本稿は、「速報」です。都内某所では「ワクチン接種、1回目は10月末までに」とする広報誌が、区から配られているようです。また、「ワクチン接種記録システム(VRS)」のデータなどから判断するに、希望する人たちへの1回目接種についてもほぼ一巡し、いよいよわが国では、「ワクチン接種」がほぼ最終段階に入ったと考えて良さそうです。
ワクチン接種・VRSの状況
当ウェブサイトではこれまで、武漢肺炎(新型コロナウィルス感染症)に関し、「ワクチン接種記録システム(VRS)」(※)や東京都のオープンデータなどの値を追いかけて来ました。
※VRS生データのダウンロード方法
- 次の文字列をウェブブラウザのURL欄に打ち込むと、その時点の最新データが取得可能
https://vrs-data.cio.go.jp/vaccination/opendata/latest/prefecture.ndjson
- 上記文字列のうちの「latest」以降の部分を「{dt}/prefecture.ndjson」(※)に変えると過去データの入手が可能(※なお、{dt}は「yyyy-mm-dd」形式で日付を入力。たとえば「2021年9月24日時点で公表されたデータ」なら、{dt}の部分を「2021-09-24」に変換)
ただ、そろそろ「次のフェーズ」に移るべきときが近付きつつあるようです。
というのも、ここにきて、ワクチンの接種回数の「増え方」にも変化が見え始めているからです。
VRSなどから本日時点で取得した最新データに基づけば、現時点において、「公式ベースでは」総接種回数は174,783,240回、接種率は1回目が73.61%、2回目が64.39%だそうです(図表)。
図表 総接種回数と接種率
区分 | 総接種回数 | 接種率 |
---|---|---|
全体合計 | 174,783,240 | |
うち1回目 | 93,233,565 | 73.61% |
うち2回目 | 81,549,675 | 64.39% |
65歳以上合計 | 64,637,266 | |
うち1回目 | 32,528,989 | 90.94% |
うち2回目 | 32,108,277 | 89.77% |
高齢者以外合計 | 110,145,974 | |
うち1回目 | 60,704,576 | 66.79% |
うち2回目 | 49,441,398 | 54.40% |
(【出所】VRSオープンデータおよび首相官邸ウェブサイト『新型コロナワクチンについて』データをもとに著者作成。10月11日時点で取得したVRSデータ、10月8日時点で取得した職域接種データ・重複計上データなどを使用。「接種率」とは累計接種数を『令和3年住民基本台帳年齢階級別人口』【※エクセルファイル】記載の人口で割った数値。高齢者接種率は累計接種回数を3576万8503人で、「高齢者以外」の接種率は、接種回数合計から65歳以上接種回数を引いた数値を9088万5741人で除して算出
未入力を考慮すれば、1回目接種はほぼ終了か
なお、この総接種回数からは、本日時点で公表されるであろう職域接種の重複計上データを引けば、総接種回数はもう少し少なくなると思いますが、それと同時に、VRSへの未入力回数が数百万回分存在すると考えられることを考慮すれば、現実の接種実績は1.8億回前後、といったところでしょう。
この点、日本の人口から65歳以上の高齢者、ワクチン接種対象外の12歳以下の人口などを引いた残りがざっくり8000万人弱ですが、その「高齢者以外」に対する合計接種回数は公式ベースで1.1億回を超えています(1回目6070万回、2回目4944万回)。
「接種済み未入力」が、1回目と2回目で数百万回分ずつ存在するであろうと推定されることを考慮すれば、すでに1回目接種でこの8000万人の80%に相当する6400万回の接種は終わったと考えて良く、また、2回目接種についてもあと1000万回少々でワクチン接種は終了、といったところでしょう。
また、この8000万人のうち、もしもワクチン接種を希望する人の割合が90%だったとすれば、接種を終えるまでに必要な回数は1600万回分増えますが、その場合であっても、来月中にはワクチン接種にゴールが見える、というわけです。
都内某所では「最終段階」に
こうしたなか、著者自身が在住する都内某区では、ポストに区役所からの広報誌が配られていました。
「未接種の方へ ワクチン接種の最後の機会です!1回目の接種は10月末までに!」
- 10月以降、1回目接種が受けられる區の集団接種会場を減らしていきます
- 予約なしでも接種できるようになります
- 10月13日(水)から…XXX(ファイザー社製ワクチン)
- 10月15日(金)から…XXX(モデルナ社製ワクチン)
…。
そういえば、著者自身が1回目接種を終えて以来、区のワクチン予約サイトにアクセスしていませんでしたが(※当たり前ですね)、今になってチェックしてみると、たしかに「予約可能な会場」はいくらでも出て来ます(※ただし、接種済みなので、予約画面に遷移することはできません)。
いよいよワクチンについては最終段階に入った、ということでしょう。
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ここ2ー3週間の新規陽性者数の急減ワクチンの効果があることは確かだけど、ここまで減るか。
専門家も首をかしげている。ある専門家は、感染が起きやすい場所(酒を提供する店等)は64歳以下の人が多く集まりやすく、その人たち(64歳以下)への接種が進んだからではないかと言っていた。これも、そうかもしれないが、そうでないかもしれないというレベルの推論。
各波の形を見ると左右対称に近い。急増すると急減するということなのか。ウィルスに聞いてくれ。
急減は、ワクチンの効果と言って良いと思います。
集団免疫が形成されれば、新規患者の数はナイアガラの滝のように減るのが当たり前と思えます。
これは、ワクチン接種が始まった時に最初から言われていた事です。
いわゆるマスコミに登場する専門家は、菅政権を褒めるような人にはインタビューしないので、「ワクチンのおかげでしょう」とはまず言いません。
私の予想では、新たな変異株が出ない限り、第六波は来ずに収束に向かうと思います。
ただ心配なのは、個体値が下がり再度ワクチンを打たなくてはならなくなる事です。
季節の要素もあるかもよ
去年も同じ時期に感染者減った
ワクチン接種ですが自分の回りにはまだ接種していない人がちらほら居ます。
ワクチンを接種したくないのかと聞くと「まだ先でいい」とか「予約の仕方がわからない」とか言います、10月でワクチン接種の規模が縮小する事も知りませんでした。
ちなみに高齢者とかネットワーク環境が無いとかでは有りません、スマホだって持ってます。
このての情報にアクセスしようとしない「情報弱者」はまだ一定数居ると思われます、切って捨てるのは簡単ですが後の禍根となるでしょう、やはりある程度の強制は必要に感じます。