「あなたが選挙で投票すること」がもたらす重要な効果
正直、1回や2回の選挙で、世の中が劇的に変わるということは、めったに生じません。しかも(あくまでも一般論ですが)参院選は政権選択選挙ではありません。こうした点を踏まえてか、ときどき、「選挙で投票しても意味はない」などと極論を述べる人もいますが、これは違います。あなたが投票すれば、少しずつではありますが、世の中が変わるからです。
目次
山手線の駅名を関した自称会計士は「減税カルト」らしい
当ウェブサイトを通じ、あるいはXを通じて、これまで散々「税金と社会保険料は高すぎる!下げろ!!」、などと申し上げてきたためでしょうか、山手線の駅名を関した怪しい自称会計士は最近、Xで「減税カルト」などと呼ばれているようです。
そのこと自体は、べつにかまいません。
正直、著者自身は当ウェブサイトやXで生計を立てているわけではありませんし、また、当ウェブサイトやXで著名人の仲間入りしようと思っているわけでもないからです(というか、本気でそれを目指すのならば、他にもっと効率の良いやり方があります)。
ただ、このウェブサイトやXなどを通じ、著者自身としては「税社保下げろ」を淡々と呼び掛け続ければ良いと考えています。
というよりも、ひとりの人間が1日や2日、頑張って自分自身の主張を発信したところで、このネット化した世の中、ちょっとくらい注目されることはあったとしても、やがて情報の海の中に消えてしまいます。
それだったら、手を変え品を変えつつも、同じ主張を繰り返し、少しずつ発信していく方が良いのです。
選挙は1回や2回で世の中が劇的に変わることはあまりない
この「同じ主張を繰り返し、少しずつ発信していくこと」について、本稿では、著者自身が最近、ちょっと思うところを申し上げておきたいと思います。
まず一番言いたいことは、私たちが暮らすこの民主主義社会、1回や2回の選挙で劇的に変わるものではない、ということです。
2009年8月に行われた衆議院議員総選挙、あるいはその3年後の2012年12月に行われた衆議院選挙では、それぞれ自民党と民主党の間で議席の大変動があり、政権交代と政権再交代が実現していますが、これなどは「1回や2回の選挙で世の中が劇的に変わった」という意味では例外的な事例です。
小選挙区・比例代表並立制という衆院選の特徴に照らすならば、ちょっとした「風」が吹いたら第1党と第2党の間で政権交代が生じるわけですが、昨今だと与党である自民党、最大野党である立憲民主党は有権者からの評判がどちらも芳しくありません。
そうなってくると、与党の一角を占めている公明党を別とすれば、有力野党(たとえば国民民主党、日本維新の会、参政党、れいわ新選組、日本共産党など)のどこかが「第三極」として台頭してくる可能性もあるものの、やはり小選挙区制度ではこれらの有力野党が自民、立民に代わる大政党に躍進するのは困難です。
参院選は政権選択選挙ではない
これに加えて、せっかくの参院選の機運に水を差すようなことをもうひとつ申し上げておきます。
参院選というものは、一般に、「政権選択選挙」ではないとされています。
もちろん、自公両党の非改選と合わせた過半数割れは十分にあり得るシナリオではありますが、それと同時に参院選は一般に政権選択選挙ではありませんので、与党が参院選で惨敗しても「自民党が下野する」ということにはなりません。
選挙期間前の『数字で読む「自民惨敗」の可能性』などでも述べたとおり、少なくとも今回の参院選に限定して言えば、立憲民主党が非改選議席と合わせて第1党になる可能性は非常に低いでしょう(議席予想に関する具体的な数値を用いた直接的なコメントは控えますが…)。
したがって、(参院選惨敗の責任を取って石破茂首相が自民党総裁職を辞任でもしない限りは)今回の選挙についても政権を変えるものとなる可能性に低く、その意味で、今回の選挙も「世の中を大きく変える」ものとなるかどうかは微妙です(自公が過半数割れすれば話は別ですが)。
「投票しても意味はない」という短絡的な発想
