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中国の「ヒステリックな行動」は日本を反中国家にする

中国自身のヒステリックな反応を見ていると、その裏には中国社会の問題がある――。これが、『現代ビジネス』編集次長の近藤大介氏の見解です。その詳しい内容については現代ビジネスの記事を直接ご参照いただきたいのですが、本稿で取り上げておきたいのは、中国自身がそのような行動を取ることで、日本人からどう思われるかについての認識が欠落しているフシがある、という点です。その行動は、日本を反中国家に変えるのです。

台湾有事は2027年?

以前の『台湾有事をわかりやすく説明する元陸将の「危機意識」』では、「2027年前後の台湾有事と日本の対応」を巡る、『現代ビジネス』編集次長の近藤大介氏と、陸上自衛隊元陸将の山下裕貴氏の対談記事を紹介しました。

日本人必読といえるような記事が、現代ビジネスに掲載されていました。『現代ビジネス』編集次長の近藤大介氏と、陸上自衛隊元陸将の山下裕貴氏の対談記事です。大変な長文ではありますが、非常に秀逸な記事です。ごく近い将来、より具体的にいえば、台湾有事は2027年前後に発生し、日本が巻き込まれる可能性も高いこと――などが示されています。これはごく近い将来の日本有事の予言でもあるのです。台湾有事に鈍感な日本人私たち日本人が意識しておかねばならないのは、日本を取り巻く安全保障環境が極めて危うくなってきているという...
台湾有事をわかりやすく説明する元陸将の「危機意識」 - 新宿会計士の政治経済評論

元記事は次のリンクで読む事ができます。

「台湾侵攻戦争」中国軍上陸の「Xデー」は…!? 日米の参戦、その意外な結末を、自衛隊元陸将が完全シミュレーションする

―――2023.08.22付 現代ビジネスより

大変に良い記事です。

この点、世の中のウェブ評論サイトの記事は、公表から日数が経過すると読めなくなることもあるようですので、もし台湾有事などに興味・関心がある方は、是非ともお早めにご一読をいただきたいと思います。

近藤氏「中国の日本叩き:5つの理由」

さて、その近藤氏が今週も、『現代ビジネス』にこんな記事を公表しています。

中国はなぜ「日本叩き」にここまで必死なのか…? ALPS処理水放出に“過剰反応”する「5つの理由」

―――2023.08.29付 現代ビジネスより

近藤氏は開口一番、東京電力という会社が福島第一原発事故を発生させたことについて、半永久的に責任を免れないことは「論をまたない」としつつも、中国の原発では福一よりももっと濃度が高い処理水を「平然と海中に放出している」という事実を踏まえたうえで、次のように指摘します。

先週からの中国の反応は、日本から見ると、いささか過剰だ」。

近藤氏がいう「先週からの中国の反応」とは、日本からの水産物の輸入を全面的に禁じたことや中国人民が福島県各地に「いたずら電話」を掛けていること、中国本土でノージャパン運動のようなものが発生し始めていること、日本人学校に投石などの被害が生じ始めていること、などでしょうか?

いずれにせよ、近藤氏が指摘する通り、中国の反応がヒステリックであることは間違いありません。

ではなぜ、そんな反応を示すのでしょうか。あるいは何が「狙い」なのでしょうか。

近藤氏が「縷々思い連ねる」と、①中国の「正義」をアピールすること、②日本社会の「分断」を図ること、③中国国内の混乱を恐れていること、④市民の怒りを日本に向けさせること、そして⑤日本を使った「中南海」の権力闘争の可能性――などがあるのだそうです。

それって中国自身にとって生産的なの?

各項目の細かい内容については直接リンク先の記事を読んでいただきたいのですが、正直、今回の「中国のヒステリックな反応」は、今後、中国当局としてもうまくコントロールできなくなる可能性があることを示唆しているように思えてなりません。

このあたり、かつては「中国は狡猾な国だ」、「中国は外交も上手だ」、「中国を敵に回すべきではない」、といった論調を日本国内で見かけることもあったのですが、正直、現在の中国がそこまで「狡猾な国」なのかと問われれば、そこは微妙な気がします。

自国の人民が日本の無関係な一般の飲食店、市役所などに妨害のいたずら電話を発するなどの行為をしたら、自分の国が外国からどう見られるか、まったく理解していないようにも見受けられるからです。それが生産的な行動ではないことは明らかです。

いや、少なくとも日本社会は、(ごく一部の「中国大好き」なメディアなどを除けば)現在の中国共産党が支配する「中華人民共和国」と、未来永劫、友好国としてともに手を携えていくべきだ、などと考えている人は少数派に転落しつつあるでしょう。

日本社会の対中認識はコントロールできない

実際、内閣府がほぼ毎年のように実施している『外交に関する世論調査』という調査によれば、中国に対する感情や認識などについては、調査開始以来、大きく変動しているものの、近年になるほど悪化していることがわかります(図表1図表2)。

