いわゆる自称徴用工の問題を巡り、日本政府が韓国政府に対し「仲裁手続」を付託している件で、韓国政府が「仲裁委員を任命しない方針を固めた」と、朝日新聞などのメディアが報じました。韓国政府の現在の体たらくを見ていると「さもありなん」と思う反面、今後の展開を巡って「落としどころ」が見えない、という人も多いでしょう。そこで、本稿では少し立ち止まって、来週18日(※または19日?)の「仲裁委員任命期日」に向けて、この仲裁手続が持つ「意味」について、まとめておきたいと思います。

本文の前に:ウェブサイトからのお知らせ

当ウェブサイトからのお知らせです。昨年、当ウェブサイトに掲載した『数字で読む日本経済』シリーズを書籍化しました。株式会社ビジネス社より『数字でみる「強い」日本経済 』が刊行されます。発売は7月中旬を予定しおり、現在、予約受付中です。詳しくは『【お知らせ】数字で見る「強い」日本経済=ビジネス社』もご参照ください。


※広告表示の詳細はプライバシー・ポリシーのページをご参照ください。また、記事を気に入っていただけたら、是非、SNS等での共有やお気軽なコメントをお願いいたします。

このエントリーをはてなブックマークに追加

自称元徴用工とは?

いわゆる自称徴用工問題とは、韓国国内で「日本に強制連行され、強制労働に従事させられた」と自称している者たちが、日本企業に対して訴訟を起こすなどしていることを指します。

といっても、日本政府は彼らのことを「旧朝鮮半島出身労働者」と呼んでいるとおり、彼らの多くは強制連行された労働者ではなく、自発的に応募した労働者たちに過ぎません。

そして、終戦の混乱のさなか、彼らに支払われていなかった賃金などがあったことは事実ですが、1965年に日韓が締結した日韓請求権協定により、旧朝鮮半島出身労働者たちが所持していたこれらの債権は、すべて請求できなくなったのです。

もちろん、これはあくまでも「旧朝鮮半島出身労働者らが日本企業に対し金銭債権の支払を請求することができなくなった」(言い換えれば「日本企業は仮に旧朝鮮半島出身労働者らに金銭債務を負っていたとしても、それを弁済する義務はなくなった」)という意味です。

(※ちなみにこのあたりのロジックについては、「セクハラ」で有名な立憲民主党の初鹿明博衆議院議員の質問に対し、政府の国会答弁において明らかにされています。)

また、韓国国内の自称徴用工のなかには、本当に旧朝鮮半島出身労働者であったのかどうか、証明できない者も多数含まれているようであり、その意味で、当ウェブサイトでは日本政府の公式表現である「旧朝鮮半島出身労働者」ではなく、「自称徴用工」と呼ぶことにしているのです。

韓国が「仲裁を拒否」

日韓請求権協定違反を日韓請求権協定で片づけずにどうする?

さて、この自称元徴用工問題を巡っては、大きく、2つの問題点があります。

1つ目は、仮に自称元徴用工らが日本企業で働き、労働債権を持っていたとしても、それらについては日韓請求権協定で完全かつ最終的に解決済みであること。

2つ目は、これらの自称元徴用工やその支援者らが、明らかなウソをついて日本を貶める言動を取っていることです。

とくに、2015年7月のユネスコ総会では、当時のユネスコ大使・佐藤地(さとう・くに)が、日本が世界遺産登録を目指した一部の産業革命関連施設において、あたかも朝鮮人の「強制労働 “forced labor” 」があったかのごとく、国際的に情報発信してしまいました。

ただ、この「強制労働」は、韓国側がでっち上げたウソであり、朴槿恵(ぼく・きんけい)政権当時の尹炳世(いん・へいせい)外交部長官がユネスコ議長国であるドイツなどを訪問してロビー活動を行った結果、こうしたウソが国際社会で罷り通ってしまったものです。

その意味で、自称徴用工問題は2つの点で韓国の日本に対する不法行為なのです。

それはともかくとして、昨年10月30日の新日鐵住金(現・日本製鉄)に対する大法院(※最高裁に相当)の判決も、日韓請求権協定に違反したという問題点と、自称元徴用工らに対する請求権を認めたという問題点の両面を抱えています。

このうち、「日韓請求権協定違反」の部分については、基本的には日韓請求権協定に従って処理しなければなりません。

日韓請求権協定第3条
  • 1 この協定の解釈及び実施に関する両締約国間の紛争は、まず、外交上の経路を通じて解決するものとする。
  • 2 1の規定により解決することができなかった紛争は、いずれか一方の締約国の政府が他方の締約国の政府から紛争の仲介を要請する公文を受領した日から三十日の期間内に各締約国政府が任命する各一人の仲裁委員と、こうして選定された二人の仲裁委員が当該期間の後の三十日の期間内に合意する第三の仲裁委員との三人の仲裁委員からなる仲裁委員会の決定のため付託するものとする。ただし、第三の仲裁委員は、両締約国のうちいずれかの国民であってはいけない。
  • 3 いずれか一方の締約国の政府が当該期間内に仲裁委員を任命しなかったとき、又は第三の仲裁委員若しくは第三国について当該期間内に合意されなかったときは、仲裁委員会は、両締約国政府のそれぞれが三十日の期間内に選定する国の政府が指名する各一人の仲裁委員とそれらの政府が協議により決定する第三国の政府が指名する第三の仲裁委員をもって構成されるものとする。
  • 4 両締約国政府は、この条の規定に基づく仲裁委員会の決定に服するものとする。

