先ほどの予告どおり、防衛省動画に関するコメントを掲載いたします。なお、この文章は当初、21:00時点で公表したものですが、その後、22:00時点で追記を行っています。なお、追記した部分については、「ここから先が追記部分です」と示しております。
目次
防衛省の本気:動画公表
防衛省がついに本気を出したのでしょうか。
先ほど、火器管制レーダー照射事件に関する動画の一部を、防衛省が公表に踏み切りました。
この「火器管制レーダー照射事件」とは、今月20日午後3時頃、日本海・能登半島沖の日本の排他的経済水域(EEZ)内で韓国海軍が日本の海自P1哨戒機に対して火器管制レーダーを照射したとされる件です。
ただ、これについては、いまだに韓国側は事実関係を認めていません。
日本側はちょうど1週間前の先週金曜日、岩屋毅防衛相みずからが緊急記者会見を行い、この事実を公表したのですが、韓国側はその直後から、この発表を否定。それも、
- レーダーを起動したのは事実だ
- 悪天候のためすべてのレーダーを起動した
- レーダー照射はしていない
など、発表するたびに、素人目にもわかるほど言い訳がコロコロ変化。
さらには「この程度のことで大騒ぎするな」に始まり、「自衛隊機の方こそ先に威嚇飛行してきた」、「韓国政府の了解なく勝手に公表した」、挙句の果てには「安倍(総理)が政権支持率を持ち直すためにこの事案を利用している」だのといった「逆ギレ」までが出てくる始末。
今回の動画が出てきた背景には、防衛省(あるいは安倍総理自身)の韓国に対する強い怒りがあるように思えてなりません。
動画の証拠力は小さいが、意義は大きい
といっても、今回の動画は韓国の軍艦の上空を旋回しながら、自衛官が対話しているというものであり、「レーダー照射が行われたことの決定的証拠」というには、やや弱い気がすることも事実です。
ただし、「当日は悪天候だった」という言い訳は大ウソであり、自衛隊哨戒機から韓国海軍の軍艦や、北朝鮮の漁船らしき船、あるいは韓国の海上警察らしき船などがくっきりと映っています。
さらには、韓国政府側の「通信強度があまりにも微弱で雑音が激しく、コリアコースト(海洋警察)」という単語だけを認知した」という主張についても、映像からはそのような発言、一切確認することはできません。
これだけでも、動画を公表した意義があったと言って良いでしょう。
(※以降さらに追記します。)
(↓ここから先が追記部分です。)
つまり、今回防衛省が出してきた動画は、「証拠力が弱い」といっても、すでに韓国側のウソをいくつか否定する、という効果があるからです。
ちなみに、動画の最初の方で漁船らしき船が映っていることから、もしこれが韓国側の主張する「北朝鮮の漁船」とやらだったとすれば、「北朝鮮の漁船を捜索するためにレーダーを照射していたところ、自衛隊機にたまたま当たった」とする説明は明らかなウソだ、ということにもなりそうです。
さらに、防衛省側が握っている証拠は、この動画だけであると見るべきではありません。
韓国側が「火器管制レーダーを日本の海自哨戒機に照射した」という事実を認めるまで、情報を小出しにしながら韓国をギリギリ締め上げていくのではないかと思います。
韓国側「証拠出せ」「いや、勝手に出すな!」の支離滅裂
一方、今回の防衛省の証拠提示に先立って、昨日、韓国メディア『中央日報』(日本語版)には、こんな記事も出ていました。
「日本防衛省、レーダー問題に自信があるなら資料から公開を」=韓国メディア(2018年12月27日09時48分付 中央日報日本語版より)
これは、韓国日刊紙『韓国日報』(韓国語版?)が社説を通じ、「日本政府はレーダー関連の情報を公開するべき」と主張した、とするものですが、韓国側では昨日まで、政府、メディアなどから「証拠があるなら出して見ろ」といわんばかりの姿勢を取っていました。
ところが、日本政府が証拠動画を出した途端、韓国側はこんな反応をしたようです。
韓国国防省「事実関係ごまかし」 映像公開に反発(2018/12/28 19:15付 日本経済新聞電子版より)
日経の報道によると、韓国国防省はこの動画公開を巡って次のように述べたのだとか。
「日本側が映像資料を公開したことに深い憂慮と遺憾を表明する。一方的な内容を盛り込んだ映像を公開し、事実関係をごまかしている」
いえいえ、事実関係をごまかしているもなにも、そもそも本件を巡ってウソをついてごまかしているのは韓国政府側でしょうに…。
韓国政府はほかにも、
「日本の哨戒機に追跡レーダーを運用していない事実には変わりがない」
などと強弁したうえで、
「人道主義的な救助活動に集中していた韓国艦艇に対して日本の哨戒機が低空飛行をしたことに、友邦国として大変失望する/日本側は韓国と軍事友好協力関係を維持する精神を持続的に堅持しなければならない」
と「逆ギレ」しているようです。
英語版動画も大盛況!
