ワクチン接種のおかげでしょうか、武漢肺炎(新型コロナウィルス感染症)に関し、新規陽性者数が減少の一途をたどっています。ロックダウンも罰金もなしに、緊急事態条項すら欠いた現行のポンコツ憲法下で、よくここまでのことができたものだと思います。あくまでも個人的感想ですが、やはり、菅義偉総理大臣には深く深く感謝したいと思う次第です。
東京都で「68週間ぶり」の低水準
本稿は、ショートメモです。
東京都における武漢肺炎(新型コロナ感染症)を引き起こすコロナウィルスの新規陽性者数が、相変わらず、絶賛激減中です。
都内のコロナ動向<10月14日(木)時点>
- 新規陽性…62人(前日比▲10人、前週比▲81人)
- 7日平均…77人(前日比▲12人、前週比▲77人)
- 重症者数…40人(前日比▲3人、前週比▲30人)
- 新規死亡…12人(前日比▲1人、前週比▲7人)
(【出所】東京都『新型コロナウイルス陽性患者発表詳細』、『新型コロナウイルス感染症重症患者数』より著者作成)
東京都における新規陽性者の報告数は、最も多かった8月13日(金)時点で5773人を記録しましたが、昨日は62人と、ピーク時と比べておよそ93分の1(!)という水準に減少しました。木曜日に100人を割り込むのは、2020年6月25日(木)の48人以来、じつに68週間ぶりのことでもあります。
重症者数についても40人で、「第5波」が到来する直前の6月28日時点の41人以来の少なさです。入院者数もピークだった9月4日時点の4351人と比べ、現在はその10分の1の447人にまで減りました。
ロックダウンも罰金もなしに、およそ1年以上ぶりに、新規陽性者数がここまで減少したというのは、なかなか凄い話です。やはり、菅義偉総理が「シャカリキ」で進めたワクチン接種が、ここにきてかなりの効果をもたらしているのでしょうか。
ワクチンにより陽性者数が激減した可能性が濃厚
もちろん、ワクチンの接種は「感染を予防する」という効果を期待してのものではなく、どちらかといえば、発症したときの重症化を予防することなどに主眼が置かれているそうです。
ただ、重症化を予防することができれば、その分、病床の使用率も減りますし、したがって医療機関に対する負担も大きく減じられるという効果が期待できます。
また、首相官邸ウェブサイト『新型コロナワクチンについて』によれば、人口10万人あたりで見て、新規陽性者数はワクチン未接種者では11.5人であるのに対し、1回接種者では4.5人、2回接種者では1.2人に過ぎません。
ワクチン接種歴別の人口10万人あたり新規陽性者(全年齢、10月4日~10日)
- 未接種…11.5人
- 1回接種…4.5人
- 2回接種…1.2人
(【出所】首相官邸ウェブサイト『新型コロナワクチンについて』)
ワクチン完了率は「公式」で65%前後
では、現時点における接種回数・接種率は、どうなっているのでしょうか。
首相官邸ウェブサイトや「ワクチン接種記録システム(VRS)」(※)のオープンデータなどで見ると、現時点において、ワクチンの総接種回数は1.77億回を少し超えたくらいに達しています。
※VRS生データのダウンロード方法
- 次の文字列をウェブブラウザのURL欄に打ち込むと、その時点の最新データが取得可能
https://vrs-data.cio.go.jp/vaccination/opendata/latest/prefecture.ndjson
- 上記文字列のうちの「latest」以降の部分を「{dt}/prefecture.ndjson」(※)に変えると過去データの入手が可能(※なお、{dt}は「yyyy-mm-dd」形式で日付を入力。たとえば「2021年9月24日時点で公表されたデータ」なら、{dt}の部分を「2021-09-24」に変換)
図表 総接種回数と接種率
区分 | 総接種回数 | 接種率 |
---|---|---|
全体合計 | 177,622,120 | |
うち1回目 | 94,311,115 | 74.46% |
うち2回目 | 83,311,005 | 65.78% |
65歳以上合計 | 64,740,553 | |
うち1回目 | 32,574,838 | 91.07% |
うち2回目 | 32,165,715 | 89.93% |
12~64歳合計 | 112,881,567 | |
うち1回目 | 61,736,277 | 78.26% |
うち2回目 | 51,145,290 | 64.83% |
