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「青山繁晴参議院議員が自民党の党員獲得1位」の意義

青山繁晴氏が令和3年で最も多くの自民党員を獲得した議員となったそうです。これはじつに興味深い話です。明確な組織票を持たないはずの青山氏は、そもそも6年前の参院選で、50万票近い票を得て当選した人物でもありますが、有権者からの支持を受けた議員が自民党内でそれなりの存在感を示すことができるという前例という意味では、大変に大きな意義があったのではないかと思います。

少し前から気になっていた記事があります。

自民、党員獲得1位は青山繁晴氏 ベスト10発表

―――2022/5/31 14:46付 産経ニュースより

党員獲得1位は青山繁晴氏 二階氏、トップ譲り4位―自民

―――2022年05月31日15時50分付 時事通信より

産経ニュースや時事通信などが先月末に報じた記事によれば、自民党が31日に発表した令和3年の党員獲得数が多かった議員ランキングで、青山繁晴参議院議員(比例)がトップを獲得したというのです。

ちなみに詳しいランキングは次のとおりだそうです(敬称略)。

  • 1位:青山繁晴
  • 2位:堀内詔子(前ワクチン担当相)
  • 3位:森山裕(総務会長代行)
  • 4位:二階俊博(元幹事長)
  • 5位:茂木敏充(幹事長)
  • 6位:高市早苗(政調会長)
  • 7位:鷲尾英一郎(前外務副大臣)
  • 8位:武田良太(前総務相)
  • 9位:寺田稔(首相補佐官)
  • 10位:城内実(衆院外務委員長)

2位から10位まではすべて衆議院議員であり、かつ、党四役、閣僚ポスト、政務官ポストなど、何らかの役職に就いているか、経験されている方が多いようです。

このあたり、青山氏を巡っては、その言動に対し、一部からは批判があることも事実ではあるものの、個人的には6年前に当選して以来、「献金NO」「パーティNO」「団体支援NO」の姿勢で一貫してきたことについては、高く評価して良いと思っています。

ただ、それ以上に重要な点があるとしたら、やはり、「自身の主張を政策に反映させるためには、無所属や泡沫政党の所属ではなく、政権与党である自民党のなかに入ってしまう方が効率が良い」という現実を、青山氏が体現したことではないでしょうか。

また、青山氏はいちおう、前回の参院選では自民党から出馬していますが、参議院は「非拘束名簿式」を採用しているため、「自民党」と投票されるよりも、候補者本人の名前で投票された方が、その議員の党内における力が強まる、という特徴があるはずです。

総務省ウェブサイトの『選挙関連資料』のページに掲載されている『党派別名簿登載者別得票数、当選人数(比例代表)』【※エクセルファイル】によると、2016年7月の参議院議員通常選挙における比例では、青山繁晴氏の獲得票数は481,890票で、第6位でした。

青山氏より上位の候補者は、公明党の候補者が4人いるほか、5位に入った自民党の徳茂雅之氏は全国郵便局長会顧問であり、いわゆる組織票の議員ばかりです。

2016年の比例獲得票数(1~5位、敬称略)
  • 1位:長沢広明(公明、942,266票)
  • 2位:秋野公造(公明、612,068票)
  • 3位:横山信一(公明、606,889票)
  • 4位:熊野正士(公明、605,223票)
  • 5位:徳茂雅之(自民、521,060票)

逆に、ただの個人がこれらの組織票候補に並ぶ票を獲得しているということ自体、青山氏の自民党における存在感はずいぶんと強烈だったということであり、実際、青山氏はこの6年間で「日本の尊厳と国益を護る会」の立ち上げを含め、ずいぶんと多くの仕事をなさってきたようです。

もちろん、自民党政権が日本にとって100%、正しいことをしてきたとは言い難いでしょうし、青山氏自身、2019年の消費税等の引き上げを含めたこの6年間の自民党政権のさまざまな政策を、与党議員として支えてきた立場でもあります。

