X

「岸信夫防衛相が靖国神社を参拝」、なにか問題でも?

新聞社さん、政治家の靖国参拝より御社の経営状態を心配されたらどうですか?

今年もまた、8月15日がやって来ます。多くのメディアは、政治家らが靖国神社に参拝するかどうかを逐一報じるのですが、そもそもなぜそれが「ニュース」になるのでしょうか。勝手に政治的な争点にしているのは、じつは日本のオールドメディア自身ではないかと思うのです。

今年も8月15日がやってくる

今年も、8月15日がやって来ます。

あくまでも個人的な理解に基づけば、8月15日は「終戦記念日」ではなく、単純に「日本がポツダム宣言を受諾し、連合国に降伏する」と、昭和天皇が国民に向かってお話になられた日、というだけの意味しかないと考えています。

というよりも、玉音放送自体は陛下のお声を録音したレコードを流しただけの話です。

「8月15日に戦闘が終了した」、と信じている人は多いのですが、これは間違いであり、実際には8月15日以降も日本軍とソ連軍との戦闘が行われています(たとえば、ソ連軍が千島列島最北端の占守(しむしゅ)島に侵攻したのは、8月15日よりも3日後の18日のことです)。

国際法的には1945年9月2日、東京湾に停泊していたミズーリ号に重光葵外相らから構成される日本側の全権団が赴き、降伏文書に署名された時点をもって戦争が終了したとされています。

(※ちなみに内閣府の『北方領土問題』などによると、俗にいう「北方領土」の占領をソ連が終えたのは9月5日頃とされています。火事場泥棒そのものですね。)

さて、先の大戦の意味を巡っては、さまざまな人がさまざまな解釈を示しています。

これについては著者自身にも、おぼろげながら、「ある考え」があり、例年、これについてまとめようとしているのですが、なかなかうまくまとまりません。ただ、もし間に合うようであれば、今年8月15日までに、簡単な論考にして公表したいと考えている次第です。

追悼の在り方は日本国民が決めるべき

ただ、先の大戦に対する解釈にはさまざまなものがある、という点についてはそのとおりですし、戦争で命を落とされた方々をどう追悼するかについても、国民の間で、必ずしも統一した考え方があるようには見受けられません。

その理由の最たるものは、特定メディアが問題視し、そして1980年代以降、特定国が騒ぎ始めた「靖国問題」にあると思います。

この点、昨年9月に辞任した安倍晋三総理大臣は、内閣総理大臣としての連続在任日数が2822日、通算在任日数は3188日と、どちらも史上最長の政権を率いたにも関わらず、その長い在任期間において靖国神社に参拝したのは、2013年12月26日のただ1回きりでした。

(※ただし、『後世に莫大な遺産を残して靖国参拝の安倍総理に感謝!』などでも触れたとおり、安倍総理は辞任直後の昨年9月19日に靖国参拝しています。)

【参考】靖国参拝する安倍総理(※クリックで拡大)

(【出所】安倍総理ツイッターより)

この靖国神社に関しては、「A級戦犯が合祀されているような施設が戦没者を象徴するなど、もってのほかだ」、などの主張が存在しているのは事実でしょう(※ちなみに「A級戦犯」は「罪の重さ」を示す用語ではありません)。

しかし、おもに特定の外国の要請に基づき、歴代総理大臣はこの神社に参拝するのに及び腰でした。というのも、おもに中韓両国を含めた外国からの反発が非常に強かったからです。

この点、靖国神社が「『中国固有の領土だ』と中国が主張する地域内にある」、などの事情があるのであれば中国政府が反発するのは当然のことです。

しかし、『幻冬舎plus』というサイトの『中曽根康弘の「正式ではない公式参拝」…ここから「靖国問題」は始まった』によれば、中国が初めて日本の首相の靖国参拝を公式に批判したのは、故・中曽根康弘元首相が1985年8月15日に靖国参拝した際が初めてなのだそうです。

