先月の訪日外国人が4ヵ月連続で200万人を超え、9月の入国者数としては過去3番目に多かったことが判明しました。日本政府観光局(JNTO)データによると、2023年9月の訪日外国人は2,184,300人で、内訳は韓国人が約57万人でトップを占め、これに台湾、中国、米国、香港が続きます。もっとも、働き手不足などに悩む日本経済にとって、訪日客の急増が単純に良い話であるとも言い切れません。
目次
訪日外国人、4ヵ月連続で200万人台
日本にやってくる外国人の人数が、ほぼ、コロナ前の水準を回復してしたようです。
日本政府観光局(JNTO)が18日に公表した『訪日外客統計』によると、2023年9月における訪日外国人は2,184,300人(速報値ベース)となりました。200万人の大台を超えるのは今年6月以降、4ヵ月連続のことです。
また、年初来の訪日外国人は累計で17,374,300人でした。このペースでいけば、今年を通じて2000万人の大台を回復するのはほぼ確実です。
国籍別にみると韓国人がトップ
9月に日本を訪れた外国人の国籍別の内訳を示しておくと、図表1のとおり、トップは約57万人となった韓国人で全体の4分の1以上を占めており、これに台湾(約38.5万人)、中国(約32.6万人)、米国(約15.7万人)、香港(約15.1万人)などが続いています。
図表1 訪日外国人(2023年9月)
国 | 人数 | 割合 |
1位:韓国 | 570,400 | 26.11% |
2位:台湾 | 385,300 | 17.64% |
3位:中国 | 325,600 | 14.91% |
4位:米国 | 156,600 | 7.17% |
5位:香港 | 151,100 | 6.92% |
6位:豪州 | 64,000 | 2.93% |
7位:タイ | 50,500 | 2.31% |
8位:ベトナム | 43,000 | 1.97% |
9位:フィリピン | 42,800 | 1.96% |
10位:カナダ | 39,800 | 1.82% |
その他 | 355,200 | 16.26% |
総数 | 2,184,300 | 100.00% |
(【出所】JNTOデータをもとに著者作成。以下同じ)
今から4年前の「ノージャパン」がどこに行ったのやら、訪日客のトップを韓国が占めているというのも興味深いところですが、それ以上に興味深いのは、コロナ前の2019年9月にトップを占めていた中国人入国者数が3位に留まっている、という点でしょう。
コロナ前と比べて中国人が激減
これについて比較するために、コロナ前の2019年9月との変動を見比べておきましょう(図表2)。
図表2 訪日外国人(2023年9月vs2019年9月)
国 | 2023年9月 | 2019年9月 | 増減 |
1位:韓国 | 570,400 | 201,252 | +369,148 |
2位:台湾 | 385,300 | 376,186 | +9,114 |
3位:中国 | 325,600 | 819,054 | ▲493,454 |
4位:米国 | 156,600 | 127,190 | +29,410 |
5位:香港 | 151,100 | 155,927 | ▲4,827 |
6位:豪州 | 64,000 | 60,498 | +3,502 |
7位:タイ | 50,500 | 62,057 | ▲11,557 |
8位:ベトナム | 43,000 | 38,325 | +4,675 |
9位:フィリピン | 42,800 | 37,758 | +5,042 |
10位:カナダ | 39,800 | 28,525 | +11,275 |
その他 | 355,200 | 322,373 | +32,827 |
総数 | 2,184,300 | 2,272,883 | ▲88,583 |
これによると訪日中国人は約49.3万人減少したのに対し、訪日韓国人は2019年9月と比べて約36.9万人増えるなどしており、また、台湾、米国などが増加、香港が微減などとなった結果、トータルでは約8.9万人の減少となりました。
