そもそも韓国の尹錫悦(いん・しゃくえつ)政権下の韓国が親日だとも思えませんし、無法国家は無法国家のままです。自称元徴用工問題で日本企業の資産を没収するという暴挙に出たのは、紛れもなく、尹錫悦政権下の韓国です。こうしたなか、韓国メディアに「米日両国がグローバルパートナーとなった一方、韓国はまずG8を狙わなければ」、などとする主張が掲載されたようです。約束を守らない国がG8入りとは、いったいどういうことでしょうか。
目次
日韓関係は好転した!諸懸案も解決した!!
「日韓関係はずいぶんと好転した。尹錫悦(イン・シーユエ)政権下で強制徴用問題も解決したし、日本は韓国に対する輸出規制を解除し、レーダー照射問題も解決し、日韓通貨スワップも再開した。両国の協力関係は確たるものとなりつつある」
…。
われながら、ツッコミどころだらけの文章だと思います。
「強制徴用問題」「輸出規制」とはもちろん、それぞれ自称元徴用工問題、対韓輸出管理適正化措置の誤りですが、日韓関係を認識する際には、こうした細かい用語だけが問題となるわけではありません。
当ウェブサイトでは『「日本は尹錫悦政権を盛り立てていくべき」論の間違い』でも指摘したとおり、そもそも韓国が日本にとって信頼に値する国なのか、といったところから、議論を開始する必要があります。
この点、最近だとX(旧ツイッター)でも、保守派と思しき人を中心に、岸田文雄首相の功績を絶賛する人が増えています。
是々非々で見る岸田政権、しかし対韓外交は…
この点、当ウェブサイトとしては、岸田政権の功罪については「岸田首相個人に対する好き嫌い」ではなく、是々非々で評価すべきとする立場を取っており、原発再稼働・新増設、経済安保・セキュリティクリアランス法制、先日の訪米などについては極めて高く評価できると考えています。
しかし、対韓外交に関しては、残念ながら、高く評価することは難しいのが実情です。
そもそも日韓諸懸案の多くは、その本質は韓国が捏造した「歴史問題」や、それに伴い発生させた国際法違反などの問題であり、「問題を解決する」ために日本が譲歩する、というものではありません。
ちなみに尹錫悦(いん・しゃくえつ)政権が昨年3月に打ち出した自称元徴用工問題の「解決策」は、解決策になっていないどころか、さっそくに破綻しそうになっています(『自称元徴用工問題で青山氏らのグループが政府に要望書』等参照)。
この点、「日韓関係を何があっても良好なものにしなければならない」というのであれば、さまざまな「歴史問題」で日本が韓国に「譲歩」する、という決着も考えられるのですが、残念ながら、現在の国際情勢や経済的関係などに照らし、日韓関係は「何があっても良好なものにしなければならない」というものではありません。
日韓関係が良好なら台湾危機は生じないのか?
なにより、日韓関係が重要だと主張する人たちが嵌りがちな罠のひとつに、「台湾海峡で緊張が強まるなか、日韓関係はとりあえず良好なものにしなければならない」、といった理屈があります。
残念ながら、これは大きな間違いです。
日韓関係が良好だったとしても、「台湾有事は生じない」、という話にはならないからです。
また、台湾海峡で緊張が高まり、最悪の場合、台湾有事に発展したとして、日韓関係が良好だったらなにか具体的にメリットがあるというものでもありません。むしろ、台湾有事の際には同時に半島有事のリスクが高まることに注意しなければならないからです。
これまでの故・安倍晋三総理大臣らの時代を含め、日米両国政府のメッセージは「台湾有事の際には、韓国は自分で半島有事に対処してほしい」、というものですが、現実問題としては台湾有事で日米がかかりっきりになるときに、韓国はむしろ、半島有事で日米の足を引っ張る要因となるかもしれません。
ただし、先日の韓国の国会議員総選挙で、尹錫悦氏の支持母体である保守与党が、(大統領弾劾を阻止するために必要な3分の1ラインは確保したものの)議席をさらに減らし、尹錫悦氏にとって政権運営が厳しい状況が続いています。
あくまでも予想ベースですが、尹錫悦政権はこのまま動きが取れなくなり、日韓関係についても自称元徴用工問題などでも今後、進展はほとんどなくなり、再び日韓両国の緊張が高まっていくことは、ほぼ間違いないといえるでしょう(いや、すでにそうなりつつありますが…)。
