものです。

  • >へ移行する県道

    → 並行する県道。
    これは、少々考えました。時々、こういう問題を出してほしいです。

    所で、外環道ほど、役に立つ道路は、近年ないですね。
    反対する人は、多分、首都圏には住んでいないんでしょうね。

    • 三鷹あたりの「市民」が、何十年間も反対してきました。

      三鷹あたりは「例の変な市長」が居てた武蔵野市です。
      武蔵野市小金井市小平市あたりは、住んでる感触からすると「市長」の巣窟でっせ。

      • 反対は、あちこちでありましたね。
        通る所は、皆んな反対したんじゃないですか?

        所で、「市民」て何ですかね?
        先祖伝来、ウチは、何代も前から住んでいるんだって偉そうに言うけれど、その内、息子も娘も何処かへ行ってしまい、自分が老人ホームに入って、その家に住む者が誰もいなくなり、もう「市民」じゃなくなりますね。その高々10数年住む為に、国の未来と未来の国民の為に必要不可欠な社会インフラに大反対って?
        「市民」様は、王様よりも偉い、絶対的存在とでもお思いですかね?

    • >事故が交通3割減ったそうです。

      これは、かなり考えました。
      多分、
      → 交通事故が3割減ったそうです。

      じゃないかな?

  • 東名リニアについては既存高速鉄道比で飛躍的に増える消費電力を賄うべく早急に原子力発電所の再稼働、更新、新設を始めていかないと開通に間に合わない恐れがあります。
    本気で路線通すつもりが有るならJRと沿線電力会社はもう動いているはずですが、表には出さないのか聞こえてこない気がします。

  • 新東名・新名神は事故が減るよりも死人が出る方が安いという理屈でつぶれかけました
    開通後も2車線の頃は渋滞だらけの殺人道路だったが故に、拡幅が行われました

  • 建設業界が自民党の票田だから反対してるだけ。公共事業をやめて減税を主張するならまだしも、左派政党はそのカネでバラマキをしようとする。それでは国民負担は減らない。

    インフラ整備などの公共事業は、まだ経済活性化に役立つが、左派政党が主張するバラマキは、一部の人間に公金チューチューされるだけで、経済活性化にもつながらない。