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自民党の外交部会長が「米中二股外交・こうもり外交」

自民党外交部会長の佐藤正久氏が「米中二股外交」と発言したそうです。これはもちろん、外交ボイコットを巡って米国の側につかなければならない、という危機感の表明だとは思いますが、それにしても、日本を代表する優れた韓国観察者である鈴置高史氏が提唱した用語が、ついに外交部会という場でも出て来たという点には、なかなか感銘深いと思う次第です。

鈴置高史氏が開発した「米中二股外交」

鈴置高史氏といえば、ご自身で「韓国観察者」と名乗っていることでも知られますが、当ウェブサイトでも『鈴置論考「失敗国家に進む韓国:K防疫は神聖な存在」』などを含めてずいぶんと取り上げてきたとおり、その実態はたんなる韓国論というよりも、視点を変えた日本論だと考えています。

鈴置高史氏が「韓国の幼いナショナリズムがK防疫を神聖な存在に押し上げた」と指摘したうえで、「韓国は失敗国家に向かって突き進んでいる」と警告を発しました。今回の鈴置論考、テーマは「K防疫の失敗」ですが、これを敷衍していくと、まさに現代韓国論そのものであるように思えてなりません。2021/12/22 12:20 追記オリジナル記事は12月11日に公表したものですが、文末の誤植などを修正したうえで再度、公表します。対日不法行為の数々以前からしばしば申し上げてきたとおり、韓国で文在寅(ぶん・ざいいん)政権が2017年5月に発...
鈴置論考「失敗国家に進む韓国:K防疫は神聖な存在」 - 新宿会計士の政治経済評論

現時点で鈴置氏は『日経ビジネスオンライン』ではなく『デイリー新潮』に『鈴置高史 半島を読む』という連載シリーズを持っていますが、これらの一連の論考は、ひとつひとつの分量がかなりあるにも関わらず、平易な口調に豊富な実例を伴っているため、大変にスッキリと読めてしまうという優れものばかりです。

こうしたなか、鈴置氏が開発した、優れた用語は多々あるのですが、当ウェブサイトなりにそれらのなかで最も印象的なものを挙げるならば、それはやはり「米中二股外交」でしょう。

著者自身の記憶に基づけば、日経ビジネスオンライン時代に鈴置氏が朴槿恵(ぼく・きんけい)政権(当時)の外交姿勢を表現するのに使ったのが最初だったと思いますが、じつに言い得て妙です。実際、当時から韓国の外交姿勢は、あっちをフラフラ、こっちをフラフラ、と、まさに「二股外交」と呼ぶにふさわしいものだからです。

韓国の外交姿勢で、一貫しているのといえば、「反日」くらいでしょうか。

このあたり、わが国の巷間で見られる韓国論は、韓国の「反日」という特徴に焦点を当て、「反日の韓国は許せない」、といった文脈で語られることが多いのですが、鈴置氏はこの「反日」という韓国の行動から、さらに大きく踏み込んで、韓国が米中双方で「良い顔」をしていることの本質的意味を抉り取っているのです。

韓国が本来最優先にすべき相手国は米国だが…

考えてみれば、韓国という国は、38度線を挟んで向き合っている北朝鮮という危険な独裁国家から、常に威嚇を受けていますし、軍事攻撃を受けたこともあります(たとえば2010年の天安鑑撃沈事件、延坪島砲撃事件など)。

そんな危険な国である北朝鮮から韓国をしっかり守ってくれているのが米韓同盟であり、朝鮮戦争で事実上、米軍を主体とする国連軍によって国土を回復してもらって以降、現在に至るまで韓国が国を維持しているのも、米国の存在が大きいといえます。

万一、米韓同盟が消滅し、在韓米軍が撤収するような事態が生じれば、韓国が現在のような繁栄を維持すること自体、おぼつかなくなるかもしれません。ということは、韓国は本来、米国にはしっかりと感謝しなければならず、また、外交上もさまざまな点において、米国を最優先にしてもしかるべきでしょう。

