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    Categories: 金融

データで見る「外貨建ての負債が少ない国・ニッポン」

悪い円安論者の皆さまには申し訳ないのですが、日本では通貨安に伴う「負債効果」――すなわち「円安で負債の負担が大きく増えてしまう現象」は生じ得ません。そもそも外貨建ての借金が4919億ドルと、日本の経済規模に比べて非常に小さく、さらに邦銀は日米為替スワップに基づき、ドル流動性供給オペなどのツールも使えるためです。

2024/05/03 12:00 追記

誤って草稿状態で公開してしまっていたため、いったん非表示とした上で改めて公開しました。記事公表日時より前の時点の読者コメントがついているのはそのような理由によるものです。

為替変動の少なくとも5つの効果

為替変動はその国の経済に対し、良い影響、悪い影響などさまざまな効果をもたらすが、「現在の日本」に限定していえば、円安が長期化した場合には「悪い影響」よりも「良い影響」の方が大きく出て来る――。

これは、当ウェブサイトで壊れたレコードのごとく繰り返している論点のひとつだと思います。

前提条件として、普段から提示している図表について、今回からはやや簡略化したバージョンを使いたいと思います(図表1)。

図表1 為替変動が経済にもたらす効果

良い面、悪い面さまざまあるが…

図表ではおおきく5つの効果に絞っていますが、これらについては円安になった場合、次の通りです。

  • ○輸出競争力→上昇する
  • ×輸入購買力→低下する
  • ○輸入代替効果→中・長期的に発生する
  • ○資産効果→外貨建資産の円換算額が増える
  • ×負債効果→外貨建債務の円換算額が増える

良い項目が3つ、悪い項目が2つです。

しかし、現在の日本に関していえば、このうち「負債効果」はほとんど生じないと考えて良いでしょう。

なぜそういえるのか――。

これに関して参考になるもののひとつが、『国際与信統計でまたもや日本が「世界最大の債権国」に』でも取り上げた、国際決済銀行(BIS)の『国際与信統計』(CBS)のデータです。

じつは、当ウェブサイトでは報告してませんでしたが、BISはつい最近、データの公開フォーマットを大きく変更し、新たなフォーマットを眺めていると、いくつかの発見がありました。それは、(慣れれば)データをより効率的に取ってくることができるようになった、という点です。

国際与信統計も使いつつ、資産効果・負債効果を予測する

こうしたなかで見ておきたいのが、「資産効果」と「負債効果」です。

どちらの効果も、外貨建の債権・債務の金額がわかることが望ましいのですが、残念ながら国際与信統計、これらについてはすべてのデータが正確に把握できる、というものではありません。

しかし、少なくとも日本のデータに関していえば、外国からの外貨建ての借入は非常に少ないと考えてよさそうだ、ということがわかってきました(図表2)。

図表2 国際与信統計の概要
ベース 集計区分 金額
所在地ベース 国際与信合計 5兆1738億ドル
外国からの借入合計 1兆2517億ドル
外国からの借入(円建) 7597億ドル
外国からの借入(外貨建) 4919億ドル
最終リスクベース 国際与信合計 5兆0435億ドル
デリバ・支払承諾等 8081億ドル
外国からの借入合計 1兆2681億ドル

(【出所】The Bank for International Settlements, Consolidated banking statistics データをもとに作成)

ここで、データ区分には集計のベースが異なる項目、すなわち「所在地ベース」(最終的なリスクの所在ではなく、名目の貸出先の国を集計する方法)のものと、「最終リスクベース」のものが混在してしまっていますが、これはBISデータの仕様なので、仕方がありません。

所在地ベース・通貨ごとに見てみると?

それはともかく、当ウェブサイトでこれまで頻繁に引用して来た(そしてこれからも引用していく予定の)「最終リスクベース」のもので見ると、国際与信合計(つまり外国に貸しているおカネ)は5兆0435億ドルと、「5兆ドルの大台」を超えていることがわかります(これが先日の記事表題にもあった「5兆ドル」です)。

これに対し、外国からの借入は1兆2681億ドルに過ぎませんので、日本は「外国に貸しているおカネの額の方が、外国から借りているおカネの額よりも多い」、ということがわかります(ただし、借入人側は金融機関に限られない点には注意が必要ですが…)。