一方、今回の動画を巡り、もう1つ、面白い材料があります。
防衛省は今回の動画に英語の字幕を付けたバージョンも公表しているのです。
こちらの動画も、早くも10万回近い再生回数となっており、英語で多数のコメントが付されています。
もちろん、これらのコメントのなかには、日本の視聴者が書き込んだと思しきものもたくさんあるのですが、たとえば、
- Why the ship NO FLAGs ?(なぜこれらの船には旗が掲揚されていないのか?)
- As far as this video is concerned, South-Korea is the wrong one(少なくともこのビデオに関しては、韓国が間違っている)
- It is clear that there is no reason to use FC radar. Also Korean Ship had to answer to Japan Navy. SouthKorean government has to apologize.(いかなる理由があれFCレーダーを向けるべきではない。韓国の船はまた日本の海軍の呼びかけを無視した。南朝鮮の政府は謝罪すべきだ)
といったコメントがつき、それぞれ高い評価を受けているようです。
日韓関係が変わった!
日本の防衛省がこの動画を公表したことにより、「これ以上韓国を追い詰めたら日韓関係が壊れる」、といった配慮が無駄なものである、ということが証明された格好となりました。最低限、韓国側の謝罪と責任者の処罰を引き出すまで、徹底的にやるべきでしょう。
その一方で、韓国側が、最後までしらを切りとおす可能性は否定できません。しかし、それはそれでまったく構いません。最終的には国際社会において、日本と韓国のどちらが正しいのかが判断されることになるからです。
重要なことは、この事件は日韓関係だけに留めず、国際的に公開の場でこれを行うことであり、かつ、韓国がいつも主張する、「歴史がどうのこうの」という言い訳を、一切排除することです。
いずれにせよ、今回の動画公開により、日韓関係は従来の「密室外交」「道徳外交」から決別し、「公開外交」「正論外交」へと、決定的に変質したと考えて間違いないでしょう。
もちろん、これを突き詰めることにより、日韓関係が崩壊してしまう可能性もあるかもしれませんが、「韓国がウソを絶対に曲げないこと」「日本が韓国のウソを許さないこと」で崩壊するような関係だったら、そんな不正常な関係、さっさと崩壊してしまった方がマシです。
私は最近、本気でそう思うようになっているのです。
オマケ:朝日新聞社説を予測する
さて、明日以降、朝日新聞あたりは防衛省のこの決定を批判する社説を掲載するのではないかと思いますが、あらかじめ、その社説に含まれる要素を予測しておきましょう。
おそらく、朝日新聞のことですから、「ケンカ両成敗」方式に出ると思います。これは、
「確かに韓国側にも悪いところはあったかもしれない。だが、韓国は日本にとって大切な友邦だ。韓国の了解なく一方的に動画を公開したことは、両国の信頼関係を傷つけかねない行為だ」
などと、最初に韓国側を批判しながら、後段で批判を日本に持っていく手法です。
あるいは、今回の動画にレーダー照射事件の証拠力が乏しい点を突いてくるかもしれません。
ただ、先ほども申し上げたとおり、今回の動画の趣旨は、レーダー照射そのものの決定的証拠というよりはむしろ、韓国政府側の初期の言い訳がすべてウソだったという事実を、「動画」という分かりやすい形で示すことにあります。
