言論プラットフォームの『アゴラ』に、アジア開発銀行出身の酒井直樹氏が、非常に興味深い論考を寄稿されています。私自身、外交官でも何でもありませんから、この酒井氏の記事が正しいのかどうか、保証することはできません。しかし、マス・メディアがラオスの事故についてダンマリを決め込む中で、酒井氏の指摘が参考に値することは間違いないでしょう。
目次
度を越した「報道しない自由」?
7月23日に発生した、ラオスのダム決壊事故を巡っては、当ウェブサイトでもずいぶんと話題に取り上げて来ました。
ただ、事故の規模が大きい割に、不思議なことに、わが国では続報がほとんどありません。とくに、大手のマス・メディアだと、産経や日経などが「事故から1ヵ月目」というレポートを報じている以外は、目立ったニュースはありません。
ラオスのダム決壊から1カ月 避難者6000人、補償が焦点 建設企業の責任追及へ(2018.8.23 20:27付 産経ニュースより)
ラオスの水力発電計画、宙に ダム決壊から1カ月(2018/8/24 6:30付 日本経済新聞電子版より)
どうして大手メディアがこの事故をあまり取り上げないのか、不思議でなりません。
少しわき道にそれますが、インターネット上では、某匿名掲示板などで「韓国企業が深く関わっていたから、韓国に『忖度』(そんたく)でもしているのではないか?」、「マスゴミ(※)の『報道しない自由』が炸裂している」、といった意見も見られます。
(※『マスゴミ』とは、「ゴミのような情報しか流さないメディア」、「取材方法がゴミのように酷いメディア」などに対する、一般人からの怒りを込めたネット・スラングの一種。)
もし本当に、「韓国企業が深く関与していたから日本のマス・メディアが事故の続報を取り上げない」というようなことがあれば、これは本当に由々しきことです。
実際、マス・メディアは野田聖子総務大臣の「GACKTコイン疑惑」についてもほとんど取り上げていませんし、また、立憲民主党・吉田統彦衆議院議員の文科省汚職疑惑については、ほぼ完全に無視している状況にあります。
それなのに、朝日新聞社が仕掛けた「虚報」の一種である「もりかけ問題」などを大々的に取り上げる始末です。このように考えていけば、マス・メディアが「報じるべき内容を報じない」一方で、「ウソ、誤解を招くような内容」を大々的に報じているのではないか、との疑念は晴れません。
8月に入り、当ウェブサイトへのアクセス数が急増した理由は、人々のこうした「マス・メディア不信」があるのではないか、とも思えるのです。
ラオスのダム決壊事故巡る虚実
改めて振り返る、「日本の責任」論のデタラメぶり
ラオスのダム決壊事故に話を戻しましょう。
この事故は、ラオス南部で建設中の「セピアン・セナムノイ補助ダム」が7月23日に決壊し、50億立方メートルもの水が周辺の村落を押し流したもので、この事故により現時点までに36人の犠牲者と97人の行方不明者が生じたことが判明。罹災者は6000人にも達しています。
ただ、このプロジェクトに資金を出した銀行のなかに、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の海外子会社であるアユタヤ銀行が含まれていたことから、扶桑社系の『ハーバービジネスオンライン』というウェブサイトに先週、「決壊したダムは日本の資金だ」とするトンデモ系の言説も掲載されています。
これについて詳しくは、先週、当ウェブサイトの『「決壊したラオスのダムは日本の資金」記事の事実誤認が酷い』のなかで指摘したとおりですので、詳しくはこの記事を読んで下さい。
ごく簡単に振り返っておくと、この主張の主は、「資金と資本」、「デットとエクイティ」、「単独融資とシンジケーテッド・ローン」、「一般融資とプロジェクト・ファイナンス」などの違いも分かっておらず、単に
「プロジェクトに関係している会社を調べたら日本の資本や資金の提供を受けている会社があった」
ということだけを手掛かりに、「決壊したダムは日本の資金で作られていた」といった短絡的な結論に至ったものでしょう。このようなハチャメチャな論考を書かないように、私自身も他山の石にしたいと思います。
どう考えても韓国の単独案件で日本は無関係
もっとも、冷静になって調べていくと、今回のプロジェクトは、単純に「韓国の単独事故」という側面が強いと考えられます。
