むしろロシアは中国や北朝鮮、韓国などと「無法国家クアッド」を作るのか?
自由で開かれたインド太平洋(FOIP)にコミットした4ヵ国が、最近、「クアッド」と呼ばれています。こうしたなか、先月の『中露朝韓「無法国家クアッド」を「正しく」警戒すべき』では、中露両国を中心とする「無法国家「群が主体となった「ブラック・クアッド」を経過すべき、などと申し上げましたが、やはりその見立ては間違っていなかったようです。ロシアが最近、「クアッド潰し」を画策しているようなのです。
目次
すっかり人口に膾炙した「FOIPクアッド」
皮肉なことに、安倍晋三総理大臣が辞任してからの方が、「クアッド」という単語を目にする機会が増えているような気がします。
最近の時事用語でいう「クアッド」(QUAD)とは、日本、米国、豪州、インド4ヵ国のことです。わが国の場合、とくに菅義偉政権が発足した直後の昨年10月に、東京で対面の日米豪印4ヵ国外相会談が実施されて以来、この言葉を口にする人も増えた気がします。
ただ、当ウェブサイトでは何度となく申し上げてきたとおり、「日米豪印4ヵ国」の会合が、一種の安全保障連合への発展を視野に入れていることは間違いないにせよ、「クアッド(4)ありき」という議論に対しては、個人的には強い違和感を抱いています。
この「クアッド」の自体、もともとは2004年のスマトラ沖地震で4ヵ国が合同して支援にあたったことに起源をもつ枠組みだとされていますが、どちらかといえば、安倍総理が提唱した「セキュリティ・ダイヤモンド構想」などに、たまたま存在したクアッドの考え方がマッチしたに過ぎないのではないかと思います。
実際、現在のクアッドは「法の支配」、「航行の自由」といった基本的・普遍的な価値にコミットする国の協議体という性格を有しており、最近のクアッド外相会合・クアッド首脳会合でも、「2004年の津波被害の救済」がメインテーマに設定されているというものでもありません。
それどころか、重要なのは「クアッド(4)」ではなく、どちらかといえば「自由で開かれたインド太平洋」、あるいは英語の “Free and Open Indo-Pacific” を略した「FOIP」の概念の方でしょう。というのも、FOIPをベースに置くと、この概念に、無限の拡張性が生じてくるからです。
欧州連合(EU)の事例:先輩としても、反面教師としても
この点、参考になるのは欧州連合(EU)の事例でしょう。
外務省ウェブサイトの説明によると、欧州連合の前身は欧州共同体(EC)で、そのECのさらに前身が欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)、欧州経済共同体(EEC)、欧州原子力共同体(EURATOM)だったのだそうです。
ことに、ECSCは第二次大戦後の国土の荒廃や米ソ対立による世界分断が進むなかで、「欧州が一致団結すべき」との考え方から、フランス政府がジャン・モネの起草による「シューマン・プラン」に基づいて提案したものがその起源だそうです。
この「欧州統合」という理念は、いまや(実態はともかくとして)「民主主義」などの基本的価値のもとに、欧州が団結する際の基本的な行動原理、というわけです(※英国は離脱してしまいましたが…)。
このFOIPは、民族、宗教、言語などの個別的な要因ではなく、「法の支配」「航行の自由」といった基本的価値をもとに、「インド・太平洋諸国」に対して団結を呼びかける、という考え方です。その意味では、まさに「価値」をもとに団結を呼びかける欧州連合と、性格はよく似ていると思います。
FOIPは「緩い連合体」とならざるを得ないが、無限の拡張性も
もっとも、インド太平洋地域の場合、地域内の諸国の経済発展水準もバラバラですし、技術力もバラバラ、政治体制もバラバラです。とくに東南アジア諸国連合(ASEAN)の場合だと、立憲君主制あり、共産主義あり、制限付きの民主主義あり、完全な民主主義あり、と、参加する国もさまざまです。
このように考えると、FOIPは結局のところ、(現時点においては)欧州連合ほどの強力な同盟にはなり得ません。
また、本当にさまざまな国がありますので、FOIPに100%コミットする国といえば日本くらいなものであり、「良いところどり」しようとする国が出現するのも避けられないでしょう。
ただ、それでもやはり、日本にとってFOIPは重要です。
