紙幣は核戦争でトイレットペーパーと化すのか?それとも…
マネーロンダリング(資金洗浄)とは、本来は決して良いことばではありません。しかし、人間不思議なもので、「ついうっかりと」マネーロンダリングをしてしまうケースもあるようです。こうしたなか、本稿では日本にありながらドルが使用できる街がある、という話題に加え、いわゆる「マネロン」を始めたのは源頼朝氏だったという新説についても解説しておく必要があると感じる次第です。
目次
日本で信頼される日本円
「1万円札のコストは20円」、それって本当?
「紙幣」というのは不思議なもので、紙切れに「1万円」だ、「one hundred dollars」だと印刷されているに過ぎないのに、それを使って食べ物を食べたり、モノを買ったりすることができます。
1万円紙幣の場合、それを作るための原価は1枚あたり20円~30円、などといわれていますが、とても冷静に考えると、「たかだか20~30円で作った紙きれに1万円の価値がある」というのも不思議な気がします。
ただ、これも著者による私見ですが、日本円の場合、「日本国」という国そのものに対する信頼を裏付けにしている通貨です。そして、その日本円という紙幣を日本人が大切にしていること自体、私たち日本人が日本国を信頼しているという証拠でしょう。
この点、「日本は国の借金が大変なことになっている」、「そのうち財政破綻する」、などと真顔で述べる人もいらっしゃいます。
「国の借金」や「財政破綻」が何を意味するのかは存じ上げませんが、かりに日本政府が借金だらけになり、それを返すことができないという事態が生じると思っていらっしゃるのであれば、その方はきっと、日本円という通貨を信頼なさっていないのでしょう。
そういうわけで、「日本財政破綻論」を唱える方に遭遇された場合は、その方にこう言ってみてください。
「あなたは日本円が無価値になるとお思いなんですね。それでしたらあなたのおサイフに入っている日銀券をすべて私に下さい」。
その方はきっと、「それとこれとは話が違う」(?)などと意味不明なことを言っておカネをしまい込むと思います。
なお、現実には、1万円紙幣も、市中で転々流通するため、数年で痛み、廃棄処分されます。5千円紙幣や千円紙幣の場合は、1万円紙幣と比べて寿命はさらに短く、1~2年、などとされています(日本銀行『お札の寿命はどれくらいですか? 使えなくなったお札はどうなりますか?』等参照)。
つまり、仮に1万円紙幣を「1枚20円」で製造したとしても、それは数年経つと劣化して使えなくなるため、「20円で製造した紙幣をいつまでも1万円として流通させることができる」、という意味ではありませんので、ご注意ください。
「横須賀で米ドルが使える」って本当?
こうしたなか、以前から当ウェブサイトで抱いている仮説があるとすれば、それは、「地球上の通貨はさまざまである」、とするものです。
たとえば、私たちの国・日本の通貨といえば「円」ですが、「国の借金論」、「財政破綻論」などを唱えている人も含め、結局のところ、日本国民はこの円という通貨を深く信頼しており、基本的に日本の津々浦々、円という通貨で「買い物ができない」という場所はありません。
米軍占領下という経験のある沖縄県の場合、県民性として外貨(とくに米ドル)に抵抗感が少ないという事情もあるようですが、それでもその沖縄県を含め、日本円という通貨は深く信頼されているのです。
なお、個人的体験で恐縮ですが、コロナ禍より前、神奈川県横須賀市に遊びに行ったことがあるのですが、その横須賀市では米軍基地がある関係でしょうか、米ドルで買い物や食事などができる、「ドル街」というイベントが不定期に実施されているのだそうです。
「海外旅行で余った米ドルを横須賀市で使っちゃおう」、という意味では、なかなか興味深い企画だと個人的には感じますが、この点、「横須賀市でいつでも米ドルが使用できる」のかどうかについては、残念ながら存じ上げません(ご存じの方がいらっしゃれば教えてください)。
ただ、逆にいえば、「米ドルが街中で使える」というのが話題になるほどの国でもあるため、言い換えれば、日本国内では米ドルを含めた外貨を使うことが非常に難しい、ということでもあるのでしょう。
「核戦争後はトイレット・ペーパーにすらならない」、本当?
