本稿では、私自身にとっての「愛読サイト」である『中央日報』(日本語版)から、気になった話題を2つほど紹介するとともに、最近話題になっている北朝鮮労働者の送還に関する話題を簡単に紹介しておきたいと思います。表面上、日韓関係は韓国政府による日韓GSOMIA破棄の実質的な撤回によって落ち着いてしまったかに見えますが、それと同時に、朝鮮半島を巡る混乱は何も収束しておらず、むしろ現在は「嵐の前の静けさ」のようなものではないかとすら思えてしまうのです。
2019/12/06 15:30 追記
誤字を修正しております。ご指摘ありがとうございました。
中央日報の「逆ギレコラム」
当ウェブサイトで公言しているとおり、『中央日報』(日本語版)は、私自身にとっての「愛読サイト」です。
その理由はいくつかあるのですが、そのなかでもとくに大きいのは「過去にさかのぼって無料で読める」、「記事のすぐ下に読者コメント欄が併設されている」、という2つの点です(※とくにこの2点については、わが国のメディアにも見習っていただきたい部分です)。
ただし、記事の内容については共感できないものが圧倒的に多く、たとえば今朝掲載された次のコラムなどは、正直、いただけません。
【グローバルアイ】2019年、重い嫌韓の空気(2019.12.06 07:56付 中央日報日本語版より)
執筆者欄には「東京特派員」の「ユン・ソルヨン」とあり(漢字がわからないので以下「ユン・ソルヨン氏」と称します)、東京で休日、右翼団体が韓国を批判する演説を行っているのを見て「気分が沈んだ」、などと述べているものです。
この点、自分たちの国家・民族が、街頭で公然と罵られ、さげすまれる行為を目撃すれば、不快に感じるのは当然のことでしょうし、それどころか、身の危険を感じるようなことがあるとすれば、非常に由々しき事態でもあります。
しかし、それと同時にこのコラム記事では、「日本国内で嫌韓的な空気が蔓延していること」を憂うわりに、自分たちの国で反日的な空気が蔓延していることについては、特段の言及がありません。
それどころか、昨年10月30日の新日鐵住金(現・日本製鉄)に対する韓国大法院(※最高裁に相当)が下した国際法違反の判決についても、
「『韓国は国際法を違反している』。昨年10月30日の韓国大法院(最高裁)の強制徴用賠償判決以降、一日に一度は聞く言葉だ。論理は簡単で『協定文の解釈の差』と反論してみると説明が長くなる。ニュースはもちろん新聞、雑誌、ラジオ、インターネットを問わず日本政府の主張ばかり出てくる。」
などと述べています。
この書き方だと、あたかも「韓国は国際法違反をしていない」と読めてしまいますが、まさかユン・ソルヨン氏は本気で韓国が国際法違反をしていないと思い込んでいるのでしょうか?
ユン・ソルヨン氏は、こう続けます。
「年が変わると韓日関係は良くなるのだろうか。強制徴用の解決策が出てくれば以前のような関係に戻るだろうか。崩れるのは一瞬だが、また築いていくのには長い時間がかかる。春が訪れても春でないようにだ。冬があまりにも長い。」
彼の言うとおり、信頼を作るのには長い時間がかかるが、崩れるのは一瞬です。
しかし、それと同時に彼のコラムにない視点は、①日韓関係を悪化させたのは一方的に韓国の側であること、②日本人が韓国の国際法違反をはじめとする無法の数々に辟易していること、そしてなにより、③韓国の一連の行為こそ、日韓友好を願う日本人の善意を踏みにじる行為であること、です。
日本関連のコラム以外は比較的マトモ?
