米国では死刑囚には本人が希望する「最後の食事」を提供するらしい

本日、いくつかの韓国メディアが報じているとおり、文在寅（ぶん・ざいいん）韓国大統領の訪米の日程が、韓国大統領府から発表されたようです。あくまでも韓国政府の発表に基づけば、主要議題は「新型コロナウィルスのワクチンを巡るパートナーシップ構築」だとしつつ、北朝鮮への制裁緩和も議題に上る、などと述べているのだとか。はぁ。

米韓首脳会談は日本時間の22日未明に

韓国大統領府は本日、米韓首脳会談が現地時間21日午後、すなわち日本時間の22日未明に行われると発表したそうです。ここでは韓国メディア『聯合ニュース』（日本語版）の記事を紹介しておきましょう。

文大統領　２２日にバイデン氏と初の対面会談

―――2021.05.18 12:15付　聯合ニュース日本語版より

以下は、あくまでも聯合ニュースが報じた内容です。

• 会談では新型コロナウイルス対応や北朝鮮の核問題などについて議論する見通しだ
• とりわけ、新型コロナウイルスのワクチンを巡るパートナーシップ構築が主な議題になるとみられる
• 半導体・バッテリー分野の協力も主要議題として取り上げられる
• 一方、中国けん制を目的とした米国、日本、オーストラリア、インドによる枠組み「クアッド」への韓国の参加問題が議題に上る可能性もある

…。

やはり、「視点が違うと、ここまで見通しが異なるものなのか」、と、変な意味で感心してしまいます。

あくまでも個人的な理解に基づけば、ジョー・バイデン大統領自身はドナルド・Ｊ・トランプ前米大統領の「自由で開かれたインド太平洋（ＦＯＩＰ）」路線を継承する方針を明確にしており、当然、インド太平洋諸国であり、かつ、同盟国でもある韓国に対しては、ＦＯＩＰへの協力を求めるでしょう。

実際、先月訪米した菅義偉総理大臣との間でも、台湾海峡の安定や中国の人権問題などとともに、このＦＯＩＰの強力な推進で合意しています（『台湾防衛にコミットした日本：日米同盟は経済同盟に！』等参照）。

それなのに、聯合ニュースが報じた内容には、ＦＯＩＰの「Ｆ」の字も出て来ません。いちおう、「中国けん制（※）を目的とした日米豪印による『クアッド』の枠組み」なる表現は出て来るのですが、「ＦＯＩＰ」という表現に頑なに言及しないのは韓国メディアのテンプレートかなにかなのでしょうか？

（※どうでも良い余談ですが、本邦のメディアについてもいえることですが、「牽制」をわざわざ「けん制」などと書くのには、大変な違和感があります。いちおう、「牽」が「常用漢字」ではないから「けん制」などと記載しているのだそうですが…。）

しかも、聯合ニュースは「クアッドへの韓国の参加問題が議題に上る可能性がある」理由が「ワクチンと新技術、気候変動の３つを掲げている」からだ、などとしているのですが、要するにＦＯＩＰ諸国に求められる義務を果たさずに、ワクチンだけもらおうという魂胆、ということなのかもしれませんね。

ワクチンの優先搬出「韓国が優先交渉対象」

また、この話題に関連し、『中央日報』（日本語版）には、こんな報道も出ています。

韓国政府「バイデン政権が海外に供給するワクチン、韓国が優先交渉対象」

―――2021.05.18 12:01付　中央日報日本語版より

「韓米間のワクチン共有案に関する議論が順調に進行中」、「韓米首脳会談を通じて具体的な成果が出る可能性があるとみている」などとする記事ですが、これも情報源は「韓国政府の関係者」です。

中央日報によると、この関係者は「米国のワクチン搬出方針に関して韓国は一種の『優先交渉対象者』として良い協議結果を期待している」と話したのだそうですが、頑なにＦＯＩＰにコミットしない韓国に対し、米国が貴重なワクチンを優先提供すると考える根拠がどこにあるのか、逆に知りたいと思うほどです。

朝鮮半島非核化も達成できていないのに…

ところで、冒頭に紹介した聯合ニュースの記事で、今回の文在寅（ぶん・ざいいん）韓国大統領の訪米では「朝鮮半島を巡る懸案も協議する」として、こんなことを述べています。

「文大統領は今回の会談を南北・米朝対話再開の足掛かりとし、朝鮮半島の平和構築を進展させたい考えだ」。

具体的には、「文在寅氏が朝鮮戦争の終戦宣言などを改めて提案するかどうかが注目される」、などとしているのですが、どうせなら是非、それをバイデン大統領の前で提案して来てほしいと思います。

しかも驚くことに、韓国大統領府高官は、こんなことを述べています。

「米国はシンガポールでの（米朝首脳の）合意に基づき米朝対話に取り組み、制裁緩和を提供する用意ができていると発表している」。

北朝鮮の非核化が一歩も進んでいないのに制裁緩和とは、なかなか笑わせます。

いかにバイデン氏自身に認知症が疑われている状態だとしても、もし米国政府がそれをやったら、さすがに米議会が黙っていないでしょう。韓国政府は認識が甘すぎます。

個人的な関心事

いずれにせよ、文在寅氏が訪米することで、「ゆるぎない米韓同盟」という建前が繰り返されるのか、それとも誰の目にも米韓同盟の揺らぎが明らかとなるのか、あるいは「これ以上、反米左派政権を許さないという韓国国民に対する強いメッセージ」が出て来るのかについては、期待しつつ待ちたいところです。

ただ、それ以上に強い、ある種「野次馬根性」に基づく個人的な関心事といえば、文在寅氏にホワイトハウスが何を食べさせるのか、という点です。

先週の『【速報】韓国政府、米国に「ハンバーガー以外」を要求』でも報告したとおり、一部メディアの報道によれば、韓国政府は現在、米国側に対し、文在寅氏の好きな食べ物を伝えるなどして、「ハンバーガー以外の食事」を要求しているやに聞きます。

こうしたなか、ふと思い出したのですが、米国では死刑囚に対しては「最後の食事」として、本人が希望するものが提供される、という話題です。

個人的に文在寅氏は、どうせ来年５月に退任された後、「どこか」に引っ越す可能性が高いと踏んでいるわけですが（引っ越し先が監獄なのか、極楽浄土なのか、この世の楽園なのかは存じ上げません）、温情でホワイトハウスが文在寅氏に好物をたんと食べさせてあげたら良いのに、と思うのは、ここだけの話です。