それなのに、韓国は中国の顔色ばかりうかがっているように見えます。

これに関連し、韓国メディア『中央日報』(日本語版)には今朝、こんな記事が出ていました。

五輪・香港・台湾まで…中国の「核心利益」の前で小さくなる韓国

―――2021.12.23 09:00付 中央日報日本語版より

これは、北京オリパラを巡る「外交ボイコット」を含め、中国に対し、人権、民主主義などを媒介に攻勢を強める米国と、これに反発する中国とのあいだで、「韓国の外交軸が中国側に傾く兆候が表れている」、などと指摘する記事です。

とくに、香港、台湾問題、北京五輪などの「中国の核心利益」などを巡って、韓国が「中国側に同調するような姿」を見せている、というのが中央日報の記事の主眼でしょう(※本稿では、記事の内容自体について、詳しく紹介することはしません)。

このように見ると、現在の韓国は、「米中二股外交」(ないし「米中等距離外交」)から、徐々に中国の影響圏の方に引き寄せられてきている、という見方もできるのかもしれない、などとも思いますし、これを数年前から指摘し続けてきた鈴置氏の慧眼には驚かざるを得ないのです。

佐藤正久氏の「米中二股外交」論

ただ、本稿で注目したい話題は、もうひとつあります。

時事通信の本日の記事によれば、自民党の外交部会の佐藤正久部会長(※参議院議員)は23日、「米中二股外交」、「こうもり外交」との表現を使ったのだそうです。

自民部会長、「米中二股」批判回避を 外交ボイコット

―――2021年12月23日11時44分付 時事通信より

具体的には、日本政府が米国の「外交ボイコット」に対し、態度を明らかにしていないことに関し、「『米中二股外交』『こうもり外交』とのやゆが出てくることを避けるためにも早く態度を表明すべきだ」と主張したのだそうです。

佐藤氏は鈴置論考をお読みになっている、ということでしょうか。

この日本政府の「外交ボイコット」に対する姿勢については、当ウェブサイトでは『首相、外交ボイコット決断「適切な時期」は今ですよ!』などを含め、何度も紹介して来たとおりですので、本稿では敢えて繰り返しません。

林芳正外相は青山繁晴参議院議員との面談で、外交ボイコットを巡り「適切な時期に判断する」と述べたそうですが、「適切な時期」とは「いまこの瞬間」ではないでしょうか。決断すべきタイミングで決断しないことは、どれだけ日本の国益を損ねることにつながるかわかりません。その意味で、岸田文雄首相の決断力のなさ、優柔不断さには不安を覚えてしまうのです。なし崩し的に「全額現金」岸田文雄首相という人物は、果たして「決断力」に照らして、信頼に値するのか――。昨日の『もし岸田首相ならば「1日100万回」は挫折していた』を含...
首相、外交ボイコット決断「適切な時期」は今ですよ! - 新宿会計士の政治経済評論

それよりも、インターネットを中心に情報発信して来た鈴置氏の仕事が、確実に、社会に浸透していることは間違いありません。

日本が進むべき道

なにより、当ウェブサイトで折に触れ、「鈴置氏はじつは『韓国観察者』であるだけでなく、『日本観察者』でもあるのではないか」、と申し上げて来たのも、鈴置論考を熟読すれば、「韓国」を通じ、日本が進むべき道が見えて来るからでもあります。

この点、佐藤氏の述べた「米中二股外交」云々については、楽観は禁物であるとはいえ、個人的にはさほど心配していません。安倍・菅両政権を通じた9年弱で、日本の外交は近隣国重視型から価値観重視型へと、大きく舵を切ったからです。

ただ、「米中二股外交」という表現が出て来ること自体は、「わかりやすさ」という点では興味深い点です。

おそらく佐藤氏のいう「米中二股外交」とは、「米中双方の間で良い顔をするがあまり、肝心の進路自体を決めることができない」という状態を指しているのだと思われ、日本外交がここに入ってはならない、という点を、自民党の側から強く情報発信するのは、決して悪いことではないのです。

いずれにせよ、当ウェブサイトとしても、ネットを通じた情報発信をし続ければ、いずれ当ウェブサイトが提唱する概念や考え方が、世間に浸透していくのかもしれない、などと思う次第です。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