さらに、通貨について考え始めたら、興味は尽きません。
先日の『「物資不足」なのに「物価安定」?北朝鮮経済の謎解き』でも報告したとおり、外国から見て「経済が崩壊してしまっている」かに見える北朝鮮で物価が安定している理由としては、物資だけでなく通貨自体も不足しているからではないか、といった仮説を提示しました。
また、すでに崩壊した政府が発行していたソマリアシリングが、現地では現在でも通貨として重宝され、使用され続けているという話題もあります。
この点、「20世紀末、世界が核の炎に包まれたあとの世界」を描いた某人気漫画の冒頭では、暴漢の皆さんが水や食料を持った人たちに襲い掛かり、「今となってはトイレット・ペーパーとして使用することすら困難だ」などとする趣旨の発言をしたうえで聖徳太子の日銀券を投げ捨てる、というシーンが出てきました。
しかし、ソマリアシリングや北朝鮮ウォンなどの事例を見ていると、核戦争後に日本銀行という組織が消滅してしまえば、その日本銀行が印刷した紙幣には、むしろ希少価値が生じてしまうのではないか、という可能性も考えられます。
このあたりは決して単純ではなさそうですね。
外貨が通用する国
マカオでは香港ドルが通用している
さて、外国でのおカネという話からは、さまざまな派生論点も生じます。
著者自身も若いころはずいぶんと外国に旅行した記憶があるのですが、とくに「発展途上国」と呼ばれる国では、往々にして、外国の通貨(とくに米ドル)をわざわざその国の通貨に両替しなくても、そのまま使用できる、という事例があります。
特殊な事例でいえば、中国の一部でありながら「特別行政区」として独自の法制度と通貨が導入されているマカオ(澳門特別行政区)では、法域内の公式の通貨であるマカオパタカ(MOP)と並んで、香港ドル(HKD)が街中で普通に等価で通用しています。
厳密には、マカオパタカは香港ドルに対して少し安いので、もしマカオ旅行をするのであれば、マカオに到着後、街中の両替所で香港ドルをマカオパタカに両替した方が、ほんの少しだけお得だったりもします(といっても差額は微々たるものであり、また、両替所ではコミッションなどに注意する必要がありますが…)。
ただ、マカオの場合、法域内で「他国通貨」である香港ドルが通用しているのは、「自国通貨」であるパタカの信用がない、という理由ではなく、単純に香港ドルの方が便利だから、というだけの理由だと思いますが(著者私見)、こうした事例はほかにもあります。
エジプトのビザは実質的な入国税だった!?
たとえば、今から約20年前にエジプトに入国した際、空港で「ビザが必要だ」といわれて面食らった記憶があるのですが、よくよく話を聞くと、その場で米ドルを支払えばビザを発行してくれる、というのです(※よくよく観光ガイドを読むと、「アライバルビザ」と呼ばれていたようです)。
金額は、たしか15ドルだったと記憶しています。
アライバルビザ窓口で50ドル紙幣を出すと、35ドルのお釣りと証紙のようなものを渡され、その証紙を自身のパスポートに貼りつけて入国審査官に提出すると、審査官はそれに「ポンッ」とハンコを押してくれて入国手続完了、というわけです。
「ビザ」と称していますが、実質的には入国税のようなものでしょう。
ドルやユーロで食事ができる街
さらには、以前当ウェブサイトでも少しだけ紹介した記憶があるのですが、アルゼンチンの首都・ブエノスアイレスからフェリーで1時間ほどの距離にある、ウルグアイの風光明媚な古都・コロニア・デル・サクラメントを訪れた際のこと。
当時はアルゼンチンペソもウルグアイペソもほとんど持たず、サイフに米ドル紙幣とユーロ紙幣だけ入れて旅をしていたのですが、深夜に到着したところ、コロニア・デル・サクラメントの両替所が閉まっていて、また、ATMもなぜか作動していなかったということがありました。
どうしようか、と少しだけ思案したのですが、結果的にはまったく困りませんでした。
というのも、ドルもユーロも、街中で普通に使うことができたからです。
たとえば、食事をした際の伝票にも、「アルゼンチンペソだといくら」、「ウルグアイペソだといくら」、「ドルだといくら」、「ユーロだといくら」、という具合に、4つの値段が明記されていて、ドル紙幣を相手に渡せばそれでOK、というわけです。
これが本当のマネー・ロンダリング
こうしたなか、外国に出かけると、とっても汚い米ドル紙幣などに出会い、驚くこともあります。
その最たるものは、1ドル紙幣です。
先進国通貨のうち、とりわけ米ドル、ユーロ、日本円、英ポンド、スイスフランの5通貨のなかで、1ドルは紙幣としては最も価値が低いという特徴があります(最低額面紙幣は、ユーロの場合は5ユーロ、ポンドの場合は5ポンド、円の場合は1000円、スイスフランの場合は10フラン)。