「9月としてのデータ」では過去3番目
ただ、2019年と比べたら微減ですが、9月の入国者数としては、過去3番目に高い水準でもあります。
図表3は、今年、つまり2023年については9月までの、コロナ禍以前の2016年~2019年については月次の訪日外国人をグラフ化したものです。
図表3 訪日外国人の推移
ちなみに9月として入国者数が過去最多だったのは2017年ですが、2023年の入国者数については過去3番めに多いことがわかります。
訪日外国人数(9月)
- 2016年9月…1,918,246人
- 2017年9月…2,280,406人
- 2018年9月…2,159,595人
- 2019年9月…2,272,883人
- 2023年9月…2,184,300人【※速報値】
(【出所】JNTOデータをもとに著者作成)
中国人と韓国人の比較
このあたり、中国政府が自国民に対する日本への団体旅行の催行を制限しているとの報道もあるのですが、たしかに訪日中国人の人数は、2023年9月に関しては前月と比べてやや下落しているほか、コロナ前の2016~19年と比べて訪日中国人の人数自体は低調です(図表4)。
図表4 日本を訪問した中国人
これに対し、訪日韓国人に関しては、2019年については8月以降に人数が急落していたのですが、2023年に関しては高位安定しており、9月としては過去最大を更新しています(図表5)。
図表5 日本を訪問した韓国人
過去最大だからハッピー、というものでもない
いずれにせよ、2023年に関していえば、とくにコロナ禍からの回復途上にあった年の前半の数値が低調でしたが、(中国人観光客を除いて)もうすっかりコロナ以前の状況に戻っており、コロナ前を抜いている国もある、という状況です。
おそらく今年に関しては、訪日外国人は累計で2000万人を突破することはほぼ確実でしょうし、このペースで推移すれば、来年は中国人団体観光客の動向にも関わらず、おそらく訪日外国人数が過去最多を更新し、3500~4000万人程度に達する可能性も濃厚です。
ただし、そのことが日本経済にとって良い影響をもたらすかどうかは別問題です。その典型例がオーバーツーリズム(観光公害)の問題です。
一部の地域でも問題となっている、生活空間に外国人観光客が押し寄せる問題などは、こうした弊害のひとつでしょう。
それに、すでに日本は働き手不足状態に陥っており、各地でホテル、公共交通機関などの運営や運行などにも支障をきたし始めているのが実情です。
一部の国の例に倣い、日本も(現状の1人当たり1,000円の出国税は廃止したうえで)外国人観光客などを対象とした、1人あたり数千円から数万円レベルの入国税の導入を検討する価値はあるでしょう。
仮に入国税の導入によって入国者が減ったとしても、年間2000万人が日本に入国すれば、入国税を1人あたり5,000円とすれば税収は1000億円、1人あたり10,000円とすれば、税収は2000億円です。
税収については観光公害に悩む地域の交通誘導費用、不法滞在者の強制送還費用など、出入国管理や観光行政にかかわる分野に配分すれば合理的ではないでしょうか。
いずれにせよ、観光客の急増については、「良いこと」だという単純な話ではないことは間違いないでしょう。
View Comments (10)
なんなんだ?韓国人って?あれだけNO.JAPANをしていたのに訪日NO1?ビールも売上回復?、、わからん、絶対に理解できない。だれか、教えてくれ!やつらの思考回路!
「下半身親日」と言う非常に分かりやすい単語がありますよ。
彼らは日本人と日本政府に「常になんでも言う事を聞き、持っている物を差し出す」
関係を望んでいるのです。しかし現実はそうではないし、そうはならない。
なので”仕方なく”日本から物を買い、ぶつぶつと反日を呟いているのです。
日本人の価値観だと「言行不一致」であり、韓国人もそれが分からない訳では
ないですから余計にストレスと怒りが溜まり、終わらぬ反日に励むのでしょう。
火病だ!火病だ!すぐカッとなる。日本旅行中は発作がおきないのかねぇ?