その最大の理由は、中国が周辺国に対して牙を剥き、威嚇・恫喝外交を開始しているからであり、そうした威嚇・恫喝はわが国に対しても向けられているからです。だからこそ、脅威を受けている国が「基本的価値」の旗印のもとに集うのは必要であり、かつ、焦眉の急だ、というわけです。
そして、FOIPの賢明な点は、この価値に賛同する国であれば、基本的にはオープンである、という点にあります。
現在は日米豪印「クアッド」ですが、将来的には「日米英豪印」などの「クインテット」ないし「ペンタ」・「ファイブ」、「日米英仏豪印」などの「セキサ」ないし「ヘキサ」・「シックス」に発展するかもしれませんし、発展させるべきでしょう。
どこまで増やすかは課題
なお、どこまで増やすべきかを巡っては、論者によっても意見の違いはあるでしょう。欧州連合の場合も、一時期、加盟国が28ヵ国(※)にまで増えたことで、「異質な国」が入ってきたことによるトラブルも発生しているからです(※ただし、現在は英国が抜けて27ヵ国です)。
先月末には、こんな話題もありました。
欧州委、ポーランドを提訴 裁判官の独立侵害
―――2021年03月31日22時43分付 時事通信より
これは、ポーランドで昨年2月に発効した司法制度改革をめぐる新法を巡り、欧州連合・欧州委員会(EC)が3月末、「裁判官の独立性を侵害し、EU法の優位性に反する」として、EU司法裁判所に新たに提訴すると発表した、とする話題です。
しかも、こうしたECの姿勢を加盟国のすべてが支持している、というわけでもなさそうです。
ハンガリー首相、欧州新勢力結集誓う ポーランド首相や伊元内相と
―――2021年04月02日11時33分付 時事通信より【AFP配信】
実際、AFPの記事によると、ポーランドのモラウィエツキ首相はハンガリーのオルバン首相などとともに「EU内における新政治勢力の結集」を誓うなど、なにやら欧州内できな臭い動きも見られるからです。
たとえばFOIPの場合も、現在のところは日米豪印4ヵ国連合ですが、米国と同盟関係にないインドが未来永劫、FOIPクアッドに留まり続けるという保証などありません。
ロシアがFOIPを強く警戒
ただし、「範囲をどこまで拡大するか」に関しては諸説あるにせよ、FOIPという多国間連合の枠組み自体が有効であることは間違いありません。
そう考える根拠のひとつが、産経ニュースに昨日の夜掲載された、次の記事でしょう。
ロシア、日米豪印の「クアッド」警戒…インドや韓国取り込み画策
―――2021.4.9 20:11付 産経ニュースより
産経によると、ロシアは「日米豪印4ヵ国の枠組み『クアッド』やその拡大を警戒」し、「インドの引き剥がしや韓国の取り込みに動いている」、と報じています。具体的には、セルゲイ・ラブロフ外相が3月下旬に韓国を、今月にインドを訪問した、というものです。
このうち韓国に関しては、当ウェブサイトでは『北朝鮮ミサイル発射とロシア外相の訪韓は「同じ文脈」』でも取り上げていますが、産経ニュースはインド訪問に関して、「クアッドが権威主義国家の中露に対する包囲網にならないよう、くさびを打ち込む意図がある」と評しています。
ロシアといえば、北大西洋条約機構(NATO)の圧迫を受けている立場でもありますが、これに加えて極東でもFOIPが「アジア版NATO」に発展すると厄介だ、という思いがあるのでしょう。ロシアの反応は、ある意味で当然のものでもあります。
ただ、身もふたもない言い方ですが、ロシアがFOIPに危機感を持っているということは、言い換えれば、FOIPが(現在のところは)中国に加えてロシアや北朝鮮などの無法国家を包括的に牽制するという意味で、非常に強い効果を持っている、ということでしょう。
ことに、ロシアの前身国家であるソ連は、第二次世界大戦で日本がポツダム宣言の受諾を宣言したあとであるにも関わらず、千島、樺太への侵攻を続けましたし、これらの地域の一部では日本側の守備隊との戦闘も発生しています。
ロシアとの領土問題という懸案を抱える日本にとっては、FOIPの有効性を思わぬ形で確認した、という言い方をしても良いのではないでしょうか。
いずれにせよ、『中露朝韓「無法国家クアッド」を「正しく」警戒すべき』などでも述べたとおり、日本としてはむしろ、周辺国との摩擦を恐れずに、FOIPクアッド、FOIPペンタ、FOIPヘキサ、FOIPの機能を強化し、範囲を広める努力をすべきでしょう。
View Comments (28)
インドはロシアの工作で引き剥がされる可能性はありますね。
ロシアの兵器も使ってるインドは完全に米国側に鞍替えできるのかな?
