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ロシアから撤退したマクド、ウクライナでは絶賛営業中

ロシアが完全敗北するその日まで、ウクライナの人々は決して希望を失わないでほしいと思います。こうしたなかで、大変に素晴らしい朗報がありました。複数のツイッター・ユーザーの投稿に基づけば、戦時下のキーウのマクドには若者があふれているというのです。マクドはロシアからは完全撤退してしまいましたが、ウクライナでは営業を続けています。

1年前にロシアから撤退したマクド

マクド社といえば、昨年、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、ロシアからの全面撤退を決断した会社です。

ついにマクドがロシアから撤退へ』でも取り上げたとおり、マクド社はいまからちょうど1年前の2022年5月、ロシア市場から完全に撤退(デ・アーチング※)し、ロシア全土にある850の店舗をすべて地元企業に売却すると表明しました。

本日の緊急速報です。ついに西側諸国による「あの最終兵器」が発動されることになりました。ロシアの一般市民にとっては非常に残念な結果となりそうです。マクドの「ゴールデン・アーチ」が90度傾いて「イワンおじさん」に取って変わるとでも言うのでしょうか?いずれにせよ、ロシアにはまたひとつの「マイナスの戦果」が生じた格好です。ロシアにマイナスの戦果が続々!2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻開始から3ヵ月近くの時間が経過しているにも関わらず、ウクライナ全土の制圧はおろか、非常に限られた地域を占領し...
ついにマクドがロシアから撤退へ - 新宿会計士の政治経済評論

ちなみに「デ・アーチング(de-Arching)」という単語は、マクドのロゴがアーチ状であることから、「ロシアでアーチを取り下げること」、という意味合いだそうです。

ロシア事業は「我々の価値観と一致していない」

マクド社のクリス・ケンプチンスキー(Chris Kempczinski)CEOは声明文のなかで、ロシアでの事業展開の将来が見通せなくなったことなどに加え、ロシアでビジネスを営み続けることが、マクド社が大切にしている「価値観」と一致しないと述べています。

いまから32年前、マクドをロシア市場に進出させたのは希望でした。それは、何十年にもわたる孤立を経て世界に開かれつつある国への希望。シカゴで食べたのと同じビッグマックをモスクワでも食べられることは、私たちのつながりが深まっていることの、目に見える、そしておいしい象徴であることを願っていました」。

ケンプチンスキーCEOは、マクド社がその国で事業を営むための条件として、5つの「基本的な問いかけ」を自分自身に行ったのだそうです。

  1. 我々がその国で活動することが法的に許可されているか
  2. 我々はビジネスを運営し、顧客やスタッフのニーズに応える自由を妨げられていないか
  3. 市場における当社の存在感は、当社の世界事業のブランドを強化しているか
  4. それにビジネス上の意味はあるのか
  5. それは我々の価値観と一致しているか

結果的に、この1から5までのすべての項目で、答えは「いいえ」だった――。

それが、マクドがロシア市場から完全に撤退し、「脱アーチ化」する決断を下した根拠なのだそうです。

インチキマクド+薄汚いインチキスタバ

その後、ロシアではマクド社から店舗を購入した「インチキマクド」(?)が登場したそうであり、全商品がマクド時代よりも安価で、肝心のお味も「コーラ以外はほとんど同じ」(『ロシア下院議長「西側制裁にアナザーG8で対抗を!」』参照)という代物だそうです。

インチキマクドでセルゲイ君(15)「コーラ以外味はほとんど同じ」ロシアの下院議長が土曜日、SNSに「西側諸国のロシアに対する制裁は『アナザーG8』の結成の契機となるかもしれない」、などと投稿したのだそうです。その構成国は中国、インド、ロシア、インドネシア、ブラジル、メキシコ、イラン、トルコの8ヵ国だそうであり、「購買力平価換算のGDP」では旧来のG7と比べて24.4%も規模が大きいのだとか。成果に対し犠牲が大きすぎる!2月24日に始まった、ロシアによるウクライナに対する違法な戦争を巡っては、すでに100...
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しかも、ロシアで出現している「インチキチェーン店」は、マクドだけではありません。

ハンバーガーと抹茶CFはロシアを敗戦に導く戦略物資』でも指摘したとおり、「円形の女性」という、スタバと酷似する(が色合いは薄汚い茶色の)ロゴマークのコーヒーチェーン店も出現しているのだそうです。

ロシアで「マクドもどき」に続き「スタバもどき」登場ここまでくると「あさましい」を通り越し、もはや、見苦しいというべきでしょうか。ロシアでスタバが撤退した後の店舗を流用するために、「スターズコーヒー」なるブランドが立ち上げられたのだそうです。「円形で女性」という、スタバと類似する(が色合いは茶色という)ロゴの類似性の狙いについて、オーナーは「旧スタバとの継続性を求めたもの」と述べたのだとか。ただ、それ以上に重要なのは、いまやハンバーガーや抹茶クリームフラペチーノが、ジャベリンやHIMARSと並...
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マクドはキーウで絶賛営業中!

