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    Categories: 金融

「史上最高値」試す日経平均株価

GDPで日独が逆転した(※)はずなのに、株価は堅調です(※ただし、GDP日独逆転は名目値の話であり、実質値の話ではありません)。16日の株式市場前場では1990年1月4日以来初となる38,500円台で取引を終えました。前場では一時、1989年12月29日の過去最高値まであと50円あまりという状況にまで迫る局面もあったようです。

気が付いたら、株価は史上最高値まで、あと100円以下という水準に迫っていたようです。

日経平均株価指数は16日の前場で、38,505円89銭で取引を終えました。終値ベースで最後に38,500円の水準を超過していたのは1990年1月4日のことであり、また、終値ベースでこの水準を超えていたのは、過去に7回しかありません。

また、日経平均株価の過去最高値といえば1989年12月29日に記録した38,915円87銭ですが、この水準まで、あと409円98銭です。前場では一時、38,865円06銭(つまり過去最高まであと50円81銭)の水準を付ける展開もありましたので、史上最高まであと一歩、といったところでしょう。

昨日はGDP統計(2023年10-12月期)が発表され、名目GDPは596.4兆円、実質(※2015暦年連鎖価格ベース)は557.3兆円で、成長率は名目が+0.3%のプラス成長、実質が▲0.1%のマイナス成長でした。

これに対し、ドイツ連邦統計局の発表に基づけば、ドイツの2023年のGDPは名目4兆1212億ユーロであり、これに対しデータのダウンロードページで確認すると、実質ベースでは3兆2649億ユーロ(2015暦年連鎖価格ベース)で、成長率は前年同期比▲0.3%というマイナスでした。

したがって、為替換算レート次第ではありますが、仮に2023年12月末の国際決済銀行(BIS)レート(1ドル=141.475113円=0.904977ユーロ)を使うと、名目GDPでは日本が4.22兆ドル、ドイツが4.55兆ドルで、日独逆転が生じた格好です。

これに加えて多くのメディアが頑なに無視している論点が、「実質GDP」です。

2015暦年連鎖価格ベースで見た実質GDPは日本が3.94兆ドル、ドイツが3.61兆ドルであり、実質ベースでは日独逆転は生じていません。著者自身が見たところ、「GDP日独逆転」を伝えるメディアの多くは、この事実をなぜか無視しているようです。

いずれにせよ、「(名目GDPベースで)ドイツにすら逆転された」はずの日本で株価が史上最高値水準を目指しているという事実は、なかなかに興味深いといえるでしょう。

新宿会計士:

View Comments (23)

  • 都合の悪いものは報道しない、或いは、負の側面を大きく報道する。
    今回気づいたケース。
    NHK。
    夜のニュースでは旧聞であるGDPの話を4位転落、と長時間かけて放映。
    日経新聞。
    朝刊では1面最下段に1段だけの小さ~い日経平均の記事。

    日経平均を仮に大きく取り上げるとしたら、物価が上がった、生活が苦しい、という方向に話を持っていくと予想します。
    どうせ。

    • Sky様

      アサヒはもっとフッキレてるぞ。

      本日朝刊(地方版)、1、2面、ぶっ通しでこの話題。

      大活字の見出し、小見出しが躍る。曰く、

      「日本GDP 4位に転落」
      「マイナス成長 2四半期連続」
      「転落 失われた30年の果て」
      「日本の技術力 世界に遅れ」
      「円安頼みの成長 限界」

      ウム、脳内お花畑、満開の観(笑)。

    • Sky さま、伊江太

      いやあ腐っていますね、あれで報道機関だと、言論機関だと。
      トランプ復活を正しく恐れよと放言した日本経済新聞社編集部の自爆発言を、当方は生涯忘れることはないでしょう。トランプが怖いのはオールドメディアの証拠。トランプを憎んでいるのは誰か、筋書きが狂ってアワを喰ったのはどの勢力かを自白してしまったからです。

