本稿は、客観的な状況に関するメモです。例の「姜昌一問題」に関する最新状況をまとめておきます。
先日の『異例の「アイスランド1ヵ国のみ」信任状捧呈、なぜ?』では、韓国の「次期駐日大使」である姜昌一(きょう・しょういち)氏を巡り、「足の怪我」を理由に韓国側から申し出があり、信任状捧呈式が「延期された」、という報道記事などを取り上げました。
【参考】『異例の「アイスランド1ヵ国のみ」信任状捧呈、なぜ?』
また、あくまでも理論的なゲームとして、「じつは姜昌一氏にそもそもアグレマンが出ていなかったのだとすれば、一連の現象はどのように説明がつくか」という議論を、『そもそも姜昌一氏に対し「アグレマン」は出ているのか』で展開した次第です。
【参考】『そもそも姜昌一氏に対し「アグレマン」は出ているのか』
なお、とても当たり前の話ですが、姜昌一氏に対してアグレマンが出ていたのかどうか、姜昌一氏の信任状捧呈式が「延期」された本当の理由はどこにあるのか、といった点については、外交に関する事項でもあるため、真相はわかりません。
ただ、客観的な事実だけをもうひとつお伝えしておくならば、加藤勝信官房長官は今月9日午前の記者会見で、この「信任状捧呈式延期」に関し、産経新聞の記者の質問(リンク先ページにある動画の18:25~)に対し、次のような趣旨の回答をしています。
- 延期というものは、一度決まったものが延びることをいう
- 時期は決定されていないと承知している
- 現時点においては信任状捧呈式の時期の調整がなされていると承知している
この回答を額面通りに受け止めるのであれば、そもそも姜昌一氏の信任状捧呈式は4月6日の閣議決定の時点で「決まっていなかった」ということであり、これはこれで非常に異例な事態でもあります。
さて、ついでに客観的事実として、4月1日時点で「次期大使」欄に記載があった8人のうち、4月14日時点における信任状捧呈状況を確認しておきましょう(図表)。
図表 信任状捧呈状況
国 | 氏名(敬称略) | 信任状捧呈 |
---|---|---|
①アイスランド | ステファン・ホイクル・ヨハネソン | 4月8日に完了 |
②韓国 | 姜昌一 | |
③アルゼンチン | ギジェルモ・フアン・ハント | 4月12日に完了 |
④アルメニア | アレグ・ホヴァニシャン | 4月12日に完了 |
⑤ブルガリア | マリエタ・ペトロヴァ・アラバジエヴァ・デ・デスカルシー | 4月14日に完了 |
⑥ケニア | タブ・イリナ | |
⑦英国 | ジュリア・ロングボトム | 4月14日に完了 |
⑧トルコ | コルクット・ギュンゲン |
(【出所】外務省『各国駐日大使リスト』等を参考に著者作成)
ほかに、現時点でアフガニスタンのシャイダ・モハマド・アブダリ氏、ラオスのフォンサムット・アンラワン氏が「次期大使」リストに加わっています。また、ケニアの大使の順番が飛ばされ、先に英国の大使の信任状捧呈式が実施されたようにも見えますが、その理由はよくわかりません。
いずれにせよ、姜昌一氏は今年1月22日に成田空港から日本に入国していて、いまだに特命全権大使としての活動を開始することができない状況にある、ということだけはよくわかります。
その一方で、『水面下の関係に戻れないことに気付き焦る韓国メディア』でも述べたとおり、日本から韓国に派遣されている相星孝一氏については、14日に文在寅(ぶん・ざいいん)韓国大統領に対し、信任状を提出したことで、正式に「特命全権大使」としての活動が可能となっています。
View Comments (24)
足が悪いんだったら順番飛ばされても仕方ないですね。いやー残念だなー
永遠のモラトリアム大使として、頑張ってください。
今年の元旦にも話題に上ってましたので、年末まで引き伸ばして最長記録に挑戦してもらいたいですね。
青瓦台は相星大使には文句を言いつけるためだけでも親任状を受けておかなければならない。日本側は文句を言うにせよ記者会見で遺憾砲発射で済ましているみたいな実態。
日本は建前として抗議は表明するが「どうせ韓国は聞く耳持たない」と放置。
必ず呼びつけて、上から目線で要求を突きつけ、説得したり脅したり、裏で密室で相談して表向きとは違う物言いで泣き落としするとかしなければならない。
それもこれも日本には必要ない。
そういうことでしたか?姜昌一に対しての冷遇にもかかわらず、信任されたことが、納得出来ませんでした。ようやく理解しました。ありがとうございました😊
足、頭、顔と気色が悪いw
不適格なオッちゃんを信任しちゃダメ。
それか不適格と分かって信任して
お隣との関係を徹底的に壊すか。
更新ありがとうございます。
韓国の姜昌一氏の「足の怪我を理由に」は嘘っぱち。足ぐらい何とでもなる。公務遂行が出来ないなら帰るべし。車椅子での信任状捧呈式も出来るはず。
韓国側がプライドを痛く傷つけられたか、そもそも不都合な点で飛ばされた、と思うのが普通でしょう。後着の英国にも先を越され、もう日本としてはそのまま放置処分ではないでしょうか。
こんなことはないとは思うんですが
次期全権大使候補人が正統な手続きで1月から
・留学ビザで来日
・就労ビザで来日
・観光ビザで来日
して、後日にさながら時代劇の水戸黄門のように
「先の○国次期全権大使、○○様だぞ、控えおろー」
ってリアルでやってるんじゃないかと妄想してます。
外交ビザ(特権つき)発給資格ないから信任されないとか。
観光ビザで入国した奴が大使詐称とかするかもしれませんよね。
申し訳ないです。
結局 「自称」 疑惑で収まるのが両国にとって一番の落着点ではないかと妄想する次第です。
片方は国のために恥辱を甘んじて受けた、というキャラで。
失礼しました。
海コンさま
そもそも次期某氏の一件、決定発表から今日までずっと茶番なのであろうと当方はそのように判断していました。すなわち「騙されたふり」「してヤラレたふり」を演じ続けている(だれが?)
