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韓銀「米韓通貨スワップを終了」

時限的為替スワップが12月末で終了するという件につき、韓国銀行側から正式な発表がなされています。これによると、金融・経済状況が危機から抜け出し、安定していること、韓国の外貨準備高が急増したことなどを受け、為替スワップがなくても大丈夫だという状況にある、というのがその背景であるようです。これにともない韓国が外国通貨当局と締結する通貨スワップ等は、カナダとの為替スワップを除けば、総額で1400億ドル弱と計算されます。

相変わらず為替スワップを「通貨」スワップと誤記する韓国銀行

9本の時限的為替スワップは予定どおり12月末で終了』では、米FRBがコロナ禍に外国の9つの中央銀行・通貨当局と締結した時限的な為替スワップ取引について、12月末で予定どおりに終了すると考えられる、という話題を取り上げました。

なぜ12月末で終了すると考えられるかについては、本文中で示したとおりですので、本稿では繰り返しません。

ただ、これに関連し、韓国銀行が本日、正式に米韓為替スワップの終了に関するプレス・リリースを公表しているようです。

韓米通貨スワップ契約関連説明資料【※韓国語】

―――2021/12/16付 韓国銀行HPより

記事タイトルには「韓米通貨スワップ」とありますが、これは「通貨スワップ」ではなく「為替スワップ」の誤りですのでご注意ください。

(※といっても、韓国は政府レベルで、日本の対韓輸出管理強化措置を「輸出規制」、福島原発ALPS処理水を「汚染水」と呼ぶなど、とわざと誤記する国ですので、「為替スワップ」を「通貨スワップ」と誤記しているのも意図的なものかもしれません。)

韓国銀行の理由説明

韓国銀行によると、米連邦準備制度理事会(FRB)と韓国銀行が締結した時限的な「通貨スワップ」契約については、予定どおり今年12月31日に終了するとしたうえで、現時点の状況について、次のように説明しています。

  • 契約終了の背景にあるのは、通貨スワップ契約締結後、国内外の金融・経済状況は危機から抜け出し、安定を維持している
  • 韓米通貨スワップ契約が終了しても、最近の金融・外国為替市場の状況、外貨準備保有額が増加していることなどを勘案すると、国内外国為替市場への影響は大きくないと予想される
  • 最近、国内銀行の外貨流動性事情は良好であり、CDSプレミアム、外貨借入加算金利なども低い水準を維持しているなど、外貨借入条件も安定的な流れを示している
  • 韓米通貨スワップ契約を通じて供給された資金(合計198.72億ドル)も昨年7月に全額返済した後、現在は需要がない

現時点の韓国のスワップは1400億ドル弱

いずれにせよ、今回の為替スワップ終了により、韓国が外国と締結する通貨スワップ等は次のとおり、2国間のものに関してはドル換算して約1000億ドル、CMIMを含めて1400億ドル弱と計算されます(図表。なお、ほかにカナダとの為替スワップあり)。

図表 韓国銀行が外国通貨当局と締結する通貨スワップ等
相手国と失効日 相手通貨とドル換算額 韓国ウォンとドル換算額
UAE(2022/4/13) 200億ディルハム ≒ 54.4億ドル 6.1兆ウォン≒51.6億ドル
マレーシア(2023/2/2) 150億リンギット ≒ 35.5億ドル 5兆ウォン≒42.3億ドル
オーストラリア(2023/2/22) 120億豪ドル ≒ 85.8億ドル 9.6兆ウォン≒81.2億ドル
インドネシア(2023/3/5) 115兆ルピア ≒ 80.3億ドル 10.7兆ウォン≒90.5億ドル
中国(2025/10/10) 4000億元 ≒ 628.2億ドル 70兆ウォン≒591.8億ドル
スイス(2026/3/31) 100億フラン ≒ 108.2億ドル 11.2兆ウォン≒94.7億ドル
トルコ(2024/8/12) 175億リラ ≒ 11.8億ドル 2.3兆ウォン≒19.4億ドル
二国間通貨スワップ  小計…① 1,004.2億ドル 114.9兆ウォン≒971.4億ドル
多国間通貨スワップ(CMIM)…② 384.0億ドル
通貨スワップ合計(①+②) 1,388.2億ドル
カナダ(期間無期限)※ 金額無制限

(【出所】各国中央銀行ウェブサイト等を参考に著者作成。なお、カナダとのスワップは通貨スワップではなく為替スワップ。換算レートは2021年12月16日正午時点のものを使用)

韓国が外国と保有している通貨スワップのなかで、圧倒的jに金額が大きいのは、中国との4000億人民元(為替換算して628.2億ドル)であり、これだけで2国間通貨スワップの6割以上を占めてしまっていますが、交換できるのはあくまでも人民元であり、米ドルではありません。

また、トルコとのスワップについても、締結した8月当時、175億リラは20億ドル程度の価値がありましたが、現時点では11.8億ドルと約半減してしまっているというのも興味深いところでしょう。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