いずれにせよ、朝日新聞がどんな謎理論を展開して来るのかは、もう1つの隠れた楽しみ(?)といえるかもしれません。
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北朝鮮がだんまりなのが不気味です。救助(?)されたのが北の漁船で漁師の設定ですが、果たして事実なのか?脱北者でない善意の漁師が救助されたのなら、何かコメントがあっても不思議ではない。南の人道的な対応に感謝するとか、日本の態度はなんだとか、そうでなくてもいろいろ言いたがりの国なのに、今回は全く静か。
まあ、日韓の離間工作が順調だくらいな感じなのでしょうか?逃げた高官が捕まって安堵してるのか、ヤブヘビになるから知らんぷりしているのか。
こんなに嘘つきの国が「自称慰安婦」だとか「性奴隷」だとか騒いでいるのだ。「出稼ぎ応募工」が強制労働させられたとゴネているのだ。「竹島」の領有権を捏造しているのだ。これらはみな、韓国という嘘つきの国の虚偽の言い分なのだ。その真実が世界に知れ渡ってほしい。これがそのきっかけになってほしい。
日本のP-1哨戒機はやっと国産化出来た虎の子なので、軍事機密的には認めるまで少しづつ公開ってところなのでしょうね。
本来なら公開したくない情報ばかりでしょうから、、、
まぁ少しづつ公開の方が関係各国へ韓国の非常識さをアピールできますし、その為に英語版のYouTubeの公開もしてますしね。
英語圏の方のコメントがひどい有様ですが、、、
ただ、中国船舶が海保へ体当たりしたときにYouTubeにアップされたのと違い、省庁・政府一体となって動けてる所は評価すべきだと思います。
位置情報を出していませんねぇ
もしかして日本の領海ないし接続水域だったりして
もしそうなら国旗や海軍旗を掲げていない武装船
無害通行権は主張できません
仮にそうだとすると政府(自衛隊)が侵略行為として「適切な対応」をしていなかったことになり批判の対象になるかと思います
韓国側の態度が「アレ」なのでそのうち詳細が解ると思いますけど
どこまで粘ってくるのか?
年末年始の特番よりも面白そうで(不謹慎w
位置情報が触れられているのは私も気になっています。
位置情報を公開することが、韓国にとって不都合みならず、海上自衛隊にとっても、侵犯行為の見逃しなど何らかの不作為があったと明らかにすることになるのではと邪推してしまいます。
どういう顛末になるにせよ、今回の事件が自衛隊にとっても有事に対する心構えをより現実的で厳しいものにしてくれるものと期待します。
平たく言えば、「二度とするな」ということです。
国家間の紛争を起こしかねない危険な行為ですから、はっきりと決着をつけなくてはなりません。
英語バージョンの動画も公開しているのですね。素晴らしい。自分は翻訳の仕事をしているので、とりあえず英語には詳しいつもりですが、動画の字幕はおおむね正確に翻訳されていると思いました(とはいっても、専門用語の正確性まではわかりませんが)。動画に対するコメントについては、"Korea is a liar"みたいなコメントが多くて、日本人が頑張って英語でコメントしているのかな、という感じもなきにしもあらずですが、とにかく英語でメッセージを発信するということは、国際社会に対しては圧倒的な力があると思うので、このまま頑張ってほしいです。
律儀な追加の情報ありがとうございます
この問題に関して
韓国の野党はいろんなことを言っている様子ですが
日本の野党のなんとおざなりなことwww.