ただし、このうち「外国に貸しているおカネ」については、通貨別の内訳はよくわかりません。

しかし、逆に「外国から借りているおカネ」に関しては、「所在地ベース」の方のデータで見れば、よくわかります。

こちらの「所在地ベース」の方だと、国際与信(外国に貸しているおカネ)の合計は5兆1738億ドルで、最終リスクベースと比べて少し多いのですが、外国から借りている方に関しては1兆2517億ドルで、最終リスクベースと比べてやや減ります。

その一方、こちらの「所在地ベース」を使えば、外国からの借入の通貨別内訳が判明します。

これによると外国の金融機関からの借入でありながら、外貨建のものは4919億ドルと、全体の40%ほどを占めるに過ぎず、およそ60%に相当する7597億ドルが、円建ての借入なのです。

外貨建の借入が4919億ドルというのは、日本経済の規模に比べ、やはり少ないように見えます。

ただ、これなど「日本が国を挙げて他人(外国)から借りているおカネ」がいかに少ないか、という証拠のようなものであり、円安で通貨危機など起こるべくもない、という意味でもあるのです。

日本で通貨危機が起こり得ない理由は潤沢な外貨準備とFRBスワップ

ちなみに(先日の為替介入で若干減ったようだとはいえ)外貨準備は依然として1兆ドル前後と巨額であり、万が一、日本から外貨流出が発生したとしても、それにより金融機関が経営破綻する、といったことは考え辛いところです。

というよりも、日本銀行は米FRBなどと金額無制限の為替スワップ協定を保持しており、もしも邦銀が外貨調達に苦しむような状況が出た場合には、日銀はこれらの為替スワップに従い、邦銀などに対し、直接、ドル流動性供給オペを行うことが可能です。

正直、円安が進行しても通貨危機に発展しないことがほぼ確実だと思われるなかで、やはり上記①~⑤のうち、円安が日本経済に対して与えるデメリットは②くらいしか思い当たりません。

だからこそ、「悪い円安」論者の皆さまは、やれ「日本人が海外旅行に行けなくなった」、やれ「年金生活者は生活に苦しんでいる」、だのと、上記②のメリットをことさらに誇張する一方、たとえば④の資産効果に関しては「資産家で経済に詳しい人が株高や円安で儲けているだけだ」、などと一生懸命に否定するのでしょう。

見苦しいです。

くどいようですが、当ウェブサイトは円安に良い面、悪い面があること、円安にも関わらず、輸出競争力が思ったほど増えなかったり、輸入代替効果が働かなくなったりする可能性があるとも考えているわけですが、それでもやはり「資産効果」に関しては、否定できないのではないでしょうか。

というよりも、円安のデメリットが「海外旅行に行き辛くなった」、「年金生活者の生活が苦しくなった」、といったレベルのものに留まっているうちは、そのような主張は決して論理的思考に基づくものではないという可能性が濃厚だと思う次第です。

新宿会計士:

View Comments (22)

  • ここのサイトの住人は管理人様を含めやや高齢で、特に経済的に裕福な方が多いと思われます。
    そのような方々はこの円安にも大した影響はないのでしょう。

    だが中小企業の社員や非正規雇用の労働者、零細自営業や個人の飲食店経営者…
    彼らにとっては円安や電気ガス・輸入品の値上がりは死活問題となります(含むインボイス)

    消費税の逆進性と同じく、物価の上昇が襲い掛かるのです。
    まして実質賃金の低下が続いているならなおさらのことでしょう。

    資産家や富裕層は「悪い円安」論を軽く一蹴します。
    だがそれ以外の一般庶民には「悪い円安」論は案外深く刺さります。

    この視点は重要なのだと思う次第です。

    • 失業率急降下と求人難。
      時給相場の急増。
      大手と値決めする時の値上げマインド定着。
      (当局の取り締まり付)
      世界中が大幅なインフレなのに、相対的にマイルドな物価。

      このあたりは低賃金?の人たちにはポジティブ評価にはならんのですかね?