なお、佐藤氏が当ウェブサイトをご覧いただいているかどうかはわかりませんが、万が一、ご愛読いただいているのだとすれば、『「自民党が韓国に金融制裁検討」:外為法改正の実現を』でも述べた、「経済制裁の発動を容易にするための外為法の改正」を、是非ともご検討いただきたいと思います。

竹島問題を巡って、自民党内では「韓国に苦痛を与える対策」として、金融、投資、貿易など広範囲な制裁を検討し、来夏ごろまでに具体策を取りまとめるのだそうです。ただ、ことばだけ威勢が良くても困ります。現実の外為法などには、経済制裁に関する規定が十分にあるとはいえないからです。国会議員ならば、威勢の良いことばだけでなく、「具体的な法律改正」にまで言及していただきたいと思います。もし国会議員の方がいらっしゃれば、ぜひ、本稿を読んでいただきたく存じます。竹島問題を国際化するのは良いが…韓国警察庁長による竹...
「自民党が韓国に金融制裁検討」:外為法改正の実現を - 新宿会計士の政治経済評論

この点、岸田内閣で経済安保担当として入閣している小林鷹之氏が「日の丸半導体復権は今なら間に合う」と述べた、などとする話題も興味深いところですが、やはり経済安保に関連し、是非とも既存法制の改正についても精力的に取り組んでいただけると嬉しい、と思う次第です。

経済安保相、日の丸半導体復権「今なら間に合う」

―――2021/12/22 17:28付 産経ニュースより

新宿会計士:

View Comments (65)

  • 今回の記事について、内容を整理してみました。
    先に自分の評価を述べておきますが、今回の記事は読んだだけの価値はあったと思います。
    これまでのコメントで色々と自分に対しても返信がありましたが。あくまでも、自分は記事の構造から説得力について評価し、またより説得力のある記事の書き方について意見していたという立場です。

    【論点】
    日本が取るべき外交的態度について

    【論拠】
    韓国という、米中二股外交をやって米国の信頼を落とした国がある
    佐藤正久氏が米中二股外交という言葉を使い、態度の早期表明を促した
    日本は価値観重視型へと、外交方針の舵を大きく切った

    【結論】
    日本は、韓国の轍を踏んで価値観を同じくする国々の不信を招くべきではないし。そういう状況下で、日本が二股外交をするべきではないと自民党側から強く情報発信するのは、決して悪いことではない。

    論拠が日本が取るべき外交的態度について統一され、結論も論拠に基づいた答えが導き出されていると判断しました。
    これが日本の進むべき道として正解かどうかはまた、こうやって導き出された論の比較検討した上で考えるべきとは思いますが。その一つの主張として説得力を感じます。
    ちなみに自分は、二股外交の態度を見せず、価値観重視路線を続け自由主義陣営に付くことに賛成の立場です。

    • 当方はあなたを要約は重要とは感じませんでした。個人の感想です。

    • これは、このコメントを読む人にとってどのような意義があると考えてのものでしょうか?
      全く知的好奇心を刺激されません。

    • URCさん、
      ご指摘通り、二股外交はだめだよね。
      はっきりしないと双方から信頼されないから。
      いやー、遠回しに岸田首相に釘を指すとは。

    • 要約レビューですね。宜しければ2020/7/18出版の「数字で見る強い日本経済」と
      2021/2/26出版の「韓国がなくても日本経済はまったく心配ない」のレビューも書い貰えると復習になるなあ。

    • 頼まれてもいないし、望まれてもいない「要約」を得々として投稿なさるとは、こりゃまた稀有な感覚をお持ちのようで。
      要は新宿会計士様の元文が難解にして要約説明が必要とお感じなったということなんでしょうね。ご自身の理解力不足に起因すると思われるアタマの整理はご自身で読むに止められた方が宜しいかと思いますが、如何?

