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おそらく50%を超えた日本のワクチン「2回接種率」

本稿は、速報です。政府が運営する「ワクチン接種記録システム(VRS)」のデータ上、おそらくは「公式ベース」でも、昨日時点でワクチンの2回接種率が全人口の半数に達しました。これに、最大900万回以上とも考えられる「未入力件数」を考慮に入れれば、ワクチンはさらに進展していると考えて良いでしょう。はて、これのどこが「コロナ対策で的外れの政策を繰り返し、失敗した」国なのでしょうか?

ワクチン接種率で「日本>米国」に?

先日の『ワクチン「接種率」上昇:ついに日本が米国に追いつく』では、ワクチンの接種率(※1回目)で、ついに日本が米国を抜きそうになっている、とする話題を取り上げました。

この点、誤解してはならないのは、べつにワクチン接種は「国家間で競争をしている」という代物ではないという点であり、また、接種率が上がったからといって、「すべての問題が解決する」という単純なものではない、という点でしょう。

ただ、少なくとも「ワクチン接種が諸外国と比べて遅れている」という事実をもって、「菅政権のコロナ対策は失敗した」などとおっしゃっていた方は、そろそろ認識を改めた方が良いのではないでしょうか。

9月末で人口の7割前後が「1回以上ワクチン接種」

当ウェブサイトではこれまでも、「ワクチン接種記録システム(VRS)」の分析を通じ、「現状、ワクチンは1日100万回以上のペースで接種が行われている」、「このペースだと9月末時点で人口の7割前後が1回目接種を終える」と予測し続けてきたつもりです。

具体的な「9月末までに1.7~1.9億回」という数値は、当ウェブサイトでは8月2日付の『9月中に対象者の「8割」にワクチンが行きわたる根拠』が初出ですが、手前みそで恐縮ですが、おそらくこの予測は的中するでしょう。

もちろん、例の「VRS未入力問題」(『ワクチン接種「未入力」の実態は600~800万回?』等参照)がありますので、9月末時点になっても、公式統計ベースの総接種回数は、当ウェブサイトで示した「下限」である1.7億回に到達しない可能性は十分にあります。

ただ、これまでの実績に基づけば、VRSのデータは1ヵ月ほど経過するとバックデートで600~800万回、下手をすると900万回以上、上方修正されています。10月末か11月末頃に振り返ってみれば、「9月末時点で1.8億回の接種が行われていた」という事実が判明する、という可能性が高いのです。

いちおう、現時点における総接種回数データについてまとめておきましょう(図表)。

図表 総接種回数と接種率
区分 総接種回数 接種率
全体合計 144,621,690
うち1回目 79,989,435 62.92%
うち2回目 64,632,255 50.84%
65歳以上合計 63,534,196
うち1回目 32,072,448 90.38%
うち2回目 31,461,748 88.66%
高齢者以外合計 81,087,494
うち1回目 47,916,987 52.29%
うち2回目 33,170,507 36.20%

(【出所】VRSオープンデータおよび首相官邸ウェブサイト『新型コロナワクチンについて』データをもとに著者作成。9月13日時点で取得したVRSデータ、9月9日時点で取得した職域接種データ・重複計上データなどを使用。「接種率」とは累計接種数を『令和2年住民基本台帳年齢階級別人口』【※エクセルファイル】記載の人口で割った数値。高齢者接種率は累計接種回数を3548万6339人で、「高齢者以外」の接種率は、接種回数合計から65歳以上接種回数を引いた数値を、9164万2566人で割って求めたもの)

※VRS生データのダウンロード方法
  • 次の文字列をウェブブラウザのURL欄に打ち込むと、その時点の最新データが取得可能
  • https://vrs-data.cio.go.jp/vaccination/opendata/latest/prefecture.ndjson
  • 上記文字列のうちの「latest」以降の部分を「{dt}/prefecture.ndjson」(※)に変えると過去データの入手が可能(※なお、{dt}は「yyyy-mm-dd」形式で日付を入力。たとえば「2021年8月5日時点のデータ」なら、{dt}の部分を「2021-08-05」に変換)

未入力データなども勘案すれば、さらに進展しているはず

図表の数値からは、現時点での総接種回数が1億4462万回、すべての人口に対する総接種率は1回目が63%弱、2回目がちょうど50%少々であることが示されています(ただし、職域接種の「重複計上」が反映されていないため、本日にでも首相官邸ウェブサイトに公表される数値は、これよりも少ないはずです)。

ただし、この図表には、次の数値が反映されていません。

9月6日から12日までの職域接種(100万回前後)

接種が完了しているにもかかわらず未入力となっている回数(最大900万回?)

