情報発信に見る「安倍総理の足元に及ばない石破首相」
むかしから、神は細部に宿るといいます。故・安倍晋三総理大臣の数年前のツイートと石破茂・現首相の現在のXポストを見比べていくと、ひとつの共通点に気づきます。それは「中身のなさ」です。G7サミットに参加するためにカナダを訪れている石破首相のポストは、階段風景の写真とともに「(相手国)の(名前・役職名)と。」、とするそっけない一文が掲載されている、というパターンが非常に多いのです。
2025/06/18 15:10追記
本文中の妙な誤植を修正しています。個人的に日本語辞書に「こうせい」で「会社更生法」が出るように登録しているのですが、最近、辞書の調子がすこぶる悪く、妙な誤植を連発しています。
目次
安倍総理のツイッター・メッセージの強さ
最近の日本政府、特に首相官邸をめぐって、ふとした気づきがあるとしたら、それは「情報発信の薄さ」です。
安倍晋三総理大臣はコロナ禍の少し前、中国を訪れて北京で習近平(しゅう・きんぺい)国家主席との首脳会談を行ったのですが、その様子を旧ツイッター(現・X)に投稿しており、現在でも確認することができます。
日中韓サミットに先立ち、北京で習近平主席との日中首脳会談に臨みました。朝鮮半島の完全な非核化に向けて連携していくことで一致したほか、地域の様々な課題について率直な意見交換を行いました。 pic.twitter.com/C42eFPmz1f
— 安倍晋三 (@AbeShinzo) December 23, 2019
安倍総理のツイートには気持ちが込められている
このツイートから判明するのは、安倍総理が習近平氏と会談を行ったこと、「朝鮮半島の完全な非核化」や「地域の様々な課題」が話題に上ったこと、などです。
もちろん、日中両国は思惑も異なりますし、すべての諸課題で両国が完全に合意できることはあり得ませんが、それでもこうやって率直に対話をすることが重要だということが、安倍総理のこのポストだけでも明らかでしょう。
じっさい、安倍総理のツイートを検索してみると、これだけではありません。
たとえば著名タレント・グループを首相官邸に迎えたときには、このグループの活動と絡めて「福島復興」をメッセージとして発信しています。
TOKIOの皆さんに、総理公邸でお目にかかりました。東日本大震災の後、福島復興のために頑張ってくださっています。DASH村の思い出、福島への熱い思いを伺い、私も胸が熱くなりました。皆さんの益々のご活躍を期待しております! pic.twitter.com/88lboNyVVG
— 安倍晋三 (@AbeShinzo) December 28, 2018
また、2019年に日本で初めてラグビーW杯が開催された際には、ラグビー日本代表を官邸に招き、「日本中にたくさんの元気と感動を本当にありがとうございました」、などとするメッセージを出しています。
ラグビー日本代表の皆さんが官邸にお越しくださいました。本年のラグビーワールドカップでは、日本中にたくさんの元気と感動を本当にありがとうございました。 pic.twitter.com/HYvxYpvgou
— 安倍晋三 (@AbeShinzo) December 11, 2019
ようは、気持ちが込められているのです。
良いツイートは味方を増やす
もちろん、安倍総理が嫌いな人は、「こんなの、ただのパフォーマンスだよ」、などと吐き捨てるようにつぶやくかもしれません。
それで良いです。
日本は言論が自由な国なので、安倍総理を批判したければ自由に批判すれば良いと思います。
(余談ですが、2022年に安倍総理が狂人により暗殺されたのも、「自民党関係者に対してであれば何を言っても構わない」という風潮が関係していると著者は考えており、この点については後世の徹底した検証が必要ですが、これについては機会を見て別稿で議論したいと思う次第です。)
しかし、安倍総理の当時のツイートには正論が大変に多く、左派などの一部(自称)知識人らが安倍総理を批判しても、国民の多数はこうした批判には乗らず、むしろ選挙では自民党は第1党の地位を獲得し続けてきたという実績が伴っています。
批判するなら批判するで好きにすれば良いのですが、力強く正論を述べている政治家に対する批判には、よっぽどの論拠や覚悟が必要であり、その論拠や覚悟が不十分であればむしろ批判者の方が世間から強く批判されてしまいます。
