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解散総選挙の可能性を日程で読む

年内解散はあり得るのか――。これについて、本稿では純粋に「日程」に焦点を絞って考察してみます。「岸田首相が就任から丸2年が経過するなかで、来年9月の自民党総裁選への再選を目指すならば、やはりそれまでに衆院解散総選挙をしておくべきだ」。これはそのとおりなのですが、現実に年内解散総選挙ができるとしたら、補正予算案を遅くとも11月中に通す必要がありそうです。

もうすぐ2年の岸田首相

菅義偉総理大臣が退任し、代わって岸田文雄・現首相が就任してから、明日でちょうど2年が経過します。

こうした節目に合わせるかのように、岸田首相は2日、読売新聞のインタビューに応じ、衆院解散については「いま考えていない」としつつ、新たな経済対策を巡っては給付・減税・社会保障負担軽減などを挙げ「あらゆる手法を国民への還元というなかで考えていく」と述べたそうです。

OP技術「G7協力」に意欲、補正予算「成立させたい」…岸田首相インタビュー

―――2023/10/03 05:00付 読売新聞オンラインより

ただ、「衆院解散は考えていない」という岸田首相の発言を額面通りに受け取るべきなのかは微妙でしょう。

常識的に考えて、2024年9月の自民党総裁選を前に、岸田首相としても衆院解散・総選挙を行っておきたいと思っているであろうことは、想像に難くありません。自民党が圧勝はしないまでも、単独過半数など「一定水準」の議席を獲得していれば、総裁選で再選される可能性は相応に出てくるからです。

過去の総選挙は秋口に集中している

ただ、「来年9月の自民党総裁選」をゴールと置けば、そこから逆算し、解散総選挙ができるタイミングは通常国会が終わる来年の6月か、通常国会が始まる1月(いわゆる「冒頭解散」)か、はたまた年内くらいしかありません。

ちなみに戦後の衆議院議員総選挙は、1947年4月の第23回総選挙を皮切りに、2021年10月31日の第49回総選挙まで、合計27回以降実施されていますが、その半分以上は10月~12月の時期に行われています。

総選挙が行われたタイミングで最も多いのは12月(6回)、続いて10月(5回)、11月(3回)となっており、この3つだけで合計14回を占めます。また、過去に2回行われたのが1月、2月、4月、6月、7月で(合計10回)、少ないのは5月、8月、9月(各1回ずつ)、そして3月は過去ゼロ回です。

衆院選は過去27回中14回、秋口から年内に実施された

10月…5回

11月…3回

12月…6回

合計…14回

10~12月以外の総選挙は13回しか実施されていない

2回…1月、2月、4月、6月、7月

1回…5月、8月、9月

0回…3月

合計…13回

過去の衆院選が秋口に行われるのは、やはり理由があるのでしょう。そもそも政治日程として通常国会が始まる1月以降は動きが取り辛い、という事情もあるのかもしれません(とくに予算の成立が求められる3月については衆院選実施回数がゼロ回です)。

また、6月ないし7月といえば多くの場合、3年に1回参議院議員通常選挙が行われるため、衆議院選挙は実施し辛いようです(もっとも、1980年6月22日の第36回衆議院議員総選挙、1986年7月6日の第38回衆議院議員総選挙は、いわゆる「衆参同日選挙」でした)。

11月中に補正予算→12月24日投開票

いずれにせよ、この過去の衆院選を今回に当てはめるならば、もし岸田首相が本当に「自民党総裁選までに選挙をしたいと思っている」のならば、最も可能性が高いタイミングのひとつは、今月以降始まる経済対策の議論がまとまり、補正予算が成立した直後、といったところでしょう。

ただ、まだ議論が始まったばかりの経済対策について、これが補正予算の成立に結実するためには、予算案の編成、衆参両院での採決などを経る必要があり、さすがに今月中に成立させることは難しいところです。どれだけ急いでも補正予算は実務的には11月中旬から12月初旬の成立とならざるを得ません。

衆院解散から総選挙が行われるまで、最短でも3週間少々の時間が必要ですので、「補正予算成立直後に解散する」というシナリオを考えると、もし運良く11月中旬に補正予算が成立したとすれば、現実的に最短の選挙期日は12月10日か17日です。

しかし、補正予算の成立が11月下旬にずれ込めば、年内総選挙ができるタイミングは12月24日であり、それを過ぎたら年末年始を挟んでしまいます。実務的に見て、さすがに12月31日や来年1月7日に選挙を実施するのは難しいでしょう。

「補正予算成立直後に解散・総選挙」シナリオなら…?
  • 予算成立が11月15日ごろまで→11月17日解散、12月10日総選挙
  • 予算成立が11月22日ごろまで→11月24日解散、12月17日総選挙
  • 予算成立が11月30日ごろまで→11月30日解散、12月24日総選挙
  • 予算成立が12月上旬にずれ込む→年末年始を挟むため解散総選挙は困難?

その可能性はゼロではない

もちろん、この「補正予算成立直後に解散総選挙」というシナリオが流れたとしても、来年1月の通常国会で冒頭解散し、2月上旬に投開票、というシナリオもないわけではありませんが、この場合は令和6年度予算の審議日程が相当にタイトになります。

通常国会が終わる来年6月に解散総選挙をするならば、東京都知事選と日程が重なるのに加え、総裁選まであまり時間がなく、「追い込まれ」感も出てくるかもしれません。このように考えていくならば、「補正予算案を通して解散総選挙」というシナリオ、現実的には日程的にかなり絞られてくるでしょう。

ただし、自民党にとっては日本維新の会の選挙準備が整う前に、早期解散総選挙に踏み切りたいというニーズがあることは間違いありません。

当ウェブサイト的な見立てでは、「秋口解散」ならば、自民党は多少議席を減らすかもしれないにせよ、単独過半数を維持する可能性は高いと考えています。しかし、維新の選挙準備が進んでいけば、「58人のボーダー議員」のなかには当落に影響が生じてくるケースも出てきます。

その意味では、やはり年内解散の可能性は十分にありそうです。

新宿会計士:

View Comments (2)

  • 騙されてはいけない。減税を信じたとしても選挙に勝てば方針は「国民の信任を得た」とばかり翻すのはこれまでの自民党を思い出せば解ることなのだ。最低でも自民ー公明は過半数に追い込まなくてはならないのだが、民主党の3年3ヶ月の負の記憶が重すぎて野党への信任に結びつかない。実際に立憲民主党への支持率は維新の会に逆転されている。第3党が連立に入り公明党を牽制しつつ国民の声を通すのが理想なんだが飲み込まれ消えた政党は多いのが現実だ。自民ー公明だけは過半数割れに追い込まなくてはならないが国民の有権者が分かっているのか心もとない。

  • キシダはバイデンのポチと化してから、ウクライナへの復興巨大支援(約20兆円)を果たすべく政府財政諮問委員会より提言させておいて、尻の毛まで抜くかの如く日本国民から血税を搾り取ろうと画策しています。総選挙で最悪国民民主党まで抱き込んで政権維持を計り、大増税を強行して巨大支援してバイデンに尻尾を振り向けます。最近のオールドメディアの論調は解散出来ないと有りますが、キシダは多分、臨時国会冒頭解散を目論んでいます。総選挙で自民党を過半数割れに追い込んでキシダ退陣させるべきです。