したがって、現時点における総接種回数は、すでに1.5億回を超えていて、1回目接種で7割弱、2回目接種で6割弱に達している可能性が濃厚だとは思います。

さらには、先ほどの図表で出て来た「接種率」は、分母にそもそもワクチン接種の対象外とされる12歳未満の人口(約1200万人)も含まれてしまっていますので、これを除外して再計算すれば、次のとおりです。

  • 公式ベース・現時点で1回目接種率は約70%、2回目接種率は約55%
  • 公式ベース・今月末時点で1回目接種率は約82%、2回目接種率は約70%
  • 未入力回数を勘案すれば現時点で1回目接種率は約78%、2回目接種率は約65%
  • 未入力回数を勘案すれば月末で1回目接種率は約90%、2回目接種率は約80%

いずれにせよ、こうした不確実な数値を除外し、確実な数値だけで申し上げるにしても、すでに国民の過半数がワクチン接種を完了しと考えて良いでしょう。

「コロナ対策で失敗した日本、成功した欧米」

さて、こうしたなか、韓国メディア『ハンギョレ新聞』(日本語版)にこんな記事が掲載されていました。

[山口二郎コラム]菅政権の終わりとこれからの日本政治

―――2021-09-13 07:07付 ハンギョレ新聞日本語版より

この記事に、菅義偉総理大臣が自民党総裁選に出馬しないとする話題に関連し、こんな記述が出て来ます。

報道によれば、菅氏は9月初めまで再選に意欲を燃やし、様々な戦略を練っていた。しかし、新型コロナウイルス対策について的はずれの政策を繰り返し、政権支持率は今年に入って低下を続け、30%を割るところまで悪化した。<中略>菅政権崩壊の最大の原因は、コロナ対策の失敗である」。

コロナ対策で成功した欧米や台湾の事例では、政治指導者は情報を徹底的に公開し、政府の方針が率直に提示し、国民は政府に対する信頼を持つという好循環が存在した」。

はて。

現時点で国民のほぼ過半数がワクチンの2回接種を終えたと考えられるなか、なにが「的外れな政策」だったのでしょうか。

台湾のコロナ対策が成功したというのはおそらく事実ですが、隔離を法的に強制することが可能な台湾の事例を引き合いに出すということは、このコラムの著者の方は、日本にも同じような法律を制定しても文句は言わない、ということでしょうか。

また、日本と比べ、感染者、死亡者ともにはるかに多かった欧米の事例を「コロナ対策で成功した」と決めつけるのも、大変に興味浅い記述です。

このあたり、万が一、日本でも「PCR検査がどうのこうの」と言うだけで具体的な対策を何ら打ち出していない立憲民主党などの野党がコロナ対策のかじ取りをしていたならば、おそらくもっと悲惨なことになっていた可能性があると思う次第ですが、いかがでしょうか。

新宿会計士:

View Comments (32)

  • 韓国中央日報、朝鮮日報で「ワクチン一次接種で日本を上回る」という記事。(9月13日)
    一次接種で韓国は64.5%日本が62.16%だそうだ。この記事が書きたくてじーと見て待ってたんだね。NHKの世界のワクチン接種状況というサイトをみると、確かにそうだが、ワクチン接種回数は100人あたり日本が112回にたいして韓国は101回。一方接種完了は日本の50%に対して韓国の39%。要するに2次接種を待たせて1次接種にまわしてただけ。
    日本に対する対抗意識で2回目接種を待たされた人たちがいるということみたい。
    何やってんのかね~、この国。