その意味では、一部では青山氏に対し、「あれだけ消費税の増税に反対していた青山氏が消費税の増税を止められなかったこと」などに対する強い失望ないし批判も出ているようなのですが、ここで「ちょっと待ってください」、と言いたいと思います。

正直、青山氏自身が選挙のときに述べていた内容が100%実現できたわけではないことは事実ですが、それと同時に、やはり自民党は政権与党であるとともに、「有権者の支持」を強く意識する組織でもあります。

たとえば、「国益重視」を掲げて組織票もなしに50万票近くを獲得した青山氏だからこそ、党内にそれなりの存在感を示すことができたといえますし、この青山氏の事例を敷衍(ふえん)していくならば、同じ方法で自民党から出馬する候補がさらに増えることは望ましい話です。

「有権者の声を聴く」、「有権者の希望を体現する」という意味では、ほかにもさまざまなテーマがあるでしょう。

たとえば2019年の参議院議員通常選挙では、「NHKから国民を守る党」(※党名は当時)が比例で2%を超える票を獲得し、立花孝志党首が参議院議員に選ばれました。

残念ながら立花氏はさっさと参議院議員を辞職し、各所でパフォーマンスばかり繰り広げているフシがありますが、ただ、それと同時に同党の躍進は、日本国内にNHKという存在に疑問を抱く有権者がかなり存在していることを裏付けているともいえます。

このため、もう少しマジメに「NHK改革」に取り組むことを約束する候補者が自民党に出現すれば、もしかしたらNHK改革も成し遂げられるかもしれません。同じことは財務省改革、文部科学省改革にも言える話ですし、憲法改正にも言える話でもあります。

いずれにせよ、今年も参院選が迫ってきました。

今後、当ウェブサイトも不定期ではあるかもしれませんが、選挙について再びじっくりと考えてみたいと思う次第です。

新宿会計士:

View Comments (18)

      • 青山さんは、過去は結構評価していたのですが、政策実現能力は少し寂しいですね。 確かに公約は1期でした(私も投票しましたが)。 1期と宣言したから、組織は作れませんし政策実現は難しい。 

        立候補するのなら、その辺を分かりやすく説明して頂きたいですね。 メタンハイドレートは確かに魅力的ですが、地震の震源地の溝ですから「取り除くとその後の地形は?=海洋系地震」とかの不安要素満載でしたし、メタンガスは地球温暖化影響「特大」ですから・・・。 それより、とりあえず伊豆諸島近くの「1トンあたり17gの金塊」の海洋金塊の方が魅力的! 東北産の特殊な藻を加工後シート状に成型し、吸収するらしいです(笑) 実証実験の結果は今年の9月! 

        • 青山議員が主導し、経産省が2027年の商用化に向けて取り組んでいるのは、メタンプルーム(粒状などのメタンハイドレートが海底から海中に湧き出している)の方がメインかと思います。
          これは海底を掘削するのではなく、メタンプルームを海中に膜をはって採取する方法のようです。
          メタンプルーム(メタンガス)は、海中から湧き上がり、空気中に放出されているので、これを採取することで温暖化防止にも一役買うのでは?となっています。
          ただ、金塊も実現するなら魅力的ですね~

  • 公約を破って2期目も立候補します。自民党を変える事、省庁への改革等 彼がいないと
    元に戻ると色んな人に要請されての決意だそうです。彼はSNSやツイッターをやってなく
    ブログやユーチューブで国会活動を報告し、自分の主張を報告してます。
    その最後にチャンネル登録をお願い程度です。その中で国民の皆様も本気で「自民党を
    中から変える」そう思う人は自民党に入党下さいとたまに訴えて、それに呼応する人が
    urlを探して、入党しているようです。「護る会」も勧誘は一切しない、派閥の様に
    金も、ポストも配らない、日本国益、尊厳を純粋も護る人が次々に国会議員が入会し
    現在は74名だそうです。入党した際のコメント若者A・・「バイトして入党した、日本を
    自民を変えたい」 B・・今年は4000円払えず継続できない、等々 日本を愛する方の
    入党者が増えていると思います。今回の選挙では100万票は行くと思います