逆に言えば、それまでの間、中国も韓国も、日本の首相の靖国参拝になにか文句をつけたことはなかったのです。

そもそも日本には信教の自由というものがありますし、移動の自由もあります。戦没者の方々をどう追悼するかは日本国民が決める話であり、また、靖国神社は紛れもなく日本国内に存在する施設であって、日本の政治家が日本国内のどこに行こうが、私費でどの施設に玉串料を支払おうが、まったく問題ありません。

もちろん、靖国参拝した政治家を「日本国民の圧倒的多数が」問題視しているというのであれば、政治家はそれをやめるべきでしょう。また、この場合も政治家の行動に不満があれば、日本の有権者が次回選挙でその不満をぶつければ済む話です。

このような考えから、当ウェブサイトとしては、政治家はもっと堂々とみずからの信念に従った行動を取ってほしい、と考えて来ましたし、そのように申し上げてきたつもりです。

岸防衛相が靖国参拝、「中韓の反発は必至」?

こうしたなか、本日は安倍総理の実弟である岸信夫防衛大臣が靖国に参拝した、という話題がありました。

岸防衛相が靖国参拝 現職防衛相の参拝は稲田氏以来

―――2021/8/13 15:00付 産経ニュースより

ご自身のご判断において靖国に参拝されたというのは、大変に良い話だと思います。

おそらく一部のメディアは「中韓などの反発は必至」、などと報じるかもしれませんが、勝手に言わせておけば良いでしょう。もし岸防衛相の行動が「不適切だった」と思うのならば、有権者が次期総選挙で岸氏を落選させればよい話だからです。

あるいは、靖国参拝した閣僚が落選するよりも、閣僚の靖国参拝を批判したメディアが倒産する方が先かもしれない、などと思う次第です。

新宿会計士:

View Comments (37)

  • あっ、……。
    現役の大臣が靖国神社を参拝出来るようになったのかと、感無量です。
    日本も普通の国になりつつあるのかとおもいます。
    ドッカのケッタイな某3国はイチャモンをつけるでしょうが…。

    • タナカ珈琲 さま

      >ドッカのケッタイな某3国はイチャモンをつけるでしょうが…。

      丁寧な無視でいきましょう。後足で、砂をかけておけば、尚可。
      一人で行くから目立つのであって、内閣全員で行けば目立ちません。(棒)

  • 私は毎年、昔からの習慣で地域の護国神社に参るのですが、中韓は仕方がないにせよ何故日本のマスコミが問題にするのかですよね。正々堂々と主張し内政干渉と突っぱねなければいけない話です。
    戦犯云々も結局は負けたからで理不尽な話です。負け戦をしたことを反省しなければいけませんが、戦没者の慰霊というのは日本国内のスピリチュアルな行事で、外国がとやかくいうことも不快ですが、日本人が云々言うのは、更に腹が立ちます。本質を見誤っています。

    • >中韓は仕方がないにせよ
      中国(中共ではなくて中国国民)はまだしも何故韓国が便乗するのでしょう?
      中華人民共和国とは戦争をしたことが無いし、韓国とは日本国民として共に戦い、靖国に祭られているのに。

      • 匿名様
        言葉足らずでした。百歩譲ってですね。外国が云々言うのは筋違いで不愉快ですが、それよりも日本国内で中韓に告げ口するような報道が嫌といいたかったのです。

  •  独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
    (というより、自分でも良い話とは言い切れないので)
     「台湾海峡が怪しくなり、残念ながら自衛隊に被害がでることも考えなければならなくなった今、自衛隊員の慰霊の場を考えなくてはならない」と言ったら、バイデン大統領は、どう反応するでしょうか。
     駄文にて失礼しました。

    • 引きこもり中年様

      千鳥ヶ淵を慰霊の場とせよ、というお達しが来るかもしれません。

  • 私は毎年総理大臣が8月15日に参拝するべきと考えています。

    国のために戦死した人、その遺族に対する最低限の礼儀だと思う。

  • 当然、菅総理、安倍前総理と打ち合わせていると思うので
    米国民主党政権の反応が見もの。

  • ドッカの外交部は、早速新任の熊谷公使を呼びつけたようです。
    全てのマスゴミが、国を護った先祖よりも先に中韓の反発を気にするのは、異常だと思います。
    そろそろ「愛国」は、良い価値観に戻るべきでわ。

