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外国人観光客急増受け「ホテルデポジット」検討も必要

外国人観光客の急増にともない、人気アニメの舞台となった場所にマナーの悪い外国人観光客が押し掛ける、喫茶店で大人数が席を占拠して一皿しか注文しない、ホテルで備品を持ち帰る、といったトラブルも生じているようです。ただ、これらの問題のなかには、受け入れる側の工夫で解決できるかもしれないものもあるのではないでしょうか。

外国人観光客急増

コロナ禍で制限されていた外国人の日本観光が徐々に解禁され、昨年秋口から日本旅行者数が急増しています。

とはいっても、『中国以外の外国人観光需要が回復:入国者数182万人』でも指摘したとおり、現状では日本への入国者は特定の国の出身者にどうしても集中している格好であり、インバウンド観光の大きな趣旨であるはずの、「世界各国からの入国」については、まだまだ道半ば、といったところでしょう。

日本政府観光局は19日、2023年3月時点の訪日外国人旅客数の速報値を公表しました。これによると入国者数は1,817,500人でした。コロナ前の2019年3月時点の2,760,136人と比べれば、まだ94万人ほど少ないものの、主な要因はコロナ前に691,279人だった中国人入国者数が75,700人と、62万人ほど減っていることで、かなりの説明がつきます。日本政府観光局は19日、2023年3月時点の訪日外国人旅客数(速報値)を公表しました。これによると日本を訪れた外国人は1,817,500人であり、入国者の内訳は韓国人が466,800で最多となり、台湾人(278,...
中国以外の外国人観光需要が回復:入国者数182万人 - 新宿会計士の政治経済評論

マナーの悪い外国人観光客のエピソード

しかも、観光客の急増は、地域によっては思わぬ「被害」ももたらしているとの報道があります。

ウェブ評論サイト『デイリー新潮』に9日付で掲載された次の記事が、それです。

「マンションの植え込みにおしっこ」「靴ベラまで盗まれた」 やりたい放題の外国人観光客……インバウンド復活で激増する「観光公害」

―――2023/05/09付 デイリー新潮より

デイリー新潮の記事で取り上げられているエピソードはいくつかあります。

ひとつは人気アニメの舞台となった神奈川県鎌倉市・江ノ電の踏切で、韓国・中国系を中心とする外国人観光客が押し掛け、なかにはゴミを捨てたり、マンション敷地の植え込みに放尿したりする、という事例もあるのだそうです。

また、東京・浅草では、浅草寺近くの喫茶店で、東南アジア系の8人組が席をしっかり8席分使いながら、8切れのミックスサンドを1皿しか頼まない、といった事例もあるようです。

さらには、浅草のさるホテルでも備品の持ち帰りなどが発生している、といったエピソードも紹介されています。

対策を講じ得る場合もある

このあたり、結局のところ、インバウンド観光が増えれば、この手のトラブルが急増するのは当然といえます。これについては特定国の出身者が問題だという話ではありません。

たとえば、正直、観光客が江ノ電前でたむろするという県に関しては大変悩ましい問題ですが、日本国内でも「撮り鉄」と呼ばれる人たちのなかでも、とくにマナーが悪い者たちのエピソードを思い出します。

しかし、レストランで座席を占有し、おカネを落としてくれないという問題については、店の側で「ひとり1品オーダーしてほしい」という、いわゆる「ワン・オーダー制」を導入することで解決できそうにも思えます(実際、そのような要求をしているレストランは、日本国内にも存在します)。

さらには、ホテルの備品を盗まれるという問題に関しては、ひとつの対策が考えられます。「デポジット」を要求すればよいのです。チェックイン時にクレジットカードを預かり、オーソリ売上を立てる、あるいはクレジットカードを持っていない客からは、ある程度高額の現金を預かる、という手法です。

たとえば観光都市・香港の場合、ホテルに宿泊するためには、たいていの場合、デポジット目的でのクレジットカードの提示を求められます。著者自身が香港を頻繁に訪れていた十数年前だと、チェックイン時には宿泊費とは別に、一定額(たとえば500香港ドル、当時のレートで5,000円前後)を求められたのです。