      年金生活の老人たちには困ることだけですが、
      「少数の老人たちより生産世代を優先せい」
      というのが、ここ新宿さんとこだけにとどまらず、円高円安を議論する上での基調となってるように思います。

      私見ですが、年金生活してる老人たちだけが、日本共産党や立憲民主党を支えてるように思われます。
      エエ加減にしてほしい。

      • CRUSH 様

        いえいえ、私ら年金暮らしの老人だって、
        日本共産党や立憲民主党なんかに国政の舵取り任せて、
        格差不公平なしの「共同貧困」なんてご免ですよ。

        頼りの、国民健康保険だって、国民年金、厚生年金だって、
        入ってくるものなしに。立ちゆかせるのは不可能ですからね。

        稼げる人はそれなりに、稼ぎの一部を社会にも還元してるってことです。
        年金で生かせてもらってる身では、「もっと出せとは」ちょっと言い辛い。

      • CRUSH さん

        >世界中が大幅なインフレなのに、相対的にマイルドな物価。

        例えば米国では家賃の値上がりでホームレスとならざるを得なかったりと、他の国を見れば厳しい事は分かります。

        でも、他所と比べればマシだから良いんだってのを当事者ではなく第三者が使ったところで、当事者にとって慰め程度にしかならないと考えます。

    • 物価高は円安が原因なのですか?
      では日本以上に物価高の米国、欧州、韓国等の物価高をどう説明するのですか?

    • >このあたりは低賃金?の人たちにはポジティブ評価にはならんのですかね?

      一昔前に比べ状況は大きく改善されましたがポジティブには評価しないでしょう。
      むしろ不満が蓄積されているように思います。

      >私見ですが、年金生活してる老人たちだけが、日本共産党や立憲民主党を支えてるように思われます。

      案外と若い支持者もいるようですよ。

      >物価高は円安が原因なのですか?
      >では日本以上に物価高の米国、欧州、韓国等の物価高をどう説明するのですか?

      ・コロナ禍での巨額の財政出動
      ・パンデミックで供給網が寸断されコロナ後の経済再開の需要に答えられなかった
      ・ロウ戦争による各種エネルギー、穀物価格の上昇

      これらの複合的要因により世界的なインフレとなりました。

      • >・コロナ禍での巨額の財政出動
        >・パンデミックで供給網が寸断されコロナ後の経済再開の需要に答えられなかった
        >・ロウ戦争による各種エネルギー、穀物価格の上昇
        >これらの複合的要因により世界的なインフレとなりました。

        ということは円安けしからんという批判はお門違いではないですか?

      • 特にあなたを指して言ってるわけではありません。
        主語がわかりにくくてすみません。

  • 新宿会計士さん高齢者説はちょっと盲点でした。(笑)
    「昭和生まれはみんな高齢者」のくくりならわかります。40歳以上は高齢者になりますもんね。
    時々記事にされる「令和生まれの若者」がお孫さんということならワンチャン。(ない)

    そういえば経歴など記されたプロフィールは今は見えなくなってるんですね。

    • 「このサイトについて」-「著者紹介」
      のところです。一応、参考までに。

  • このところ、怒濤の「悪い円安」論退治の記事連発が続いていますが、この記事なんかもその一つなんでしょうね。

    ところで、サイト主さんから見れば「飛んで火に入る夏の虫」みたいな新聞記事が、本日の朝日新聞に掲載されていたので、ご紹介。

    『1㌦160円再来 34年前は ~1990年 円高不況からのバブル景気
     円安への期待感 ■ 円の実力現在以上』

    まあ大見出し小見出しをこう並べてみると、筆者がなにを言いたいのかはすぐにお分かりでしょう。同じ円安水準とは言え、現在の日本円の実力は34年前よりずっと落ちてるぞと言いたいわけです。記事中では「悪い円安」という言葉も、しっかり使っています。

    因みに、この記事は署名入りですから、筆者は社内では「経済畑に強い人」で通っている記者なんでしょう。

    論拠に上げている項目が表になっていて、1990年当時といまを比較しているのですが、その項目はと言えば、①物価上昇率 ②日経平均株価 ③実質実効為替レート ④実質GDP成長率 ⑤首都圏新築マンション平均価格 ⑥前年の新語、流行語 ⑦サラ川入選作 ⑧日本レコード大賞と言ったラインアップ。

    まあこれ、全部繋いで、平仄の合った文章にできれば、大した文才の持ち主ということになるんでしょうが、わたしの読み解いた限りでは、「34年前は→円の実力現在以上」に持って行ける記述と言ったら、③実質実効為替レートを論じた下りくらい。そして多分、この数値に着目したというのが筆者の自慢らしい。

