Xフォロワー3万人記念の節目にもっとも伝えたいこと

山手線の駅名を冠した怪しい自称会計士がいます。この者は自身のウェブ評論サイトを持っているだけでなく、どうやらX(旧ツイッター)にもアカウントを開設しているようなのですが、昨日、フォロワーが3万人を超えたようです。これはおそらく、この自称会計士のポスト(旧ツイート)が素晴らしいからではなく、単純に「税社保を減らせ」と思っているユーザーが急増しているだけではないでしょうか。

早くも9年!

当ウェブサイトは2016年7月に開始したもので、「読んでくださる方々の知的好奇心を刺激する」を目的とするビジネス系ウェブ評論サイトを標榜しています。このサイトを開始してから、早くも9年が経とうとしています。

じつは、この「知的好奇心の刺激」というキーフレーズは、当ウェブサイトでは第1号の記事『新宿会計士の政治経済評論を開始しました』でも登場したものです(当時は「ウェブ評論サイト」ではなく「ブログ」という用語を使っていました)。

初志貫徹、ではありませんが、少なくとも当ウェブサイトを更新するにあたり、著者自身は「読んでくださる方々の知的好奇心の刺激」を心がけてきたつもりです(実際にそれができているかどうかのご判断は読者の皆様にお任せ申し上げますが…)。

一番伝えたいこと

ただ、自分でもまさかこんなに長く続くとは思ってもいませんでした。

もちろん、著者自身も(とくに最近は)少し時間的余裕を失っており、当ウェブサイトをいつまでも続けられるというものでもないと考えているわけですが(※実際、記事の更新頻度は大きく低下しています)、それでも当ウェブサイトは「考えることの大切さ」を訴えるうえでは大事な手段だと思います。

また、嬉しいことに、最近だと一部の政党の国会議員(やその候補者)の皆様も当ウェブサイトをご愛読いただいているようであり、言い換えれば、当ウェブサイトで主張した内容が、国民の代表者である国会議員の皆様にも何らかの形で伝わっている可能性はあります。

ただ、せっかくなのでお伝えしておくと、著者が当ウェブサイトを通じ、もっとも伝えたいと思っているのは、「日本は自由・民主主義国である」、「だからこそ、自由・民主主義のプロセスに従い、この国をもっと良いものに変えていける」、ということです。

当ウェブサイトでは、「わが国では税や社保が取られ過ぎている」などとする問題など、最近はテーマがやや偏ってしまっていますが、それでも著者自身は一貫して、日本が自由・民主主義国であり、自由・民主主義国らしく、言論と選挙で国を変えていけると信じている人間のひとりでもあります。

過去にはとあるブロガーの方から、「あなたは民主主義を盲信している」、「わが国は天皇主権国家に戻すべきだ」、「日本の理想形は大日本帝国憲法だ」、などとする批判も受けたことがあるのですが、残念ながらそうした考え方には同意できません。

(というか、この方は「明治憲法下でご歴代の天皇陛下が権力を独占し、独裁をしていた」、とでも思っているのでしょうか?ちょっと調べたら明治憲法制定の翌年に帝国議会が開設されるなど、民主主義が戦前から立派に機能していたことくらい、すぐにわかりそうなものなのですが…。)

自由・民主主義とはいったい何なのか

この点、自由主義とは、国家の在り方や社会のあり方など、さまざまなことを自分が思うとおりに論じて良いという考え方であり(※ただし、誹謗中傷にならないように努める必要はあります)、これにはもちろん、現在の政権に対する批判の自由も含まれます。

また、民主主義とは、国家の最高権力者や国民の代表については民主的な秘密投票で選ぶという仕組みであり、自分が好きな政党・候補者に投票する権利があるだけでなく、年齢要件さえ満たせば、自分自身が選挙に出る権利(=被選挙権)も有する、というものです。

このうち民主主義に関しては、内閣総理大臣は直接選挙で選ばれているわけではありませんが、それでも日本は完全な民主国家です。というのも、日本は議院内閣制をとっていて、内閣総理大臣になる資格を得るためには国会議員になる必要があり、国会議員になるためには選挙以外の手段はないからです。

そして、議院内閣制のもとでは多くの場合、慣例的には最大政党が与党となり、その与党の党首が内閣総理大臣に選ばれます(ただし、かつての「自社さ連立政権」のように、稀にそうでないケースもありますが…)。

