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日本語の文章における漢字の威力

私たち日本人が普段何気なく使っているもののひとつが漢字であり、外国人にとっては日本語を取得するうえでの障壁のひとつではありますが、それと同時に漢字をまったく使わない文章というものは、私たち日本人にとって読むのが大変難しい代物でもあります。

私たち日本人が、普段何気なく使っているもののひとつが、漢字です。

漢字廃止で生じる社会的混乱を韓国の記事から想像する』などでも取り上げたとおり、日本社会は漢字の存在を前提としています。漢字がないと、文章をまともに読むことも難しいでしょう。

実例として取り上げたのが、こんな文章です。

  1. りっけんみんしゅとうのだいひょうせんがおこなわれているが、しゃかいてきにさまざまなぶつぎをかもしたにほんきょうさんとうとのきょうとうろせんをどうしていくのかをめぐり、だいひょうせんにしゅつばしている4にんのこうほしゃたちは、たいどをあきらかにしていない。こうしたしせいじたい、りっけんみんしゅとうがわたしたちゆうけんしゃ、こくみんのがわをむいていないというぎねんをいだかざるをえないものである。
  2. 立憲民主党の代表選が行われているが、社会的にさまざまな物議を醸した日本共産党との共闘路線をどうしていくのかを巡り、代表選に出馬している4人の候補者たちは、態度を明らかにしていない。こうした姿勢自体、立憲民主党が私たち有権者、国民の側を向いていないという疑念を抱かざるを得ないものである。

AとBは同じですが、おそらく当ウェブサイトの読者の方からすれば、(B)の方が圧倒的に読みやすいのではないかと思います。

一説によると漢字の場合、1秒間に7~8文字は認識できるようなのですが、平仮名の場合は頭の中で意味を考えながら読まなければならないため、(A)の文章を読むためには、(B)の文章を読むのと比べ、下手をしたら数倍の時間が必要ではないかと思います。

こうしたなか、X(旧ツイッター)で見かけた話題で、こんなものがありました。

画像はありがちな新聞のありがちな話題ですが、X上の反応を見ていると、「思ったほどはわかりにくくなさそう」、「意外と読めるな」、といったものもあるにせよ、やはり「初見の話題についてはわかり辛い」といった反応に加え、「文字数が増え、同じページあたりの情報量が減るのではないか」、といった懸念もあるようです。

この点、個人的には当ウェブサイトを運営して来た経験上、漢字と平仮名は適度に混じっていることが望ましいとは思いますが、さすがに漢字がゼロの文章は読み辛いでしょう。

漢字は外国人(とくに漢字圏以外の人)が日本語を学ぶうえでの大きな障害であるとされていますが(ついでにいえば漢字の読み方が多いのも日本語の特徴かもしれません)、このあたりは日本語の難しさでもあり、おもしろさでもあるのかもしれません。

新宿会計士:

View Comments (27)

  • 漢字を廃止すると、誤読と誤解が増えて日常生活がままならなくなるでしょう。 かつて自分は同音勘違いをネタにして「当店のポイントカードはお餅ですか」を作りましたが、これが「とうてんのぽいんとかーどはおもちですか」になるわけですからネタではなくなってしまいます。
     まじめに運用しようとすると、単語間にスペースを入れる欧文方式でないとわかりにくいという問題もあり、その場合さらに文章の密度が低下してしまうでしょう。
     現実的にはグーグルの翻訳機能も高まっているわけで、必要ならそちらで対応してもらうのがよいでしょう。「しさつ」なんて言葉で戦争の元になりかねません。

    • スイカとかいう名前のポイントカードがあった気がする

  • ひらがな廃止してみました。

    立憲民主党代表選行、社会的物議醸日本共産党共闘路線巡、代表選出馬4人候補者、態度明。姿勢自体、立憲民主党私有権者、国民側向疑念抱得。

    なんとなく分かりますね。やっぱ漢字ってスゲー

    •  このように素晴らしい漢字なのに、2つの国が漢字を捨てる愚行を犯しています。一方は100%捨てたので(人名には残っていることもあるようですが)ひらがなだけの文章と同じ事になっているのでしょう。もう一方の国は自国民は読めるでしょうが、それ以外の国の人は読めない可能性が高く、古文もその国の国民では全く読めないようですが。台湾に出す手紙を近所の中華料理店に持って行き、チェックしてくれと頼んだら漢字が読めないからと断られましたが。中国人から漢字を読めないと言われて違和感を感じましたが。

       簡体字しか使わない国も、若い人は繁体字も簡体字も読める人がそこそこいるという話ですが。それにしても古来から有る漢字を捨てるなんて、文盲率を下げるには理解できますが、いかがなモノでしょうね。

       もっとも、我々も古文は実質的に読めないから同じかな?