ただ、この手のかなりおかしなコラムがたくさん存在する一方で、ときどき、「おっ!」と驚くような鋭い視点のコラムも掲載されます。たとえば、次の記事です。
【コラム】バシール政権の突然の崩壊、北朝鮮でも起きるだろうか(2019.12.06 13:14付 中央日報日本語版より)
これは、元駐平壌英国大使のジョン・エバラード氏が寄稿した記事で、今年4月に突然崩壊した、スーダンのバシール政権について述べたものです(ちなみに本件については当ウェブサイトでも『独裁者・バシールの解任と拘束 次に逮捕されるべきは金正恩』で触れています)。
エバラード氏はスーダンを、「韓国人が関心を持つべき国」としたうえで、その理由について、北朝鮮は東ドイツよりもむしろスーダンに近いからだ、と述べるのです。
「スーダンはオマル・アル=バシール大統領の統治の下に北朝鮮のように厳格な統制体制を維持した。国民のほとんどが貧しいのに権力者は贅沢な生活を享受していた。1年前まで誰もアル・バシール大統領の没落を予想しなかった。彼は大統領職を再任し、国連の制裁を耐え抜いた。」
この、「国民のほとんどが貧しいのに独裁者は贅沢な生活を享受」という指摘は、まさに金正恩(きん・しょうおん)の状態そのものでしょう。
エバラード氏は、バシールが没落した経緯を次のように述べます(※日本語を整えたうえで要約し、箇条書きにしています)。
- 2018年末、食料品の値段が引き上げられたことで国民が政権に反発し始めた
- 同年12月19日に北スーダンでデモが始まり、続いて全国各地で、階層を問わず市民が道路にあふれ出た
- バシール政権はデモ参加者を弾圧し、インターネットを切断するなどしたが、デモは鎮圧できなかった
- 2月22日、バシールは国家非常事態を宣言し、数週間の小康状態を得たものの、デモ隊が再び4月6日、軍司令部前の道路を占領した
- デモ隊の参加者はほとんどが若者で、バシール政権支配層の子供もたくさん含まれていた
- 大統領警護隊がデモ隊に向けて発砲したところ、スーダン軍が介入して大統領警護隊に反撃し、4月11日に軍部がバシールを追放した
…。
実に劇的なクーデターですね。
ちなみにバシールは国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状を請求されていますが、スーダンの暫定政権はバシールの身柄をICCに引き渡していないようです。
(※余談ですが、韓国の朴槿恵(ぼく・きんけい)大統領(当時)や国連の潘基文(はん・きぶん)事務総長(当時)が、2015年9月に中国・北京で行われた抗日戦終了70周年記念式典に参加し、天安門に上ってバシールと並んで座ったという椿事も発生しています。)
北朝鮮はどうなるのか
つまり、どんな盤石な政権に見えても、独裁政権の場合は、ある日突然、崩壊するリスクがある、ということです。これについてはスーダン以外にも、たとえばルーマニアのチャウシェスク政権(1989年崩壊)、リビアのカダフィー政権(2013年崩壊)のように、いくらでも事例があります。
さて、これに関連し、中央日報から離れて、数日前から当ウェブサイトでも少しずつ紹介している話題についても取り上げておきましょう。それは、国連加盟国は国連安保理決議に従い、今年中に北朝鮮労働者を強制送還しなければならない、というものです。
これに関連し、韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)は、本日、こんな記事を掲載しました。
北朝鮮労働者の送還期限迫る ロシアの対応は=閉店のレストランも(2019.12.06 11:32付 聯合ニュース日本語版より)
聯合ニュースによると、北朝鮮出身の出稼ぎ労働者の送還期限が22日に迫るなか、ロシアでも労働者の帰国が続いているものの、労働者派遣が北朝鮮にとって貴重な外貨収入源でもあることから、これらの労働者が就労ビザを留学・商用ビザなどに切り替えてロシアに残留する可能性がある、とする記事です。
ただ、ロシアの事情はさておき、一般論でいえば、国連安保理制裁決議がなされている以上、北朝鮮が来年以降、大っぴらに労働者を外国に派遣して外貨を稼ぐ、ということは難しくなるでしょう。
なぜなら、この「北朝鮮出身労働者の締め出し」は『国際連合安全保障理事会決議第2397号』によって盛り込まれたものであり、採択された2017年12月から「24ヵ月以内に」、自国で収入を得ているすべての北朝鮮国民を北朝鮮に送還させることとされているからです。
だからこそ、金正恩や北朝鮮が、最近、非常に焦っているのかもしれませんね。
View Comments (36)
>ロシアでも労働者の貴国が続いているものの
最下段落は貴国→帰国かと
誤字くらいしかコメントできませんが・・
こんとん 様
大変ありがとうございます。助かります。引き続きご愛読とコメントを賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
私の場合、「韓国はもうすぐ経済破綻する」同様、「北朝鮮の体制はもうすぐ崩壊する」にも麻痺しておりまして、「ふーん」としか反応しなくなりました。
ベルリンの壁がなくなっても、ソビエト連邦が崩壊しても、ビクともしなかった北朝鮮ですので、北朝鮮はソ連よりも堅固な国だといえます。
変な期待をかけずに、淡々と事態を見守りたいと思います。
阿野煮鱒さま
もう、待ちくたびれた感が、有りますね。
北朝鮮は、アメリカによる空爆以外は、期待していません。
韓国の経済崩壊は、期待が大きいので、はーやく来い♪と思います。
阿野煮鱒様へ
>ソビエト連邦が崩壊しても、ビクともしなかった北朝鮮
東ドイツも東欧諸国もそれなりに自由と人権を謳歌した時代があったのですから、ソ連共産党の独裁にいつまでも付き合うことは無かったのでしょう。締め付けていた箍が外れれば元に戻ると言う事です。
ところが半島は清国属の時代から自由や人権とは縁がない態勢が続きました。辛うじて日帝強占期にはそういう風も感じたハズですが、反日が生きがいの為、清国属よりも酷いと言う刷り込みになっています。
こういう国には案外キム王朝のように徹底した独裁が心地よい=M気質なのではないでしょうか?