思うに、安倍総理の強さは結局のところ、「アベノミクスで日本経済を再生する」、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)で無法国家を封じ込める」という意思の強さであり、それに向けた強い確信と一貫したメッセージ性にあったのだと思います。
それが、ツイートのひとつひとつに出てくる丁寧さにもつながっているのではないでしょうか。
神は細部に宿る…石破首相の中身のないポスト
さて、以上を踏まえたうえで、こんなポストを紹介しておきましょう。
韓国 李在明大統領と。 pic.twitter.com/BIwJ7Zz22h
— 石破茂 (@shigeruishiba) June 17, 2025
…。
いったい何なのでしょうか、このポストは。
李在明(り・ざいめい、リー・ツァイミン)氏といえば、尹錫悦(いん・しゃくえつ)韓国前大統領の罷免に伴い行われた先日の大統領選を制した人物ですが、日韓間には自称元慰安婦問題や自称元徴用工問題など韓国が作り出した諸懸案が横たわったままです。
石破首相は李在明氏に対し、「国際約束を守れ」、「国家間の約束を守れ」、「国際法を守れ」、と、ちゃんと伝えたのでしょうか?
むかしから、「神は細部に宿る」と言われていますが、この中身のないポストは、まさか石破首相の日韓関係に対するスタンスを象徴していないでしょうか?
これだけではない:中身スッカラカンのポスト群
ただ、調べていくと、石破首相の「中身スッカラカン」のポストは、これだけではないようです。
拡大会合にて。 pic.twitter.com/94xtAMMglB
— 石破茂 (@shigeruishiba) June 17, 2025
ウクライナ ゼレンスキー大統領と。 pic.twitter.com/kjFsUfq8T4
— 石破茂 (@shigeruishiba) June 17, 2025
オーストラリア アルバニージー首相と。 pic.twitter.com/6cV301JiKx
— 石破茂 (@shigeruishiba) June 17, 2025
本日のセッションは急遽テラスにて。 pic.twitter.com/mmLdVTdgW2
— 石破茂 (@shigeruishiba) June 17, 2025
アメリカ ベッセント長官と。 pic.twitter.com/CPAxHp8pSP
— 石破茂 (@shigeruishiba) June 17, 2025
ウクライナ ゼレンスキー大統領と。 pic.twitter.com/kjFsUfq8T4
— 石破茂 (@shigeruishiba) June 17, 2025
…。
もう、このくらいで良いでしょう。
石破茂首相がさまざまな首脳との記念写真をXにポストしている理由は、石破首相が現在、G7会合に参加するためにカナダを訪れているためですが、どれも諸外国の首脳らと会ったときに、「(国名)の(人名・役職名)と。」、という、写真とともにごく簡単な文章をポストしているのみなのです。
豪州の首相と会ったのならば、「FOIP」、「クアッド」について言及したのでしょうか?
欧州の首脳らと意見交換したならば、ウクライナ情勢で日本としていかなる助力を申し出たのでしょうか?
石破首相の一連のポストからは、相手国と何を話したのか、まったく見えてきません。
(それとも、どうせ首相職は単なる腰掛けだ、とでも思っているのでしょうか?)
このあたり、石破首相が安倍総理の足元にも及ばないのは、彼が普段から見せる信念のなさ、学習能力の低さもさることながら、こうした細かいひとつひとつの発信についての情報の乏しさというところにも、その要因が求められるのかもしれません。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
![]() | 日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
日本の政治家には、自分での情報発信の上手さの重要性に気が付かない、または気が付かないふりをしている人が大勢いるのではないでしょうか。
蛇足ですが、自分で情報発信するのが上手い日本の政治家は、日本のオールドメディアに嫌われるのではないでしょうか。その典型が安倍(元)総理ではないでしょうか。
たしかに!