プロジェクトの資金調達を行っている主体は「セピアン・セナムノイ電力会社(PNPC)」という特別目的会社(SPC)ですが、PNPCのウェブサイトによると、出資比率は韓国企業2社が49%、ラオス企業が26%、タイ企業が25%です。
- 韓国「SK建設」…24%
- 韓国「西部電力」…25%
- ラオス「ラオス・ホールディング・ステート・エンタープライズ」(LHSE)…26%
- タイ「ラーチャブリー発電ホールディング」(RATCH)…25%
また、総工費10億ドル少々のうち、株式が3割、借入金が7割で、このうち借入金については、「オーストラリア・ニュージーランド銀行」(ANZ)や「韓国輸出入銀行」(KEXIM)などが主幹事となり、2014年に総額7億ドル少々をシンジケーテッド・ローン形式で調達しています。
なお、先週の記事では触れませんでしたが、2014年といえば、BTMUがアユタヤ銀行を子会社化する前の話です。そして、いったん締結した金銭消費貸借契約書は、銀行の親会社が代わったからといって、撤回したりできるものではありません(これも当たり前の話ですが…)。
このように考えていけば、プロジェクト自体、2つの韓国企業が事実上、主導権を握り、これに韓国の国策銀行であるKEXIMと、国際的な民間銀行であるANZが主幹事として資金を取りまとめているということであり、どのみち日本企業は無関係であることがわかるでしょう。
アジア全体の問題にすり替えるな!
こうした中、一部では、次のような趣旨の主張が見られることも事実です。
- 今回のダム事故に韓国企業が関わっていたことは確かだが、ラオスという国自体、中国からの影響力を削ぐために、あえて韓国企業を参加させたという側面がある。
- ただし、ラオスはラオス人民革命党一党独裁国家であり、受注プロセス自体の公正性には大きな疑問が残る。
- 問題の本質は、メコン川流域の開発という利権に各国の土建屋が群がる構図であり、単にラオスやSK建設の問題に留まらず、インフラの乱開発という観点から厳しく監視されるべき筋合いのものだ。
要するに、今回の事故の本質はSK建設という韓国企業の問題ではなく、メコン川の乱開発問題であり、日本を含めた国際社会全体に責任がある、といった言い方です。そのなかでも特に酷いと私が感じたのは、ダム決壊事故の数日後に、韓国メディア『ハンギョレ新聞』(日本語版)に掲載された、次の記事です。
ラオスダム流失事故、背後には「メコン川開発問題」が隠れている(2018-07-27 06:46付 ハンギョレ新聞日本語版より)
ハンギョレ新聞は、今回の事故の背景にはメコン川で「無作為式にダム建設が進み、これによる水位の不安定が生じてきたこと」があると示唆しています。
しかし、今回のダム決壊事故は、状況証拠から見ると、「ダム建設が相次いだことによる水位不安定」というよりはむしろ、単純にSK建設が手抜き工事を行っただけ(あるいは採用した工法に問題があった)、という可能性の方が濃厚です。
もっとも、現地・ラオスのメディアを読む限りでは、韓国を糾弾するという論調はあまり見られず(『日本のメディアが報じないODAと、ラオスのダム事故の続報』参照)、むしろ第三国の事故調査委員会が結論を出すまではダム新設を棚上げする、という姿勢を打ち出しています。
私は、現段階で「韓国企業が一方的に悪い」と申し上げるつもりはありませんが、逆に、「アジア全体のインフラ乱開発の問題」にすり替えるのも間違っていると思います。現在は、客観的かつ専門的な知見に基づき、事故調査委員会が公正な調査を行うことを期待する局面でしょう。
酒井直樹氏のアゴラの記事
「国連筋からのスクープ記事」
「言論プラットフォーム」を名乗る『アゴラ』というウェブサイトがあります。見たところ、保守的な論調の記事が多いようですが、ウェブサイト全体の論調の信頼度については、私には判断ができません。ここでは、次の記事だけを紹介したいと思います。
「韓国ダム」決壊で孤立のラオスに日本が救いの手(2018年08月26日 11:00付 アゴラより)
著者は酒井直樹氏という人物で、『アゴラ』のプロフィール欄には、
株式会社電力シェアリング代表/アジア開発銀行在籍中から、電気自動車、IoT(モノのインターネット) 等のイノベーションの実業化の動向を分析。ICT、エネルギー、経済・経営分野にも精通している。同銀行を退職後、電力シェアリングを創業。
とあります。