ただ、こんなことを申し上げると、きまってこんなことを言い出す人がいます。
「どうせ、選挙で投票しても意味はない」。
これは「1回や2回の選挙で世の中は劇的に変わることはないのだから、選挙などしても意味はない」、「選挙などやっても世の中は良くならない」、といった趣旨の発言だと思われます。
あえて言葉を選ばず申し上げるならば、短絡的であり、「浅はか」そのものです。
そもそも論として、選挙は「世の中を良くするため」に行われているだけではありません。
選挙の大きな目的は、「世の中をこれ以上悪くしないため」でもあります。
考えてもみてください。
日本はただでさえ官僚の権限が強い国ですが、官僚の言い分を丸呑みする政治家が選挙で勝ち続けた場合、事実上の官僚独裁国家になり果てます。故・安倍晋三総理大臣のころは自民党が選挙に勝ち続けることで、こうした官僚支配の強力な抑止となっていたのです。
また、もし一般の有権者が選挙に行かなければ、組織票が強い政党が実力以上に勝ち、それらの政党が日本の政治に影響力を持つこともあります。
しかし、投票率が上がれば、これらの組織票に強い政党は議席を減らします。先月行われた東京都議選で、投票率がほんの数パーセント上がっただけで、従来は組織票に強いと思われていた政党が議席を減らしたのがその典型例でしょう。
投票率数パーセント上昇で組織票が不利に!
今回の参院選も(おそらくは)政権選択選挙ではありませんが、それでも有権者の投票行動次第では次回以降の衆院選や参院選にも極めて大きな影響が生じてくるはずです。
仮に今回の選挙でAという政党が大躍進し、Zという政党が壊滅的に惨敗すれば、他党がAという政党の真似をし始めるかもしれません。そうなると、次の選挙ではAに加えてAと考え方が似ているBという政党が躍進し、壊滅したZに主張が似ているYという政党もまた壊滅するかもしれません。
このように、1回や2回の選挙で世の中は劇的には変わらないかもしれませんが、しかし、少しずつではあるにせよ、着実に変わります。だからこそ、当ウェブサイトでは「言論と投票で世の中を少しずつ変えること」を強く推奨したいと思いますし、著者自身もささやかながらそれを実践したいと思う次第です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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>仮に今回の選挙でAという政党が大躍進し、Zという政党が壊滅的に惨敗すれば
シビレます。
党首級が「ポピュリズム」と罵りの言葉を異見に浴びせ、「日本は滅びる」と国民を恐喝したことを、有権者は未来永劫決して忘れないでしょう。
>選挙の大きな目的は、「世の中をこれ以上悪くしないため」でもあります。
そうですね。カレー味のウンチよりも『ウンチ味のカレー』を選ぶのが選挙。
m(_ _)mアサカラゴメンナサイ・・。
おはようございます。
皆さまが主張されるところの「民主主義における投票の義務」について否はございません。
ですがカズさまの提起された問題こそが我が国の直面する危機だと思います。
率直に言って何方もご免なのです。
この不自由な選択があらゆる場面で国民に突きつけられています。
奪い施す(為政者は奪い合う時に支配欲を得、施す時に偽の善行の満足感を得るのです)財政の基本方針。
無定見に進められたキャッシュレス決済(世界的に見てクレジットカードの手数料率は異常であり、結果異様なポイントバックが過熱しています)。
レジ袋有償化の強要、ダイオキシン問題が誤解であったにも関らず再開されない家庭用焼却装置の提供、過剰なゴミの分別(その労力と費用は不法投棄業者に利を齎しています)等など。
実直に生きたい!と願う者が辛い思いをする社会です。
私は今この国で起きているのは国民に対する謀叛であると考えています。謀叛を許すのは主人である国民の責任です。
我が国の(憚りながらも)主たる国民の義務は、非常時においては、投票行動だけでは決して済まされないと思う次第です。