(【出所】VRSオープンデータおよび首相官邸ウェブサイト『新型コロナワクチンについて』データをもとに著者作成。10月14日時点で取得したVRSデータ、10月14日時点で取得した職域接種データ・重複計上データなどを使用。「接種率」とは累計接種数を『令和3年住民基本台帳年齢階級別人口』【※エクセルファイル】記載の人口で割った数値。「65歳以上」の接種率は累計接種回数を3576万8503人で、「12~64歳」の接種率は、総接種回数合計から65歳以上への接種回数を引いた数値を7888万5741人【※12歳未満人口を1200万人と仮置き】で除して算出)
すなわち、ワクチン接種完了率は、「公式ベース」でも国民全体の66%、12~64歳の層に限定しても、65%に達している、というわけです。
対象者の8割が1回目接種を終えた
ここで注目すべきは「12~64歳合計」の区分です。
この区分、総接種回数は1.1億回を少し超えていて、1回目接種も6200万回弱ですが、これが意味するところは、「ほぼ1回目接種が終わってしまった」ということです。
なぜか。
その理由は、諸外国の事例などから判断して、だいたい社会的に接種率が75~80%で「頭打ち」になるからです。
この点、日本の場合、高齢者の接種率が90%前後に達しているため、高齢者以外の接種率も80%を超える可能性はあります。しかし、もしそうだとしても、高齢者以外の6200万回は、7889万人に対してざっと8割弱に相当する水準です。
また、2回目接種も現時点で5100万回を超えていて、以前の1日100万回以上というペースが続けば、あと10日で1000万回くらいは達成してしまいそうな勢いです(※もっとも、最近では接種回数が100万回を割り込む日もずいぶんと増えてきましたが…)。
さらには、「接種が終わっているけれどもVRSに入力されていない」という「入力漏れ」問題があり、当ウェブサイトとしては、この入力漏れが少なくとも500万回、最大で1000万回分は存在していると睨んでいます。
もちろん、諸般の事情もあり、「10月中にすべての自治体で希望者全体に対して2回の接種を終える」、というのはやや困難ですが、それと同時に、現時点においてほぼワクチン接種が一巡したと考えて良く、全国民へのワクチン接種は当ウェブサイトにおける予想よりもかなり早かったと考えています。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
いずれにせよ、いわゆる「ブレイクスルー感染」、つまりワクチンの2回接種を終えたにも関わらず「感染」する、という事例もあるようですし、まだまだコロナ禍が終息したとは言い難い状況ではありますが、それと同時に、コロナの危険性は社会的に見て、かなり低下したと断じて良いでしょう。
すでに辞任してしまった菅義偉総理の最大の功績のひとつが、まさにこのワクチンなのです。
そんな菅総理を「コロナ対策に失敗した」などと決めつけて批判した、マスメディア、一部のアフィリエイトサイトなどの罪は、非常に重いと思います。
いずれ何らかの形で、キッチリと対価を支払っていただく日が来るものと信じたいと思う次第です。
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「感染」しても発症しなければ、発症しても重症化しなければOKなのですから、いい加減、検査などやめてはいかがでしょうか。発症者、重傷者、(武漢肺炎による直接の)死者数のみの発表でよいのでは?暴論でしょうか?
公衆衛生と人々の素行の良さ、武漢ウィルスワクチン接種が進んだこと、これで発症者数が減ってきたことの原因として足りないものがあるのでしょうかね?
最近、見ていて日本人もハンカチを持ってない人が多くなったなぁ、とは思いますが。
もどかしいのは、当の自民党ですら、G7諸国と比較しても、トップクラスの接種率、罹患率、死者率であることを訴求しないことです。さらに、その実現のために障害となった様々な事項を列挙し、選挙後にはこういう対策を打つ、と言うべきです。そして、障害の中には、野党が仕掛けた様々な妨害工作も列挙して、野党こそ国民の財産や命を脅かす敵であることに気づく国民をひとりでも増やしてほしいものです。
イスラエルやシンガポールなど、ワクチン接種率が日本よりも上であるにも関わらず、陽性者が増加するケースが見受けられます。
この事象に対し、ワクチンの効果が落ちてきたとか、デルタ株は強力だとか、といった説明がなされていますが、私は、どれだけ真面目?にワクチン接種を進めたか、という要因もある様に思っています。
特にmRNAタイプは、衝撃に弱いとか、しっかりしたコールドチェーンが必要だ、といった特徴がありますので、いい加減な接種ではその効果を十二分に発揮できない可能性もあります。
日本ではニュースにならなかっただけかもしれませんが、モデルナに異物混入が見つかったのも日本だけですし、相当に生真面目にワクチン接種を行ったことが、感染者や重傷者を減らすことに貢献した部分もあるのではないでしょうか?