    • あれ、自分は面白かったけど。
      悪意ある批判でもなく、他人は批判しても自分は嫌というダブスタでもなく、かなり割り切った価値観の方という印象で面白かったですよ。

      ドライな批判はどーぞどーぞ。
      ウエットな批判はなにそれ美味しいの的な全然響かない感じは面白い。

    • 前の記事のは、まぁある程度納得する部分はあったので
      ノーコメントでしたけど、今回のこのコメントは
      最初からテーマよりも文章そのものに対する評価が目的になっているので
      ちょっと擁護できませんね。

      そういうのは次から雑談枠でやられてはいかがでしょうか。
      それでも不快に思われる方は多少出るかもしれませんが
      今の分別の無い投稿より遥かにマシに見られるでしょうし
      あなたの批評に対して、今より冷静かつ客観的な評価や指摘も
      してくれるでしょう。

      • 内容では無く、投稿者名に脊髄反射して書き込んでるだけでしょう。
        普通ならわざわざ意味がないとか、知的好奇心がどうとか書き込まない。
        擁護するつもりもないのに、擁護できないとか笑い種。

        人間ですから、気に入らない相手を攻撃したいということは否定しません。
        生産的でもなく、知的でもなく、みていて不愉快に感じますけどね。

    • 要約は整理されていて、すっきりと分かりやすいですし、論点も明確で良いと思います。
      合理的、冷静にみておられるようですので、続けて貰えればと思います。

      一方で、排他的な考えを持つ人をあぶりだすのにも役に立ちます。
      知的好奇心を刺激されないという人も見受けられますが、自身の過去の書き込み、これからの書き込みが相当に知的好奇心が刺激されるものであると自負でもあるんでしょうね。
      普通に社会に出て数年も何かを生業にした人間なら、恥ずかしくて言える言葉じゃないですが()、この掲示板で話題になる国と同じような言動ですね。
      これから知的好奇心の手本を生暖かく観察してみたいものです。

      • 本文を読んだ上で要約を見れば内容は理解できます。ただ要約だけを読んだ場合だと例えば私は佐藤正久と言う人物は浅学にして知らなかったので、本文の主旨は理解できないと感じます。結局は新宿会計士様の文に乗っかったええカッコしいに思いました。他のかたのコメントは感心することが多いのですが、URC様の文は面白く無いし感心もしません。 

  • 電子回路向けプログラムの作成をかつては生業としていたソフトウェア産業人として発言します。
    日本の半導体産業の実力に関しては当方は大いに懸念しています。
    瞬間最大風速において世界最強であったのはごく短い期間、すなわち PlayStation や N64 が世界ヒットを達成したころですが、売れる半導体回路のデザイン力に関しては世界潮流から引き離され続けています。
    回路設計力はデザイン力、端的にいうと価値創造力の勝負であり、日本が目指すべきはデザイン力と製造力が両輪をなす究極の産業国家です。工場誘致ばかりに熱を上げるのは考えものと思います。

    • 日本人にはソフトという商品を創造する、或いは想像するということが上手く出来ないんでしょうね。
      私も(いや、私だけですかね)技術屋の端くれですが、どうしてもそういう思考になってしまいます。
      ゲーム機のように、ハードに作り込んだ「モノ」としてなら最適解を出せるんです。電卓もこの成功例の一つだと思います。
      金融も、担保を取っての金貸しは出来るが事業に投資するというのが不得手、という指摘もその延長線上にありそうです。
      これは国民性とでもいうものですから一朝一夕には変わらない、というより(ほぼ永久に)変わらないんでしょう。
      ならばそれを逆手に取って日本の強みとすることも出来るのではありませんか。烏は烏らしく飛べば良いので、鵜の真似をして泳ぐ練習をしなくても良いと思います。

  • 外交ボイコットは人権状況の改善にはすぐには役立たないし、日本が表明しようがしまいが中国の日本への嫌がらせはどうせ続くのですし、さっさとやってしまえばよかったのに、と思います。あまり大した話だと思っていません。
    前政権でもウイグルの人権状況には言及していたので、齟齬がありません。

    米国に続けて表明した各国よりも、かえって目立ったのではないでしょうか。
    今言わない理由は何と勘ぐられるばかりで、今後その理由を積極的に語れる場面も来ないでしょう。(主要国との外交レベルではうまく説明してると思いますが)