こうしたなか、大変に素晴らしい「朗報」を発見しました。

複数のツイート主によると、ツイートされている動画は、キーウで金曜日の夜、多くの若者で賑わうマクド・ナルドの様子だそうです。

比較的広い店舗で、入店すると、おそらくは自動注文機と思しき機械が複数設置されており、多くの若者がマクドを楽しんでいる姿が映されています。長引く侵略戦争にも関わらず、キーウの人々が我々西側諸国の国民と同様、マクドを食べているのは、ケンプチンスキー氏の言を借りるならば、まさに「希望」そのものでしょう。

現時点において、戦争はまだ続いています。

しかし、ロシアが敗北するその日まで、ウクライナの人々が決して希望を失わないことを願いたいと思う次第です。

新宿会計士:

View Comments (12)

  • JTがロシア国内での生産・販売活動を凍結(撤退や売却ではなく)すれば、即時の制裁効果が得られそうに思うんですけどね。

    筆頭株主(財務大臣)さんのご意見は?

  • >ケンプチンスキーCEOは、マクド社がその国で事業を営むための条件として、を自分自身に行ったのだそうです。

    もうずいぶん昔の話になりますが、わたしが最初にパリを旅行したとき、当時欧州を「侵食」しつつあったマクドが、自国文化の純粋性に強いこだわりを持つフランスでさえも、遂に首都の目抜き通りに開店を果たしたというのが、結構大きな話題になっていました。抗議デモなんかもあったとか。

    マクドが創業当初から、この5つの「基本的な問いかけ」とやらを(とくに第5項目)世界展開のコンセプトとしていたのなら、まあ文化侵略などと目くじらを立てられるのも、分からんではないですね。

    日本でもマクドの展開が始まった当初は、似たようなことを言う人もいたのですが、別にそれで日本の社会がアメリカナイズされるようなこともなく(食栄養学の観点からファーストフード廃絶の論陣を張る人は今でも結構居るようですが)、そもそもアメリカンカルチャーに触れたいなんて理由でマクドの店に入る人なんて、はじめからほとんどいなかったでしょう。

    ヒトという種ほど、何でもかんでも食べてしまう動物はいませんね。本来、腐敗したもの、毒のあるものを、呑み込まないために備わっているはずの、酸味、苦味を感知する味覚を、美味に変換してしまう脳内回路を、成長している間に身につけ、熱いものが口に入ったら、すぐに吐き出すために粘膜に分布している温度覚が、トウガラシに刺激されて「口の中火事だ!」と悲鳴を上げても、激辛党にはこれが堪らないんですから。下手すれば命取りになりかねない、腐敗と紙一重の食品発酵技術なんて、人はどれほどの執念で、どうやって開発したんでしょうかね? 人類のご先祖様は、よほど常時飢えに苛まれていたんでしょう。

    多分、「なんでも食べちゃう」の筆頭格は、われわれ日本人じゃないでしょうか。世界のどの国でも下魚、まともな食い物じゃない扱いされてたウナギを高級食材化する調理法を編み出し、当たり前に食ったら即死間違いなしのフグの、安全な食べ方を見つけ出すんですから。それに比べたら、外国で普通に食べられているものなんて、安全そのもの。Any Food All Right。旨いものに国境なし。

    ただし、食の好みは結構うるさいし、調理法をすぐにジャパナイズしてしまう。イタリア人シェフが日本でスパゲティ・ナポリタンを食べて激怒したなんて、嘘かほんとか分からない話を聞いたことがありますが、ともあれ、日本人こそ、もっともヒトらしい人種。あるいは、もっとも食い意地が張ってる人種と言えるかも知れません。

    そんな日本人から見ると、普段から口にすることが出来る旨いものリストから、マクドハンバーガーを取り上げられたロシア人には、「身から出た錆には違いないけど、まあお気の毒様」、キーウでマクドのお店に集うウクライナの人には、「世界にはハンバーガー以外にも、旨いものはいくらでもある。早くそうしたものも楽しめる世の中になればいいですね。」と、言いたくなります。

  • ロシア大統領が外政するたびにハンバーガーとチーズバーガーを大統領専用機にため込み、ロシア人観光客が西側へ観光するたびにスーツケースに入らんばかりのハンバーガーを買い込む日も来るかもしれません。

    • マクド中毒症になったロシア兵士が大量にウクライナに亡命することもあり得ます。

  • 戦時下にも関わらず、モスクワの食料品店の棚に商品が溢れ、キーウにマクドがあり普通に人々が日常生活を送っているという情報は、お互いに、こちらは戦争の影響を受けていないよ、というメッセージなのか?
    それでも、こういう映像を見ると、遥か前線では、死命を賭して泥沼の中を武器を持ち這いずり回りながら死闘を繰り広げている兵士達や、占領下で命の危険や危害に怯えながら一瞬一瞬を送っている人々がいるんだ、という方向へ思いが行ってしまうのは、どうしてでしょうか?
    戦争の悲惨さと無意味さへの強烈な「逆」メッセージ?