韓国「保守政権」時代にも日韓関係は悪化している
もっとも、ここでちょっと理論的なゲームをしてみたいと思います。
仮に――あくまでも「仮に」、ですが――、今回の総選挙で、韓国の「保守派」と呼ばれる人たちが圧勝していたとして、それで日韓関係は良好なものになったでしょうか。
「保守派は親日だ」とする論調は、日韓関係が重要だ、などと主張する論者からはよく聞こえてくるものですが、「保守派」だったはずの李明博(り・めいはく)、朴槿恵(ぼく・きんけい)両政権の時代に日韓関係がどうだったのかを思い出しておけば、「保守派=親日」、とする認識が誤っていることは間違いありません。
ただ、こんなことを申し上げると、「いや、尹錫悦(イン・シーユエ)氏は違う!」、「この人物は信頼できる!」などと述べる人もいるのですが、それこそ確証バイアスそのものです。
李明博政権時代のように、韓国では同じ政権でも、日本に対するスタンスが途中で反日に転じることもありましたし、現実問題として政権は大統領がひとりで運営しているものではなく、あくまでも政権にはブレーンがいて、そのブレーンのさらに周囲には保守論客、メディア関係者などがいます。
こうしたなか、個人的に韓国の「保守論壇」の意見を知るうえで参考にしているメディアのひとつが、韓国紙『中央日報』(日本語版)です。
その中央日報に22日、ちょっと気になる記事が出ていました。
「グローバルパートナー」なった米日…米専門家「韓国、G8まず狙わなければ」(1)
―――2024/04/22 11:18付 Yahoo!ニュースより【中央日報日本語版配信】
「グローバルパートナー」なった米日…米専門家「韓国、G8まず狙わなければ」(2)
―――2024/04/22 11:18付 Yahoo!ニュースより【中央日報日本語版配信】
なんだか、非常に印象的な記事です。
2本あわせて大体2500文字程度の記事ですが(※中央日報の場合は短い記事を2分割することがよくあります)、岸田文雄首相の今月の訪米を受け、日本が米国の「グローバルパートナー」となったと指摘したうえで、中央日報が米国の専門家らにインタビューをした記事なのだそうです。
スナイダー教授「韓国はG8目指すべき」
記事表題で「G8」などの表現が出て来るので面喰いますが、「専門家」のアドバイスは(妙なものも混じっているものの)日米が事実上のパートナーになったと指摘したうえで、暗に韓国に対しもっと同盟国としての義務を履行せよと要求するものが含まれているのも実情でしょう。たとえば、こんな具合です。
「米国は今後北大西洋条約機構(NATO)と韓国にもパートナーシップ維持に向けた安保投資を要求する形のアプローチをするようになるだろう」(ランド研究所のブルース・ベネット上級研究員)
「歴史の教訓を捨てても構わないという意味ではないが、日本の『平和憲法』はもう時代錯誤的な発想。現実的に自衛隊がすでに世界で最も先進化された『軍隊』になった点を認める必要がある」(米ハドソン研究所アジア太平洋安全保障部長のパトリック・クローニン氏)
ちなみに、記事表題の「G8」は、スタンフォード大学のダニエル・スナイダー教授による、こんな発言が意識されたものではないでしょうか。
「現在の韓国の位置ならばAUKUSに先立ちG8(主要8カ国)メンバー、または最小限G7の永久ゲストにならなければならない。米国は経済力・軍事力などすべての面で韓国がいなければ何もできないという事実をわかっている点を活用する必要がある」
失礼ながら、「米国は経済力・軍事力などすべての面で韓国がいなければ何もできない」というくだりは、スナイダー教授の事実誤認か、あるいはインタビュワーの方の聞き違いか、そのどちらではないか、などと思えてなりません。
ただ、このスナイダー教授の発言の前段は、「韓国が米国ともう一歩踏み込んで関係を拡大するには、まずは『G8』を目指す(くらいには自由・民主主義社会の価値観の擁護者となるべきだ)」、という意味ではないでしょうか。
ロシアを追放したG7が無法国家を加えるのか
現在の韓国がG8のメンバーになるかどうか、という点を真面目に議論すると、その可能性はあまり高くないというのが正直な感想です。
まず、現在のG7のメンバーは米国、日本、英国、フランス、ドイツ、イタリア、カナダの7ヵ国と欧州連合(EU)ですが、それ以外にG7にメンバーが加わったことが過去にあったという事実を思い出しておく必要があります。