    おそらく、特段の表明もせずに、閣僚高官を派遣しないとするのだろうと思います。
    国内で早く宣言すべきという声に対して、納得できる説明をおそらく岸田氏はできないと思います。無視する形になるのではないでしょうか。
    今回のことは後々、政権の命脈に効いてくる話の一つになる気がします。

  • 最近、韓の「米中二股外交」が本当に悪いのかどうか、わからなくなってきた。「約束を破り、嘘をつくことを嫌う」日本人の尺度で「平気で約束を破り、嘘をつく」半島人の思考を評価できないのではないか。過去から大国間の圧力にさらされてきた半島人にとっては「どちらか一方に天秤が傾くまで二股が正しい」と考えているのではないか(もちろん、日本人にはそういう考えはできない)。
    地政学的に考えれば、米国は中国の目と鼻の先にミサイルを置きたい(キューバ危機の逆)だろうから多少の韓国のわがままは許すし、中国もあまり冷たくし過ぎると韓国が切れて米国製ミサイルを配備するかもしれない。あれあれ、米中韓の三すくみみたい。国力からすれば三すくみは半島人にとっては大正解じゃないの?何故か韓国の二股が意味があるように思えて仕方がない。

    • 着眼しているのは「米中対立」よりも「統一国家建設」なんでしょうから、ベクトルが違いすぎて、周りが失笑して、まともに相手にできない。
      これが戦略なら、偉大な外交の天才のなせる業。
      そういうのが隣にいるから、多少の甘えが許せるのかもね。
      しかし、この状況は続きませんよ。

    • 匿名様、残念ながら三すくみが成り立つのは、国力が等しい国々でないと、けん制し合えないと思います。韓国の場合、アメリカからは金融制裁、中国からは輸出規制などで、すぐに音を上げると思います。
      私が不勉強かもしれませんが、過去の歴史で、大国の間で中立を保って生きながらえた国を、私は知りません。日本も他人ごとではなく、アメリカと中国との大国にあって、中立を保つことはあり得ないと思います。
      岸田さんの腹は決まっていると思いますが、それを公言しないあたりに、もどかしさを感じてしまいます。

      • ビルの谷間のラーメン屋、も人柄と気配りが一頭地抜けていたから生き抜いたわけで…
        もとい、
        岸田氏のハラがキマッていると仮定して、公言しない理由について如何にお考えですか?

      • > 過去の歴史で、大国の間で中立を保って生きながらえた国

        第二次大戦中のタイがそれにあたると思います。タイは、イギリスと日本の双方にいい顔をして、結局最後まで独立を維持しました。その時々の状況で、どちらかに傾いているかのように見せていましたが、旗色が変わればたちまち姿勢を翻しました。
        もっとも、タイの場合、元々インドに居座るイギリスとインドシナでふんぞり返るフランスとの間で、うまく緩衝地域の座を占めることができたというのが大きく、主体的にそれを選択したという感じではありませんが。

    • 日本人の尺度、見方で判断してはいけないというのは仰る通りだと思います。
      善悪で見るよりコウモリ外交が機能するか否か成功して独立を保ち国際社会に参画するか又は失敗して火遊びだったと言われるかがより重要だと考えます。

      彼らが二股コウモリ外交を行う理由として考えれられるのは。

      ①コウモリ外交こそ最もしたたかな外交でクレーバーかつ合理的、柔軟性に優れていると信じている。
      ②山があると登りたくなるように主人が2人いるとコウモリをしたくなる習性、綱渡りが難しければ難しい程、好ましく思える因果な性格。
      ③2人から求愛されてウリはモテモテ嬉しいな。

      などがありますが小国(世界的にはかなりでかい部類だけれど)の外交の知恵を体を張って教えてくれているのだと思います。渡りきったら韓国の勝ちですよ。

      • もっと単純に考えれば、半万年にわたって身体に刻み込まれた属国根性のために、頭ではアメリカに就いた方がマシだと思っても、身体がそれを許さないのかもしれません。口では「イヤ」と言いつつも、身体は正直なもんです。