ADB出身者ということであれば、当然、国際開発銀行の融資実務にも通じているのだと思いますが、この記事の冒頭は、次のとおりです。
「これは信頼すべき筋から聞いたスクープ記事だ。これは国連筋から得た情報だが、情報源を秘匿するために配慮して書く。」
なるほど。
酒井氏ご自身がADB時代の友人付き合いのなかで、「国連筋」からも情報を入手する立場にある、ということなのかもしれませんが、この記事が信頼できるかどうかは、その「国連筋からの情報」が正しいかどうかにかかっているのだと思います。
結論的に言えば、先週『「決壊したラオスのダムは日本の資金」記事の事実誤認が酷い』のなかで紹介した、お粗末な論考と比べれば、こちらの酒井氏の論考のほうが、はるかに説得力はあります。
酒井氏の主張にかなり同感
酒井氏はこのラオスのダム決壊事故を巡る、わが国の論調を、こう批判します。
「しかし、世界のネットメディアでこの事故が議論されているポイントはそこではない。それは、「人災」か「天災」かという一点だ。米紙ニューヨーク・タイムズは「欠陥工事か」と報じている。何故か日本のメディアは、今回は頰被りでこの点を一切報じていない。社会正義とは一体なんなんだろうか?メディアの役割とは一体なんなんだろうか?」(下線部は引用者による加工)
マス・メディアがこの事故について、報じるべき点をきちんと報じてこなかったという点については、まったくそのとおりでしょう(※もっとも、私は「人災か天災か」を論じる局面というよりも、「韓国企業の問題か、アジアの乱開発の問題か」という問題のすり替えを警戒すべきだと思いますが…)。
酒井氏によれば、今回のダムは「アースダム方式」と呼ばれ、「地震で壊れてしまう可能性がある」「洪水時の異常出水で越水して決壊してしまう可能性がある」のは「業界の常識」なのだそうです。この指摘が事実だとすれば、
韓国企業が建設費を浮かすために「アースダム方式」という不適切な工法を選択した。
という意味で、韓国企業の一方的な重過失であるという可能性が飛躍的に高まります。
また、酒井氏は次のように指摘します。
「国連はそんなに綺麗な組織ではない。私も類似した国際機関に17年間勤めていたのでその裏と表を熟知している。(中略)実は、韓国はこのような情報戦や外交戦術に非常に長けている。各国ともそのような存在感の高い韓国を「忖度し」、ラオスが「第三者委員会での調査・仲介を」と涙ながらに訴えてもビクともしない。」
この、「韓国は情報戦や外交戦術に非常に長けている」という指摘は、極めて重要です。韓国といえば、米国や日本の同盟国でありながら、中国や北朝鮮に擦り寄るという「二股外交」で有名ですが、言い換えればきわめて狡猾な国である、という意味でしょう。
また、酒井氏は
「大手新聞やテレビ番組は一切取り上げずに、日々「森友・かけ・財務省」等々の日本政府のどちらかというと軽度な問題を「忖度・忖度」とあげつらう。忖度しているのはあなたたちの方だ。偽善者のレッテルを貼られても仕方ないのではないか。フェイクニュースとどこが違うのか。国民の知る権利を阻害しているのはあなた方大手メディアだ。」
と舌鋒鋭く大手メディアを批判するのですが、この点については全面的に同意したいと思います。
熾烈な外交ゲーム、日本が陰の主役?
さて、その酒井氏によれば、現在、「報道されていない熾烈な外交ゲーム」が水面下で繰り広げられているのだそうです。それは、「ラオス政府が助けを求めた国」が日本だ、という指摘です。
酒井氏の主張をかいつまんで紹介すると、
- 事故直後からラオス政府は安倍政権に第三者の仲介役の段取りをするよう助けを求め続けてきた
- しかし朝鮮半島非核化や拉致問題などを巡る韓国との距離を縮めている状況で、日本政府が表立って動くと韓国との外交問題に発展しかねない
- そこで官邸は、日本政府が表に出ないようにしつつも欧米等と連携し、政府とは無関係の専門家を現地に派遣した
ということです。
これが事実だとしたら、安倍総理は大変に素晴らしい仕事をしていると思います。すなわち、
- 日本政府は直接の矢面に立つのではなく、表向きはあくまでもサポート役に徹する。
- 韓国企業に「問題があった」と指摘するために、欧米などの第三国の委員も混ぜて客観的な調査委員会を立ち上げる。
- 中国の影響力がこれ以上侵食することを防ぎ、韓国と直接対峙することも避けられる。
といった利点があるからです。
記事を信頼する?