    ただ、一般読者向けに記事を書くなら、「実質実効為替レート」なんて耳慣れない言葉を使うなら、その意味するところくらいきちんと書けよ、と言いたくはなります。

    「実質為替レート」とは、「自国の財・サービス価格のある外国の財・サービス価格に対する相対比(割安・割高度)」(『まるわかり“実質実効為替レート”-“50年ぶりの円安”という根深い問題 https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=71819?pno=2&site=nli 』より引用)。さらに、実効レートはある通貨と幅広い通貨の間の為替レートを総合的に反映したもの(同)ということなんですが、

    それより、掲載した表にある1990年と「いま」の数値、119.86と70.94が、2010年の日米通貨の実質的な相互交換関係を100としたときの比で以て表わされていることはきちんと書いておかないと、読者になにを伝えたいのか意味不明になってしまいます。

    ともあれ、この実質為替レートが1990年当時より顕著に低くなっている、つまり米ドルに対して日本円の実力が下がっているんだと、主張するわけです。残りの項目を円の実力低下につなげる話については、まあ、ものは言い様くらいの感じですかね。

    サイト主さんが口を酸っぱくして指摘されている、「悪い円安」論者が頑なに触れたがらない事柄が日本の対外資産というのが、この朝日の記事にもマンマ当てはまります。

    そんな弱くなる一方の日本円を武器に、世界経済の荒波の中を渡って、どうやって34年前には200兆円弱だった日本の対外純資産額を、いまでは400兆円を超えるまでに増やすなんて離れ業ができるのか? さらに、そんなのは、この間に日本社会で生み出された生産のほんの一部であって、大半は有形無形の国富の蓄積として国内に止まっている。ちらっとでもそう考えるアタマがあれば、日本円の実力が下がっているなんて記事は、書けないと思うんですがね。

    サイト主さんの「頑なに触れたがらない」という「悪い円安」論者への指摘は、当たってないんじゃないかという気がします。そんなこと「考えるアタマがない」。そっちが真相では?

    • 朝日新聞は懲りもせず相変わらず捏造、誘導、優良誤認の記事を書いているのですか。こういう記事が出たらすかさずXなどを使って摘発しないといけませんね。
      といいながら、私はXは知人をフォローするだけでそれほど発信してないのですけど。

      • (つづき)
        時事通信 5/3

        「報道の自由度」世界的に悪化 日本は70位に後退 RSF

        記者クラブやクロスオーナーシップについては絶対に言及しない。
        明日の朝日新聞がどのように報道するか楽しみ。どうせ読まないけれど。

        • つづき

          朝日新聞様、すみませんでした。
          おみそれしました。

          .朝日新聞デジタル 5/3
          >記者クラブ制度がメディアの自己検閲や外国人ジャーナリストらの差別につながっているとした。

  • >だからこそ、「悪い円安」論者の皆さまは、やれ「日本人が海外旅行に行けなくなった」、やれ「年金生活者は生活に苦しんでいる」、だのと、上記②のメリットをことさらに誇張する一方、たとえば④の資産効果に関しては「資産家で経済に詳しい人が株高や円安で儲けているだけだ」、などと一生懸命に否定するのでしょう。

    ○輸出競争力→上昇する
    ×輸入購買力→低下する
    ○輸入代替効果→中・長期的に発生する
    ○資産効果→外貨建資産の円換算額が増える
    ×負債効果→外貨建債務の円換算額が増える

    円安以外の要素で物価が高騰していたところに、

    円安による物価の高騰が追い討ちを掛けたって流れという理解で良かったですかね?

    合っているならば、

    追い討ちを掛けた事で円安の影響が実際よりも強く、大きく受け止められてしまったのかもですね。

    円安を擬人化すると「俺はここからはやったけど、ここまではやってねーよ!」って感じ?