      • 中国は王朝が代わるたびに文字が代わっているよ

  • 今はどこの新聞社も内容薄くて大差ないかも知れませんが、新聞あかはたの「ですます調」なだけで凄く文字数増えて一紙では記事の二人三つ減りそうだな…と考えていた時期がありました。

    今は死滅したのかな? 以前にあった三行広告や求人欄の技術も凄かった!

    開国期の先達が外来語を日本語化して漢字の特性である見て理解出来るを素晴らしいセンスで考案してくれた事に感謝しています。

    一般に共通認識となっていない「エビデンス」や「アウフヘーベン」やら思いつき造語の「モリカケ」だの「あべにノー」だの下らないキャッチフレーズを多用するのも昨今の新聞を始めマスコミ各社に不快感をいだく理由でもあります。

  • 漢字仮名混ぜ書きは、
    ①圧倒的に速読できる。
    ②読みの音は同じでも違う意味を正確に伝達できる。

    これらに尽きますね。

    Windowsなどで言えば、漢字はショートカットキーみたいなもんですから、ど初心者にはハードル高いですがエキスパートには楽チン快速。
    マウスでグラフィックインターフェイスなんか、かったるくて仕事になりません。

    なんで共産党中国や韓国などド初心者の方に合わせるのか?
    ハードル高いなら、あの人たちとは英語でコミュニケートすればよろしい。

    新入社員にレベルを合わせて、これからベテランもショートカットキー禁止!とか、そんなこと普通はしません。
    使えるようになるまでほっとけばよろしい。

    同じように、外人が漢字が覚えられないなら、ほっとけばよろしい。
    千年前から日本人なら普通に漢字を読み書きできていたことは、世界中に胸を張って誇れることです。

    なぜ馬鹿の方に合わせるのか?
    理解に苦しみますわ。

    それならお互いに英語でコミュニケートすればよろしい。

  • 例えば民主主義、国会、新規上場のような言葉はカタカナで書かれても理解してついていけるでしょうがイケンシンサ、コウソジコウ、テキジカイジなどカタカナから意味を取るのは不自由ではないか。そういう単語が文章に2つ3つ現れたらもう読むのに嫌気がさすのではないでしょうか。漢字であれば初めて見る言葉でも漢字そのものの意味から理解可能なことが多い。

    • >イケンシンサ、コウソジコウ、テキジカイジなどカタカナから意味を取るのは不自由ではないか。
      >漢字であれば初めて見る言葉でも漢字そのものの意味から理解可能なことが多い。

      これは、逆では?
      イケンシンサ、コウソジコウ、テキジカイジ、という言葉は、そもそもが、違憲審査、公訴時効、適時開示、という漢字の組み合わせで出来た言葉なのだから、漢字そのものから意味が分かるのは、当然です。
      そもそも、イケンシンサ、コウソジコウ、テキジカイジ、は音読みなのだから、初めて音で言葉を聞いた時に、その意味を理解することは不可能なのは当然で、漢字を見て、初めて聞いた言葉でも、大方の意味を理解できます。
      つまり、これらは、漢字を組み合わせた「造語」なのだから、漢字を見なければ、その意味が理解されることは無いでしょう。
      日本語は、漢字を組み合わせた「造語」「熟語」で出来ていると言えます。
      日本語は、漢字が無ければ成り立たないし、日本語は、単漢字を部品として自由自在に組み合わせて、駆使している言葉ではないでしょうか?