  • 素朴な感想ですけど、(別に自民党だけとは限りませんが)党員からの支持があると、他の議員から支持があるとは別物ではないでしょうか。
    蛇足ですが、激動の時代には、賛成する人も多いが、反対する人も多いという人が、求められるのではないでしょうか。

  • 仮に、総理大臣になったとしても、できることは限られる。
    安倍元総理をみればよくわかる。
    それが民主主義というもの。
    特に、日本は構造ががっちり固まってしまっている以上、変えるのは相当なエネルギーがいる。
    何百人もいる議員の一人では、ほとんどできないのが現実。
    それでも、青山氏の突破力に期待したい。

  • NHK党の実際の活動内容には大いに疑問符がつくのですが、多くの人がNHKの在り方に疑問を感じているということを選挙で示せた意義は大きかったと思います。
    青山議員はユーチューブチャンネルで、主張を聞き賛同できる部分が多いですが、岸田政権は支持できないと思っています。
    野党を見ますが、残念ながら強いて言えば国民民主党か。ミニ政党の主張も吟味したいですね。
    ワンイシューでもいいので、得意分野に関して突破力がほしい。

  • 帰化議員の問題がとりざたされていますが、時節柄、現状把握につとめねば選挙もままならないように思われます。政治家・公人は透明性が大事です。毎年、数千人規模で帰化している統計が出ていますが、議員のみならず、自衛隊、警察官、自治体職員、外国人参政権等を考えるうえでも、帰化それ自体を考えてみる頃合いかと思います。

  • 青山議員のユーチューブを時折見ますが正直責任の無いところから言いたい放題言ってるだけのような気がします
    一枚岩では無い組織の中で苦渋の選択の連続であったであろう安倍氏を批判してるのを聞いたときには非常に残念に思いましたね

    • 「責任のない所から言いたい放題」の意味がよく分かりません。議員が自分の意見を発信することは、それ自体責任を伴っているのでは?あなたのように批判する人数が多ければ、そのまま青山議員に返っていくわけですし。私も青山議員のすべてに同意しているわけではありませんが、その考えをyoutubeで頻繁に発信している姿勢は、他の議員にも見習って欲しいなと思っています

  • 青山議員が獲得した党員数がないのでよく分かりませんが、他党の党員数はこんな具合です。立憲民主762 、国民民主76596、維新18596、社民14416。公明は435000、共産は300000とさすがに多いのですが、もしかして青山さんは一人で自公共に次ぐ第3党なんてことないでしょうねぇ。

  • 国政選挙のたびに思うことがあります。
    我々有権者はほとんどの場合、候補者について細かく知る術がありません。
    ゆえに選挙公報にいんちき経歴を羅列した候補者でも信用するしかありません。
    でも、後になって選挙公報に掲載した経歴のいんちきがバレたら、その候補者は公職選挙法で
    罰せられます。つまり「本当の経歴を書きなさい」ってことです。
    何が言いたいのかというと、選挙公報の経歴に「日本国籍取得日」の記載を義務付けて
    ほしいのです。国政に就こうとする者(候補者)には供託金やら何やらといろいろと義務が
    課せられますが、「日本国籍を有していること」は最低限の資格(条件)ですよね。だって
    日本国籍を有する者以外は国会議員にはなれないのですから。
    日本国籍取得日と生年月日が一致しない場合、本当は帰化前の直近の国名も記載してほしい
    けど、そこまでは求めません。国政に就くという高邁な意志があるなら、資格開示は何の
    問題もない、いや、必要なことだと思うのです。
    レンポーさん、選挙公報への日本国籍取得日記載はプライバシーの侵害に該当しますか?
    私の願いを青山繁晴さんが読んでくれればいいんですけどね~。

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