    日本では成人すればひとり一票の格差の投票権を有する事になり、

    富裕層であろうと貧困層であろうとひとり一票なのは変わりません。

    某有名貧困調査員ではない私はネット上の情報を用いる訳ですが、

    「中間層」について考える 2024年03月14日
    https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=77863

    『1991年に521万円であった世帯所得の中央値は2020年には440万円にまで低下』しているとの事です。

    日々の暮らしに追われて将来設計が出来ていない層にしてみれば、

    合理的理性的に考えれば立憲共産党を支持する事は自らの首を絞めるだけだと分かっていても、

    お金絡みの政治家の不祥事ってより刺さって感情的な反発を招きやすそうで、

    自民党への逆風は長引きそうですね。

  • 為替レートについては、円高・円安、というので、円高の方が良いようには聞こえます。為替レートに関心が無かった時には、漠然と、円高の方が良いのだろうという風にしか考えていませんでした。
    このサイトで、これだけ円安に関連して為替レートの話題に触れると、当たり前のことに、夫々良い影響と悪い影響があることが分かり、又それは具体的にはどういう点なのか?ということも分かりました。
    そこで、結局、幾らのレートが、日本にとって一番適切なんだ?という疑問が出て来ます。

    個人的な感覚としては、今現在の日本の産業構造ではもう少し円安になって、生産拠点を国内に移転する動機付けなるような水準の為替レートが良いように思います。

    日本の高度成長期には、1ドル360円という超円安だったのです。考えて見れば、原材料資源に恵まれない日本は、加工貿易型の産業構造です。
    これは、原材料を外国から輸入して、様々な加工をして付加価値を付けて輸出します。この輸出をするときには、円安の方が売り易い訳です。製品に於ける原材料費率というものは、製品価格の中では、比率がかなり低いものです。
    ですから、円安になって輸入原材料費が高くなっても、輸出の際の輸出価格のドル価が同じであれば、加工部分の比率で、円換算では、付加価値=収入が多くなるのです。ですから、円安になったからと言って、それに応じて、輸出ドル価格を下げなければいいのです。
    加工貿易の製品に関しては、円安はとても良いことのように見えます。

    では、何故、円安が大変だと騒ぐかと言えば、エネルギー資源価格と食糧価格の円価での上昇が、国内物価を上げて、生活が苦しくなる、という訳です。
    これに関しては、原子力発電を増やしてベース電源部分を確保すること、と、無駄なエネルギーを使わないように省エネをあらゆる分野・場面で実施することです。例えば、最近CMが流されているのが、家の窓に内窓を付けましょう、というもの。日本の家屋は、エネルギー効率が極めて悪いですね。
    次に、食糧については、今盛んにおこなわれているのは、ステルス値上げです。これは、悪いことでしょうか?
    日本の食品廃棄量は、世界一?というデータもあるようです。高いお金を出して輸入した食糧を様々に加工して、食品として販売しているのですが、そのかなりの部分を廃棄しているらしいです。半分位になるのでは、という話もあります。
    個人的な感想ですが、昔の日本の食品の個包装量は、多過ぎたと感じています。多くても、封を開けたら食べなければならない、しかし、食べきれなければ廃棄することになります。
    ステルス値上げをして、個包装量が減れば、食べ過ぎず廃棄せず。これは、体(健康)と環境に良いことです。電力だって、無駄に使えば、輸入エネルギー資源を無駄に捨てているのと同じことです。お金を捨てていることになります。

    結論は、
    1.円安だからと言って、輸出ドル可価格を下げずに、円換算で言えば高く売って、国内にお金(円)を沢山落とす。すると、その分GDP(円)が増える。その増えたお金を、国民に回す仕組みを作る。
    2.食糧・エネルギーの無駄遣いを減らして、国外に流出するお金を減らす。
    3.輸入代替効果で、生産拠点を国内に戻す。そうすれば、三国間貿易をやっていた部分が国内から輸出できるようになる。又、国内生産で国内の需要を賄えるようになり、輸入しなければならない製品・商品がへる。お金が無駄に国外に流れず、国内で循環することになり、その分、GDPが増える。
    ここで、確認しておくと、GDPとはその年に産出された付加価値=日本国内に落ちたお金の額である。
    これが、生産性を測る元金であり、その額が増えれば、労働者に配分する原資が増える。
    しかし、これを資本家への配当と企業の内部留保にしてしまうと、労働者の収入は増えない。
    労働者の収入を増やすには、物価を高めにしておくことである。すると、労働者が生活できる十分な給料を支払わなければ、労働者を雇えない。そこで、企業間・産業間で労働者の獲得競争が起きて、自然と賃金相場が上昇することになる。その結果、国民は高収入な生活を味わうことが出来るようになる。

    このように、風が吹けば桶屋儲かる、というような連関を考えて見れば、
    「今より、適切に円安になれば、日本は豊かになる」
    という結論が出て来てしまうのです。