実際にはフロントで500香港ドルの現金を預けるか、それともクレジットカードを相手に渡し、500香港ドル分の仮請求を行う、といった手法で行われます。

このデポジットは、特段のトラブルがなかった場合、現金の場合は返金され、クレジットカードの場合は請求されません。しかし、ホテルの備品を壊したり、持って帰ったり、宿泊代金を未払で帰ってしまったりした場合には、チャージの一部が充てられるようです。

やはり、外国からの観光客が増えて来るならば、どうしても日本のホテルも世界的な標準に対応せざるを得なくなるのかもしれません。

ホテルNHK問題はどうなったのか

著者自身は正直、インバウンド観光客が増えることが日本経済の活性化に単純に貢献するものとは限らないと考えているのですが、それでも現実に生じている問題に関しては、うまく対応していく必要があります。

ところで、ここから先はまったくの余談ですが、今後さらに外国人観光客需要が増えていくと、ホテル代も高騰していくことが予想されます。こうしたなか、ホテル側が少しでも宿泊費を値下げするために、「地上波が映るテレビがない部屋」というプランを出してほしい、という希望もあります。

報道によると、NHKの受信料は現在、ホテルの一部屋ごとに請求されているようです。

NHK受信料、「ホテル1部屋1世帯」の不思議/受信料のあり方を根本から見直す必要がある

―――2017/04/03 18:00付 東洋経済オンラインより

ということは、理屈の上では、「地上波が映るテレビが設置されていない部屋」の場合、NHK受信料を支払う必要がなく、その分、微妙に値段を下げることができるかもしれません(といっても、地上波の標準契約の場合だと、値引額はせいぜい1泊あたり50円にも満たないレベルですが…)。

新宿会計士:

View Comments (15)

  • サムライアベンジャー(「匿名」というHNを使うことは在日の通名を使うのと同じ行為) says:

     一部教養のある親日家以外は、外国人に日本人と同じマナーを期待するのは難しいですね。入国時に日本でのマナーを説明した冊子などを配るなどの方法もあると思いますが(多言具対応で作る必要がありますんね)。

     本来は、外国に行くときはその国のことをある程度知っておくことは普通かと思いますが、つまり旅行者側がその義務を自覚している必要があると思いますが、やっぱり日本人と同じマナーを期待するのはかなり無理があります。かつては外国に関心をもつものは「教養人」であったかと思いますが、アニメを通して日本文化に興味を持つ層から(個人的な経験から)かつてのような教養のある人間ばかりが来日することを期待することは無理があるかと思います。

     海外ではこの「教養のある・ない」層の差が激しいと覚悟すべきでしょう。個人的には、グローバル化だとか、来日旅行者増を目指さなければいいとは思います。

  • 会計士様の言う通り。商売はせめぎあいなのです。オーダー制やデポジットを要求できない者(というより国民)に商売をする資格など無いのです。

  •  ノージャパンはどうした定期。
     韓国人の所謂スラムダンク聖地巡礼ブームも、TVアニメ放送を見て育った世代がなんちゃらとか述べている専門家とやらの記事を呼んだ記憶がありますが。あちら版では、「湘北高校の桜木花道」は「プクサン高校のカン・ベクホ」だったそうで。
     理由は「設定をより身近にすることで視聴者の共感を増したかったから」とか考えつきますが別にそうでもなく「当時まだ日本文化(娯楽など特に)が禁じられていたため」。そうでなくとも無用な原作改変の時点で不快感がありますが。そんな世代がニッポンダイスキーとか笑わせんなとしか。
     また作品評としても、苦難に朝鮮……じゃなかった、挑戦していき成果を上げる学生の姿に勇気づけられ云々としていましたが。それ韓国だとほとんどありえない要素ですよね。生まれで咥えている匙で人生が決定し。スポーツ選手なども子供が日常で触れる中から伸び出てくるわけではなく、人生一点突破目的で英才教育を施された人間の中から選抜されるだけの世界。湘北の躍進を理解できる環境などあるのかどうか。無さ過ぎてファンタジー世界的羨望があるとか?