  • まだ発足間もないこともあり、岸田政権の評価は結果が出てからするべきだという意見もあるとは思いますが。
    岸田総理とその周辺に位置する岸田総理寄りの人物から発信される話はほとんど全て、モヤモヤとなんだかわかり難い、どうとでも取れることばかり。もっとどこを目指しているのかわかりやすく、見えるようにできないものでしょうか。

    特に外交に関しては失点を後から挽回するのが比較的難しいと思うので、国益に沿っているのであればきちんとわかりやすく何が国益でそれをどのように守るのか明示して欲しい、というのが一有権者の意見です。
    でなければ、次の選挙でとても高評価は付けられません。

    自民党ってこういう事なかれ主義の塊みたいな一面も確かにあるなと思いつつ、国民の信頼を得るという基本を忘れている気がして仕方ありません。もしかしたら、新型コロナ対策だけ重視していれば支持率がそれほど下がらないと考えて計算してやりたいようにやっているのかも知れないですけど。

    安倍政権時代、外交は高く評価した人が多かったと思います。それとは全く異なる「あいまい外交」は果たして高評価に結びつくでしょうか?

    • 臨時国会の状況(特に茂木幹事長の言葉)には、がっかりしました。

      茂木幹事長は、政府が「外交的ボイコット」を表明しない限り、党として中国によるウイグル人権問題を非難する国会決議の採択は認めない、と語っていました。
      普通にしてても政府要人は送ることはないのだから、あえて「外交的ボイコット」を言うことで逆鱗に触ることもなかろう、というのであれば、「外交的ボイコット」を出さずとも、「非難決議を出す」→あからさまな態度に見えるような対応をすれば良いのにと思うのです。
      何度も言っていますが、そっちの方が意味があると思うので。
      何もせずに北京オリンピックを迎えるのかと思うと、釈然としない。

      自民党が政府や国会のケツを叩かない。
      これは、政府だけでなく自民党の問題だと思います。
      もっと言えば、公明党に引きずられている自民党の問題。
      自民党が公明党に絡み取られている状況は、自民党総裁の資質の問題のような気がしてならない。
      いわく総理の問題になるわけだが。
      党改革が必要になるのでは。
      佐藤さんが騒ぐのも当然でしょう。

      • ボイコットするしないに関わらず非難決議を出すということに賛成です。
        私は外交ボイコットはしない(中国に借りを作らない)派で、非難決議出した同時に「ボイコットしない」宣言も出すのが一番良いと考えてますが、首相がボイコットすると決めたならそれはそれで尊重します。とにかく他国の顔色伺ってるような印象与えるのが一番良くない。するならする、しないならしない、他国に先駆けて宣言してほしかったです。
        せっかく安倍さん菅さんで世界の方向を決める国になったのに、岸田さんでまた「居るのか居ないのか分からない空気国家」に逆戻りです。

        • メタボン様

          > せっかく安倍さん菅さんで世界の方向を決める国になったのに、岸田さんでまた「居るのか居ないのか分からない空気国家」に逆戻りです。

          おっしゃる通りで、対中国がどうだとか価値観同盟だとか以前に、政府と国会が普遍的な価値を示すこと、これに尽きると思うんですよね。「日本が言っていることはもっともだ」と世界も国民がそれなりに納得する様な。
          そして、「その理解からすれば中国は必然的に問題だろう」と周りを感化させるように。
          日本が牽引するFOIPに対するそもそもの考えを思えば、そう思うのです。
          「自由で開かれたインド太平洋 誕生秘話」NHK
          https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/62725.html
          > FOIPは、これまでに一度だけ、呼称が変わったことがある。
          2018年ごろ、「自由で開かれたインド太平洋戦略」から「戦略」の2文字が削られたのだ。

          話は逸れるけど、武蔵野市の住民投票「否決」に関しての本多夏帆市議の答弁。
          両陣営に納得感、筋が通ってて好きだわ。

          まあ、分かっているんですよ。
          青臭くて、それが通じる世の中では無い、ともね。

      • 頓珍韓 様
        同意です。
        政府はなかなか言い出せないことも、国会なら言えますし、党として言っても政府を拘束することになりません。
        この辺りは国会も政府も党も一緒くたの中国とは違いますし、そういう中国相手だからこそ上手い手だと思います。