今我々を束縛している枷は先達と子孫に対しては決して申し訳はならないとの思いを強くする日々で有ります。
世界で最も民主的な(当時)憲法と言われたワイマール憲法に基づく選挙でナチ党が政権をとったことも忘れてはならない。
石破が嫌いだから憎悪の感情を持って投票行動をするよ。
ただ、投票に意味があるかと言われれば、大した意味を感じないかな。
自民党が勝っても負けても、結局保守は死ぬと思うんだよね。
そう考えると、その時間を他のことに使ったほうがいいと考える人の気持ちも尊重できるよ。
現状がひどいと国民が感じているときに、いわゆる“ヒーロー”が登場すると、投票率は一時的に跳ね上がる。たとえば2005年の小泉郵政選挙や、2009年の民主党による政権交代がそうだ。
ただ、そうした選択が振り返って「正しかった」と言えるかは疑問だ。あのときは、何かよくわからない熱気に突き動かされて、群衆が一斉に投票行動を起こした。
そう考えると、「投票すれば良い」「選挙に行くことが正しい」という考え方には、どうしても納得しきれないところがある。
投票することは、国民それぞれが意思選択をするから「正しい」のです。仮に間違った選択であってもです。正しいものの、決して「必ず良くなる」わけではありません。
「日本国をすぐに直接良くする方法」として選挙を捉えると、そのような効果は無いので仰るようにもどかしさが出るでしょう。しかし、結局は正しい方法で長い年月をかけて前進と後退を繰り返すしかありません。でなければ、意思選択をできない国で賢者に前進を委ねるか、愚者に後退を強いられ我慢する時代に戻るしかありませんから。
少なくとも「正しい」だけでもあれば、信じて前進できます。
さておき、選挙期間に突入したのに「自民旧安倍派裏金議員、苦戦か」などという腐りきった記事を書く新聞社がいるようで……
まあ正直、ちょっと政治に対しては諦めムードもあって、愚痴みたいな感じで書いてました。
ただそれでも、「投票する自由」があること自体は大切ですが、投票=正しいっていうのはちょっと違う気がします。
会計士さんのブログでやっているような、「考えて投票しよう」っていう啓蒙活動には意味があると思いますし、実際そうするのが望ましいんでしょうけど、ふだんあまり考えていない人が、いきなり考えて投票しても、ろくな結果にならないっていうのも、ある種の真理かなとも思ってしまうんですよね。
2009年…
たぶん違います。
そう考える根拠は、
①これまで老人ばかり投票する。
②だから高齢者優先の政策ばかり。
③これは卵と鶏ですが相関強いかと。
④若い人たちがドドドーっと投票したら、その争奪で高齢者より若い人たちへのリソース配分が手厚くなる、と合理的に期待できる。
世代間よりもまず、
不当な外人への予算や、効果が実測できない子供家庭や女性活用を、リソースの配分再検討かと思いますが。
>不当な外人への予算や、効果が実測できない子供家庭や女性活用を、リソースの配分再検討かと思いますが
まさに此処、自民党が勝てば継続、負ければ立憲が力をもって後押しされる現状から、今回の選挙の意味をあまり感じれていないのです。
参政党(又は日本保守党、N国党)あたりに入れるのはありかと思っていますが。
正直、隙の多い(つっこみ処の多い)政党に思えます。
長く熱は続かない気がしますね。
自由民主党は戦後80年の間、政官産と相互互恵タッグを組んで戦後日本の経済発展を制度面で支えた一方で、志や視座の低い連中により埃が溜まり、埃の蓄積が臨界点に達し、後のゴタゴタを経て今がある、と思っています。
この「志」の長期低落傾向期間と、その後のゴタゴタ期間、各々10年単位からの時間軸ですので、時間がかかるのは事実であると承知します。
一方で今後日本の将来を揺るがすであろう大きな外乱、これらがそのゆったりした時間軸での政治の質改善で対応できるのか? これが本当に心配です。
そういった国難には、障害物同然の役立たず連中が瞬時に除去され、業務遂行できればよいのですが、具体的シナリオに基いた予行練習の経験無しには物事は上手く動かせないものでしょう。