    • わーかんこくすごいねー(棒)。次期大統領も対日最強硬イジェミョンが濃厚みたいだし、生あたたかい目で放置しとこうw

  • >おそらくもっと悲惨なことになっていた

    ニューヨークみたいになってたかもですね。

    山口さんも、韓国みたいに携帯のGPS履歴やクレカ使用履歴を精査・公開されてみればいいんじゃないですかね。

  • 時事ドットコムニュース、9月13日データ:2回接種ベスト1は、安倍さんお膝元の山口県で61.8%、ワースト1は、基地がーの偏向知事がいる沖縄県。以上。

  • そういえば、今朝のNHKラジオのコメントがひどかったです。
    政府が2回目の接種が50%を超え、行動制限の緩和を11月から考えている、というニュースに、8月の、若者の接種に多くの人が並んだという話をつなげ、「ワクチンを受けていない人が多いのに先走った決定だ」とけなしていました。
    現在2回目が50%であれば6000万強、毎週1000万回近く接種しているので
    1回目から2回目への待ちが3週間とすれば1回目の接種者はだいたい9000万、
    12歳以下は接種しないのだから対象者1.1億人、2.2億回に対し、残りは7000万回、7週間
    普通に計算すれば10月中に終わるでしょうに、算数もできないコメンテータ。情けなさすぎます。

    • TVを含むオールドメディアは国民は無知で計算できないと思ってるんですよ。
      今ネットで調べればたいていのことはわかる時代なのにオールドメディアはいまだに自分たちが情報を独占してると思い込んでいる。

  • 逆に各国が接種鈍化している中、急激に上昇しているのは気になる事でもあります。

    • 匿名 様

       >逆に各国が接種鈍化している中、急激に上昇しているのは気になる事でもあります。

      何が心配なのでしょう?

      ・”条約を守らない・食いを守らない国”ではないので、ワクチンは対象者全員に3回目を移量迄確保済みの筈
      ・”条約を守らない・食いを守らない国”ではないので、数字の捏造は無いと思います。

      • あ~! 誤字が多い。

        誤:”条約を守らない・食いを守らない国”
        正:”条約を守らない・合意を守らない国”

        失礼しました。

        • いや、数字捏造云々ではなくシンガポールのように接種率8割を超えるような所でも感染率が増加していることを鑑みるに接種率向上=安心安全とすることに違和感があるとということです。

  • 土曜昼のバラエティーニュースショーで ドイツすごい、スエーデン
    すごーい って やってました。
    ドイツは 累計人口当たり日本の8倍も死んでいるのに 自宅療養が少なく入院できるから 優秀らしいです。
    スエーデンは 高福祉国で有名ですが コロナに限らず 高齢者が疾病となったとき 積極的治療をしないのが 国民合意ということらしいです。

    他国のうわべの いいところだけを強調するのが マスコミの大好物です。

    • まあ正直、スエーデンの高齢者積極治療しないよ合意はうらやまだけどなー。日本じゃ世間が受け入れないよなー。

  • そういえばりょうちんさんは身内にワクチン拒否者がいて「頭かかえていた」とのことですが、実は私も同じ悩みをかかえていました。自分なりにベストを尽くしたのですが、心に刺さったかどうかは定かではないです。転向しててくれれば良いですけどね・・・

    • 私はワクチン済みで確信派ですが、例えばちょい昔の猫コロナ・ワクチンで可愛がっていた猫を亡くしたというような人がいたら、多分説得はできないでしょう。だらしがないだけの自分と一緒くたにするつもりはないにしても、現さんのように他の人のために悩む人がいるからこそ日本にコロナ後の未来があるのだとも思うのです。

  • 半島メディアの、
    「日本の大学教授が指摘‥」
    とかいう記事を見ると
    多くの確率で山口氏の写真に
    出くわすのには笑ってしまいます。

    学者の肩書で名乗ってはいても
    ただのドブサヨ活動家の
    位置づけと見做される山口氏ですが、
    そのいかにも左翼の内面を体現した
    ご風貌と捻れた主張は
    いつもさすがと感心します。

    • 何かと韓国で人気の ぽっぽ元首相も おりますよ。
      悪夢の民主党の象徴。

      • このサッカー本田選手顔真似芸人風の教授が日本学術会議を経て研究費8億円喰った奴です。
        研究分野と内容と結果と現在を考えるに、無駄金でしたね。
        理科系で8億円の研究費なんて滅多に聞きません。
        特殊で浅く、もう研究され尽くした分野になんで莫大な予算がつくのかをはらがたって仕方がありません。

  • 計算上は80%となっていますが、ここまで9月中に行くか疑問です
    地域差があり極端に1日の接種回数が落ちてくるのでは
    あと世界の様子から見ても80%の2回接種日本で進むのでしょうか
    ワクチンパスポートを出す前に接種できない状況は避けないとだめなのでしょうが
    予約が10月になったという話も聞きますので、早くできるだけ多く人に打ってもらいたいし
    経済的にも動きだしてほしいですが、そんなにうまく9月中は難しいでしょうね

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