一説によると、1ドル紙幣(昨日のレートで109.78円くらい)は、人々のポッケに無造作にねじり込まれます。だからあそこまでクタクタで汚い紙幣になってしまうのでしょう(極端な話、外国では「これ、トイレットペーパーに使用されたのでは?」と思うほど汚いものに出会うケースすらあります)。
さらには、米国ではジーンズのポケットに1ドル紙幣を突っ込んだまま、うっかりそのままジーンズごと誤って洗濯機に放り込まれ、洗浄されることすらあるようです(これが本当のマネー・ロンダリングでしょう)。あるいは米国版「銭洗い弁財天」、でしょうか。
なお、鎌倉にある「銭洗い弁財天」では、「お金を洗うと何倍にも増えて戻ってくるといわれる霊水『銭洗水』が湧く神社」とされています。詳細は次のとおりです。
「巳の年の文治元年(1185)の巳の月、巳の日の巳の刻、宇賀福神から『この地に湧き出す水で神仏を供養せよ、そうすれば天下泰平の世が訪れる』と源頼朝の夢にお告げがあり、そこで源頼朝はこの地に社を建てて宇賀福神を祀った。その後、世の中の混乱は収まったと伝えられている」。
すなわち、これも現代流にいえば「マネロン神社」なのでしょうか(※銭洗い弁財天様へのお詫び:他意はございません)。
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紙幣に価値があるのは、発行者の信用なのですけど、何に対する信用かといえば単に「無闇やたらに発行しない」ということに対する信用です。
ビットコインが価値が出るのも暗号技術により無闇やたらには作られないと一般に信じられているからです。奇しくも暗号通貨が「発行者の信用」という言葉の意味を正確に表してくれるようになりました。結局のところ無闇やたらに発行しないという信用さえあれば、国の財力の裏付けなど不要なのです。
核戦争後に通貨の価値が自動的になくなることはありません。単に核戦争の後に通貨が大増刷されたら紙屑化するだけです。
> 無闇やたらに発行しないという信用さえあれば、国の財力の裏付けなど不要なのです。
中央政府もろとも発行元が消えたソマリア・シリングが信用され、中央政府が健在で発行元が紙幣を増発しているソマリランド・シリングがあまり信用されない理由はまさにここです。
通貨の信用は発行元の健全性ではなく、大量発行が招くインフレによって価値が目減りする事があるかないか、にかかっているようです。
以前、単一の通貨が使用されている社会の方が少数派と書きました。
ソマリアのみならず、現在のウルグアイやマカオでも複数の通貨が使用されているのですね。そういう社会で暮らしていたら他国通貨へ換算する計算能力の向上や為替相場への関心の高さが自然と養われ、相場感が身につきそうです。大商人や一流の投資家が生まれそうですね。学習障がいなど、発達障がいのある人には生きづらいでしょうけれども。
日本でもドン・キホーテなら米ドルなどの外貨が決済で使えると聞いた事があります。まだ行った事はありませんけれど。
"銭洗い弁天"は、鎌倉のほかに、京都の六波羅蜜寺、滋賀竹生島の宝厳寺に居ます。
機会があれば、どうぞ。
確かにマカオでは香港ドルがそのまま使えます。銀行のATMだって、通常は香港ドルでの引き出しになります。そして、香港ドルで支払って、パタカでお釣りをもらうなんてことも珍しくありません。逆にパタカを香港で使うことはできないため、うっかりパタカを貰ってしまった場合、全力でマカオ滞在中に使い切らねばなりません。一度、500パタカ札を貰ってしまったことがありましたが、その時は結構苦労しました。マカオのカジノではもちろんパタカで賭けることもできますが、その場合、勝ってもパタカが増えるだけですので。
なお、一点だけご注意を。確かにマカオのどこに行っても香港ドルがそのまま使えますが、唯一10HK$コインだけは使えません。他のコインはそのまま使えるのですが、なぜか10HK$コインだけは受け取ってもらえません。理由は全く不明ですが、そういうことになっているようなので、マカオにおいでの際はご注意ください。
>「あなたは日本円が無価値になるとお思いなんですね。それでしたらあなたのおサイフに入っている日銀券をすべて私に下さい」。
これはねー、会計士氏、論点がちがうよ。例としてあげた財政破綻論者は「このままだと先行き円の価値は暴落する」って言ってるのではないかな。今の時点で円の価値がない、とは言っていないと思うよ。
説諭するのであれば、財政破綻論者に対しては「円の先物売りオプションを買ってるの?」と問えばよいのでは?
