韓国の釜山港入りしている自衛艦旗(いわゆる旭日旗)を掲揚した日本の護衛艦を巡って、また新たな論点が出てきました。韓国メディアの報道によると、31日に実施される多国間海上訓練では雨天のため規模を縮小し、予定されていた観閲も取りやめとなったのだそうです。ただ、『tenki.jp』の情報によると、31日の天候はたしかに雨ですが、風速は3メートル毎秒であり、これは一般に「そよ風」です。
「旭日旗容認は、日韓関係改善の兆候だ」
「わが国の海上自衛隊の護衛艦『はまぎり』が艦旗(いわゆる旭日旗)を掲揚して韓国の釜山港に入港することを韓国当局が容認した。これは、日韓関係の好転を示す、非常に良い兆候だ」――。
こんな主張が、一部の政府関係者、メディア関係者などから出て来ています。
先日の『韓国が旭日旗容認も…これに狂喜乱舞すべきでない理由』でも説明したとおり、こうした主張は、完全な詭弁です。そもそも自衛艦を含めた艦艇が航行する際などには、所属国の艦旗を掲揚することが、国際慣習法により求められるからです。
韓国政府・国防部報道官が25日、今月末の日米豪韓合同訓練の際に自衛隊の護衛艦が韓国に入港する際、自衛艦旗(いわゆる旭日旗)を掲揚することを巡り、「国際慣例に従う」として、容認する考えを示したようです。ただ、艦旗の掲揚は、国際法上当然のことであり、これを容認しないとする考え方の方がむしろ異常です。なにより、たかが自衛艦旗の掲揚を認めたくらいで、「韓国が日米側に戻って来た」などと狂喜乱舞すべきでもありません。旭日旗問題を振り返る「旭日旗問題」とは、いわゆる旭日旗の意匠に対し、韓国が「戦犯旗」だの、... 韓国が旭日旗容認も…これに狂喜乱舞すべきでない理由 - 新宿会計士の政治経済評論 |
文在寅(ぶん・ざいいん)政権時代の韓国が日本の自衛艦に対し、旭日旗を掲揚しないように要求したことは、それ自体、国際法に反するとともに、国際常識に著しく逸脱する行動です。こうした非常識な要求を取り下げたからといって、どうしてそれが「日韓関係改善の兆候」といえるのでしょうか。
日韓諸懸案はまったく解決していない
尹錫悦(いん・しゃくえつ)政権が行っていることは、文在寅政権下で極端に「悪化(?)」した日韓関係を少し元に戻すというものであり、これを「関係改善に向けた努力」と位置付けることは適切ではありませんし、必ずしも歓迎すべき動きでもないのです。
そもそも尹錫悦政権下においても、自称元徴用工問題はまったく解決していませんし、文在寅政権時代の慰安婦合意破り、火器管制レーダー照射事件、天皇陛下侮辱事件、自称元慰安婦に関連する主権免除違反判決事件など、韓国が解決しなければならない問題は山積しています。
なにより、李承晩(り・しょうばん)以降の最大の懸案である島根県竹島不法占拠事件は、まったく解決していません。
こんな相手国との防衛協力が成り立つと、日本政府は本気で考えているのでしょうか?
そよ風で海上観閲が中止に
もっとも、韓国が「協力相手として信頼ならない国である」ということを示す証拠が出て来たようです。旭日旗を掲揚した海自艦に関する話題に戻ると、韓国メディア『朝鮮日報』(日本語版)に30日、『NEWSIS』が配信した、こんな記事が掲載されていました。
旭日旗掲げた海自艦の海上観閲は中止…韓国軍「天候悪化以外の理由はない」
―――2023/05/30 19:20付 朝鮮日報日本語版より【NEWSIS配信】
NEWSISによると、31日に実施する多国間海上訓練「イースタン・エンデバー23」を巡り、韓国国防部は30日、済州島(さいしゅうとう)周辺の天候悪化のため規模を縮小し、訓練の参観および海上での観閲も取りやめる、などと発表したのだそうです。
はて?
『tenki.jp』の情報によれば、31日午前6時時点の観測で済州島近辺はたしかに雨ではありますが、風速は3メートル毎秒で、これは「そよ風」レベルです。海上での観閲を取りやめるほどの気候なのでしょうか?それとも韓国では「そよ風」で訓練を縮小したりするのでしょうか?