処理水放出に対してかんかんになっているのも、実は同じ舞台の狂言回し役をつかまされたことに気が付いたせいではと。周回遅れとは挽回不能の意味ですが、つくづくそう感じます。
「さきの○○」は「前○○」のコトで前任者のコトを指すモノイイだと理解しておりましたが…
引っ掛かったオタク さま
ご指摘ありがとうございます。
「前の」が正しい解釈ですね。
あと、自己反省なんですが、確か隣国は査証不要だったかと…
だから今の所は、書類上観光客扱いの人が「次期全権大使候補」を名乗って駐車違反や飲酒運転、足の治療費の未払いとかの外交特権で守られた軽犯罪を粛々と行ってるだけ、と解釈してもいいんじゃないかと、妄想して遊んでいますに訂正します。
失礼いたしました。
良く判らないのですが、次期大使は大使としての公務が出来るんですか?
臨時代理公使が居る以上、大使の公務は公使が代行する、んでしょ?。字面からすれば。
するとカン氏単なる外交官又は外務部嘱託(?)ですわね。呼びつけて文句を言う相手はあくまえキム公使だと思うんです。
なので、一度カン氏をすっ飛ばして、キム公使に遺憾の意を表明するのも面白いんじゃ無いでしょうか。
✖あくまえ
〇あくまで
舌が短くなってしまいました。
・足の怪我のための延期である(日テレ系の報道)
・延期じゃない予定されてなかった(官房長官が「延期」の定義まで解説しながら明言)
本当はどっちだ、という話になります。次期大使がわからの答え合わせ報道は一切ありません。
もちろん、信憑性としては官房長官の発言の方が絶対的に高いです。ただ、官房長官説にはなぜそうなったのかの理由がありません。ここ数年なかった1カ国だけ捧呈式を延期でやむなくでなく、最初から予定して行われたことの理由をどうやってつけるのでしょう。
筋書きからいうと、日テレ報道説でもって言い訳しようとしたけど、官房長官に嘘を封じられてしまった。そんな感じがします。
これで、次期大使さまは一切報道の表舞台に出てこれなくなりました。捧呈式を予定として順番飛ばしされた理由をまず言わなきゃいけないからです。
私は形式的にアグレマン出てる派ですが、今回の件で大使としての活動が完全に封じられたように思います。アグレマンの有名無実化ですね。
つぎの一手は足痛いと言いながら車椅子に乗って帰国。これしかないですね。
G様
>つぎの一手は足痛いと言いながら車椅子に乗って帰国。
いまから羽田空港まで車いすで行くから、駅員4人を速やかに手配せよ!と御託を並べてひとしきり大騒ぎをした挙句、〇HKの記者を呼び寄せて声高に「道徳的優位」なるものを喚き散らすことに100ウォン賭けます(笑)
日本テレビについてはさきのサッカー日韓代表戦で日本代表の今これからを担うであろう選手が負傷し(否!させられ)た際の不可解な実況などを視ても、
既に“日本”のテレビ局ではないようでアリマスので…
日本政府の関係者が、「・・・慰安婦問題や元徴用工訴訟問題で、韓国側が受け入れ可能な解決策を示すまで、茂木外相は姜昌一(次期)大使との面会に応じない構えだ」と発言した、と過去に報道されているのですから・・・。
姜昌一氏の信任状奉呈式は、その前に『茂木外相が姜昌一氏と面会する』というニュースがあって、その後の話になるでしょう。
現在、韓国側が受け入れ可能な解決策を示すような動きはありませんから、信任状奉呈式まだまだ先になるでしょう。
さしずめ、次期大使殿は、宿題をやって来ないで廊下に立たされている小学生ってところですね。教室に入れても貰えない。
さて、この事態をどうやって打開するか、次期大使のお手並み拝見!!
楽し・・いえ、日韓両国の関係にとっては憂慮すべき異常事態です。
>この回答を額面通りに受け止めるのであれば、そもそも姜昌一氏の信任状捧呈式は4月6日の閣議決定の時点で「決まっていなかった」ということであり、これはこれで非常に異例な事態でもあります。
メディアでは”延期と報道(4月5日)”されたのですが、出席できない旨の表明は日本側の閣議決定(可否の決)の前に出されたのであり、実態は「招待もされないうちに辞退した」に過ぎないんですよね。
*入場券で改札を通過したから "乗車できない人" みたいですね。