事件の概要
大韓航空の趙顕●(ちょう・けんが、●は女へんに「我」)副社長(40)(=当時)が2014年12月5日(金)、ニューヨーク・JFKを韓国に向けて飛び立とうとしていた大韓航空便に、客としてファーストクラスに搭乗した際、乗務員のナッツの提供サービスに激怒し、その乗務員の上司である事務長に対して降機を命じたという事件。同機は離陸のために既に滑走路に向けて移動していたが、いったん搭乗口に引き返し、事務長を下してから出発した。なお、事件を起こした副社長は後日、韓国内で起訴され、有罪判決を受けている。
事件の異例さ
- いかにファーストクラスであるとはいえ、客が乗務員を怒鳴りつけるのは異例
- この乗客は航空会社の副社長という地位にあった
- 航空法上、機長ではない人間が乗務員に降機を命じる権限はない
- トラブルの原因はおよそ250名の乗客に対し、一切説明されることはなかった
同族経営
大韓航空とは「ナショナル・フラッグ」、すなわち、いわば国を代表するエアラインであるが、そのような会社が事実上「同族経営の財閥」に属していることは大きな特徴である。40代の彼女が副社長の地位に就いたのも、彼女が財閥の経営者一族であるためと考えられる。