    適切な円の為替レートを見つけましょう。
    そして、それは多分、今よりも更に円安方向のはずです。
    何故なら、未だ、輸入代替効果が出ていないようなので、もう一段の円安が必要なのでは?と思うからです。

    • >労働者が生活できる十分な給料を支払わなければ、労働者を雇えない。そこで、企業間・産業間で労働者の獲得競争が起きて、自然と賃金相場が上昇することになる。

      ここで、外国人労働者を安易に入れて、安く雇用すると、日本国民の給料は上がらないのです。ですから、バイデンさんの言うことを訊き入れると、何時までも日本は豊かになれないのです。どうも、バイデンさん、日本には豊かになって欲しくないらしいですね。

    • 続きです。

      考えて見れば、小泉政権以降、上記の全く逆のことをやって来て、民主党政権では、超円高にして日本経済と国民生活を容易には這い上がれない状態に陥らせ、更には、原発全停止という止めまで差してくれた訳です。
      そして、それを是正する方向を、今に至っても打ち出せないでいます。
      更には、国のガマ口を握っている〇務省は、国民生活の隅々まで課税の網を張り巡らせようとしているように見えます。
      景気が一向に上向かない時に、増税なんて、国家経営理論=経世済民=経済、を分かっているのか?と訊きたいものです。

  • 為替のリアルチャートを眺めていて,円高に振れた原因に,政府の市場介入以外の要因の存在を感じました。つまり,FRBのパウエル議長の発言から,インフレのよるアメリカの消費急減と,雇用統計が予想より好ましくないことを,投資家達が認識したからだと思います。また,FOMCは現在最大600億ドル/月の量的引き締めを行っているのに,6月から250億ドルに減らすことを発表しました。ダウが最近さえないのは,市場から現金を引き上げているからですが,そのペースを縮小するのは,大規模な引き締めを続けると金融市場でよからぬことが起きることを警戒したからだと思います。もしかすると,アメリカ経済は思ったより悪く,不良債権の増加ペースも早く,銀行財務の健全性に黄信号が灯ったのかもしれません。その思惑で,金利差を理由とする円安が続くかどうか確信が持てなくなった,ということかもしれません。それから,もしトランプさんになったら,確実に円高政策を発動すると思いますし。
    過去の経験から,現在のような極端な為替チャートが出現すると,株式のほうでも何かが起きる気がします。

  • 感覚的な書き方で、申し訳ないのですが気になる点を書きます。

    今回の円安から「悪い円安」が言われる理由はテレビを見ているとある程度分かるような気がします。
    テレビの情報番組を見ていますと、六本木ヒルズなどのランチが出てきますが、ランチで2000円以上が当たり前で、「食材にこだわってイタリアから食材を調達した本場のイタリア料理です」的な本場の食材(輸入品)を使っていることをうたっているものが多いです。

    独身が多くなってサラリーマンの小遣い事情は最近聞かないですがそれも影響しているのでしょうか?

    テレビで取り上げる東京のランチ話題からすると、一部の人たちの間では輸入食材を使う高級品が意外と多いことがわかります。

    このことから、テレビ関係者は輸入食材の飲食店も付き合いが多くて目に付くんでしょうね。
    好んで輸入食材を使っておいて「原材料が上がってきついです」は自業自得でしょ。
    4日も日本テレビの朝の番組でイタリアの豚肉を使ったお弁当が出ていました。1350円位でしたね。デパ地下ですが、なんでしょね。

    ホットもっとは600円から700円が定番の弁当屋です。
    丸亀製麺の弁当はワンコインで済みます。
    家庭を持ったら2000円ランチは食べれないですよね。独身が一番になりますよね。

    日本と言う国は中途半端に裕福なため独身だと謳歌できるが、家族持ちは出費を抑えるのが当たり前になってます。IT化と言った個人主義が横行していて家族単位のサービスの低下が著しいのも気になりますが一旦置いておきます。

    「悪い円安」で影響を受けているのは身の丈に合わない営業をしているお店と言えますが、身の丈を知らないメディアの人たちが身近な例として感じているのが影響していると思います。

    • あとは、酪農家ですね。牧草メインでなく、安い輸入飼料に切り替えていたところは穀物価格の高騰で大変だそうです。遠からず、牛乳やチーズの供給に影響が出てくる可能性があります。