なお、『韓国の外貨準備50億ドル減少は為替介入によるものか』などでも議論したとおり、韓国は現在でも為替介入を常態化させていると考えられますが、その一方で米韓為替スワップが終了したことで、今後、もしかすると再び韓国側から「日韓通貨スワップ待望論」が出てくるかもしれません。

為替介入のためでしょうか、韓国の2021年11月の外貨準備高は前月比で50億ドル少々のマイナスとなりました。韓国の金融は外国(とくに米国)に深く依存していますが、外貨準備高が減少に転じた理由は、FRBのテーパリング観測が強まるにつれ、あるいは韓国国内の尿素水不足などの騒動が深刻化するに従い、ウォン安が進行したからなのかもしれません。ただし、現在の韓国は、500~1000億ドル程度の外貨流出には耐性があると考えられます。それはいったいどういうことでしょうか。FRB主犯説と「株安・金利上昇のダブルパンチ」先日の...
韓国の外貨準備50億ドル減少は為替介入によるものか - 新宿会計士の政治経済評論

このあたりの動向についても気になるところといえるでしょう。

新宿会計士:

View Comments (22)

  • えーーーっ。ウォンの行く末が心配で心配でワクワク、ドキドキ。1日3回のごはんと、3時のおやつが限界です。しかも、8時間以上は寝られません!大丈夫でしょうけど、考えに軸のない岸田総理が何かしないか、そこだけ不安です。

  • 素朴な疑問ですけど、(一般の韓国国民にとって)終了した米韓スワップが、米韓通貨スワップか米韓為替スワップかに関心があるのでしょうか。
    蛇足ですが、もしかしたら、韓国政府は、次期米政権とスワップ交渉をする際に、「米韓通貨スワップをしたことがある」と言いたいのではないでしょうか。
    駄文にて失礼しました。

    • 確証はないですが、そもそも「通貨スワップ」という言葉がないのではないでしょうか?
      そして、国民に単純に「"スワップ"ってものは、ウリたちのモノになるってこと」とでも誤認させておくためにも、「通貨スワップ」という言葉は決して使わないでしょう。

      「ワクチンスワップ」も、そんな使われ方ですよね。
      彼らは、こんな変な言葉をよく作るんだけど、いつも意味を考えませんね。

      蛇足ですが、
      韓国の「ウィズコロナ」という言葉に対する考え方が面白いと思うのです。
      韓国では、重傷者も死者も増えているにも関わらず、規制を強化することをずっと躊躇していました。
      しかし、新規感染者8000人を前にして尻に火がつき、やっと規制をするようになったのだとか。
      そして政府の人が「ウィズコロナをやめたわけでもない」などと必死に答えているらしいのです。
      言葉通りであれば、感染者が増えても減っても「ウィズコロナ」であり、大切なのはコロナと人とが共存できる体制を作るために、政府は必要な規制をかけたり、国民はそれを下支えする新しい生活スタイルを築くことなんだと思うのです。
      しかし、韓国では「ウィズコロナ」と言いつつも、政府の体面を気にして必要な措置を取らず、国民は「ノーコロナ」の社会生活にいとも簡単に戻ろうとしており、新しい生活を忌避しているわけです。そして、規制が始まろうとすると、クラスター感染などお構いなし、いつも通りのデモを始めると政府を脅したりしているのです。

      これって、「日韓友好」と言いながら「NO JAPAN」やって、韓国政府は体面を気にして何もできない、のと変わらないなぁと思いました。

      万事、面白い国?人々?ですよね。

      • 頓珍韓さま
        >確証はないですが、そもそも「通貨スワップ」という言葉がないのではないでしょうか?
         ハングルの辞書の「通貨スワップ」の項目には、「①英語の通貨スワップのこと」とありますが、その次に韓国人にしか読めない印刷で「②韓国が他国を騙すための手段」と書いてるのではないでしょうか。

        • ①の下に余白があれば、あぶり出しで文字が浮き上がるかもしれませんね(^^)

  • 日韓通貨スワップ待望論
    ブレブレな岸田首相で大丈夫かな?
    人の話をよく聞いたら通貨スワップ締結した方が良い、という結論を出してしまいそう。

    • >> 韓米通貨スワップ契約を通じて供給された資金(合計198.72億ドル)も昨年7月に全額返済した後、現在は需要がない

      借りたものを返したなんて、もし本当なら韓国史上特筆ものではないでしょうか。

      > 人の話をよく聞いたら通貨スワップ締結した方が良い、

      韓国が「現在は需要がない」と言っているのですから、誰の話をよく聞いてそういう結論に至るでしょうか?