リンク先の記事からは、「大手メディアが報じない外交の裏舞台」というものがリアルに伝わって来ます。
もちろん、冒頭で情報源を秘匿しているため、読者の中には、著者の酒井氏がウソをついているのではないか、という疑いを抱く人もいるでしょう。しかし、リンク先の記事からは、実際にアジアを代表する国際開発銀行に勤務されていたという経歴によると見られる説得力を感じることはできます。
私自身、残念ながら外交筋の知り合いはいませんし、土木工学の知識もありません。しかし、「金融規制の専門家」を名乗っており、民間銀行側から見たプロジェクト・ファイナンスの実務については、少々詳しいつもりです。
記事を信頼するか、しないかは読者の自由ですが、少なくとも私は、先週紹介した、志葉玲氏が執筆した次の記事よりは、はるかに説得力があると考えます。
建設中に決壊したラオスのダムは、日本の資金によるものだった――韓国叩きに終始するメディアが報じるべきこと(2018.08.21付 HARBOR BUSINESS ONLINEより)
志葉玲氏の間違いは、ファイナンスの基本的な知識すら持たずに記事を書いている点にありますが、これに対してアゴラの酒井氏の記事には、少なくとも私の目から見て、志葉玲氏のような基本知識の誤りは、まったく見当たりません。
酒井氏の主張を全面的・盲目的に信頼するつもりはありませんが、1つの重要な参考資料にする価値があることは間違いないと思います。
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>国連はそんなに綺麗な組織ではない。私も類似した国際機関に17年間勤めていたのでその裏と表を熟知している。(中略)実は、韓国はこのような情報戦や外交戦術に非常に長けている。
世界大統領(ボソッ)w
あの統治時代は国連の地位をどん底まで貶めたという評価ですよねえ。
縁故採用がはびこり、有能なスタッフは告発文を叩きつけて去り、国連施設にはサムスンのTVが溢れかえると。
< 更新ありがとうございます。
< アース式ダムって丁度、土や土嚢を積み上げたような作りですね。日本ではそこら中に溜め池を作った行基上人の頃から堤土を盛り、完成させ、いまだに十分灌漑用水、農業用水に役立っています。因みに私の住む県は瀬戸内、日本海の双方に面していながら、溜め池の数は日本有数です(行基上人だけではないが)。あんなに要るのかな(笑)?
< ラオスのSKが施工したダムは、まさかのこの形式。まあ、今でもどんどん作られているようですが、地震や波浪に弱く、鉄やコンクリートを使ってないので、日本では堤高の制限があるそうです。つまり大型には向いてない。SKのは完成予定図を見ると、割合高さが無く、貧弱に見えますが、まさか決壊まで想定してなかったんでしょう。
< 私は韓国側(SK)の設計施工ミスと、自然災害を甘く見過ぎた、つまりラオスの気象、天候、雨季の最大値、ココらがいい加減だったと思います。決して短時間に1000ミリの雨が降ったからではありません。なら、放水しろよってなります。
< せめて最下層に岩、中層に石を敷き詰めて、水を通しにくいコンクリートを使っていれば、ここまでの大災害にならなかった、というダム専門家もいます。
< 韓国は国連では如何に日本を卑下するか、世界に悪の帝国だと嘘偽りを広報するかに、命をかけています。怯む必要は日本にはない。本来、現場検証して、韓国を叩きのめす絶好のチャンスですが、ここは連合国の大将の一員として、韓国のズルさ、無責任さを解明し、二度と立ち直れないようにして欲しいです。
< 日本のマスゴミはダメだな。一言も最近は報道しない。何してるんや?