これが実態です。
更新ありがとうございます。
本題の前に、やれやれ小さいお子様がいると大変ですね(笑)と思いました。寝かしつけてからサイトの作成。でも、たまには一緒にずっと添い寝してあげて下さい。
というのは、子供はたま〜にムックリ起きることがありませんか?寝ぼけまなこなんで、またそのまま寝る事もありますが、パパかママが居ないと起きて泣き出す事もあります。
私は、1時間ぐらい添い寝して隣室に行って、本を読んだりしてましたが、『さぼるな!』と言われた気になりましたね(笑)。あと、コチラも睡眠不足になるので(当方7時間は必要。身体弱いねん 笑 )体調管理を今以上にしっかりやりました。
でもね、一緒に子供と寝るなんて、ほんの一瞬ですよ。大きくなると「え?なんで〜?」と、なります。ショックです(笑)。我が子と寝れるなんて、今考えたら至福の時です。
防衛省のユーチューブ発表、韓国はぐうの音も出ない内容です。相手が細かい点でイチャモン付ける、否定するのは織り込み済み、しかしあの緊迫したやりとりは、「ホンモノ」が持つ重さがあります。
韓国の二転三転した発言がすべて、幼稚な嘘だった。『当日、天候が悪く視界も良くなかった』✖️→雲量1、視界も良い。青空やん!波も静か。
『北の漁船を探す為、水上レーダー、対空レーダー他すべて使った』✖️→哨戒機が駆逐艦を発見した時、既に漁船は目の前、ボートも居た。警備船も近くに居た。アレで更にレーダー照射する必要ナシ!
更に駆逐艦、警備船とも国旗、軍旗等を付けてない。日本のEEZで何処の船か不明にするのは、国際法違反だ。隠れてまでコソコソ何をやってるんだ!怪しさてんこ盛り。
また防衛省は英語版も作成、大ヒット(笑)してます。まだ哨戒機絡みのネタは持っているでしょう。韓国は絶対認めないだろうが、国際的に嘲笑されるだけ。
素直に謝り、白状しろ。また賠償金も請求する。ミサイル飛んで来る一歩手前なんだからね。文大統領が謝罪しろ。さあ、次の一手はいつかなぁ〜(笑)。
今回の撮影の場所が気になりますね。これが、日本の領海だったら、大事です。
北朝鮮の漁船と韓国海軍は何をやっていたんだ?ということになります。
艦砲を自衛隊機に向けていないからと韓国側を庇うようなメディアがありますが、
航空機はミサイルで撃ち落とすこともできるから、庇う理由にはならないと思います。
読売新聞によると、韓国から今回の件は非公開を希望してたようです。
https://www.yomiuri.co.jp/world/20181228-OYT1T50090.html
しかし時事通信によると、安倍首相が押し切って、公開した模様。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018122800890&g=pol
皆さんご指摘のように、韓国の主張は嘘だらけと言うことですが、どう流れるんでしょうね。
韓国の謝罪は期待薄ではと思いますが...
時事通信の記事は、上念司氏がフェイクニュースと弾劾しています。
https://twitter.com/smith796000/status/1078596056907014144
時事通信がまたもやフェイクニュース!防衛省が映像の公開を渋ってる?違うでしょ。自衛隊の現場の人はむしろ公開すべきだって主張したんだけど、時事通信の情報源になってる某お偉いさんお一人が反対なんだよね。ぜーんぶ知ってるぞ!嘘つき新聞め!!
ここまで引用しました。
ここからは私見です。
sengoku38の尖閣での中共武装漁船衝突動画の経緯を考えても、現場が動画公開に難色を示していたとは思えません。
仮に難色を示していたとしてもその理由は軍事機密にまつわる部分ではないかと思われます。
防衛省の迅速かつ積極的な動画作成(同時に日本語版・英語版字幕付きでの公開など)の経緯や、過去の時事通信による多いフェイクニュースの実績などを考えても、この記事は、安易に信用できないと思います。
もう一点、補足させてください。
防衛省の現場が映像の公開に難色を示していたと思えない理由は、防衛省が、この動画の公開と同時に、防衛省公式のTwitterアカウントを開設していることです。
https://twitter.com/ModJapan_en
最新の記事にもございますが、防衛省によるこの積極的な情報公開は、非常に良い兆候だと思います。
さらば密室外交 防衛省による動画公開を歓迎すべき理由
https://shinjukuacc.com/20181229-01/
この記事にて管理人様がご指摘された「密室道徳外交」は、日本の国益を損なってきた原因のひとつであると、私も考えております。