情報を自分たちで統制したいんでしょうねー
情報独裁者、恥ずかしくないんですかね??
よく石破のポスト集めましたね。笑っちゃいましたw
ほんと、スッカスカです。
まぁ、石破自身が中身のない人間なので、内面がよく現れた写真だと思います。
そういう意味だといい写真かもしれません。(嫌みです)
私も初めて見ましたがここまでスカスカとは。
こんなのに政治任せてらんないよ
中身スッカラカンこそが、この人の値打ち。
トップに据えておく限り、
Zの御用聞き三人衆、前総理、現幹事長、万年税調会長が
好き勝手をやれる(笑)。
これだけ見せられると
Youは何しにカナダへ?
この人、只のアホウとしか思えませぬな。
>この点については会社更生法の徹底した検証が必要ですが、
会社更生法・・とは。
追記にて理解できました。
ありがとうございました。
おーい人形使い
人形の言動がおかしいぞ
昨日言ったことも覚えていない
人形使い すいません。
人形のメモリーが中国製の粗悪品のようです。
新聞、放送メディアでは絶賛でしたので使い
ました。
7月に取り替えまでお待ち下さい。
最前線にいる外務省の通訳の人。
この人の話を聞きたいものです。
外務省という組織の人ではありますが、最前線にいればこそ、組織人以前のこの人そのものの生の印象、感想が湧き出てくることでしょう。
聞いてみたい。
「首相というポストに就くことが大事」
と思っている人の中には、首相という権威に憧れてというのもあるのでしょう。
自分がどれだけ立派かを示すのに、既存の権威に乗っかるというやつですね。
(裏返すと自分がない)
仮にそうだとすると記念写真を撮るにしても、どんな有名人(権威)と一緒に撮ったかが大事で、何を話したかはどうでもいいことなのかもしれませんね。
「私は世界中のリーダーと同じ席に座ってるんだ!」
しかしまあ、写真も書き加えたコメントが例外なく全て「誰と一緒に撮ったか」だけというのも・・・見事なもんです。
人となりがよく表れてる気がしました。
「韓国は実質G8!」「ろうそく革命はフランス革命に並ぶ世界三大革命!」
とそっくり。
なるほど、この方の人となりは、『人隣』にあるのですな。
うまい。
安倍神像神社をお参りし、岩屋政権成立を祈願しよう。
中国との関係を重視するジューシーな外交を目指すべきだよね。岩屋くんならきっとすべてがアンダーコントロールさ。
どうでもいいけどラグビー選手デカいね。
>「神は細部に宿る」
宿るべき細部の無い人物ではどうしようもありませぬな。
人命は地球より重いとか言ってテロリストに追い銭を与えて放免した挙げ句その連中がその後多くの人命を奪う事件を起こしたことがありましたが、そのときのボンクラ首相以来日本人として心の底から情けなく思う人物がまたしても一国の首相になろうとは思ってもいませんでしたな。日本はいつのまにかくも劣化してしまったのでしょうか。嘆かわしや嘆かわしや。
今日も荒れています。
総理大臣になりたいだけの人と、総理大臣になって仕事をしたい人の違いでしょうかね。
某新選組のように順繰り交替して貰ったほうが国民も”首相経験者”もWinWinだったりして。
→二昔前の自民党と一緒か。
石破総理のは単に画像をアップしてタイトルを言っただけ、という感じでしょうか。中身が無い云々以前に、SNSがどういうもので何ができて期待できる効果が何なのか、の理解が浅いのではないかと思います。
石破総理の発信のよりすごいところは、アゴラ等の言論メディアに寄稿していた文章(個人ブログの転載)の方です。結構な文章量で、時節の挨拶表現なども欠かさず、実に丁寧な文体です。……その上で、中身が全く無いのです。
意見らしきものが出てもそのほとんどが「ではないかと思います」「◯◯が求められます」といった、どこか他人事であったり具体性を欠いたりと、主体性やリーダーシップを全く感じさせないのです。表面を飾り整えるばかりで。
政治家として実績も、最近のXに場を移しての発信も、全く同じことです。これらが氏の生き様を雄弁に物語っています。対照的な安倍総理もまさにそうだったのでしょうね。
いま、「アベガー」ならぬ「イシバガー」がでれば、どれだけ盛り上がる(?)のでしょうか。客観的にみて、どうなのかは別にして。
そこらへんの高校生に首相させた方がまだマシ
何もしないなら、その椅子に犬とか猫を置いた方がまだ世界平和に貢献するやろ
まるで、『集合写真が成果!』であるかの如き投稿ですね。
ペルー(G7)での失態に思うところでもあったのでしょうか?
