X
    Categories: 外交

好きの反対は無関心?日韓の世論調査から浮かぶ関係性

好きの反対は、無関心――。日韓関係を象徴する調査という意味では、今朝の『外交世論調査で中韓との関係や認識の変化を読んでみる』で取り上げた『外交に関する世論調査』以外にも、もうひとつ、ちょっと気になるものがありました。韓国政府・文化体育観光部に所属する海外文化広報院が実施した世論調査では、日本人の韓国に対する肯定的回答と否定的回答を足しても60%少々にしかならなかったようです。

今朝の『外交世論調査で中韓との関係や認識の変化を読んでみる』では、つい先日公表された『外交に関する世論調査』をもとに、日本ではとくに中韓両国に他する否定的な印象が強まっているとする調査結果を紹介しました。

日本国民の圧倒的多数が中韓との関係を「悪い」と認識しており、かつ、中韓両国への親近感も低い――。これが、内閣府が先週公表した世論調査から判明する内容です。これについては週末の『令和3年版「外交世論調査」で米中露韓への意識を読む』でも「速報」的に取り上げたばかりですが、本稿では中韓両国との関係性に焦点を当て、もう少し踏み込んで、この調査を熟読してみたいと思います。二軸で読む外交関係人間関係にたとえれてみれば外交も簡単だ当ウェブサイトではこれまでさんざん繰り返してきたとおり、外交というものは、決し...
外交世論調査で中韓との関係や認識の変化を読んでみる - 新宿会計士の政治経済評論

ただ、これについて取り上げた直後ではありますが、韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)に昨日、こんな記事が掲載されていたようです。

外国人の8割が韓国に肯定的イメージ 日本でも初めて否定を上回る

―――2022.01.24 15:35付 聯合ニュース日本語版より

韓国の国家イメージについて、日本で肯定的な評価が35%と前年比7.4ポイント上昇し、2018年の調査開始以来、初めて否定的な評価(26.6%)を上回った、などとしています。内閣府の調査とはずいぶんと異なりますが、これを実施した主体は、「韓国の文化体育観光部に所属する海外文化広報院」なのだとか。

もちろん、質問内容自体がまったく異なっている、という点については、注意が必要でしょう。

わが国の調査では「親近感」、「両国の関係が良好かどうか」などについて尋ねたものであり、これに対し韓国政府の調査では「国家イメージ」について尋ねたものだそうですので、両者の調査結果が大きく異なっていたとしても、必ずしもおかしな話ではない、という言い方もできるかもしれません。

ただ、記事だけだと調査の全体がよくわからないのですが、肯定的回答(35%)と否定的回答(26.6%)を合わせても61.6%にしかなりません。調査自体が捏造ではないという前提を置くならば、もしかして、残り38.4%は、無回答でしょうか?

ちなみに記事によれば、韓国に対する肯定的な割合が高かった国はベトナム(95%)、トルコ(92.2%)、フィリピン(92%)、タイ(90.8%)などだったのだそうですが、こうした諸国と比べると、日本では(おそらくは)無回答の比率が最も高い、という点には、何かと考えさせられます。

そういえば、外交に関する世論調査でも、両国関係の重要性について尋ねたら、米中露韓4ヵ国のなかで、韓国が最も低い評点だったことを思い出します(図表)。

図表 相手国が重要かどうか(2021年9月時点)

(【出所】『外交に関する世論調査(令和3年9月調査)』より著者作成)

これについてはどの国に対しても、肯定的な回答が過半数を占めているのですが、その割合は米国が最も高く、その次が中国、ロシアと続き、4ヵ国中最も低いのが韓国です。

むかしから、「好きの反対は無関心」と言われますが、なんとなく、現在の日本における韓国の位置づけが見えてくるような気がしてならない、という次第です。

新宿会計士:

View Comments (10)

  • テレビキー局社員は寝ても覚めても韓国様々のようですが…(苦笑)

    • 妖怪退治するために自分が妖怪になる話だっけ?

      • ネタバレよくないですが、妖怪になったから妖怪退治者になるストーリーですね。
        まあそれも伏線だったんですが。

    • 作中登場する、いじめられっ子のセリフですね。
      自分も『好きの反対は嫌い』で正しいと思います
      『好きの反対は無関心』は 嫌いなものより強い場合だけです

      • マザーテレサが言った場合、正しい文脈は、「無関心」は弱者や貧者などへの嫌悪より悪いという意味合いであったと思います。

  • 韓国文化体育観光部・海外文化広報院による調査結果は、ほぼ毎年恒例の記事になっているようです。
    たとえば、
    ①「2018年度大韓民国国家イメージ調査」聨合ニュース 2019年1月25日 
    「外国人の80% 韓国のイメージ肯定的…日本人は20%だけ好感」

    ➁「2020年度大韓民国国家イメージ調査」中央日報 2021年6月6日
    「外国人の78%が韓国に好感」 

    今回の2021年の調査も含めて、毎回ほぼ同じ内容で、デジャヴを見ているようです。
    彼らの調査結果が日本や欧米などの韓国以外の調査結果と大きく異なっている理由を、室谷克実氏が推定しています。
    それは、「サンプリング母集団」=「世界の韓流同好会」であろう、ということです。多分、大当たりでしょう。↓
    https://www.zakzak.co.jp/soc/news/210610/for2106100001-n1.html

    韓国は、誰が嘘を付いても許される国です。
    ところで、野口悠紀雄一橋大学名誉教授は、韓国が発表した数値を信用して「韓国の賃金が日本を抜いた」と、本当に思っておられるのでしょうか?

  • この数年、日本人の韓国への関心はずいぶん高まった気がします。知れば知るほど違いに驚き、怒り、そして関わっても関係が改善されるどころか悪化し、損をするという認識に至り、じゃあできるだけ関わらず、放っておこうというか、無視しようというか、そういう一種のコンセンサスが出来上がりつつあるような気がします。そして、こちらからは攻撃しないけど、攻撃されたら自衛のため名誉のため反撃はするよ。そんな風に、なってきた気もします。ある意味、大きな変化だと感じています。

  • ヴェトナムやフィリピンで90%以上が肯定的とされている点で、韓国人相手の旅行業者限定で調査したんじゃないかと思いますわな。韓国の政府系機関によるこの手の調査のようなものは毎度そんな調子。