基本的に現地の、それもある程度公的な発表や裏付けのある情報しか信用しないので、国内メディアが何を言おうが知ったこっちゃ無い。原因究明報告までの情報は、憶測ベースのノイズと考えていい、と思っています。
あ、一つだけ憶測レベルでも情報が欲しいのは、メコン川下流開発を統括しているはずのMRCが、今回の原因究明調査に関与してないっぽい理由、でしょうか。
何故かラオス政府は国際大ダム会議や各国の専門家に調査依頼している様ですし、MRC側も開発計画の見直しビジョン提示には興味があっても、原因究明への意欲は無さそうなので…
>酒井氏によれば、今回のダムは「アースダム方式」と呼ばれ、「地震で壊れてしまう可能性がある」「洪水時>の異常出水で越水して決壊してしまう可能性がある」のは「業界の常識」なのだそうです。
旧ソヴィエト時代に作られた堤防高さが世界最大のアースダムまだ現役ですし、適切な施工がなされれば何ら問題ないです。地震や越水したら決壊の可能性あるのはほかの形式でも同じですよね?
私もダム板で勉強したクチですが、基本的にダムは貯水できない入水は、「洪水吐き」というシステムでそのまま流せる構造で、「洪水吐き」が越水型の水門で無い限り、越水自体が生じないのが常識なんだそうで。
施工も怪しいですが、今回の事故で一番おかしいのは、オペレーションの方だと言われている所以です。
そうですね、今回のようないわゆるフィルダムは越水したり、越水しそうになると壊れます。そこで水位を常に監視して、一定以上の水位になったら水門を開けて水位上昇を防ぐのが常識と思います。コンクリートのダムは丈夫なので越水しても持ちこたえるタイプも可能ですが、フィルダムは絶対だめです。ダムの監視員は何をやっていたのでしょうか。日本ではこの前、ダムの放水で洪水が起こったのではとマスコミが報道しましたが、あれはダムを守るために仕方のないことです。同じようなことがなぜSK建設ができなかったかが不思議です。なお、ダムの放水といっても日本のあれは入ってくる水と同量を放水したものと推定されます。だからダムがなくても同じ量の水が下流に流れたはずで、ダムがあるから被害が増大したわけではないと思います。なかにはダムの水量を減らしておけば放流しなくてすんだという意見もありましたが、あのダムは発電や工業用水等の目的もある多目的ダムであるので、貯水量をむやみに減らすこともできません。ダムの操作員としては最善を尽くしたものと思います。ただ、被害者にとっては言い訳に聞こえますし、分かってはいるけど納得はできないと思います。
韓国のSK建設が杜撰だということはラオスも重々承知のうえだろう。でも韓国にまかせるしかなかったのはラオスにはお金がないからだと思います。今回の事故の回復だが韓国のSK建設が対応できるレベルを超えているだろうし、ラオスも無理だろう。そうすると第三国に頼るとすると、中国はお金があるが領土の一部を割譲しろとか、高い利息を取ったりするだろうから頼みにくい。日本は先進国でお金もたくさんあるのに領土的野心がまったくなく、しかもいろいろ要望を聞いてくれるので、そりゃ日本に頼みますわ。とりあえず日本からお金を借りますが、時期を見計らって、「日本さん、借金でくびがまわりませんわ。日本から借りた金、チャラにしてくれないと国が壊れますわ。」とでも言ってきて、結局、ダムの復旧費用は最終的に日本が負担することになる気がします。
さらに「ダムの操作はよくわかりませんわ。悪いけど、専門家を派遣してくれませんか。もちろん、日本の全額負担で。」
こんばんは。
直接ラオス国に、円借款は行わないと思います。ご指摘されているように、戻ってくる見込みが低いと国会の手続きで、反対される自民党の方もいるかと思います(もっとも、円借款の執行に国会の承認が必要かどうかを私は知りません)。
世界銀行をはさんでの貸付を行うと思います。その場合には、対象国がラオス国ではなく、韓国の可能性もありますが・・・
世界銀行への返済は、簡単には踏み倒せないそうです(どこかのサイトに、書いてあった記憶があります)。それこそ国がなくならない限りと・・・。
朝鮮が統一された場合には、持ち越していってもらえるように、契約をしっかりお願いしたいものです。
と日本政府に心からの叫びを書いてみました。