すみません。細かいところで。
「日本円が無価値になる」
「先行き円の価値は暴落する」
これは、
「今の時点で円の価値がない、とは言っていない」
と同義と思います。
無理筋のたとえ話でもって、「それとこれとは話が違う」のおかしさを書いているだけで、論点はそこではなく「その紙幣はほかの国でも使えるのか」じゃないですかね。
この記事が「日本財政破綻論」の評価を論点としたものではないことには注意が必要だと思いますよ。
この話には軸がふたつあってね、
x軸が円の価値の高低
y軸が円の価値の大幅変動までの時間経過
y軸を、会計士氏ははしょって、札をいまくれ・というたとえ話をしてるから、
おかしい話だ、と思うわけ。
矛盾というか、記事として架空の財政破綻論者の、これまた架空の行動を前提としているので、そりゃおかしいんじゃないって話と理解しております。
たとえ話の、その内容がちょっと変だよね、というご意見も理解しました(というか、ここに破綻論者を引き合いにしたうえでの例えの書き方が極端というか不適切という指摘と思いましたが)。
ご理解いただきたいのは、私が書いたのは、筆者氏の論点はそこじゃないと思うので、「論点がちがうよ」と言われて、たとえ話の部分を論点に持って来られたら当惑するのではないか。私自身は当惑しました、ということです。
老婆心ながら。
このトラさんとかいうコメント主の方はこちらのブログでは基本相手にされてませんので、あまり真面目に議論しても意味はありません。
匿名様
ありがとうございます。
でも、「何も言わないってことは」。
誰も何も言わないまま流してしまっていいのかと思わずにいられない性分なのです。
米軍基地のある街ですが、コンビニとかスーパーの入り口には全て「Yen Only」の張り紙があります
ところが基地に近い中古車屋の店先に並ぶ車の値札はほぼドルだったりしますw
まあドルで買えるかどうかは知りませんが…
さて本論であるが、数年前の台北では、一部店舗で日本円がそのまま使えた(換算のやりかたは銀行できちんと両替するよりもちょっとだけよくなかったような)。
数十年前の経験だと、カナダ国境に近いアメリカの街の自動販売機では、カナダの硬貨がそのまま使えた(おそらく、カナダ側でもアメリカ硬貨が使えたのだろう)。たいていカナダドルのほうが10%あるいはそれ以上に価値が低いから、この場合はアメリカ側の商店主がいくばくかの差損を被っていたのだが、さしたる問題としていなかったようでもある。
さらに、ロシア沿海州、といってもウラジオのような都会ではなく、もっと田舎の方のようだが、人民元が流通していると聞く。
いずれにせよ民間人の場合のほとんどは、日用的な用途で外貨をやりとりするのであるから、その将来的な価値のあり方とはあまり関係がないのかもしれない。
10年くらい前ですが、ロシア沿海州では街中で円をルーブルに、両替できましたよ。
街中に外為銀行があるのは、普通のことだと思いますが。
言葉足らずでした。私設の両替商が車で営業していました。
更新ありがとうございます。
「1米ドル紙幣が傷んでクシャクシャになって酷い状態」というのは想像出来ます。1米ドルは日本円で109円ぐらいですもんね。小銭入れに100円玉10枚、1円玉と10円玉が数枚あれば、パンパンに膨らんで嫌です(笑)。
赤茶色の板垣退助氏の百円札が仮にまだ印刷されてれば、酷使でひと月保たないのではないでしょうか?もし30枚札入れに入れたら、使い古しの旧札なら、折財布には入らず、長財布が必要です。
こちらに来られる常連さんや、また管理人の新宿会計士さんはお金を払う手段として、現金払いよりもカード等での決済が多いと、以前に聞いた事があります。
では実際、現金派とキャッシュレス派(非現金派)はどれぐらいの割合か、調べたサイトがあったので、紹介します(1社の話ですから鵜呑みにしないでください。但し他のデータも似たり寄ったりです)。ナビナビ保険という企業が2021年1月6日〜1月12日、560人を対象にアンケートを取っています。