    • > モヤモヤとなんだかわかり難い、どうとでも取れることばかり

      言葉尻を捉まえて大騒ぎし、揚げ足取りの機会ばかり狙っている某野党やマスメディアのせいかもしれませんね。岸田総理はそのことをかなり意識し、「安全運転」に徹しているように見受けられます。
      ただ、法定速度を厳守する車両が時として交通の流れの妨げになることもあるように、安全運転がいつでも常に望ましい運転であるとは限りません。必要とあれば、追越車線に出るときのように、アクセルを踏み込むべきタイミングも存在します。岸田総理が安全運転を旨としている(らしい)こと自体に文句を付けるつもりは今のところありませんが、交通の流れを把握した「正しい安全運転」を心がけるよう望みたいと思います。

  • 第7回日中企業家及び元政府高官対話(日中CEO等サミット)における岸田総理ビデオメッセージ(首相官邸)
    https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/discourse/20211221message.html

    この内容をみて、なぜ、岸田さんがすぐに宣言しないかが分かったような気がします。
    感想としては、これを見て、岸田さんへの不安が更に大きくなりました。
    彼は金で魂を売るような人間に思えてなりません。

    第二の天安門もあり得るように思います。

    • ちなみに、内容は吐き気を催すような、ひどいものでした。(私の感想)

  • 個人的な感想ですけど、岸田総理の場合は、日本国内(更には自民党内部)の親中派(?)と親米派(?)の双方にいい顔をしようとして、結果的に米中二股外交、コウモリ外交にならざるを得なくなったのではないでしょうか。

    • すみません。追加です。
      国際社会:America or China?
      岸田総理:答えは or

    • すみません。また追加です。
      岸田総理が(鳩山由紀夫(元)総理と同じく)「私には腹案がある」と言わないでしょうね。そういえば、今のバイデン大統領は、オバマ政権時代の副大統領でした。(岸田総理が普天間問題での鳩山由紀夫(元)総理に見えるには、私だけでしょうか)

      • 鳩山派の方が結構多いようですね。
        私は天衣無縫型の文在寅派なんですよ。2人が会談したらいい化学反応が生まれて楽しみなんですが、会談は実現せずに任期を終えそうですね。

  • 投げ込まれた提言の”採択権限”は、目安箱の設置者によるものです。
    そして採択(舵取り)に対しての”責任の所在”もなんですけどね・・。

  • 韓国の問題は多かれ少なかれ日本の問題でもあるということですね。だから、韓国の媚中ぶりを手放しでは笑えません。日本も、韓国ほどではないにせよ、米中双方に配慮しなくてはならない環境にいるからです。

    • 韓国と比べて日本がより深刻というか大変と言えるのは、
      大昔から周辺大国の顔色を伺いながら姑息に立ち回る術を
      身に着けて、現在まで生き延びてきた朝鮮と違い、近代以前は
      簡単に超えられない海に囲まれた日本は、強大国の狭間での
      立ち居振る舞いをきちんと理解していない事だな。

      • というより、以前は大国(5大列強)だったので、どうしても大国として扱われるし本人もそう思ってる、って事でしょう。
        英国みたいのものですね。知らんけど。

    •  クアッドの一員であるインドは北京五輪に外交参加しますが、それに対して何かコメントはありませんか?

      • インドはインド自身の国益を考えての結果です。
        中国は重要な貿易相手国、クアッドに参加したのも安倍元総理の説得が大きかった

        長期自国の利益はもちろん、人権、自由民主を守るためにも、
        主導する役割が求められ、菅元総理まではその路線だったはず。

        岸田政権には早く倒れて貰いたいものですが、
        実質的な事は何も行わない事によって、批判もされにくい、
        また、たまたまコロナが収まる事で支持率も高い。
        この、重要な時期に無能な批判もされにくい長期政権に。

        岸田政権、長期すればするほど日本は危険な方向に向かいそうです。

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