ムン政権支持層が韓国に半分以上も居るということは、韓国民もキム王朝独裁に憧れを持っているのだと思います。
ユン・ソルヨン氏のコラム記事は、いつものアレですね。つまり「韓国が国際法違反をしているという日本の認識を変えさせなければならない」と。
韓国が国際法違反をしているというようなレッテル貼りをやめさせなければならない、ですねー。
自分たちの行いを正すことは思考にものぼらせず、まず日本の認識を糾弾する。
日本の「嫌韓」はヘイトだと決めつける。
まあ、それでかろうじて面子を保てるんでしょうねー。
追伸
逆ギレと言えば、キム・ヒョンジョン安保室第2次長がGSOMIAのドタ延長の件で日本を逆恨みしているらしいです。昨夜のBSプライムニュースで武藤元大使がそのようなことを言ってました。彼の性格的に、どうにかして日本に仕返ししようと根に持っているはず、だとかw
ホンマカー?
ちかのさま
この前のマッサージ嬢をレイプした朝鮮人の主張も
「私がレイプしたという認識を変えなければならない」という感じでしたよね。
主観が全て、自分は正義の国民性ですからね。
普通の日本人が見れば、逆ギレですよね。
「文大統領を追い込んだのは、アベだ」も逆ギレだと思いますけどね。
半島民のDNAとも言える、悪いことは他国のせい、良いことは自国が優秀ニダ、と言う思考回路のなせる考えですね。
仮に北朝鮮でクーデターが生じた場合、事態はかなりややこしくなりますね。
中国としてはアメリカにおけるキューバの如く喉元に刃を突き付けられるのを避けるため自国の傀儡とするために全力を尽くすでしょうが、香港やウイグルなど政治的な不安要素に加え、貿易摩擦における経済的な不安要素がそれを容易に可能としないでしょう。地理的な点ではロシアも指を咥えている筈もなく、中国としてはこちらの牽制にも躍起にならざるを得ません。
反面でアメリカにとっては旨味のある状況です。なにしろクーデターが-民主化を志向していれば自由主義諸国の旗を振って介入し放題ですし当然中国との経済交渉の強いカードにもなります。政治的経済的に北京で大勢に胃痛薬を常用させることができるでしょう。
さて、仮にそうなった明日の世界で韓国はどう動くのでしょう。
お題目としては一つの民族一つの国として必然的に救済を志向するでしょうが、果たして中国の睨みに耐えることはできるでしょうか。なにより経済危機目前にして身内を救うほどの甲斐性があるのでしょうか。
尻尾を巻いて帰ってきても従前緩衝地帯だった国境は直接大国と対峙する危険地帯と化しています。頼りになる米国は兼ねてからの日和見的な行動にそっぽを向き、中国の直接的な隣接地に駐留する危険は冒さないでしょう。
そうなった時、ユーラシア大陸の端の半島に投資する他国が防衛に熱意を燃やすほどの然したる利権もなければ、すべきことは身綺麗にしてから粉をかぶり皿に身を横たえるだけです。
先日韓国では彼らが最前線の責を負ってきたなどと愉快な発言がありました。責任感溢れる勇ましい発言は誠に結構なことですが、果たして有事にも同じく勇ましく対処できるか注目したいところです。
日本に在住する朝鮮籍の人たちは北朝鮮に多額の送金を行なっていると聞きましたが、これは制裁違反に当たらないのでしょうか?第三国から日本国の制裁違反見逃しを指摘された場合、どのような理由で正当化できるのでしょうか?