信頼できない相手
NEWSISによると、国防部の会見では北朝鮮による衛星打上計画や旭日旗問題などが影響したのではないかとの質問に対し、報道官はこう述べたそうです。
「きょう(30日)の朝までさまざまな状況を検討したが、訓練海域の天候が悪化しているため、残念ながら正常な訓練を全て実施することはできないと判断した。海軍は多くの準備を重ねてきたが、天候のせいで縮小することになり残念だ」。
つまり、「天候がすべて」、というわけですが、おそらく誰もそんな発表を信じていないのではないでしょうか。
NEWSISによると、当初の計画では、訓練後に韓国の李鐘燮(り・しょうしょう)国防部長官が韓国の揚陸艦から各国の艦船を観閲し、海自艦の乗組員らも自衛艦旗を掲揚した状態で李鐘燮氏に敬礼することが想定されていたのだとか。
これについてNEWSISは「議論を呼んでいた」としていますが、それが「議論になる」という国との防衛協力自体が成り立たないというのは、もはや自明の理でしょう。ましてや、「そよ風」程度で観閲を実施しないというのは、それだけ韓国が防衛協力上、信頼できない相手である証拠そのもの、と考えて良いのではないかと思う次第です。
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そういやレーダー照射事件のときも
悪天候(日本の感覚だと晴れ)
とかいってたので、韓国では風速3メートルは暴風とみなされるかもしれません。
>風速3メートルは暴風
どんだけ脆弱な軍隊やねん!
もし北朝鮮が韓国軍を攻撃する場合は、金王朝の霊力(?)で、風速3メートルの暴風雨を起こせばよいのですね。だから、在韓米軍がなくてはならないのですね。
国際法等々に関しては、国際社会にとって大嵐の状態でも、勧告にとっては凪
まぁ、こうやって向こうのほうからよくなりかけた(ように見える)関係をぶっ壊してくれるからありがたいことです。韓国に置かせられては、せいぜい岸田政権の顔に泥を塗り続けてください。次の首脳会談が無期延期になるまで。
岸田政権は火遊びをしている。そんな認識が広まりそうです。
うーん、これはモルゲッソヨの仕業だ
そよ風で、艦隊の進行を止める軟弱な海軍を持つ国と軍事同盟を結ぶ国はないでしょうね。
以前、日本ではベタ凪としか思えない天候でも、韓国海軍は天候が悪く全てのレーダーを稼働云々と言って怖くて怖くて仕方がないようでしたので、3メートルもの超高波がある海面状況では、韓国海軍は危険を犯してまで作戦行動はとれ無いと思われるので今回の措置は仕方ありませんね。我々海洋国家のNAVYは、生暖かく見守ってあげるくらいのシーマンシップは持ち合わせていますので、大丈夫ですよ韓国海軍さん。ただ、国際共同訓練で無理をして事故に繋がるような足をひっぱらないようにしてくださいね。がんば‼
いえ、これは韓国海軍にしては珍しくとても冷静で適切な好判断です。ほんの少しでも風がある時に航海、ましてや訓練などしてはならないのです。
https://www.sankei.com/article/20140317-JRSMK5OTORL3TKQWRJV7ROODXA/
https://www.sankei.com/article/20170117-ZAZNXMMWDRLKXIXPQIVNORCWPQ/
ただ、もっとも適切なのは韓国海軍の廃止だと思われますが。
ソウルの在韓公館の放射線量を測って公表した時のように、海自は観艦式が行われる予定だった海域の天候や風速を測って公表すべき。
で、「中止だそうですよ、悪天候で。海自の認識とは違いますけど」とでも言ってやればいい。
「あんたらの建前なんて知らねえよ」ということを公に示すことが重要。
いや 韓国艦艇は 雨に弱いんですよ。
雨漏りするから。
ふ〜ん。風速3メートルで転覆の危険があるんだね、韓国艦は(爆笑)。普通、10メートルでもナンのそのだろ?
旭日旗がそんなに嫌な国と、仲良くなんて出来ません。もう日韓+米の軍事演習は要らない。日米+台+豪で良い。韓国は中と仲良くしてろ。