    • 新任の公使がいたことを知りませんでした。

      産経によると、熊谷氏はもともと政務担当公使だったようですが、後任としての総括公使を務めているのだそうですね。
      https://www.sankeibiz.jp/macro/news/210811/mcb2108111303003-n1.htm

      大使を呼び出さなかったのは、日本に手を差し伸べてくださったということでしょうか。

  • 戦争の是非に関係なく、個人の行為は間違いなく国(家族、仲間、同胞)のためであり、殉職した英霊に国の代表者が参拝するのは当たり前のことです。
    この当たり前の行為が出来ない方向に誘導、また、個人で参拝する事をニュースとして発信すること事態マスコミの立ち位置、伝えたい対象がよくわかります。

  • 諸外国から見れば、戦犯かもしれませんが、日本国民から見れば、祖国を守ろうとされた英霊です。
    日本国民が御霊にお参りする事は、ごく当たり前のことで、外からとやかく言われることではありません。
    どこの国でも祖国を守ろうとした兵士を尊崇するのは当たり前の事です。

  • 神社には何種類もあって、靖国神社はその一つですが、かなり新しい珍しい趣旨があります。近代日本が国民軍を擁し国家主権を主張するにあたり、どうしても出てしまう軍事衝突に国家と国民を守る活動に準じた将兵を国として弔い祀る大変尖った目的。
    他に当てはめようが無かったので近代国家の必要性と伝統的な意識との折り合いから明治期の人は神社としました。
    日本ではキリスト教を始めとした割と強い反発がありますが世界のキリスト教は近世のヨーロッパの帝国主義と共に世界布教して来た事実と英国国教会を始めとした国家宗教としての役割とのダブルスタンダードを解決しないまま、被害者意識をテコに「政教分離の原則」を主張しています。江戸幕府がキリスト教を禁教して居なければ更に何十万人の日本人が奴隷として欧州に売り渡されて居たことでしょう。出エジプトだのなんだのと奴隷からの解放が大きなテーマだったはずのキリスト教なのに自国民の奴隷化に日本限定で賛成するのでしょうか?
    日本共産党は背負ったことのない国民国家の独立主権の行使の中で避けて通ることのできない犠牲になりつつ国を守った職務としての英雄の顕彰と言う課題から話題を逸らし逃げ回って居ると今では私は思います。ちなみに専従共産党員の共同墓はあるようで、その他に雑多な左翼活動家も含めた共同墓が東京の青山墓地はじめ全国に数カ所あります。自分たちの仲間の顕彰と慰霊はするのです。

    • 元日本共産党員名無し様

      >自分たちの仲間の顕彰と慰霊はするのです。

      そりゃあそうでしょう。
      宗教なのだから。。

  • 私自身は8月15日近辺には靖国近辺には行きたくありません。報道陣とか変な軍服コスプレの輩とかいて騒々しいので。
    総理はじめ閣僚のみなさまにも、8月15日にこだわらず静かな時を見計らって参拝をしていただきたいです。
    私がそう思うのは、我々生きている者にとっては8月15日は不戦を誓う大事な日ですが、亡くなられて英霊となられた方にとっての記念日ではないなと思うからです。英霊の方々にとって大切な日は人それぞれ、毎日がどなたかにとっての記念日です。

    総理が、春秋の例大祭に真榊を奉納されるのは、実は靖国神社に対する対応として最適だと思っています。騒ぎを起こしてまで出向いて、それで英霊の方々が喜ぶでしょうか。信仰は内心の問題です。真榊の奉納とともに、若干離れたところでも心を込めて拝礼される。それが一番です。

    天皇陛下は靖国に出向くことはありません。ただ、天皇は日々靖国含め全ての神社に日々拝礼されます。天皇という存在はそういうものだと私は理解しています。稀に伊勢神宮など親拝されることはありますが、あくまでそれは我々庶民にもわかるようそうしてくださるだけの話だと思っています。

    8月15日は政府主催の式典を完璧に滞りなく行うことに注力してほしい。私はそう考えます。

1 2 3