それが、ロシアです。
ご存じの通り、ロシアは2014年にウクライナのクリミア半島を強制併合したことで「G8」から追放され、それまでの「G8」は「G7」に戻ったのです。
G7とは「自由、民主主義、法の支配、人権」などを柱とした普遍的価値を等しくする国が参加している共同体であり、こうした普遍的価値を共有しない国が参加しても、結局は枠組み自体が破綻してしまうのです。
おそらくGDPだけで見たら、中国やインドなどもG7に参加する資格がありそうにも見えますが、中印両国はロシアと同じ理由でG7に入ることはないでしょうし、彼ら自身もそれを望んているとも思えません(だからこそ「BRICSサミット」などの枠組みがあるのだと思いますが…)。
もちろん、限りなく自由・民主主義国家群に近い、豪州やスペイン、ニュージーランドやポルトガルなどのように、潜在的にG7に参加する可能性がある国はほかにもありますが、韓国がそれらの国を差し置いてG7に参加する理由が見当たりません。
したがって、仮に韓国がG7に入るなら、豪州などもG7に入らなければおかしい、という議論が出て来るでしょうし、現実問題として韓国も豪州もG20のメンバー国ですので、G7が豪韓などを加えてG9などになるのであれば、G20との差別化が図られなくなる可能性があります。
だいいち、金融・通貨という側面では、韓国の通貨・ウォンは国際的に通用しない途上国通貨の扱いが続いていますし(私見)、先進国云々を議論する以前に、まずは日本との約束を守ることを心掛けてほしいところでもあります。
いまだに「日本の戦争犯罪」とする事実誤認
なお、中央日報の記事では、スナイダー教授のこんな発言も取り上げられています。
「米国が前提にする韓日関係改善は事実韓国の一方的な努力でなされた。総選挙で与党が敗れ韓国内で対日政策に対する批判が強まるだろう」
「過去に恐ろしい戦争犯罪を犯した日本の首相が(被害国の)韓国・フィリピンとの協力を論じ過去史に言及しないのは未来に向けた重要な機会を逃した大きな失敗であり悲劇」
残念ながら、このあたりは事実誤認も多く含まれています。
日韓関係の「改善」が米国の歓迎するところであろうという点はそのとおりかもしれませんが、韓国は自称元徴用工問題の解決も含め、ほとんど努力をしていません。
また、「日本が過去に(韓国などに対し)犯した恐ろしい戦争犯罪」が第二次世界大戦のことを指しているなら、それも大きな間違いです。第二次世界大戦中、韓国は日本領であり、日韓両国は交戦状態にはなかったからです。
さらにいえば、フィリピンは韓国と違って、日本に対し、機会あるごとに「過去を反省しろ」だの、「謝罪しろ」だのと要求しているわけではありません。日米比3ヵ国協力の枠組みも、「日本がフィリピンに謝罪し、譲歩した」から実現したものではないのです。
そして、そんなスナイダー教授の事実誤認きわまりない発言を詳しく取り上げているという時点で、中央日報の日本に対するスタンスは明らかではないでしょうか。
いずれにせよ、どうせ尹錫悦政権が終われば(あるいは下手をすると退任する前の時点で)、韓国政府のスタンスはまた変わるでしょう。
というよりも、くどいようですが、自称元徴用工問題での日本企業の資産没収事件は、尹錫悦政権下で発生しているのです。尹錫悦政権下の韓国も、その意味では、立派な無法国家なのです。
そのことを、私たち日本人は改めて認識しておく必要があることは言うまでもないでしょう。
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劇物指定されたアクリル酸を積んだ韓国籍のタンカーが転覆した状態で一ヶ月放置されております
処理水にあれだけ噛みついて置きながらなぜ本件ついて即刻の対処をしないのでしょうか?
あれだけ自分達の海が汚れると危惧していたのに。
結局のところ日本を攻撃して溜飲を下げたい。
日本をサンドバックにしたい
それだけの関係です。
だから関係は深めるべきではないです。
ガザ地区紛争にウクライナ戦争、そして、もしトラ。そもそもG7だけでなく国際秩序が今後どうなるか、分からないのではないでしょうか。
>真面目に考える…韓国のG8入りは「あり得る」のか?
