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差出人欄が「広告」?謎の年賀状

私事で恐縮ですが、著者自身は今年、何やら非常に不思議な年賀状を受け取りました。受取人である著者自身のあて名は印刷されているのですが、差出人欄の記載がなく、かわりに「宛先整理も簡単♪アプリで撮るだけ」という文言とともにQRコードが印刷されているのです。

新年早々の不思議な年賀状

昨年の『来年用の「年賀はがき」当初発行枚数は2億枚近く減少』でも取り上げたとおり、年賀状の発行枚数は年々右肩下がりで減少し続けていて、ついに2023年用の年賀状の当初発行枚数は16.4億枚と、ピーク時の2004年用の44.5億枚と比べ、約3分の1少々にまで落ち込んでしまいました。

もうすぐ師走。「年賀状の季節」なのでしょうか?ただ、日本郵政グループが今年8月に発表した資料によれば、2023年(令和5年)用の年賀はがきの当初発行枚数は約16.4億枚と、18.3億枚だった2022年用と比べて約1.9億枚も減少したそうです。実際、過去のデータを調べていくと、ちょっとしたことを発見しました。年賀状発行枚数は減少の一途をたどる気が付いたら、もう11月も下旬に差し掛かりました。もうすぐ12月、「師走」です。例年、この時期になると気になるのは年賀状です。日本郵政グループは今年8月31日付で2023年(令和5年)...
来年用の「年賀はがき」当初発行枚数は2億枚近く減少 - 新宿会計士の政治経済評論

これも世の中のペーパーレス化の流れが進んでいる証拠とみるべきでしょうか。

たしかに私たち現代人の生活からは、紙が着実に少なくなってきています。

こうしたなか、著者自身は今年、不思議な年賀状を受け取りました。

受取人である著者自身の住所、氏名などの宛名は印刷されているのですが、差出人欄の記載がなく、かわりに「宛先整理も簡単♪アプリで撮るだけ」という文言とともにQRコードが印刷してあり、その下にはこんな記載もあります。

〒220-8779 日本郵便株式会社 横浜中央郵便局 私書箱三十六号 スマホで年賀状事務局

…。

はて?そんな知り合い、いましたっけ?

「スマホで年賀状」の不具合を運営会社が公表

怪訝に感じて裏面を見てみても、差出人欄の記載はありません。文面から判断して、おそらくこれは遠方に暮らす親戚からの賀状だと判断できたのですが、なんとも不親切な賀状もあったものです。

ちなみにQRコードを読み取ると、『スマホで年賀状』というウェブサイトに飛びますが、新年早々、そのサイトの広告を見せられるというのも、なんだか奇妙な話です。「もしかしてこの差出人は、このサイトから広告料をもらうことで、無料で年賀状を発信したのかな?」などと感じてしまいます。

ただ、この「新年早々の謎」が解けました。

【重要なお知らせ】スマホで年賀状の差出人情報の不具合について

―――2023.01.04 23:00付 株式会社CONNECTIT「スマホで年賀状」事務局HPより

株式会社CONNECTITの説明によると、「宛名面の差出人情報が印字されず、弊社広告が代わりに印字されております」、「これにより、誰から送られた年賀状なのか判別できない状態となっております」、と記載されています。

なるほど、これは単なるミスだった、ということなのでしょう。ちなみに同社ウェブサイトによると、今回のミスは「内部的なシステム不具合」なのだそうであり、「年賀状が別の宛先に届くこともありません」としており、あくまでも不具合は「差出人欄が表示されない」という点にあるのです。

そもそも年賀状は大変

それはさておき、やはり年賀状の文面を考え、1枚1枚に宛名を書くのは、大変な手間でもあります。だからこそ、このようなサービスが出現したのかもしれません。

実際、同社ウェブサイトを眺めていると、宛名リストは前年以前に相手から届いた年賀状をスキャンして作成し、内容についても同社のウェブサイトに公開されている図柄や文面からチョイスしてアレンジを加えることができるようであり、たしかに便利そうです。

(※もっとも、ウェブ主の場合は自身の住所録をMicrosoft Accessで管理しているため、もう20年以上、宛先を手書きしたことはありませんが…。)

逆に言えば、そもそも年賀状という媒体自体、大変不便なものでもあります。いちいち長い宛名を記載ないし印刷し、それらを郵便ポストまで投函しなければならないわけですから、ボタンをポチっと押せば相手に届く電子メールやSMSなどとは大きな違いがあります。

もちろん、「年1回くらいは書面で相手の近況を教えてもらいたい」と思う人からすれば、相手からの書面には温かみを感じるのかもしれません。あるいは、小さなお子様がいらっしゃる場合であれば、遠方に離れて暮らす親や祖父母などに対し、自分の子供が描いた賀状を送ってあげると喜んでもらえるでしょう。

ただ、そのような事情がない場合、年賀状の発送自体を止めてしまうという人も増えているようです。実際、著者自身も今年は20枚前後の賀状をいただいたのですが、そのうち2枚に、「来年以降は、新年のあいさつは控えたい」、「今後はメールにて、変わらずお付き合いをお願いしたい」、といった趣旨の記載がありました。

新年のあいさつも、年々変わっていくものなのかもしれません。

新宿会計士:

View Comments (4)

  • そういえば手形の交換所が「電子交換所」に移行しましたね。
    >https://fit.nikkin.co.jp/post/detail/hl0553
    これから銀行に手形を注文するときは、手形にQRコードがついています。
    電子手形がありますが、小企業にとっては使いにくく、当分は紙は残り
    手形の処理を簡潔させるための手形にQRコード。
    紙は残るならば努力は必要ですね。(結局は電子化になるにしても)
    新聞もQRコードをバンバン貼り付け、ネットとの親和性を進めれば多少延命できるかも。

  • これは新手のネット・サービスの誤動作みたいですね。
    依頼者と配達先が白ヤギさんと黒ヤギさんだったら問題にはならなかったかも知れません。
    https://you1news.com/archives/72887.html

    スマートフォンから年賀状を作成・送付できる「スマホで年賀状」を運営するCONNECTIT社(渋谷区)は1月4日、顧客から受注して発送した年賀状の一部で、差出人欄に誤って同社の広告を印刷してしまい、誰から送られたか分からない状態で届けてしまったと発表し、謝罪した。

  • ちゃんと払い戻しできるんだろうか?それともちゃんとしたのを再配送?

  • 1/6の朝の日テレのニュースで言ってました。
    誤りの連絡が入ることと、送り主を正確なものに直して再送するそうです。