ナンシー・ペロシ米下院議長が台湾を訪問する可能性が高まってきました。中国側はこれに猛反発しているようですが、結果として中国の反発が逆効果になったのかもしれません。また、台湾で思い出すのは、安倍総理の存在感です。ペロシ氏の訪台は、結果として安倍総理の置き土産である自由で開かれたインド太平洋を強調することになるのかもしれません。
ペロシ氏訪台か?~中国は猛反発
いくつかのメディアの報道によると、ナンシー・ペロシ米下院議長が2日、台湾を訪問するとの観測が高まっています。ロイターの次の記事によれば、中国の警告にも関わらず、「3人の関係者」はペロシ氏が2日夜に台湾を訪れると明らかにした、などと記載されています。
Pelosi set to visit Taiwan despite China warnings, sources say
―――2022/08/02 6:26付 ロイターより
ロイターによると中国外交部の趙立堅(ちょう・りつけん)報道官は1日の定例会見で、このペロシ氏の訪台を巡って、「中国に対する重大な内政干渉」であり、「非常に深刻な結果」を招くなどと強調。そのうえで、次のように述べたのだそうです。
「中国人民解放軍は決して座して傍観することはない。中国は主権と領土を守り抜くために断固とした対応と強力な対抗策を取るだろう」。
この「主権と領土を守り抜くための断固とした対応」が何を意味するかについてはよくわかりません(※中国は北朝鮮やその他約1ヵ国と似て、基本的に口は達者です)。
「飛行機を打ち落とせ」
ただ、これに関連し、数日前には中国共産党のメディア『環球時報』のコメンテーターである胡錫進(こ・しゃくしん)氏がツイッターに「ペロシ氏が搭乗した航空機が台湾に向かうなら撃墜すべきだ」などと投稿した、とする話題もありました。
In a banned tweet, a top state-media commentator reportedly said China could ‘forcibly dispel Pelosi’s plane’ and shoot it down if it flies to Taiwan
―――2022/07/30 22:06付 BUSINESS INSIDERより
ただし、このツイート自体はすでに削除されたそうですが、同じ胡錫進氏は性懲りもなく、こんな趣旨の投稿をしているようです。
Hu Xijin 胡锡进
Let her go to Taiwan. But pray before departure: wish herself a safe journey and wish herself not be defined by history as a sinner who starts a spiral of escalation process expanding military frictions to a large-scale war in the Taiwan Strait.
―――2022年8月1日 23:26付 ツイッターより
じつに意味深なツイートです。
ただ、中国側のこうしたレトリックは、むしろ「中国を刺激することを防ぐためにペロシ氏は訪台を控えるべきだ」、などとする主張の力を弱める方向に働きかねません。逆に、この手の軍事的恫喝に屈したとしたら、ペロシ氏にとっても「弱腰」の批判を浴びるからです。
(※余談ですが、個人的には中国の「口達者」ぶりは、彼らの「外交上手さ」の証拠というよりはむしろ、「外交下手」の証拠ではないかと思う次第です。)
安倍総理存命ならば…
こうしたなかで思い出すのは、安倍晋三総理の存在感です。
安倍総理は2020年9月に首相の座を降りており、それ以降は一介の衆議院議員に過ぎませんでしたが、それと同時に最大派閥・安倍派を率い、政界に隠然たる影響力を持っていた人物でもあります。
朝日新聞の元編集委員でもある峯村健司氏がウェブ評論サイト『東洋経済オンライン』に7月24日付で『安倍晋三元首相が中国を翻弄した秘策「狂人理論」/「中国が最も恐れた政治家」が使ったアメとムチ』でもわかるとおり、安倍総理が台湾訪問に踏み切るかどうかは、中国を非常に苛立たせていました。
(なお、峯村氏のこの論考の秀逸さについては『「中国が最も恐れた政治家」を失った日本外交の行き先』でも取り上げていますので、よろしければご参照ください。)
安倍総理の突然の死に戸惑っているのは、岸田首相本人なのかもしれません。ウェブ評論サイト『東洋経済オンライン』に日曜日、朝日新聞の元編集委員でもある峯村健司氏が、安倍外交の「対中関係」に焦点を当てた、秀逸な論考を寄稿しています。これを読むと、安倍外交が対中強硬一辺倒ではなく、硬軟取り混ぜた対応を取ったからこそ、むしろ中国が戸惑ったという実情が浮かび上がってきます。ただ、安倍総理がもういない以上、私たち日本という国は、安倍総理の遺産である「FOIP」を指針とするよりほかないでしょう。安倍総理と中... 「中国が最も恐れた政治家」を失った日本外交の行き先 - 新宿会計士の政治経済評論 |
歴史にIFはありませんが、もし安倍総理が現在でも生きていれば、やはり台湾訪問をひとつのカードにしていた可能性はあります。その意味では、ペロシ氏の訪台は、結果として、安倍総理が遺した「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)への注目を高める好機と言えるかもしれません。
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ナンシーさんもオモイデ&レガシィ造りの感アリ
なおのこと退かんですわな
支那、ロシア、朝鮮は、妄想が好きなようです。
勇ましい言葉で己を鼓舞しているのでしょう。
これらの国々が、何かを発言するたびその他の国々は、眉を顰めていますが、気がついてあるのでしょうか?
中国が米国訪問団へ「入国許可」を出したり(一方的通告・公表)しないかなと、思ってみたり。
中国外交の品位、戦う狼こと趙立堅報道官の発言が動画になっています。1分半ほどあります。原稿に目をやりながら眉間に縦じまを作って声明する様子は、職務に忠誠であっても見ていて愉快ではありません。
英国 Gardian News 紙 8 月 1 日投稿
https://www.youtube.com/watch?v=tykhJbhXPKA
我が国のメディアは、中国に都合の悪い報道はつとめて目立たないようにする媚中従中姿勢に満ち溢れていると当方は認識しています。雰囲気を繕い続けるために?パンダニュースを流すNHKは当方は醜悪と感じます。日中友好教に逆らってはならない宣撫工作機関かも知れません。地理的に遠い外国メディアのほうがずばずば報道することがあります。
岸田政権以降で、もし安倍外交路線を大きく変更して台湾を見捨てるような方針になった場合、習近平がいくらか笑顔になる程度と引き換えに、日本に対する台湾からの裏切り感やアメリカからの蔑視というものは相当なものになりそうですね。
日本は独力で列島線を維持できるだけの国力を持たない"弱い"国ですので、そういった悪手を執る為政者は即ち「亡国」或いは「売国」を企図しているものと解しますです、はい
ペロシさん、蔡英文総統と一緒に日本の国葬に来てくれたらいいのに。
台湾は、遠慮して日本の迷惑にならない様に行動するらしいです。
李総統の葬儀に安倍総理が出席したくとも断ったらしいです。
ので、遠慮せずに国葬に出席しやすい様にペロシさんが連れてきてくれたらいいのに。