>mRNAタイプは、衝撃に弱いとか、しっかりしたコールドチェーンが必要
ディープフリーザーと輸送手段を確保して、ど田舎まで配布できるのは、日本だけではないでしょうか。
ワクチン接種のグラフを見て1回目と2回目完了の差が詰まってきたのを接種完了の予兆かと思ったのですが、いかんいかんバックデート集計なので直近の数字は未集計分が多いのでした。あやうく早計な考えをさらすところでした。
トウシロですから話を自然法にまで進めるつもりはありませんが、単に常識が先か法律が先かというだけのことなのではないかと思います。皆さんに常識があればポンコツ憲法でもなんとかなるし、非常識な人たちが揃っていれば整備された法体系はカブトムシなら破れる蜘蛛の巣になるばかり、コロナは常識の強さをこそ教えてくれているのだと。
根が心配性の私としては、これほど急激に新規陽性判定者数が減少した理由がはっきりとはわかっていないということは、よくわからないままに再び急増するなどということも起こり得るのではないかと、ふと思ってしまいます。なので、経口服用による特効薬が開発され、広く普及するまでは、警戒を完全に緩めるわけにはいかないのだろうなと思っています。
とは言え、日本ではピーク時でも10万人単位で新規感染者が発生するという状況にはなりませんでした。それも、ロックダウンなどの強制力を伴う措置もなしにです。このような状況は、単に平均的な公衆衛生意識の高さというだけでは説明が不十分であるように思います。今さらファクターXを振り回そうとは思いませんが、相対的に見た罹患率や死亡率の低さについては、十分な研究が必要でしょう。どうせまた発生するであろう次の新規感染症への対応を考える上でも、様々な角度からの研究が待たれます。
# 当然、あちこちで進んでいるであろうとは思いますが。
去年も秋に感染者減った
日本の実効再生産数は8月頭にピークの1.8を叩いた後、8月末に1を切ってますね【※1】。
65歳未満のワクチン接種が加速したのは7月半ばですが【※2】、ワクチンの効果が出るのは1~2週間後なので、実効再生産数のピークアウトのタイミングとは整合しているようです。
基本再生産数が5~8のデルタ株【※3】の実効再生産数を1.8に押さえ込めたというのは僥倖でしたが、逆に言えばワクチン接種が遅れていれば第5波はもっと厳しい状況に追い込まれていたのでしょう。
8月末頃に実効再生産数が1を切ったということですが、その時点のワクチン完全接種率は5割弱、その2週間前で約4割です【※4】。
若年層のワクチン無しでのデルタ株の実効再生産数を1.8、モデルナより感染予防効果の低いファイザーワクチンの感染予防効果を多めに見積もって(カナダ並)0.9とすると【※5】、実効再生産数1を切るために目指すべきワクチン完全接種率は(1−1÷1.8)÷0.9≒0.5です。
粗々ですが実測値と整合的では有ると思います。
【※1】日本の実効再生産数
https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/?ismmark=a
【※2】日本の65歳未満のワクチン完全接種率
https://web.sapmed.ac.jp/canmol/coronavirus/japan_vaccine.html?age=65u&a=1&d=1&avg=%E6%9D%B1%E5%8C%97%2C%E9%96%A2%E6%9D%B1%2C%E5%8C%97%E9%99%B8%2C%E4%B8%AD%E9%83%A8%2C%E8%BF%91%E7%95%BF%2C%E4%B8%AD%E5%9B%BD%2C%E5%9B%9B%E5%9B%BD%2C%E4%B9%9D%E5%B7%9E
【※3】デルタ株の基本再生産数
https://www.covid19-yamanaka.com/sp/cont1/43.html
【※4】G20のワクチン完全接種率
https://web.sapmed.ac.jp/canmol/coronavirus/vaccine.html?d=1&n=j&c=1&f=y&a=1
【※5】ファイザー製ワクチンのデルタ株の感染予防効果
https://www.soujinkai.or.jp/himawariNaiHifu/covid19-delta-variant/