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身内に厳しい処分下せない泉健太氏と立憲民主党の限界

泉健太氏、舌鋒鋭く自民党を批判し、議員辞職などを求めるのは良いのですが、政治資金収支報告書の不記載、有権者に対する日本酒の差し入れなど、明らかに問題がありそうな議員の行動を放置し続けているというのは、いかがなものかと思います。ただ、もし自党の不祥事議員に厳しい処分を下していれば、自民党に対しさらに強い要求ができていたかもしれません。このあたりが同党の限界なのかもしれません。

現時点において、当ウェブサイトで「定点観測」している各メディアによる世論調査に基づく内閣支持率の結果は出ていて、これについてはいちおう、その概要をまとめる作業を行っているところです。

ただ、それ以上に本稿で取り上げておきたいのが、最大野党であるはずの立憲民主党のていたらくです。

道東の泉健太代表は27日、自身のXを更新し、自民党の「裏金議員」が80議席を超えている、などとしつつ、辞職した議員が1人に留まっているなどとして、自民党を舌鋒鋭く批判しました。

「裏金」の定義はさだかではありませんが、文脈に照らすなら、「裏金議員」とはパーティー券収入の政治資金収支報告書の不記載を起こしていた議員のことを意味しているのでしょう。

舌鋒鋭く追及するのは結構ですが、泉健太氏に、「自民党の裏金議員」を批判する資格はあるのでしょうか。

たとえば先日の『立憲民主党議員が「有権者に日本酒提供」のブーメラン』でも取り上げた、同党の梅谷守衆議院議員が支持者らに対し、日本酒を提供していたという事件を巡っては、少なくとも立憲民主党が公式に梅谷氏に対して議員辞職を求めたという報道はありません。

というよりも、今回立憲民主党が問題視しているのとまったく同じ、「パーティー券収入の政治資金収支報告書不記載」事件については、同党の安住淳・国会対策委員長もまったく同じ問題を発生させていることを忘れてはなりません。

立憲・安住氏もパーティー券収入を不記載 政治資金収支報告書を訂正

―――2023年11月29日 18時00分付 朝日新聞デジタル日本語版より

泉氏ら立憲民主党関係者は、どうして自分たちが「追及する側」にいると勘違いしているのでしょうか。

疑問でなりません。

現在の自民党政権が万全だとは申し上げませんが、少なくとも各種世論調査で立憲民主党への支持が伸びていないのも、結局のところ、立憲民主党の「他人に厳しく自分に甘い」という姿勢が見透かされているからではないでしょうか。

ただ、冷静に考えてみたら、泉氏が劣勢を跳ね返すというチャンスでもあったはずです。

もしも立憲民主党が安住、梅谷両氏に対し、除名処分にするとともに議員辞職を要求していたとすれば、泉氏としてはたった2人の犠牲で自民党議員を大挙して議員辞職に追い込む大義名分が得られたかもしれなかったからです。

結局、このあたりが泉健太氏、あるいは立憲民主党という政党自体の限界なのかもしれません。

(※もっとも、その処分をしない理由が、「叩けば埃がいくらでも出る」からなのだとすれば、それはそれで大問題かもしれませんが…。)

新宿会計士:

View Comments (11)

  •  さすが泉先生です、投票に値しませんよね!つまりこういう表になりますかね!

            |値するライン
            |
    自民:□□□□
    立憲:□
     猫:□□□□□□□

  • そういえば、先日発売された「Hanada」に岡田幹事長のパーティーのことが載ってますがそのことも報道されていませんね。

  • 自民党を追い込んで、仮に解党となった場合、同時に立憲民主党は存在意義を失うと思います。
    自民党を批判するだけの簡単なお仕事しか出来ませんので。

  • 政活費不正受給問題であれだけ世論の批判を受けていたのを見ていたはずなのに、その後も似たようなことをしていたことにあきれるしかないですね。(富山県人)
    あれも地方自民党の「慣習」がひきおこした出来事だったんですが、不正に加担したくないと拒絶した議員に恫喝や同調圧力(除名や選挙協力をしない等をちらつかせて)でかなり強引に共犯関係にさせたまで党主導のかなり強引な犯罪だったんですが、それが派閥になっただけで内容も建付けもそっくりなのでおどろくより呆れます。
     幕引きとしては、政倫審での弁明でも議員辞職でも足りず、脱税を認めさせて重加算税をとったうえで法定刑行きですね。そうでないと納税者は納得しませんよ。

    •  >脱税を認めさせて重加算税をとったうえで法定刑行きですね。そうでないと納税者は納得しませんよ

       こういう感情論剥き出しの世論が暴走するのがどれだけ恐ろしい事やら。「認めさせて」って自白でも強要するの?