図表1 中国に対する親近感の推移

図表2 中国との関係が良好かどうかに関する認識の推移

(【出所】『外交に関する世論調査』をもとに著者作成)

いまや、日本国民の親近感が中国や韓国よりも低い相手国といえば、ロシアくらいなものでしょう。

昨年の時点でこうですから、現時点で調査を実施したらどうなっているかが気になるところです。正直、中国自身が日本に対しどのような行動を取るのも自由ですが、そうした行動を取ることで、日本人からどう思われるかについての認識が完全に欠落しているフシがあると思われるのです。

その行動は、日本を反中国家に変えるのです。

いずれにせよ、日本人の対中認識を形成しているのが、中国自身による行動であることは間違いありません。メディアなどがいくら煽ったところで、このインターネット時代、ロシア、北朝鮮などと並んで日本の近隣4ヵ国が無法国家であることは、一般の日本人に深く認識されているのではないでしょうか。

新宿会計士:

View Comments (24)

  • 文在寅政権の時に、過激な反日、侮日、各種の嫌がらせ等々により、今まで韓国に対して何とも思ってなかった人たちにも反韓感情が高まって、ずいぶんと韓国の異常性が世間に知れ渡るきっかけになったと思います。
    それに付随して、今まで親韓派だった議員たちもだんだんと肩身が狭くなり、韓国に対して、簡単に譲歩や厚遇が出来なくなってきたように思います。

    今回の中国の異常性も、このままいけばこの構図にあてはまらないかと、ちょっと期待しています。文在寅が偉大だったことは、ブレずに反日を貫いた事。中国も日和らずに、大々的にこの抗議活動を拡大していって欲しいと密かに思ってます。そして、親中派議員は、力を少し落としていって欲しいところです。当事者には申し訳ないですけど。。。

    • >韓国に対して、簡単に譲歩や厚遇が出来なくなってきたように思います。

      岸田首相が率先して譲歩や厚遇しまくっているようですが・・・。

  • 日本にいやがらせをしようとしたものの、国内の愚民をコントロールできなくなり、弱腰だ!という批判が自国政府に向き始め、沈静化せざるを得ないという流れになりそう。日本としてはケンカ腰ではなく、イヤミをいう程度で勝手に自滅していくかもしれませんね。

    ・イヤミの例:「中国人へ。当店の食材は全て福島県産です」
    https://news.yahoo.co.jp/articles/44031f1de1788e8a115fbc528088bda33a976de3

    >「中国は外交も上手だ」、「中国を敵に回すべきではない」、といった論調

    皆様ももう見たと思いますが、これですか?
    「解決の責任は日本政府にある」共産・小池氏
    https://news.yahoo.co.jp/articles/976862281c8619a1deee7cb431ef95f0c7f807d7

    • ご紹介いただいた記事を読みました。二本とも「ちょっとなに言ってるかわかんないです」というネタのような感想しか思い浮かびませんよね。

      福島産の表示は食べるのを避けたい中国人の方に対してむしろ親切だと思いますし、処理水は中国が科学的事実に基づかず騒いでいる事を日本が解決することなど出来ません。粛々と対応するのみですね。

  • >そうした行動を取ることで、日本人からどう思われるかについての認識が完全に欠落しているフシ

    戦狼外交も小役人の点数稼ぎの合成和だと思いますし、大いなる田舎者なのだと思います。

    最近「中国経済危ない」が急激にネットを跋扈するようになりました。
    民衆レベルで直接関係ありそうなところでは不動産ですが、あちらは物件完成前に購入者が金を払う慣習らしいです。建設途中で放棄されているおびただしい数の住宅の負債は、デベロッパーではなく個人が負っている可能性が高そうです。爆弾要素だと思います。

    情報源が怪しいのでURLは貼りませんが、とかくなんでも不透明な中国への海外からの債券投資の判断基準は、党幹部などの有力者とのコネクション分析だそうです。なのでそれを知る人間にしか扱えず特殊技能化していたそうです。
    それでも今までは儲かっていたので金が集まっていたそうですが、儲からなくなったので資金は待避傾向だそうです。透明性があればその中でも見込みのあるものには資金が集まったのでしょうが、とにかく避ける判断にしかならないと。

    金の切れ目が縁の切れ目。これも中国の姿の一つなんでしょうね。

    • 中国には科学者はいないということですよ。いたとしても習近平が押さえ込んでしまっている。いくら有名な大学であってもノーベル賞をとれるような人材は育たない。
      ロシアのKGBのような組織が共産党にあるのかもしれない。これからはそんな所の調査が必要ですね。

  • 中国のというか中国人の恐ろしいところ。
    「なんでも欲しがり、それが尽きないところ」では無いでしょうか。
    「手段は選ばず違法なんてお手の物」「嘘と言い訳で国中が満ちあふれてる」
    だから「外部に見える事象は全て政治的な物」で「クレクレ」というのが定番と聞いています。
    これが一番彼等の理解にスッキリします。
    追伸
     公園の蝉を捕って食べるなあ!