そのときは日本が頑張ってインドを引き留めないと。
旧ソ連時代を含めてロシアとインドは親密な関係にあります。最近、対中国でインドとアメリカは接近していますが、日本の楽観的な報道とアメリカの厳しい報道に温度差があるようで、それ程、相互の信頼関係はないように思われます。インドは多民族・多言語国家で、カースト制も根強く残っていて、大都市には巨大なスラムや路上生活者が多数いて、アメリカ人の人権感覚に耐えるような状況の国ではないと思います。インドのほうも、植民地支配の長い歴史の影響もあって、欧米には、あまり心を開いていないと思います。自国の近くに米軍が展開することにも抵抗しています。
ロシアという国は人口は日本程度、GDPは韓国程度しかないくせに、なんであれほどの国力を保持できるのか。民生産業はからっきしダメなのに兵器開発はやたらに上手で宇宙開発もなかなか。色々といびつな構造になっているのでしょう。いつかは破綻するのでしょうが、それまでわれわれがもちこたえるかどうか、心配です。
ロシアは、品質はともかく、生活必需品等は基本的にすべて自給でまかなえます。また、広い国土には様々な資源があります。特に、天然ガスはEUにパイプラインで輸出していて、EUはロシアの天然ガスに大きく依存しているので、本格的な経済制裁はできません。中国も似たようなところがあり、北朝鮮のように、簡単には経済制裁は効きません。
独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
(そう自分に言い聞かせないと、素人が舞い上がってしまうので)
ロシアとしては、日米豪印クアッドが拡大して、中ロ包囲網になることを警戒していますが、(形式上は選挙で大統領を選出している)ロシアとしては、中国包囲網のクアッドに協力して、中国をけん制することになる可能性も考えているのではないでしょうか。なにしろ、先のことは誰にも分かりませんから。
駄文にて失礼しました。
安倍前総理のすごいところはトランプさんとプーチンさんの両者と表向きは仲良くしていたところと思っています。
私の思い込みかもしれませんが、米露双方の牽制になっていたのではないかと思います。
菅氏総理にも受け継がれていればいいなと思います。
投稿後に思ったのですが、こういうのも隣国の得意技の二股とか蝙蝠になるのでしょうか。
勝手な持論。
もしアメリカが世界を俯瞰して、中国との新冷戦に必ず勝利するという確固たる目標を定めるならば、アメリカは過去の米ソ冷戦を水に流し、ロシアを味方につけるべき。
味方につけないまでも、中ロを組ませるべきではなく、組ませないまでもFOIPの邪魔はしないように説得すべき。
ロシアは、中国の事を快く思ってなくて、きっと「敵の敵は味方」程度だと考えてます。
利に聡いロシアは、きっと目先の利益に転ぶはずです。
私は、米中新冷戦は、中国有利と見ています。なので、中国に必ず勝つために、基本的価値観は違いますが、ロシアを説得するべきだと思います。
中国との冷戦に勝利すれば、ロシアはいかようにもなると思います。
長い歴史的経緯から、アメリカ人の反ロシア感情は、日本人の嫌韓感情や、韓国の反日より、ずっと激しいです。それに対して、反中感情はそれほどではありません。
>産経によると、ロシアは「日米豪印4ヵ国の枠組み『クアッド』やその拡大を警戒」し、「インドの引き剥がしや韓国の取り込みに動いている」、と報じています。
インドはともかく、韓国は持っていって貰っても良いのかも♪
今は、米韓VS中朝のにらみ合いで朝鮮半島が緩衝地帯になってるけど、米韓関係もグラグラしてて韓国が今にも中国に取り込まれるって状況だと思うのです♪
中朝韓と相対することを考えれば、それなら露韓VS中朝の睨み合いになってくれて朝鮮半島の緩衝地帯としての役割が果たしてくれるんなら良い話なんじゃないでしょうか?