     で、後からソース確認しにゴソゴソ探したら、NHK国際ニュースナビの記事でしたわ。はいはい日韓友好ね、ハイハイ。

    • >>>人生一点突破目的で英才教育を施された人間の中から選抜されるだけの世界。湘北の躍進を理解できる環境などあるのかどうか。

      これは、その通りですね。
      BTSなんかは、ロボットです。何であんなものが世界で評価されるのか?
      全く、人間味を感じないですね。K-popは、みんなロボット見たいか、若しくは、ワザとらしく脚色された世界。

      J-popの方が味がある、少々ダンスが揃わなくても。

  •  コメント失礼します。

     程度の低い客を減らすなら値上げ。外人相手なら入国税や審査、講習。官僚の天下り先が増えそうですが、迷惑な外人は減らせるかと。犯罪者の数(外交官含む)に応じて税金や審査講習の量が増えたら面白いですね。
     ホテルは一室毎にNHK契約ですか。いっそ設置無しかチューナーレスにして、どうしてもNHKが視たい信者様には、「短期契約プラン」を用意するのはどうでしょう?
     事前に予約して当日NHK職員が設置して確認。出立の際も撤去及び確認。出張料や礼金等を含めて50万円+お気持ちなら、NHKも信者も喜び、ホテル側も余計な出費が減る三方一両得の完成。

  • 他のサイトの転載はお控えください、とのことです
    が実に面白いと言いますかユニークな記事を読みましたのでご紹介させていただきます、哲学ニュースというところで題は、今の日本の政治対立軸がーーー、独特の観察眼で読む人を選ぶ文章ではありますが、私の勝手な思い入れで投稿しましたがXとお思いでしたら削除をお願いします。

  • 日本もいい加減に、お客様は、神様までとは言わなくても、善人と思うのは止めるべき。

    お客とは、商売人に、お金を払い、且つ、商売人が利益を出せる金を払う人のこと。

    店に入ってくるものが客ではない、ということを徹底しないといけないです。同じ価値観の中で生きている日本人の中にも、金を払わない客がいるのだし、異文化の人間はどんな価値観をもっているか分からないのだから、「商売の原則」にしっかり立ちなさいと、言いたい。
    店に入店した客が、一人最低一品注文するのは、当たり前です、それを客に言えない人間は、一見相手の商売なんか止めなさい、と言いたい。お人好しは、商売するな、ということです。

    海外では、デポジットは当たり前ですね。しかも、新宿会計士さんが書いている香港の例など、生易しいものです。
    米国では、昔、紙でクレジット決済していた頃、チェックイン時、白紙の金額の書いてないクレジット用紙に、クレジットカードをスキャンされ、サインさせられたものです。
    こちらが逆に、ホテルを信用しなければならない不安感の中に置かれることになってしまいました。つまり、幾ら金額を書き込まれるか分からないという立場にされてしまうのです。
    勿論、ホテルは世界的な一流ホテルだから信用はしなければならないのですが。
    (これは、仕事での宿泊の話です。)
    今は、クレジットも電子決済だから、新宿会計士さんのような方法をとっているのかもしれませんが、兎に角、デポジットは当然です。現金でも当然です。延泊の場合は、必ず毎日でも清算するべきです。資金繰りにも影響しますからね。
    ホテル・旅館も、昔のお客を100%信用するという気持ちから変わるべきだし、客にも、サービスを利用するのだから、金を可及的速やかに払うのは当たり前という、気持ちを植え付けるべきですね。とにかく、日本はそういう国だと認識させるべきですね。
    どうせ、払うお金が、少々早く払うことになるだけなんですから。
    ところが、商売人にとっては、資金繰りの改善という大きな効果も見込めるはずです。