    • NHK ニュース9。ドイツ上げはひどかったねぇ。ドイツの製造業は悲惨な状態になりつつある(らしい)というのに。

      • たかさま
        はい、そのとおりです。
        ドイツの状況というか、不平不満愚痴は彼らの口から直接聞いてます...。

  • 読者視聴者を馬鹿にし続けることに熱心な新聞や TV 局を廃業に持って行く国家規模の気運、すなわち国民意思。アベノミクス成功の号砲はそれの合図になるやも知れませんね。

    • オールドメディアが滅んだら、その時は新時代の幕開けと言って良いでしょうね。
      それがどんな時代になって、「ニューメディア」がどうなるかは
      あんまり予想できませんが……

    • まずはシン日経こと合名会社日本第二経済新聞の設立趣意書を練ることからですかね。
      半分冗談、半分ホンキです。

  •  バブル後最高値を更新する意義は大きいと思います。
     更新した瞬間に、昭和のバブルを過去のものにできる。バブルから何年とか、バブルと比較して〜といった言説が使えなくなるのです。このインパクトは大きい。
     日本は、ようやく次のステージは歩を進める事ができる。
     正直、30代以下にとってバブルなんておとぎ話でしょう。40代だってほとんど関わりがない。テレビからはバブル世代の断末魔が聞こえてきます。

  • ドイツ経済成長率、2024年はマイナス0.5%に=商工会議所
    2023年の成長率はマイナス0.3%で、戦後2年連続でマイナス成長となるのは2002年と03年以来のことだという。

    名目成長率、中国を上回る 46年ぶり
    日本はプラス5.7%となり、中国のプラス4.6%を上回った。

    マスゴミよ、心配無用だよ、日本は1ドル80円→150円になってるからドル換算では不利なだけ。

  • H3ロケット打ち上げ(2段エンジン燃焼完了&衛星分離)までミッション達成できたようですね!おめでとうございます!!!

    明日、#H3 ロケット試験機2号機 打上げライブ中継🚀
    2024年2月17日(土)8時20分頃~(予定)
    https://twitter.com/JAXA_jp/status/1758423675534279088

    ニコニコニュース 打ち上げ時の弾幕コメント付き動画
    https://twitter.com/nico_nico_news/status/1758649276937515123

    ニコニコの弾幕動画久々に見たけど、やっぱり臨場感と一体感あるなぁ。懐かしいです

    • 朝方に寝ぼけ眼で投稿したら、読者投稿乱と間違えてすれ違いの投稿をしたようです。
      スルーか、気が向けば削除してください
      m(_ _)m

  • 日本時間の昨日未明にOpenAIによって発表されたText to VideoのSora(ちな語源は日本語の「空」のようです)のデモが結構凄まじいです
    https://openai.com/sora

    ↑サイト内で数十種の動画確認できますが、正直、実画像との見分けは本当に細かい部分いがは気づかない気がします。(例によって日本語らしき看板の文字がおかしいとかはありますがw)

    サンプル動画下に、当該動画を生成するための数行の英語プロンプトも記述ありますが、この短い命令文でここまで違和感ない60sec程度の動画作成できるのは信じられない気もします。

    現実世界が、時間と空間と物理法則で動いてるのと同様のことを、仮想世界で物理エンジン計算しながら描画していると思うと、シミュレーション仮説が現出した錯覚を覚えてしまいます。

    サイトトップにある女性が日本?のネオン街を歩く動画も、アスファルト水たまりにあるネオン反射も含めて衝撃的でしたが、
    猫が草むらの中を歩く動画も、草や花々の動きや猫の毛に至るまでの動きや光のレイアウトの自然さ…
    https://twitter.com/bennash/status/1758200859547025779
    雪と桜の東京を楽しみながらショッピングするカップルをカメラで追いかける様子を自由視点で追いかける動画
    https://twitter.com/snakajima/status/1758215045002285216
    コーヒーカップの中でコーヒーの波に漂う2隻の海賊船
    https://twitter.com/DrJimFan/status/1758210245799920123
    とか3D映画でゴリゴリに作成したような映像が数行のテキスト投げるだけで完成するのは衝撃です。