EUに関しては、「まず価値観ありき」ではなく、第二次世界大戦の結果によって植民地をほとんど失う羽目となり、独力では米ソに対抗し得なくなった西欧諸国が、少しでも対抗できるように、発言権を維持できるようにとする「利害関係の一致」がまずあり、その後共同市場の構築などのために「自由市場主義経済、民主主義の尊重」といった価値観の共有性が後付けで付加されたものであるように思えます。つまりは、NATOの経済版というところが出発点というわけです。
同様に、FOIPも中国の膨張主義への対抗という安全保障戦略上の問題が出発点としてあり、中国を過度に刺激しないために「価値観の共有」という看板を掲げているだけなのではないか、という見方も可能であると思います。つまり、そもそもの目的は膨張主義中国の封じ込め、または抑止であり、その鍵となる国々(cornerstone)がたまたま「自由市場経済と西欧型民主主義指向」という点でも一致していただけであって、対中抑止連合の構成という目的のためには、価値観の多少の相違には目を瞑ることもやぶさかでないというわけです。言い換えれば、「価値観を共有しているから連合した」のではなく、「ある目的のために連合したら、たまたま価値観を共有している(と思われる)部分が多かった」ということであり、ベトナムのような一党独裁国家であっても、目的を共有できるのであれば問題はないし、逆に韓国のように、表向きは価値観を共有していることになっているけれども目的を共有できない国を参加させることはないということになります。
このように考えた場合、ロシアの位置づけは結句複雑なものとならざるを得ません。対中牽制という意味で、ロシアがFOIPに参加する可能性すらあると思っています。ロシアとしては、対中包囲網が対ロ包囲網にすり替わることを警戒しつつ、対米牽制も視野に入れているという段階でしょうか。少なくとも、ロシアは中国と心中するつもりなどさらさらない、とだけは言えると思います。
FOIPが「価値観の共有性」を掲げているという点では特に異論はありませんが、そこだけに目を向けると、情勢を見誤りかねないとも思います。
龍様
同感です。
目的があくまで中国包囲網ということならば、表面的に「価値観の共有性」の御旗を掲げるのは良いにしても、裏での実質的な協力においては「欧米的な人権尊重」を過度に押し出すことは避けるべきかと思います。
このままでは、バイデン政権は、ロシアのみならず、インド等の独自の価値化を持つ諸国や、トルコ等のイスラム諸国も敵に廻しかねません。
幸か不幸か日本の運命を握っている同盟国なので、かっての大英帝国のように、もっと狡猾に立ち回って欲しいものです。
「人権」は対中カードとして明らかに有効ですし、アメリカ民主党の嗜好にも添うものであるので、とりあえず掲げておいても構いませんが、過度に強調すると付いてこられなくなる国が続出する恐れがあります。その意味では、FOIPがまず「法の支配 or 法治主義」と「航行の自由」を第一に掲げているのは、正しい戦略であると思います。ここで(西欧型)民主主義だの、自由至上主義などを過度に強調するのは必ずしも得策とは思えません。
日本としては、地理的にも近く、少なくとも現在のところ経済的関係も浅くない中国と徒に衝突するのは望ましくはありません。しかしながら、中国の膨張主義をこのまま放置すれば日本の国益といずれ衝突するのは明らかです。ゆえに、中国の膨張主義を抑止する必要があります。言い方を変えれば、中国が膨張主義を放棄してくれさえすれば、日本としてもあえて対立する必要はないわけです。