まったく無い。おしまい。ハイ、さいなら。
仮にG8ならオーストラリアが入るべきだと思います。
>「米国は経済力・軍事力などすべての面で韓国がいなければ何もできない」というくだりは、スナイダー教授の事実誤認か、あるいはインタビュワーの方の聞き違いか、
私はこの記事、インタビュワーの脳内創作(こういう話しだと良いな)盛り沢山だと思います。
もちろん客観的証拠や根拠は何一つありませんけれども。
少し前から、このG8入りとやらが韓国の新聞を賑やかしていますが、何なんでしょうね。彼らの虚栄心を満たしてくれるからでしょうか。
一つ気になるのは、G8?になったとしてその際に生じる責任と身を切る覚悟が伝わって来ないことです。彼らにはそんな事どうでもいいのかも知れませんが。
このダニエル・スタイナーなる人物、その頓珍漢な発言は事実誤認によるというより、明らかに韓国政府の(あるいはストレートに韓国人の)意に沿うために発言しているように見えますよね、以前から。
・韓国なしには米国は何もできないと米国自身も解っている
・韓国側の一方的努力で日韓関係は改善しつつあるが日本は非道のまま
・韓国はG8、最低でもG7の常任ゲストになるべき
いくら事実誤認をしても、こんな戯わ言って韓国人以外の口から出ることはないでしょう。
背中にチャックがあったりしないですかね、この人。チャックを下げて被り物を脱ぐと妙にエラの張った顔の人が出てくるとか・・・
ダニエル・スナイダー?
どっかで聞いた名前だなぁと思っていたら、ハーバード大学ラムザイヤ教授の "慰安婦は性奴隷に非ず" の論文に噛みついた人でしたね。
(ラムザイヤ氏のwiki)より
韓国・日本の専門家であるダニエル・スナイダーは、産経新聞関連サイト(英語版)に掲載されたラムザイヤーの主張は「まさに日本の歴史修正主義的な右派が論じてきたものだ」とし、ある日本の外務省高官も歴史家らによるラムザイヤー論文の調査結果を知ってからは、日本政府はラムザイヤー氏の主張を支持する訳ではないとスナイダーに保証したという。しかし、スナイダーによれば、「韓国側がラムザイヤーを追求し続ければ続けるほど、日本の一部の人間はラムザイヤーをより擁護したくなる。これはとても有害な力学だ」と語ったという。
ちなみに、スナイダー氏は新聞記者や特派員を経てスタンフォード大学の研究所に入ったコメンテーターで、根っからの学究者ではない。
韓国のロビー活動の対象になった人なのでしょう。
>米国は経済力・軍事力などすべての面で韓国がいなければ何もできない
百恒河沙歩譲ってこれを事実としても、米国が"韓国が敵にまわった場合のシナリオ"を考えていないとは思えませんけどね。惜しむことと信頼することは全く別。
むしろG8云々言ってないで、米国が「敵に回すくらいなら先に潰す」とか確信を得ないうちにゴマすっておけ、とか助言した方が良いんじゃないでしょうか。記事は売れず教授は石投げられるでしょうけど。
農民様
「ウクライナに匹敵するくらい、根性がある国だ」と、自信を持って言えるなら、
百恒河沙歩まで譲らなくとも、米国も同意してくれるかも知れませんが、
朝鮮戦争の時に、韓国人がどういう国民かという、その正体を、
イヤというほど見せつけてしまいましたからねぇ。
有事には足引っ張られるだけで、実質何の役にも立たん、
と思われてる可能性の方が大きいような(笑)。
中央日報の記事ですからねぇ。
なんとでも書けます。
韓国が加盟の唯一のチャンスは オーストラリアが加盟になるときです。
アングロサクソン、英語圏の国が 大部分占めるようになるため、バランスとりで 加入させるという案が出てくるとおもいます。例によって「日本の方から来ました」という 誤認商法を 乱発し、欧米陣を丸め込もうとするでしょう。
八番目になんかならなくていい
もともと特別なOnly one
で、いいんじゃね。
入れてもらえたら、入れてもらえたで、
日本よりどっちが上か、
で、火病るネタ、増えるだけなんだし(笑)。
八番目になんかならなくていい
もともと特別なO I N K
だと思ってました笑
G7のGはグループのGです。
もしかして韓国はGREATのGと勘違いしてるのかも。
韓国はいつでもGREATて言われたいのです。
グループてバレたら興味無くすかも。