その際、ある政党を最大政党にする、しないという意思決定は私たち有権者が選挙を通じて示す総意そのものであり、その意味で、わが国の議院内閣制は、完全な形での民主主義なのです。

自由・民主主義を機能不全に陥らせる腐敗トライアングル

ただ、当ウェブサイトを作ったころは、この「自由・民主主義」は、まだまだ不完全なものでした。

当時は「官僚・マスコミ・特定野党」という「鉄のトライアングル」が、今よりも遥かに強固に存在していたからです。

官僚機構は記者クラブや各種優遇措置を使い、マスコミを支配する。

マスコミは「報道の自由」を乱用して自民党を批判し、「報道しない自由」を使って特定野党を守る。

特定野党は国会でマスコミ受けする質問を行い、ひたすら与党の足を引っ張る。

そんな構図です。これを著者は「腐敗トライアングル」と呼んでいます。

腐敗トライアングルの基本構造
  • 野党議員やメディアに不祥事が生じても官僚機構は立件しない
  • 官僚機構や野党議員に不祥事が生じてもメディアは報道しない
  • 官僚機構やメディアに不祥事が生じても野党議員は追及しない

©新宿会計士の政治経済評論

そして、官僚、メディア、野党議員の共通点は、「民意で選ばれたわけではないこと」、です。

いちおう野党議員自体は選挙で選ばれてはいるのですが、結果的に多数党になれなかったという意味では「民意に選ばれたわけではない」ことは間違いありません。

その一方、官僚とメディアに至っては、国民から選挙で選ばれたわけですらありません。

しかし、官僚機構は法令解釈権などを使い、行政を事実上支配してしまっており、また、メディアは報道という自称「第四の権力」を使い、有権者の意思決定に影響を与え得る立場に立ち、実際、一部の選挙では選挙結果を歪めてきたのです。

当ウェブサイトは、こうしたメディア報道の在り方に異を唱えることをひとつの目的としていました。

ツイッター/Xのフォロワーが増え始めた!?

その目的は、ある程度、達成できたと思います。

【総論】腐敗トライアングル崩壊はメディアから始まる』や『【総論】崩壊始まる官僚・メディア・野党「腐敗利権」』などでも議論してきた通り、官僚・メディア・特定野党という「鉄の腐敗トライアングル」が崩壊を始めたからです。

といっても、これは当ウェブサイトの功績ではありません。その最大の要因は、XをはじめとするSNSの普及と社会への影響力の猛烈な高まりでしょう。

こうしたなかで、著者自身もXを「ツイッター」と呼ばれていたころから使っています。使い始めたのは2016年7月、つまり当ウェブサイト発足と同じタイミングです。

当初、このツイッターは当ウェブサイトの記事を更新したということを宣伝するなどの目的でしか使っていませんでしたが、まったく何の宣伝もしていないにもかかわらず、フォロワーは少しずつ伸び、2019年6月頃には1,000人、同年12月には2,000人を超えました。

ただ、その後は少し伸び悩み、5,000人を超えたのは昨年の6月頃だったのですが、突然9月頃からフォロワーが増え始め、あれよあれよという間に1万人、2万人と増え、ついに昨日、3万人の大台に到達してしまいました。

いままでとツイート(またはポスト)する内容が大きく変わったわけでもないのに、いったいなぜここまでフォロワーの方が増えたのかについては、正直、よくわかりません。

まぁ、さしずめ、世の中で税・社保を取られ過ぎていると思う人が激増し、こうした人々の不満に対し、この山手線の駅名を冠した怪しい自称会計士の「税社保を減らせ」とする主張が、ある程度フィットしているに過ぎない、といったところなのだと思います。

崩壊始まった腐敗トライアングル

ただ、せっかくフォロワーの方が増えたのであれば、Xの空間についてもうまく活用しない手はありません。

当ウェブサイトと比べたときのXの利点は、なんといっても気軽に情報発信できることにあります。当ウェブサイトの場合だと記事の表題やジャンルを決定したうえで書式を整えなければなりませんが、Xだとそれこそ文章や画像を貼り付けてポストすれば完了です。

そして、SNSがまず、オールドメディアを駆逐し始めていることを忘れてはなりません。

結局、「腐敗トライアングル」も三者が支え合ってできていた構図であるため、三者のうちのどれか一者がコケたら、残り二者も同様にコケるしかありません。腐敗トライアングルも、今まさに、崩壊が始まったのです。

こうした絶好のタイミングで、なぜ自民党は石破茂氏を総裁に選んでしまったのか、個人的には深く理解に苦しむところではありますが、いずれにせよ、官僚やマスコミなどに長年奪われてしまっていた権力を国民が取り戻しつつあることは間違いないでしょう。

その意味では、私たちはじつに面白い時代に生きているものだと思わざるを得ないのですが、いかがでしょうか?