しかしながら、中国史のパターンを省みると、王朝初期はとにかく国力の限界まで膨張し続け、その後ダラダラと停滞と衰退の下り坂を下った挙句、最終的には大内乱で滅亡するというものです。現在の中国は、まだ国力の限界に至っていない、あるいは限界に至っているとは認めていないため、膨張圧力が止まるに至っていません。その意味では、中国が膨張主義を放棄せざるを得ないよう追い込んでいくことが肝要であると考えています。FOIPは背景としての装置として、おそらくは有効だろうと思います。そしてその先のステップをどう踏んでいくかが、いずれ問われることになるのではないでしょうか。
毎度の事ながら、アメリカ合衆国が支那の歴史パターンを理解しうるかが問題となります、というか「連中にはわからんだとうなあ」という諦めがあります。
何しろ米国は、建国からの歴史が、中華歴代王朝の一サイクルにも満たない人工国家ゆえ、また、建国以来、拡張と発展の成功体験しか持たない国家ゆえ、易姓革命のサイクルを下敷きとした戦略を構築できるかどうか。
そこはASEANがわかっててくれればいいんじゃないでしょうか。QUAD+の役目はASEANの防御壁なんで、英連邦と仏がもっとコミットしてくれるならインドも壁の中に移ってもらってもいい。中国としてはこの対立の構図を日印ASEAN vs. 中国の構図から米中の覇権争いにそらしたくて仕方ないみたいだけど、トランプならともかくバイデン政権はもっとうまくやってくれると思ってます。そこは日本の力量も問われるところでしょう。
インドも今の所対中で仕事してくれればロシアと仲良くしてくれるのは構わないし(日米とデータリンクできるんですか?)、クリミア他欧州のことはあっちでやってもらうということで。それにロシアとしても沿海州の件がありますしね。誰か中国外交部の記者会見の場で尖閣や南シナ海の話が出たときに「ところで沿海州はどこの領土ですか?」って質問してほしいw
阿野煮鱒様
アメリカが中国の膨張主義を諦めさせるための目的で同盟諸国等と連携する、というならば大賛成ですが、
アメリカ自体が本当に「正義の戦士」たるのか否か、なかなか解らないですね。。
おっしゃるように、拡張と発展の成功体験しか持たない国家なのが不安材料です。。
龍様
>過度に強調すると付いてこられなくなる国が続出する恐れがあります。その意味では、FOIPがまず「法の支配 or 法治主義」と「航行の自由」を第一に掲げているのは、正しい戦略であると思います。
完全同意です。
安倍元首相の地球儀を俯瞰する外交が上手くいったのは、「法の支配 or 法治主義」を前面に掲げたからだと思います。
中国の膨張&覇権主義には困ったものですね。
膨張&覇権志向を諦め、豊かな経済&安全な生活を送るという当たり前の幸せを国民が送ることで満足するならば、世界は中国を脅威と見ず、WINWINの関係でむしろ尊敬される国になるポテンシャルがあるのですが。。
共産党一党独裁の問題なのか、あるいは他の問題なのか、あるいは人類共通の性なのか。。
中国が方向転換をすることが、中国にとっても世界にとってもプラスであることを自覚して欲しいですね。
中国は2000年以上に渡って中華帝国体制の下で暮らしてきました。だからそれ以外の方法を知らないのです。現在の人民共和国体制も、中華帝国との違いは、トップが世襲であるか否かということだけです。
なので、2000年以上同じことを繰り返してきたように、人民共和国もまた同じことを繰り返すでしょう。
一番の問題は、中国以外の世界が中華帝国華やかなりし頃とは全く変わってしまっていることを中国自身が自覚してないことだと思われます。
ヴィラン集めてスーサイドスクワッド。