  •  当方マック呼びでしたが、あまり利用しないのと、こちらのマインドコントロールのせいで、すっかり認識がマクドになってきました。ましてやボストン生まれらしいケンプチンスキー氏までマクドと言っているのではもうマクドと呼ばざるをえない。
     今度マクド・ナルドに寄ったら、ウクライナへ思いを馳せつつモスチーズバーガーを注文しようと思います。

  • いつも興味深い記事を読ませて頂き本当に有難うございます.

    >マクド・ナルド

    「マクドナルド」に対する中点を用いた上の表記,以前からとても気になっていたので書かせて頂きます.

    まず最も基本的なこととして,「ビッグマック」や「フィレオフィッシュ」などの各種ハンバーガーを主力商品とするファーストフード企業の名称を構成している外来語表記は中点のない「マクドナルド」ですので,(その企業を指している文脈において)その企業の名前を構成する外来語に勝手に中点を挿入した表記をするのは望ましくありません.

    嘗て「マクドナルド」の略称として「マック」が正しいか「マクド」が正しいかの議論が盛り上がった時,日本マクドナルドは公式のコメントとして「どちらの略称で呼んで頂いても構わない」という趣旨の発表をしたと記憶しています.

    ですので,ブログ主様が「マクドナルド」を「マクド」と略されている点に関しては全く異論はありません.

    「マクドナルド」の原語である英語の固有名詞“McDonald”の構成は,スコットランド・ゲール語における「~の息子」を意味する接頭辞(もしくは接頭語)である“M(a)c”(元来は“Mac”で“a”の落ちた形の“Mc”も使われるようになって現在に至る)が“Donald”という固有名詞に付いたものです.

    ですので,“McDonald”において英語における固有名詞の語頭表記のルールとしての大文字が2箇所ある事実が示すこの固有名詞の複合語的性格を,どうしてもカタカナ表記で明示すべきであると考えられるのであれば,元の固有名詞の構成(Mc + Donald)に従って「マ(ッ)ク・ドナルド」と書くのが(少なくとも言語学的には)妥当だと考える次第です.(“(ッ)”は「マク・ドナルド」だと「マク」の部分が間が抜けていると思うならば促音「ッ」を補えば良い,という意味です)

    Mc+Donaldという構成の固有名詞“McDonald”に対するカタカナ表記を「マクド・ナルド」と書くのは,喩えて言うならば,作家武者小路実篤の姓である「武者小路」(音としては「むしゃこうじ」…注※)という 武者+小路 と分解可能な日本の姓の複合性を明示するためにハイフン“-”を用いたラテン文字表記(日本語のラテン文字表記としては複数有りますが修正ヘボン式ローマ字を使用)を“Musha-koji”(あるいは“koji”を「こう」という二重母音的な仮名表記を素直に反映した形の“kouji”にする,以下同様)ではなく“Mushako-ji”とか“Mu-shakoji”と書いてしまうのに相当します.

    以上の理由から「マクド・ナルド」という表記は避けたほうが宜しいのではと愚考する次第です.

    蛇足:最後の喩えで使用した「武者小路」という姓の本来の標準的な読みは「むしゃのこうじ」ですが,例に挙げた作家の武者小路実篤さん御自身はその読みを「むしゃこうじ」に変更なさっていたそうです.
    (調布市武者小路実篤記念館のFAQ: https://www.mushakoji.org/about/faq.html)

  • マリーシュカチャンネルさんのYoutubeを見ていると、エネルギ産出国、農作物輸出国の
    「強さ」を見せつけられますね。。
    サイトリンクを貼っておきますが、海外ブランドに拘らなければ、一般人にはほどんど影響が無い状態の様ですね。
    石油元締めや、色々な物産の輸出入の元締めが何故か自殺してましたけどw
    多分、自殺した連中の会社をそのまま使ってるんでしょうね。
    更に、石油、ガスの利益をそのまま政府が徴収すれば、金の心配ないしw
    日本みたいに資源が無い癖に、持ってる物(原子力)が危険だと言って使わず、どんどんと貧乏になっていく国なんて、ロシアから見たら、バカだなぁw位だとおもいますw
    持てる国はやはり手強い。