    とんかく、金を払う意思のない人間を相手にする必要は無いのだから。
    何かあったら警察になんて、税金の無駄遣いをするような発想は止めて、自分でしっかり取りこぼしは、絶対にしないぞ、という強い意志で商売をやって欲しいものです。

  • 中韓観光客には、ビザ制度を復活したらいい。それで、過去の観光でマナーが悪い人間は、入国させないようにするとか。
    それはともかく、ニュースのリンクを張ることは出来ないのですが、アメリカでは、十代の若者は保護者同伴でなければ、入店できないという規則を作っている大型ショッピングモールが多いそうです。
    これは、十代の若者は、とにかく騒ぐのだそうです。それで、走り回ったり施設のものを壊したり、他の客に迷惑を掛けたり、と手が付けられないので、保護者同伴という規則にしたらしいのです。
    若者のエネルギーが有り余っているのだろう、と記事には書いてありました。

    このニュースを見て、思い出したのが、30年ほど前、地下鉄銀座線の中へ、米国人の20代から30代と思しき7~8人のグループが乗り込んできたのですが、酒を飲んでいたのか素面なのか分かりませんが、入ってくるなり、吊革に掴まったりしながら、皆で、ワイワイ騒いでいるのです。この騒ぎ方のエネルギーが、日本人とは、次元が違うのです。迫力があり過ぎて、注意をする隙も無いという感じでした。何か、日本が軽く視られて舐められているような感じがしたものです。「君たち、ここは日本だぞ」と言ってやりたかったのですが、その隙も無く騒ぎまくる迫力は凄いものでした。

    それで、観光客が騒ぐという話ですが、日本以外の外国人は、エネルギーが有り余っているのかもしれない、ということです。
    大人しい日本人から見ると、彼らはエネルギーが有り余っているのでしょう。

    と言って、彼らの無法的な騒ぎを許してはいけないですから、しっかりと教育すべきです。

    「大人しく秩序を守って行動することも日本観光の一部だ」と教育するのです。

    そういう観光ツアーを、企画してみたらどうでしょうか?
    日本でしかできない体験ということで。
    上手く味付けすれば、面白いツアー企画になるかもしれないです。

    旅行会社の方、お願いします。

  • 昔読んだ週刊誌の記事の話です。

    ある人が、グアムかどこかへ旅行に行き、ホテルのバスタオルとかその他の備品を記念に持ち帰って来たそうです。
    すると、帰国後3か月ほどしてそのホテルから手紙が来たそうです。

    「あなたが、誤ってお持ち帰りになったものをお返しください」と。

    恥ずかしさが込み上げてくると同時に、その文面の「誤って」の言葉に、何か寛容さが伝わってきて救われたような気持になった、勿論返したという記事の内容だったと記憶しています。

    持ち帰っても、住所氏名はホテルに把握されるのが分かっています。

    尚、持ち帰ってもいいアメニティは用意されています。
    これは、ホテルの宿泊記念で、ホテル側も気合を入れて作っているようです。リピートにも繋がりますから。

  • クルド人が日本に居て好き勝手に暴れている様を見ていると、彼等は何か勘違いをしているのじゃ無いか。

    ここは日本、日本にいれば日本のルールと法律は守らなければならないし、またクルド人に限らず、その類の外国人は断固守らせなければならない。
    暴れたければ、母国で好きなだけやれば。

  • かつて海外旅行が解禁され高度成長期を迎えた昭和の日本人旅行者も、米国アーリントン墓地で立ちションをしたりして米国内で総スカンを食うなど、評判の良いものではありませんでした。お行儀の良い日本人観光客という評価を得るまでには、あれから数十年という歳月が必要でした。
    現代は画像情報があっという間に世界を駆け巡るので、国別に行儀の悪い海外旅行者をSNSに晒してしまえば(勿論個人を特定できないよう顔はぼかして)、数年で改善すると思います。
    それよりも、もっと重大な問題は外国人による犯罪であり、犯罪とまでゆかなくとも日本に住み着いた外国人が多く集まるコミュニティで起きる日本の風土を破壊する軋轢だと思います。

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