速報:米FRBが9つの中央銀行と為替スワップを締結
深夜ですが「速報」です。米FRBが世界の9つの中央銀行・通貨当局との間で期間6ヵ月の為替スワップを新規締結しました。
本日の「臨時ニュース」です。米FRBが急遽、9つの中央銀行・通貨当局との間で、一時的な為替スワップ協定を締結しました。
Federal Reserve announces the establishment of temporary U.S. dollar liquidity arrangements with other central banks(米国夏時間2020/03/19 9:00付 FRBウェブサイトより)
具体的な相手国と金額については、図表のとおりです。
図表 為替スワップの新規締結相手
締結相手 | 国 | 上限額 |
---|---|---|
豪州準備銀行 | オーストラリア | 600億ドル |
ブラジル中央銀行 | ブラジル | 600億ドル |
デンマーク国民銀行 | デンマーク | 300億ドル |
韓国銀行 | 韓国 | 600億ドル |
メキシコ銀行 | メキシコ | 600億ドル |
ノルウェー銀行 | ノルウェー | 300億ドル |
ニュージーランド準備銀行 | ニュージーランド | 300億ドル |
シンガポール通貨庁 | シンガポール | 600億ドル |
リクスバンク | スウェーデン | 600億ドル |
(【出所】FRB。なお、いずれも期間は「最低6ヵ月」)
これにより昨日、通貨の下落が著しかった新興市場諸国通貨などは買い戻されており、たとえば日中、1ドル=1290ウォンの大台を超えたこともあった韓国ウォンについては、1250ウォン台に戻している状況です。
これは日英欧瑞加の5つの中銀が締結しているものと同じ「為替スワップ」(つまり民間金融機関に対するドル資金の供給オペ)であり、いわゆる「通貨スワップ」ではありませんが、それでもドル不足に悩む金融機関にとっては、非常に強力な流動性供給手段でもあります。
今後、これらの9つの中央銀行は、FRBを通じて国内の銀行に対し、米ドルの流動性供給を行うことができるようになります。ちなみにこの9つの中央銀行は、2008年のリーマン・ショック時にもスワップを提供した相手でもあるため、復活が容易だった、ということなのかもしれません。
いずれにせよ、6ヵ月という期間限定であり、また、通貨スワップではなく為替スワップではありますが、米FRB自身が巨額の流動性供給に舵を切ったことで、これらの国々では当面、外貨不安(とくにドル不足)はほぼ解消したと考えて良いでしょう(※それにしても300~600億ドルとは、じつに思い切ったことをしたものですね。)。
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