質問「普段買い物をする時に、主にキャッシュレスか現金どちらを使いますか?」に対して、
◎キャッシュレス決済が64.5%
◎現金決済が35.5% との回答を得た。
年齢層も20歳代から70歳代まで満遍なく取られてます。私はまだ意外に現金派が多いんだなと思いました。
また、キャッシュレス決済のうち、最多は
「クレジットカード」が55.1%
「QRコード決済」が23.3%
「電子マネー」が19.7%
「デビットカード」1.7%。
これも意外にクレカが多いんですね。私はもっとQRや電子マネーが進んでいると思ってました。
よくコンビニのレジで支払い額が確定してから、札入れや小銭入れをゴソゴソ指を動かす人が居ますが、「遅い」「ダサイ」「時代遅れ」と並んだ客は思っているでしょう。確かに私でさえそう思います(笑)。
では現金派は何故あまり減らないのかというと、「目で見える」「無駄使いしない」「キャッシュレスは不安」「管理しやすい」だそうです。ところで北東アジア(日中韓)では、まだまだ日本はキャッシュレス後進国です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/25cf146879b279b413783c1e50b32946906afa0d
1か月に使う額となると、中韓に遥かに及びません。という事は、日本人は日本銀行券と財務省製造の硬貨に信頼を寄せていると言えますネ。それとキャッシュレスを阻害する要因が日本社会にはまだまだあるのでしょう。
めがねのおやじさま
足がつかないから、現金が一番ニダ。
だんな様
なるほど~(*^^*)。「足がつかない」確かに!
最近は大手のレンタカー会社は車種によってはクレジットカード決済を求められます。「足」だけに「足がつかない」使われ方を警戒しているのでしょう。
現金の信用度とはかかわりなく、個人の信用度を確認する必要性からキャッシュレス化が進むのかもしれません。無記名の電子マネーは個人の信用度の担保にならないので、決済処理時間だとか店舗への入金の速さで勝負になるのかな...
QRコード決済の中にはauペイとかd払いなどのスマホ決済も含まれるんでしょうか。
高額紙幣を持ちあるのが嫌なのでデパートやドラッグストアでよく利用しますが、通信状況の影響ででうまく決済できなくて、結局クレジットカードを出すということがたまにあります。
さっさと支払って帰りたいのでそういうときは自分にいらつきますね。
また、通勤経路にセブンイレブンが4軒ほどあるので私自身は専らnanacoを利用していますが、現金払いの人よりもスマホ決済の人の方が支払完了が遅い印象があります。
特に最近はpaypayかなにかのキャンペーンをやっているせいか、さらにもたもたしている人が多く、レジ待ちしながらコンビニにおけるキャッシュレス決済のメリットってなんだろう、と遠い目になることもしばしばです。
さっさとお金払ってレジ空けてください・・・
日本でキャッシュレス決済が進まない理由は色々あるでしょうが、QRコード決済についてはサービスが多すぎて使いにくいってのもあるんでしょうね。
私がレジに並んだ印象では、一番早いのがSUICAなどのプリペイドカードによる決済、次は現金、その次はクレジットカード、その次がスマホです。
スマホ払いにはいつもイライラさせられているような・・・。
最後の分に同感します。でもこれはQRコード決済だけの問題じゃありません。
クレカにせよICカードにせよQRコードにせよ、サービスが多すぎるのです。多すぎて訳がわかりません。