  • 小西氏も安住氏も梅谷氏も一切処分できない党が言ってもねぇ……
    「叩けば埃がいくらでも出る」どころか「そもそも埃だけで出来ている」のでは?
    だとしたら砂上の楼閣にすら劣るただの砂で出来た城ですが。

    自党の埃は叩き払えないくせに、誇りを持って他党を叩くとはこれ如何に。

  • 国会議員は、やはりお金目当てじゃない人材が必要。政治家がダメなら、裁判のように一般国民の中からくじ引きで衆参国会議員を半分は選ぼう。ロトクラシー、今よりはるかにまともな国会になるような。

    •  そのくじ引きだって不正が100%無いと言う保証はありませんが。どっかのSF小説にも似たような話がありましたね。「支配者をくじ引きで決める制度が定着したが、やはり不正は防げなかった」と言う設定が。

  • たしかに 
    間違った行いに処罰を下せないような
    組織は組織自体が腐っていると思われても
    しかたないものです。
    しかしながら私達ふつうの日本国民の
    そうした感覚を、立憲民主党に求めるのは
    酷でありまたなされるはずなどないものです。

    立憲民主党は無党派層の票欲しさに
    表面適当なお笑いのマニュフェストや
    政策などとはを言ってますが、なんせ
    あっという間に叩き出された
    あの韓流政党民主党政権の落ち武者さんの
    党名ロンダリングの果の悪あがきの存在です。
    なんせ、嘘捏造で謝罪と金品たかるのが
    韓流さんと知られているものです。

    たしかに、昨今の状況では
    厳正な処罰激を演じたほうがいいようなものですが
    もしそんなことをしたら、
    処罰された議員が
    「なんでオレだけが! もっと悪いやついるだろう」
    とチクリ合戦内ゲバで収集がつかなくなってしまうでしょう。
    そして古参の顔ぶれの辻元や菅直人はどうなんだ!
    と大騒ぎになってしまうことでしょう(笑)
    それはそれで面白いのでぜひ見てみたいのですが
    残念ながら、そもそもそうした
    まとも とか規律を正すと言うことは
    立憲民主党の党風には元来相容れない
    そぐわないものなのですから
    しかたがないことだと思います。

  • 立憲民主党は、勘違いが治らないですね。

    自民党がクソなのは何十年も前から
    「みんな知ってる」
    なのに、みんなそれを知らないから自民党に投票しちゃうんだ!と勘違いして、ネガティブキャンペーンばかり繰り返す。

    第二次安倍晋三政権になって以降、毎回毎回
    「惨敗」
    を続けて尚まだ繰り返してる。
    203高地で機関銃陣地に突撃を繰り返してるみたいな?

    ネガティブキャンペーンじゃなくて、
    「僕たちならこうやるのに」
    という対案を示せ、とアドバイスされてるのに、聞く耳持たないというよりも、対案なんか持ってないことがバレバレ。

    ま、有権者からすれば野党第一党は立憲民主党である必要も必然もありませんから、もっとまともな野党に投票するだけですけどね。

    不思議なのは、普通の企業だったら八年間連続で大赤字だったら、倒産してるし、少なくとも経営者は全員総入れ換えでしょうに。
    なんであの人たちは平気で居座っておられるのかなあ。

    メンタルの話ではなくて、力学的な話で。
    気持ち悪いッス。

  • 政治的駆け引きとはよく言われますが、スキャンダルをほじくり出して相手の足を引っ張るのは「政治」ではありません。野党支持の国民も立憲民主党にそのようなことを期待して投票しているとは思えません。