      我々は、初めて聞いた言葉を理解しようとするとき、例えば、コウソジコウ、という言葉を初めて聞いた時に、どういう意味ですか?と訊いて、法律的に訴える権利が無くなる期限、と説明されるだけではなく、漢字でどう書くのですか?と訊ねて、その漢字を知って
      漸く理解するような所があります。
      漢字は、表意文字であり、表音文字であり、表象文字です。

      単漢字を組み合わせて、新しい言葉を「造語」することは、本家中国でも当然行われています。(コンピュータ=電脳)
      が、日本の凄い所は、漢字の一部から、ひらがな、を作り、更に、カタカナ、を作ったことです。
      これの凄い所は、ひらがな、で漢字の熟語・造語を自由自在につなぎ合わせて自由に文章を作り上げることがでることです。
      更に、外国語を、漢字で造語・熟語にすることなく、そのまま、カタカナで表記して、カタカナ語として使えます。これが、本家中国では出来ないので、英語の発音をそのまま、コンピュータとは表記できず、電脳、という造語を作らなければならないのではないのではないでしょうか?

  • 漢字が優れているというより、漢字+ひらがな+カタカナ+アルファベットを自由に混載して使える日本語の柔軟さが漢字の長所を引き出していると思います。

    さらに言えば、漢字に全く違う読み仮名(場合によってはアルファベット)をふる事によって漢字だけでは表現できない微妙な意味をつけ加える事すら可能になっています。

    これほど【書き手の表現したい事を的確に伝える】事が可能な言語は、日本語以外にないと思っています。

  • ダイバーシティのインクルーシブなゲームチェンジャーには、ソーシャルディスタンスをもってウォッチするのがモアベターとサジェッション……もう、おばさんついて行けない( ; ; )

    • 明治初期には 外来語からその意味をとらえ、翻訳語をたくさん つくりだしました。
      社会、哲学とか窒素、化学・・・などなど。

      現代は流入してくる言葉が多すぎるのか 学者、メディアに創造力、能力が欠如しているのか そのままカタカナ読みで 済ましてしまいます。

      業界人や自称先っちょを行ってる人は カタカナ語大好きですよね。カタカナ語連発すると、中身スカスカでも 立派なこと言ってるようにみえてしまいます。
      裏を返せば カタカナ連発の人は たいした事言っていない ということです。

      • >明治初期には(略) 
         おかげで自国語で高等教育ができるようになったという反面「同音異義語」が増えたといわれてます

        カタカナ表記(外国語由良のもの)
         使い過ぎのきらいもあるが
        漢字・カタカナ・ひらがなのいずれの表記でも可能な場合は表記により印象が違ってくる
        また外来由良の場合は微妙なニュアンスの違いがでてしまう場合もあります

  • お隣の某国の人の感覚が少しわかったというか、これで一般の人々の文章に対する理解力のレベルが多少低下するのではないかなと思いました。

  • カナモジカイという民間団体があります。
    (以下Wikipedia参照:https://ja.wikipedia.org/wiki/カナモジカイ)
    カナモジカイのHP:http://www.kanamozi.org/
    では、漢字は中国語の文字であり、中国語と言語体系が異なる日本語に
    使うのは不合理であるので、漢字も漢語も日本語ではすべて使わないように
    し、すべてやまとことばを使おうと主張されています。
    当方は、主張内容はわかるが、漢字も漢語もすべて使わないようにする
    というのは理想論であり、現実的ではないと考えます。

  • アメリカ人が日本語で書いたエッセイに 「医者にかかって病気の説明を受けるときは、英語より日本語のほうが絶対にわかりやすい」 と書いてありましたね。

    例えば英語では・・・
    「肺」 は 「Lung」 なのに 「肺炎」 は 「Pneumonia」
    「血」 は 「Blood」 なのに 「貧血」 は 「Anemia」
    「眠り」 は 「Sleep」 なのに 「不眠症」 は 「Insomnia」
    ・・・など、病気や症状の名前は、はじめから知っていないと日常語からの類推はできない場合が多いそうです。医学用語はギリシャ語やラテン語が起源の場合が多いので。

    それ以外にも、日本語の 「拒食症」 は、この漢字3文字を見れば、どんな症状かわかるけど、英語の 「Anorexia」 じゃ、知らなきゃわからないですね。

    • 数字の読み方も 日本語は優秀のようです。
      10・・じゅう     ten
      11・・じゅう いち  eleven
      12・・じゅう に   twelve


      20・・に じゅう   twenty
      わかりやすいですよね。

    •  You Tubeでみた笑い話
       病院に言った外国人が
      医師「キャンサー」
      外国人「が〜ん」
      よく聞けば医師はけんさ(検査)と言ったらしい

      • デスマスクは聖域(サンクチュアリ)の癌と呼れていたとか

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