時間が惜しい。何とかならんのか。やっぱりそう思います。
>時間が惜しい。何とかならんのか
それを実現するのが、未来を信じる力です。
「石破君、武士に二言はないという言葉があるな」
「ああ、安倍君、責任をもってギリシャより悪い国にしてみせるよ」
「そうだね、言いっぱなし、責任転嫁こそ、石破君の矜持だからな」
(日本に限りませんが)日本社会は多様化、社会の分断で、国民と一括りに言えなくなったので、「国民の意見、声がこうである」とは言えなくなったのではないでしょうか。
もしかして外国は、「石破総理は、参議院選挙後に退陣する」と決めつけているのではないでしょうか。
少なくともC国とK国は政府が「石破政権の存続を望む」と公式に言明しましたよ。
本当ならそれを内政干渉と糾弾するメディアが日本に必要なんですが。
批判を恐れずに言えば、なぜ日本がこうなったのか、の極論は、結局は日本国民にあると思いますよ。選挙に行かない人が多すぎる。地方選挙とか、ひどいときには30%台の投票率しかない。
税金の使われ方にも無頓着。そりゃ、組織票が強くなって当たり前という事でしょう。
いつもであれば、選挙に行くのも行かないのもその人の自由と思ってましたが、今回は、周りの人に選挙に行くように積極的に声掛けしてます。ここの読者の皆様は、選挙には行くのだと思いますが、是非お誘いあわせの上で、投票率向上になればと思います。ヨケイナオセワデシタ mm
>批判を恐れずに言えば、なぜ日本がこうなったのか、の極論は、結局は日本国民にあると思いますよ。
激しく同意致します。
政治に無関心である故に、何もかも他人任せになり、それにより当事者意識が欠落しているから、後から大きな竹篦返しが来るのだと思います。
後からグズグズと不満を述べられても、今まで政治に関心を持っていなかったのですから、自業自得としか言わざるを得ないです。
普段から政治に関心を持ち、変な情報に左右されないよう、確りとアンテナを張り、選挙の際には必ず投票に行くことをしないと駄目だと思います。
「技術一流、経済二流、政治三流」と言うように、
個民に政治と経済に関する知識が不足しているのが元凶かと。
義務教育でも「政治・経済」はひとくくりの科目で短期間しか教えませんし
我が家の問題
選挙が始まり我が家の話の中に「政治の話が出てきます」
そうすると「そんなに問題なら政治家になれば良いのに」と言われます
ここに大きな問題があると思っています
・トラブルを見たくないトラブルと思いたくない
気持ちが大きいのではないか
だから政治の話を打ち切りたい。のではないか
自由民主主義は国民の意識が高くなければ成り立ちません
簡単に扇動されてしまいます
AIによるフェイクを真剣に対策しなければならないときに指針となるのは
日常における常識だと思っています
それには家族の中での何気ない会話に中にある「常識」が重要です
だから問題から目をそらしてはいけないと思っています
あなたの家庭が心配です。
相手はもしかしたら、思想が違う為、あなたの意見を否定しないように、政治の話を切り上げようとしているんではないですか?
相手の考え方を変えようなんておこがましいですよ。
「覚えてやがれ」
「バイバイキーン」
「これで勝ったと思うなよぉ~」
(負けた悪党の慣用句)
投票した人だけが、このシーンで喜怒哀楽を伴って観劇できる(しかも無料)のですから、
晩酌をいつもより旨くする(不味くする)ためにも、投票に行っとかないとね。
負けた悪党の慣用句で、一番肝心なのが抜けていますよ。
「今日はこのくらいにしたるわ!」
投票に行くことは重要ですよね。
選挙当日は島根県に日帰り出張なので、期日前投票に行こうと思っています。
打倒、居座り妖怪千年蝦蟇、安眠妨害蝦蟇法師
「また会おう ガッチャマン」
「あ” カッツェさま また一人でお逃げになる」
政治に不満を言えるのは投票した人だけだと思います。
マンションの管理組合総会で気にせず委任状を出したら、自分の意にそぐわない事になっていた人もいる事でしょう。それと同じです。