私もそう思いました。
朝鮮籍の方や、様々な手段を使って送金されている方は対象になるような気がします。
しかし、日本国内で騒ぎにならないところを見ると、何らかの法的な除外のようなものがあると思われます。
どなたか、詳しい方は教えてください。
埼玉人 様、および匿名のコメント主様
コメント大変ありがとうございます。
あくまでも想像ですが、日本に居住する「朝鮮籍」の人々は、「北朝鮮籍」という意味ではなく、「サンフランシスコ講和条約によって日本国籍を離脱した朝鮮半島出身者のうち、大韓民国の国籍を選択していない人々」、という意味ではないかと思います。このため、あくまでも「北朝鮮人」ではなく、強制送還の対象者でもない、ということではないでしょうか。
(ウェブ評論家を名乗る分際で、きちんと調べたわけではありませんが…。)
引き続き当ウェブサイトのご愛読並びにお気軽なコメントを賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
国家承認していない国の人間って日本ではどういう扱いなんでしょうね。
台湾人だって法的には同じような立場に見えますが。
日本が国家承認していない北朝鮮国籍保有を認識しないからといって、国連制裁から逃れられるとは思えません。
朝鮮籍の方々は朝鮮半島に関係がある便宜的無国籍人ですから、北朝鮮国籍保有を前提に対処する必要あるかなと。
北朝鮮に帰国させるべき人たちに在留資格を認めることは国連決議違反じゃないのでしょうか。
更新ありがとうございます。
中央日報にはマシな記事もありますが、それは外国人記者のコラムですね。元駐平壌英国大使のジョン・エバラード氏が今年4月に崩壊したスーダンのバシール政権について述べている。
でも、ユン・ソルヨン氏という韓国人記者に任せたら、以下の通り。
ヤレ、娘連れてて右翼の汚い日本語が聞かれたら嫌だとか、幼稚園の発表会で最後列の端になったのは背が高い理由ではなく、韓国人だからか(そうだろな)とか、ハングル文字見てたら日本人から変に思われているとか(笑)。勝手な事を書くなよ。
その空気を醸成したのは韓国だ。娘は日本人家庭で預かって貰うのが本人にとって一番良い。躾、情操教育を受けられる(笑)。帰国時にはコモンセンスを持つ小学生になっている。自宅で韓国式育て方してたら、反日児を増やすだけだ。
このユン氏は一体今、東京に居て何を感じて暮らしているのか?全部日本が悪くて、韓国にひとかけらの罪も無いとは思ってないよな?韓国は国際法を違反している!それを正さない限り、日本との友邦関係は無い!
ユン・ソルヨン東京特派員の感じ方は、そっくりそのまま戦後の在日コリアン達が今に至るまで感じて来た傾向にもなるんだろな、と思います。
だから、今現在の在日コリアン達は、一部の真当な人達以外は「私達在日コリアンは一点の曇りも無い被害者である!」という勘違いに気付けないんだろな、と。
そんな在日コリアン集団と日本社会で日本人が共生出来ますかねぇ…私は無理だと思いますが。
20世紀的な意味における国家像の合意を作ることができずに、外国の兵器を使っていさかいを戦争解決を試みたのが朝鮮戦争の本質でした。東ドイツが兵器を使って西ドイツに攻め入り交戦することは起きませんでした。ですから、東西ドイツ分割とそれの解消という前例は、半島にはまるで対応せず参考にならないはずですが、サイト主さまの引用によれば北朝鮮を東ドイツになぞらえて考えたりしているみたいですね。
黒田さんが、北朝鮮が焦っているのは「新年の辞」で、アメリカからの成果を、述べたいからという要因もあると、話しをしてました。
プライムニュースを見てますが、なんでヨン様の日本語は、あんなに気持ち悪いんですかね?
朝鮮人が話すと、あんな感じなんですかね?
今日も、ヘイトでおしまいにします。
だんな様
同じくプライムニュース見ながら、でーす。
思うに、ソレは李泳采さんの言葉の端々にムンムン・ラブ(はーと)があふれているから?ではー?
お隣のホンさんが苦虫を噛み潰したような顔をこらえつつ、李泳采さんをチラ見する様子が何とも言えないでーすw
ちかのさま
あの朝鮮人同士は、プロレスじゃ無くて、本気で仲悪そうですよね。
だんな様
お、ホンさん「キチ○イ」発言w 「妄想」w
よくこんなにくっきりミギとヒダリを並べましたー(棒)。
話しよりも、朝鮮人同士の仲間割れが、面白いですね。
反町さんの煽りも、上手いですよね。
メアさんに、李泳采インパクト!
ぜひ、感想を聞いてみたいものですね。
まさに文在寅政権に戸惑う米国を見るようですがw
だんな様、ちかの様
横から失礼します
プライムニュース見てました
キチ○イ発言、久しぶりに
TVで聞きました
リス○ブ○、キチ○イども
恨逃人同士でどうぞ勝手に
○しあってくれです
あ、メアさんはキチ○イの
意味わかってるかな
あの二人見てたらだいたい
理解できると思うけど
キチ○イ=恨逃人ですよ