  • 先日、ニッポン放送でコメンテーターの方が面白い説を話してました。

    処理水放出は避けられないと判断した中国政府は、中国政府は10月開催のG20まで処理水放出を待ってくれ、と申し入れていたとか。習近平さんが10月開催のG20で「俺様が日本政府に放出を認めてやった」という体にしたかったのでは?という説。
    日本政府がそれを無視してさっさと放出を始めちゃったから、メンツを潰された習近平さんが日本に対する嫌がらせを放置している、という説です。

    以下、私見。
    なかなかに説得力があるように思えます。が、いかな習近平といえども、そこまでのバカではないと思います、いや、思いたいですね。習近平閣下に花を持たせようと極度に忖度する小役人の根回しが失敗に終わった、であってほしいですね。
    結果として、習近平の「小ささ」と塩を買い占める人民の愚かさが世界中に喧伝されることになったのであれば、それはそれでGJかもしれません。

    • >G20で「俺様が日本政府に放出を認めてやった」という体
      これに日本が協力したとしてどんなメリットがあるのでしょうね?私には思い付かないのですが。

  • 少なくとも近代以降は、日本は中国に接近するとおかしくなる。
    戦前は、満州事変、日華事変だけでなく、中国における阿片の利権を三菱商事と三井物産が争い、民政党と政友会の政争になった。阿片の売り上げは裏金として軍部も汚染し、国策そのものまで誤った。
    戦後は、パナソニックを始めとする企業が、中国政府の甘言に乗り、続々と中国市場に乗り出した。しかし、中国政府が強制した技術移転3点セット契約で、製造ノウハウまで根こそぎ奪われた。ついでに大量の模倣品も発生し、日本企業の衰退の原因になった。

    日本は中国とは距離を置いた状態でいるべき。
    コロナと経済安全保障で保った適正距離を、さらに処理水騒動で確保できるのだから、日本にとっては幸運だ。日本のためにも、中国にはもっと騒いでもらいたい。

    • 正直、外交も経済政策も失政した田中角栄とかいう汚職政治家が何故ここまで今も評価されるのか若輩には理解できません。
      それだけバラまきの恩恵に預かった人間が多かったという事でしょうか?県知事が相応の見識に思えるのですが

  • >それって中国自身にとって生産的なの?

    岸田政権がどう応えても、失うものがないので打算的ではありますね。

  • この戦術は戦略的に間違っている。この一言で済んでます。日本側が普通に対応すれば、有利になりますが、はたして今の政府がきちんと動けるか?
    戦略を間違える理由は、ブログ主がよく挙げている利権の崩壊の過程に似ているように思います。過剰な成功体験が現実の把握に歪みを与え、慢心から常識的に考えられない手段を選んでしまうわけです。
    NHKの受信料問題、一部野党の非常識行動、アメリカ民主党のトランプ訴追、プーチンのウクライナ戦争など。皆似たようなメタ構造に思えます。
    この一点からだけでも、中共も先が長くないように思いますが、願わくはソフトランディングで終わってもらい我が国に被害が及ばないように。

  • 日本の「抑制的な態度」は中国をさらに強硬にする! と思います。
    岸田首相の「むにゃむにゃ・・・遺憾である。・・・さらなる理解を求める。」なんて無意味な言葉の羅列でしかない会見をしてるうちは、中国はさらに強硬な手段を講じてくるでしょう。反撃しない相手を容赦するはずもありません。あちらは、こんなつまらないことでも引いたら負け、国の存亡がかかっていると思ってやっているのですから。水産物の輸入規制・禁止、アナログなサイバー攻撃(もしもし作戦)、在中国日本人への軽微ながら実力行使、次は不買運動ですかね。。。
    いつものことですが、林大臣はどこに隠れているのでしょう?首相が会見する前に外務大臣が何かしなければいけないのでは?例によって外務省が止めているんでしょうね。「やられたら黙り込む」、「右の頬を打たれたら左の頬を差し出す」、とにかく外交問題になると大変だからとか思ってるんでしょうね。

  • 中国は人民に対してマルクスレーニン主義で中国共産党の正統性を訴えられなくなった
    なので偉大な中国の復興と言うスローガンの下
    「邪悪な世界を核で汚染するに日本」に対して立ちはだかり世界を守る「正義の味方 中国共産党」を中国人民に対して演出して正当性を得ようとしている
    すべてが国内問題だ 自国の外のことなどどうでもいいと習近平は思ってる
    とにかく自分の地位の「安定」が大事
    南アフリカから戻って北京に戻らず新疆へ言って「安定」を8回連呼した
    薄々暗殺される危険は感じているので準備を整えてから北京に入った

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