返信ありがとうございます。雪だんごサマ。 拝。
訪日人気は嬉しいですが、キャパ超えての
オーバーツーリズムだと受入側が困るのと、
外国人、特に日本が好きではるばる来てもらう
国々の方が満足していただけないと困ります。
特に問題点は、国別構成にあると思います。
1位になるほどたくさん来日しても
帰国後も、嘘捏造で謝罪と賠償ねだる自国に
批判の声も挙げない人がほとんどの国の人で
観光地が混雑してしまい、
はるばる遠くから来て日本ファンの国の方が
楽しめない今の構成は問題です。
イベントでもアミューズメント施設でも
安全と満足のため入場制限をするものです。
寛容な日本は、本来してもいい
反日行為国制限とかはしないのですが
ただ、公平な一律金額入国税導入だけでも
目的に叶うと思います。
それは、一律定額の入国税でも
一人当たり支出費用が、欧州豪州より
1/3程度しかない1位の国は、
日本に来るまでの航空運賃合わせて
他の国の人より割高に感じてもらえるので、
自動セーブ機能として効果をあげると思います。
入国税は比較的高額にして、
訪日観光環境の充実と、
日本固有の領土竹島の国際的周知費用などにも使う
ということを明らかにすれば、自然と
さらなる効果を得られると考えます。
もちろん先に述べた、
オーバーツーリズムとその原因である歪な国別構成是正の
正しい取り組みには
韓流政党立憲民主党や、
日本のどぶサヨメディアや民団新聞などは
おかしな反発をするでしょう。
しかしなんせ、
観光地に住む住民と外国人観光客の
安全満足が最も大事であり、
韓流と日本の少数どぶサヨさんの主張は
いくら声高でもそれは優先されないものとの
当たり前の姿勢で実行に移すことが必要です。
コロナ禍前に比べて中国人が激減…と言っても、今でも来日外国人数の順位としては上から三番目。
コロナ前のインバウンドはどんだけ中国人に偏っていたんだか…。
日本も、米国のESTAのような制度を設けて、事前申請とし、手数料として5000円くらい徴収したらどうか。
そして、米国のように、入国審査を厳しくしたらいい。
観光客をどんどん受け入れるか受け入れる数を制限するかという基本的な方針を決める必要があるのではないでしょうか?長期的方針です。
どんどん受け入れるという方針なら、受け入れ態勢の総合的な見直しが必要です。
現在の受け入れ能力を限度として考えるなら、負担の増加か制度的制限を設ける必要があります。
私としては、漸進的に海外からの観光客を増やすべきと考えていますが、主要な観光地の受け入れ能力を増やすのは簡単ではありません。
一つの案として、現在ローカル線の存廃が議論されていますが、ローカル線の利用客を増やすために海外からの観光客の利用を促進することを提案したいと思います。
私も、ローカル線を利用したいと思っていますが、旅行プランは自動車か鉄道かという二者択一になってしまいます。
自動車と鉄道を併用できるようなプランの提案を観光業界や鉄道会社にお願いしたいと思っています。
レンタカーの利用という方向もありますが、まずは自分の車で出かけて、途中で鉄道も利用できるプランがあれば大歓迎です。
京都での交通混雑の件ですが、最近外国人の自転車集団を見かけることが多くなりました。
主に欧米系ですが、坂の少ない京都観光の手段としては、自転車は大変良いと思います。
自転車の場合は、観光地を点で訪問するのでは無く街並みを見ながら、気になった所に立ち寄ることが出来ますので、意外な出会いが期待できます。交通機関の混雑緩和になりますし。
今後混雑緩和のため自転車の利用が増えることを期待していますが、交通事故が心配です。
英連邦以外の国は日本と反対側を走るためか、今日も外国人の自転車とぶつかりそうになりました。向こうがsorryと言っていましたが。
こちらも気を付けないといけませんね。
観光でノービザで日本に入国し、そのまま難民申請する。クルド人(トルコ人)です。
ノービザの国が多いとパスポート力が強いと評価されるので、そんなくだらない事に無能な外務省は必死に取り組んでいる。その結果、問題国とも相互主義でビザ免除している。
タイ、ベトナム、フィリピンは、そのまま失踪する外国人労働者でしょうか。
入国者を吟味し、選別する必要があります。
いっつも思いますが、日本への観光業の動向は、会計士さんがどちらかというと日本経済を協力けん引してくれるわけではないので、日本はそんな観光業に注目しなくてもいい、というのがこのサイトの主張だったかと思いますが違いますか?
「日本への観光客は韓国人がトップだが支払いは最低レベル」とか、「中国人観光客は激増、そんなに回復してない」などといった情報はここでも繰り返し言及してますし、ほかのサイトでもよく言及されるネタです。
韓国人は今日どうしたこうしたという細かい目先の情報を追うより、「韓国人は反日教育を受けているが、それに同調しない若者が増えてきていることが調査で分かった」とか客観的に韓国人性を断定してしまって、韓国人性はこうだから政治はこう動くとか、もうわかっている定義を基に韓国の動きを追うとか、「先を読み解く」方向でやっていたほうが生産的ではないでしょうか。
韓国はこう動いたのはこうだからとか、日々の韓国を追うのはほかのサイトや個人がたくさんやっています。
このサイトがやるべきはまさに得意分野、数字から韓国を分析することじゃないですかね。
外国人観光客が増えている云々なんてのは大手メディアも、韓国系ニュースサイトも言うことですし、もういいんじゃないでしょうか?
「韓国はNO JAPANをしているのに、日本への観光客が増えるなんておかしい!」なんてコメントを、いつまでも書き込んでいるのも非生産的ですしね。