    ちな、エンジンは未だ外部公開はされてませんが、昨日未明にXのタイムライン追っているときに、CEOのサム・アルトマンがXのリポストにコマンド募集して、採用した数点のコマンドを即時実行して公開とかもしていたので、某Googleがやらかしたようなプロモデモ用の誇張は少ないかと思いますw

    GoogleがGemini1.5の発表(こっちも技術・容量・性能的に結構衝撃でしたが)の数時間後にSoraの発表を被せてくるあたり、OpenAIは結構戦略的で、良い意味でずる賢いなぁwと感心しました。

    • こんとんさま

      面白いものを紹介して頂きありがとうございます。

      これが、僅かのプロンプトで作成出来るというのは大したものです。
      気が付いたことは、動きのあるものが、同じ「調子」の動きになることです。
      最初の動画、複数の歩く人のリズムが同じで、皆同じ歩き方(歩調・体の傾き方・歩幅等)ですから、何かアンドロイドの世界のように感じます。又、皮のコートも、頑張って表現していて質感は凄いですが、着ている人の体に沿う曲がりやヨレヨレ感が感じられず、違和感を感じます。
      この辺り迄、表現するアルゴリズムなのか処理エンジンなのかを組み込むとなると、もう少しなのか、かなりなのか、は分かりませんが、もっと頑張ってと言いたくなりますね。

      • この動画を見て感じたのは、自然界の個体は、夫々に独自の動きの特性?を持っていて、それがその瞬間瞬間の外的な状況条件との関わり合いの中で、その時の動きをするのだな、ということです。
        例えば、猫が動いている時の、葉っぱの動き、多分、一枚一枚違うはずです。それらを、表現するアルゴリズムなどは、どう考えるのか?と推察すると、出来ないことはないだろうけれど、葉っぱ一枚の物理的な属性、風の掛かり具合、猫の動きで起こる風圧などの条件、等々と考慮すべき要素はかなり数のものになるように思われます。

    • 朝方に寝ぼけ眼で投稿したら、読者投稿乱と間違えてすれ違いの投稿をしたようです。
      スルーか、気が向けば削除してください
      m(_ _)m

    • さより様 返信ありがとうございます
      各人の歩様までは着目してませんでしたが、確かに歩幅が少し大きい目に統一されてるようには見えますね。女性アップ時の皮のコートは気にならなかったです。むしろスカートが歩行に合わせてたなびく様子などは細かく物理演算されてるなと感じました。

      女性がアップになったときの顔のシミや皮膚のたるみも残酷に表現されてるのに感心した一方、口紅は少し立体感無く平面的には感じましたね(私感)

      サイト下部に、現時点での違和感部分としてOpenAIが数点失敗動画例を上げているのでそちらはもっと現時点での限界点がわかりやすいかもです

      ※こちらはスレ違いになりますので、読者投稿欄に再投稿いたしました。
      さより様・皆様返信はそちらで m(_ _)m
      いつも通り、返信は超遅れるかもですが・・・

  • 円安を嘆くメディアの一つ、日本経済新聞社は十数年前の円高時代に「弱い日本の強い円」なんて本出して、
    これまた円高を憂いてました。

    今なら「衰退する日本の高い株価」なんて本を刊行するーですかね?

    • 昭和99年式伝統的日本型企業=ぽんこつ会社=を斬る

      なるタイトルの本を刊行しそうです。お・ま・ゆ・う。

  • テレビ東京の番組の中で日経平均はバブル高値を抜くかというようなことをやっていた。
    大川智弘というのが「時間の問題でしょう」と言っていたが、この人昨年暮れ発行の週刊ダイヤモンドダイヤモンド新年号で2024年の最高値は34,000円、日経平均38915円の更新は数年ないだろうという予測を出していた。
    34,000円は1月10日に超えている。恥ずかしくないのかね。

    • 恥を知っている人は、評論家はやれないでしょうね。
      また、自分の失敗は直ぐに忘れ、他人の失敗はいつまでも覚えている、優れた記憶力を持っていることも必要ですかね。