前回は日本もそっち側で失敗しましたけど。
所詮ワル同士、価値観でなく利益の連合は脆いもんです。
更新ありがとうございます。
米中覇権戦争はますます激しくなってます。私は悲観的に見る癖があるので(暗い奴やのう 笑)、中国が一見厳しそうに見えるが、半島やアジア・中東諸国、またアフリカ勢の中から、「中国に手を挙げる」国家が出て来る不安を感じます。
これまでに、また現在も中国は未開国、貧国、中等国に夥しい支援という名の大麻・ヘロイン・合成麻薬を注射してます。とてもパイプを断つ事は出来ません。
FOIPでしっかり基盤を作って、イーブンか。そこに英国、仏国、台湾らが参画して勝ちが見えてくると思います。露国は厄介な存在ですが、中国と手を繋ぐ事はしないでしょう。
対中包囲が、対露包囲に向かって欲しくないだろうと思いますから。印は露といろいろ付き合いがありますが、欧州の過去の植民地政策や米国の世界の警察は信じていません。
むしろ日本が一枚挟まる事で、FOIP(5以上含む)に乗っかり易くなったと見ます。中国の国力を削ぐ事に自由主義国らが一致団結すれば、世界は今よりもやや平和になると思います。
米中対立が、米国の勝利に終われば米国一強時代(ソ連崩壊し中国が未だ力をつけていない、1990~2010年頃まで)の再来となるのでしょう。ですからこの場合には、国際社会がどんな感じになるかある程度想像が容易です。一方、中国が米国に代わって覇権を握る時代は前例がないので、それを妄想してみるのも無益でないような気がします。
で、中国一強時代に世界はどうなるか?多分、日本など中国至近の周辺国、特に大洋側の中小国は、ソ連時代の東欧諸国のような衛星国にさせられる可能性が高いと思います。中には、中国連邦に併合される国々(モンゴル、ミャンマー、韓国?)もあるかもしれません。中東諸国は古代ギリシャ・ペルシャ以来の、東西対立における日和見戦略に基づき、中国にとってのかりそめの与国となるでしょう。さらに経済援助がもらえる限りアフリカ諸国なども中国に付くのでしょう。
このような世界で、米国は経済的に一国で十分やっていけますから中国とは敵対のまま、カナダ・豪州などと共に英語ブロックを形成するでしょう。EUや中・南米諸国は、米国寄りだが経済を通じ中国ともつかず離れず、現在と似たような立ち位置にいると思います。軍事・国土大国ロシア、人口大国であるインド・インドネシアなどは、中国に敵対はしないでしょうが、媚びたり従属したりないはずです。
ただ、中国の覇権追求行動はこれに留まることなく、次の狙いは国土広大で地下資源豊富だが人口寡少のロシアとなる感じがします。ロシアは中国にとって、長大な国境線をもって隣り合っていますから、武力に訴えるまでもなく、その国境線から人口を浸透させ、静かに侵略すればいいのです(既に一部ではそうなっている処もあるとか)。それでなくとも中国は、ロシア沿海州は、清王朝前期までは清の領土で、いずれ取り戻すべき「故地」だと思っていますから。
仮に未来がこの様であれば、日本は、旧ソ連時代で言えば東ドイツみたいな感じです。さらに東ドイツからの連想ですが、中国が、日本を一国として衛星国にすると統制が難しいと思えば、2分割くらいにされるのかもしれません。ということで、最もワリを喰うのが日本となりそうです。その次に、中国覇権を好ましく思わないのは、日本などの次に領土を狙われるロシアでしょう。そういう意味で、日本はロシアと利害が一致する面があると思います。あと、中国連邦に併合される国々については、民族の自尊心さえ犠牲にすれば、巨大で強大な中国の一部となれるのですから案外居心地がいいかも知れませんwww。