本文は以上です。

読者コメント欄はこのあとに続きます(コメントに当たって著名人等を呼び捨てにするなどのものは禁止します)。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。

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読者コメント一覧

  1. 匿名 より:

    フォローが一気に増えたのは、主観ではありますが、
    下記のように考えてます。
    ・安倍晋三首相が亡くなった事で拠り所がなくなって信用できる情報を個人が探すようになった
    ・東京都知事選挙や兵庫県知事選挙でsnsを駆使した人物が票を伸ばして、重要性を認識した

  2. 匿名 より:

    ※ただし、誹謗中傷にならないように努める必要はあります
    ええ・・・管理人がどの面下げてそんな事言えるの?
    ちょっと捻っておけば無効化されるとでも?

    1. 新宿会計士 より:

      180.60.4.138 様

      そうですね、あなた様には多分伝わっていないのでしょう。
      他人を批判する前に、まずは冷静にご自身のコメント履歴をご確認いただくことをお勧めします。
      どうでも良い話ですが。

    2. 匿名 より:

      論破と誹謗中傷は違うんだよ?ボク

    3. 匿名 より:

      ひつまぶし美味しいよね

  3. Masuo より:

    フォロワー3万人おめでとうございます。

    テーマの偏り、大いに結構だと思います。
    今後も旬の話題を数字を交え深堀していく記事を楽しみにしてます。

  4. CRUSH より:

    大手メディアがまったく信用できないから、ユーザーは各自で裏付けや評論を探す必要があります。

    でも端的にいうと面倒臭い(コスパ悪い)から、信用できるサイトでの二次情報に依存したいニーズは大きいと思います。

    こちらでよく引用される鈴置さんや、韓国観察老舗の楽韓さんなんかは、ブレがなく安定していて、実績として評価や予測が正確だから、とても頼りになりますね。

    新宿さんところも、淘汰に耐えて長く続いてほしいところです。
    (期待しております)

    アンチが多いのはよいことですが、読者としては目障りノイズだから、ほどほどに。
    (無農薬で虫が付いたままの野菜でも良いのですが、木酢くらいは使って下さいね。)

    敬称については、個人的にはどうでもよいと思ってますが、こだわりあるようですね。
    アンチを含めて、誰にでも責められない位置取りは、自我がぼやけるだけかと。

  5. カズ より:

    祝、3万人。おめでとうございます!

    是々非々のスタンスと数字による検証がもたらす、
    「知的好奇心の伝播」の現れなんだと思っています。

  6. 簿記3級 より:

    始まりあるものに終わりあり。
    変わって欲しいものもあれば変わらないでいて欲しいものもある。健全なメディアでいて欲しい、健全な官僚でいて欲しい、健全な司法であって欲しい。
    こういう願いはすぐには叶わなくとも、国民が願えば20年30年ベースの日本的スピードで変わっていくのではないかと思います。
    現在のトップ層がご臨終になり次の世代で価値観が変わる時。なだらかに変わっていくのではないかと思います。日本人の改革はゆっくりで日本人的スピードで進んでいくのではないでしょうか。

    ひとたび、受信料と消費税を受けて英華を誇っても滅せぬもののあるべきか。受信料や消費税をバックにした権力など夢や幻のようなものです。
    ゆく川の流れは絶えずしていつまでも受信料が取れるとNHKは思わんほうがよいです。

    もっとも真面目な公共放送とか徴税したり予算を組むお仕事もして不滅です。読売メディアの巨人軍については知りません。優秀な官僚についてはいつの時代も必要だと思います。
    民主主義は専門家に委託も多く選挙などもかなり雑だなと思える制度です。しかし建物が建ち錆びて朽ち果てていく、あるいは苔が生えるくらいの期間を置きながら徐々に改革していくこれが民主主義の良さだと思ったり思わなかったりする訳でごさいます。

  7. より:

    気になったので...
    フォロワー3万人,順調に伸びてますね.
    フォロワーは,<人数>ではなく,<アカウント数>です.
    フォロワー3万人ではなく,フォロワー3万アカウントもしくはフォロワー3万,が正しいと思います.
    ちなみに,私のフォロワーは4万前半ですので,すぐに追い越されそうでせす.

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