中国でQRコード決済が普及したのは、キャッシュレスの決済手段がデビットカードの銀聯、QRコードの支付宝と微信支付の3種類である事も大きいはずです。日本のようにクレジットカード3種類以上、ICカード15種類以上、QRコード6種類以上もあるとどう使い分けるのか混乱します。
キャッシュレス決済普及のためには現在の決済手段を合計10種類以下に整理するか、スウェーデンのSwishのような統一規格を作った方がいいです。
江戸時代でしょうか。為替や藩札が発明されたときもこんな感じだったのかなと。
これって大丈夫なの。潰れたらすっ飛ばすんじゃないの、と。
日本は普段の買い物に札束を背負って歩かなきゃいけないわけでもないですね。
(とある国では、貨幣の品質が悪く、近代まで貨幣の運搬に対する労働コストが貨幣の価値とほぼ変わらない事態もままあったとか。イザベラ・バードさんの著書に書いてあったような)
日本においては現金の使い勝手がよく信用もある、これは滅多にない有り難いことだろうと思います。
いわゆるデジタル通貨化が進まないのは、それだけ日本の現金の信用が高いという肯定的な評価があってもいいんでないでしょうか。
私は店頭買いのときは基本的に現金払いです。
カードやペイ系は手数料タダといいつつ、それはあらかじめ販売価格に上乗せされていて、都度決済業者にマージンが行くので。
であれば、その手数料的な含み利益は、決済業者よりは、その販売店の利益になったほうが良いと。
何かね、気に入らない。カネ使うときはオレに分け前払えって感じでイヤなのですよ。
いずれ利便性に負けると分かってはいるのですが、できるだけ抵抗したい。
何故か100均では現金以外で支払う気になりません。
千葉の台風での停電、北海道での全島ブラックアウトなどで、イザというときは現金が強いですね。銀行、暗号通貨、海外資産、現金と分散がいいかもしれませんね。
農家の無印販売所も現金オンリーですね。
安くて新鮮、消費税なし。
ベトナムは、ドルが使えます。
日本人がドンの計算を暗算するのは無理なので、必ずお釣りを誤魔化されますが、カードより安心。
ベトナムでは空港内の銀行の両替所で計算書とドン紙幣の束を渡されて、念のため延々と数えたら計算書の端数分が無し(日本の紙幣で例えると一万円札を数十枚渡されて、五千円札と千円札数枚分が札束に無いといった感じ)。
窓口のおっさんは「ゴメンゴメン忘れてた」の表情で端数を渡してくれましたが、あれ、ちょろまかす気満々だったのでは....
米ドルを持ち歩くという発想はありませんでした。ドンだとゼロの数が多過ぎて一桁多く取られても気が付く自信がないので、釣銭を多少ぼられても、価格の妥当性を見極めやすい通貨で支払うほうが損が少なく済みますね。
貨幣の信用の担保は、貨幣を発行している国に対する「総合的な信用」に他なりません。。
「総合的な信用」の重要な要素のひとつが発行主体の国の財政状態(今&将来)であることは当然ですが、それ以外にも様々な要素があります。
極論すれば、発行主体の財政が破綻しても、発行主体の政府国民が全責任をもってその貨幣を現在将来兌換すると思われているほどその国の政府や国民に対して高い信用があるならば、貨幣が無価値になることはありえません。
日本の財政状況に殆ど左右されず、また世界のリスク要因が高まるほど「円」が高くなるのは、日本政府と日本人が世界から信用されていることの証左でしょう。
但しその信用は、我々の先祖が営々と築いてきた結果によるものであり、今後その信用が続くか否かは現代及び未来の日本人にかかっているのです。
なお余談ながら、政府&中央銀行の信用の枠外にある暗号資産(暗号資産)が決済通貨としてより広がるならば、貨幣の発行主体の国の信用は関係がないという世界になってしまいます。
今後どうなっていくんでしょうかね、各国は対抗して中央銀行デジタル通貨(CBDC)を発行しだしていますが、利用者に受け入れられるかどうか、微妙ですね。
50年後は全く違った世界になっているかも。