コメントがどれもひとこと(他人事?)なのは、権限がないからじゃないんでしょうか?
それゆえに、外交の場におけるXへの投稿は、「専属カメラマンに丸投げ!」・・説。
なんてね。
「自民党関係者に対してであれば何を言っても構わない」が適用されない辺り、外野からしても石破氏は送り込んだ工作員扱いという事ですね。
悪相に一層の磨きがかかった石破総理、G7でもご活躍の気配
イジェミョン氏からの投資のお誘いも
美女接待でもあれば喜んで協力を申し出ることでしょう
目出度くお払い箱になった後釜には
すでに小泉氏に席が用意されている様子
NHKをはじめとするメディアの持ち上げっぷりが半端ありません
吹き込まれたことを我が発想のごとく語れるのは才能でありましょう
官僚の走狗としてこれほど使い勝手がよろしい御仁はほかにおりません
石破首相の中身云々よりも、世界中の首脳が集う場所でありますから、石破首相個人のアカウントでこうした画像を公開するのは巌に慎むべきであります。
公開するならば、石破首相と会談相手のみに限定すべきであって、関係者が写真に収められてしまうなどは避けるべきです。
素人の考えではありますが、写真から得た情報がテロリストの活動に利用される可能性も十分にあります。日本国政府の人間は、こうした行動は阻止して当然であると考えます。
若し、その考えがないのならば、またしても素人考えではありますが、ボケているのであって、テロリストに対する情報の漏洩にすら考えが及ばない唯のボンクラだと考えます。
石破首相の中身が無い事は日本国民においては大問題ですが、諸外国の安全については何らの関係も無い事であります。別な観点でいえば、諸外国が日本に対して関心を抱くのは「お金」であって、典型的には「南朝鮮」がその代表例になりますが、諸外国は不注意極まりない石破首相の行動によって安全を壊されたいとは思わないでしょう。
「日本人の平和ボケ」で済まされる話ではないことになります。
SNSをコミュニケーションツールの1つとして活用しようとした人物と、ぼくの思い出写真館として利用しているヒトの違い??
知らんけど
安倍さんには執拗な攻撃を繰り返したマスコミは、石破首相や小泉氏には随分と優しいですね。
随分前から待望論を拡散していましたが。
謎です。
エッフェル姉さんですら、支持されるかどうか別にして、いちおう現地で何をしてきたかは書いてあった。
摑みどころのないコメントに終始していれば、何を言われようと「そんなことは言ってない」で躱せますね。マスゴミ屋さんも難癖のつけようが無いでしょう。(当該人物は都合よく振る舞ってくれるので、元々、難癖を付ける気もないでしょうが。)
エッフェル姉さんのほうが、叩かれても、行動し発信している分、前コメントの当該人物よりまだましだと思います。
>李在明(り・ざいめい、リー・ツァイミン)氏
漢字で書かれた韓国人の氏名を日本語読みするのはわかるが、中国語読みを併記する意味は?
石破首相は、政権与党である自民党が、日本国の首相に相応しい方であるとして国の運営を託した人です。
私としては何をやりたいのかさっぱり分からない石破首相を全く評価しませんが、それよりも石破氏を首相に選んだ自民党の堕落ぶりに唖然としています。
党内からは石破批判もあまり聞こえてきません。
このままでは自民党の再生は難しいと言わざるを得ません。