      「需要が無い」のは、「現在」迄の話で、「明日」には沢山の需要が生じたりするのカモ知れませんが。

  • 為替、通貨を区分してない可能性はありますね。
    国によって言葉の細分化は異なりますから。
    例えば、日本語だと牛の区分は、雌牛、雄牛、仔牛くらいしかありませんが、アメリカだと、雌牛、雄牛、労役用の去勢雄牛、子を産んだことのない若い雌牛、子牛でそれぞれ別の単語です。

    • 日本にはお金に関しての表現は、お金、ゼニ、おあし、お宝、袖の下、ピーナッツ?等々、結構ありますが、韓国では通貨と為替の区別もしていないのですか。先進国入りしたと胸を張っている彼らですから、まさかと思いますが。

      • ほんの100年ちょっと前まで、貨幣経済がまともに機能していなかった国なので、お金に関する感覚が育ってなくても無理はないのかも。
        読み書きソロバンを一から教えなければならなかった、当時の「悪辣な日帝」の苦労が忍ばれますね。

        • 龍様

          韓国社会には
          「一言で千両の借りを返す」
          という言葉があるように
          口車が上手ければ何でも切り抜けられる、借金もチャラに出来るという考えがあるようです。

  • 朝鮮脳は、通貨スワップ、為替スワップの区別が付がないだけで無く、何故米韓スワップが有ったのかも理解していません。
    その為、スワップ終了は、「アメリカの制裁」、「文大統領のせい」という理解になりそうです。
    左派系のネチズンは、基本的にダンマリ。
    これで韓国経済が悪化すると、文大統領は「アメリカのせい」にするかもしれません。

  • >韓国銀行の理由説明
    韓国が見栄はって自滅するいつものパターンですね。麻生さんにスワップ切られた時もこのパターン。

    あと、ネット掲示板などでもよく見かけます。
    「日本は自動車も家電も半導体も凋落、これからはサムスンとヒュンダイの時代!」「一人あたりGDP(PPPベース)が日本を越えた!」
    返ってくる答えは「よかったね。もう日韓スワップなんて必要ないよね。」
    「K防疫で日本に勝った!日本には作れないK注射器売ってあげようか?(笑」→日本にワクチン譲ってと言えなくなる→感染爆発、医療崩壊→日本、感染収束→韓国人沈黙

  • 流動性供給スワップを指す日本の為替スワップという用語が世界的に特殊なだけでしょう。なんか、ウリ達が東海と呼んでいるからお前らも東海と呼べと言っているのと同じような。

    韓国及びその他の国では日本の通貨スワップに当たるのは政府・中銀間スワップ、為替スワップに当たるのが流動性供給スワップ、2つ合わせて通貨スワップという呼び方になっているように見えます。この面でも日本の方が特殊なんではないでしょうか?

    • 一部メディア側が混同してるケースが他国にもあるだけで
      基本は他国も分けてますね

  • 大切なことはこの米韓為替スワップがアメリカの一方的な措置であるということ。
    アメリカはコロナの折いきなり韓国にほぼ事前協議もなく本件取扱について通告してきたのです。
    韓国としてはその前日まで「やってくれたら嬉しいなぁ」と夢想していたレベルです。

    今回のスワップ終了もFRBから一方的に通告を受けたものです。まるで協議して物別れに終わった風を装ってますが。

    なぜか。アメリカにとって米ドルの流動性を守るための措置だったからです。相手国の都合なんて関係ない。ただ一応協力的な中銀を選んでスワップの事務を一部お願いしたに過ぎないのです。

    韓国が頑張ってスワップを勝ち取ったわけじゃない。だから終了も一方的。

    韓国にとってスワップとは、まずこの一方的な米韓為替スワップを「ウォンの通貨安定に効果がある」と虚偽の宣伝をすることから始まりました。リーマンショックのウォンが不安定だったのが一息つけるようになった時期と、この一方的米韓為替スワップがあった時期が偶然一致したのを利用しました。

    「スワップはウォン安定に寄与する。外貨準備のマイナス通帳」みたいな嘘を宣伝して、その上で援助型ドル通貨スワップをASEAN諸国相手に手掛けていた日本にせびったのです。日本から見ると韓国は援助するには強すぎる。日本の輸出のライバルを助けるいわば利益相反になりかねない援助スキーム。

    その後麻生総理のご尽力もあり、彼らの見栄っ張りな性格もうまく使って、とんでもない利益相反スキームから抜け出すことが出来ました。

    まあ、スワップを韓国にやってあげることはもはやあり得ないと思います。

    で、韓国は絶対やってはいけなかったトルコと通貨スワップをしてしまいました。そろそろトルコがスワップの実行を要求してきます。スワップは相互的なものですから要求されたら実行しなければなりません。

    もし韓国がスワップの履行を拒否したら。。。。今まで頑張って積み重ねてきた他国とのスワップも解消となるでしょう。そりゃそうだ。いざとなったら逃げる国と自分の義務の部分だけ維持するのは割に合わないですからね。

  • 基軸通貨国とそれ以外の国の通貨スワップは、「何かあった時に助ける」というメッセージを市場に発して、通貨を安定させる意義が大きいのでしょう。

    日韓通貨スワップは、実際は使われたことはなくても「韓国がドル不足に陥れば、日本が助ける」という市場へのメッセージとなった。

    そういう意味では、韓国と全ての通貨スワップを打ち切った現在、更に“迂回スワップ”をさせないために、韓国と2国間通貨スワップを結んでいる国と日本の通貨スワップは、縮小もしくは打ち切るべき。

  • スワップというのは浮気のイメージがあるので好きな言葉ではない

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