(【出所】外務省HP

日本政府はこのうち第1項の「外交的解決」を今年1月9日に申し入れましたが、4ヵ月以上も放置されたすえに、結局、李洛淵(り・らくえん)首相が5月15日に入り、「対応には限界がある」とさじを投げる始末。

このため、日本政府は5月20日に第2項の「仲裁委員会の付託」の手続に入っています。

この手続を巡って、昨日、朝日新聞にこんな記事が掲載されました。

韓国、仲裁委員任命応じず G20で外相会談へ 元徴用工問題(2019年6月12日05時00分付 朝日新聞デジタル日本語版より)

リンク先は「有料記事」だそうですが、無料で読める部分だけでも、次のような記載があります。

韓国大法院(最高裁)が日本企業に元徴用工らへの賠償を命じた判決をめぐり、日本政府が要請している日韓請求権協定に基づく仲裁委員会の設置が見通せない。韓国政府が18日の期限までに仲裁委員の任命に応じない方針を固めたためだ。韓国外交省関係者が明らかにした。

「韓国外交省」という役所の名前は初めて聞きました。

正しくは「外交部」です。

日本のメディアはよく日本風に「外務省」と呼んだりしていますが、韓国メディアの日本語版はおおむね「外交部」と呼んでいますので、当ウェブサイトでも可能な限り正確に、「外交部」と呼ぶようにしています(ちなみに康京和(こう・きょうわ)氏の肩書は、正式には「外相」ではなく「外交部長官」だそうです)。

それはさておき、朝日新聞は韓国政府外交部関係者が「仲裁委員の任命に応じない方針を固めた」と報じているのですが、このあたりは私自身も「どうせ韓国政府には仲裁手続を受けて立つ意思も能力もないだろう」と考えていたので、ある意味では想定どおりです。

また、朝日新聞だけでなく、TBSや同系列のMBSなども似たような話を報じているため、おそらくこの報道は現時点においては事実と考えて良さそうです。もっとも、「応じない方針を固めた」というよりはむしろ、「右往左往している間に期限が到来してしまう」、という方が実態に近いのかもしれませんが…。

期日は18日?19日?

さて、私がこれらのメディアの報道を眺めていて気付いたのは、日韓請求権協定に基づく仲裁委員の任命期日を、いずれのメディアも「18日」と記載している点です。

しかし、先ほどの請求権協定第3条第2項には、

…受領した日から三十日の期間内に…

とあります。

一般に法律の世界では「初日不算入」といって、「受領した日(この場合は5月20日以降)から30日」といわれれば、受領した当日(たとえば5月20日)を含めず、翌日(つまり5月21日)から起算して30日以内(=6月19日)がその期日であるはずです。

(※ちなみにこの「初日不算入の原則」を明記している条文としては、民法第140条があります。)

民法第140条

日、週、月又は年によって期間を定めたときは、期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。

ところが、先ほど紹介した朝日新聞の記事に加え、産経ニュースも期日を「6月18日」と報じています。とくに産経の記事の場合は外務省幹部が「6月18日と明言した」と読める記載となっており、このことから、外務省のブリーフィングの段階で、各メディアに「6月18日」と伝えた、ということでしょう。

また、韓国メディアの報道を見ていても、私が確認した限り、期日はいずれも「6月18日」と報じられており、「6月19日」と伝えている報道は見かけませんでした。

正直、「なぜ6月19日ではなく18日なのか」という点については、調べてみたのですが、私にもよくわかりません。「外交条約の世界では初日を算入する」、あるいは「日韓請求権協定上は初日を算入する」というルールでもあるのでしょうか?

このあたりは読者の皆さまに詳しい方がいらっしゃれば、ご教示下さるとうれしいです。

いずれにせよ、日韓両国の各メディアが揃いも揃って「6月18日」と報じているため、当ウェブサイトとしても釈然としない思いを抱えながらも、今後は「期日は(6月19日ではなく)6月18日」と仮置きしたいと思います(もっとも、現段階では、過去の記事について訂正するつもりはありません)。

結局、どうなる?

まだ「韓国側の請求権協定違反が確定」にはならない?

では、期日が6月18日(火)だったとして、この日が過ぎれば、韓国側が請求権協定に違反しているという状態が確定するのでしょうか?

じつは、そうなりません。

第3条第3項を読むと、さらに「30日以内に、日韓以外の第三国に委員の任命を依頼する」というプロセスが定められています。

現在のところ、日本政府は日韓請求権協定の手続に従っていますので、6月18日に「手続不成立」が確定すれば、今度は6月19日から7月19日(あるいは18日?)までの30日間は、第3項の「第三国の委員任命」という手続に流れていくはずです。

こうしたなか、先ほどの朝日新聞の記事によれば、外務省幹部は

第三国が決めた委員ではなく、日本がすでに任命している委員で仲裁委を開きたい

と述べたらしいのですが、この発言が事実であれば、なにやら意味がよくわかりません。

日韓請求権協定に基づく仲裁手続付託を決断することの効果は、「韓国が手続に応じない」という状況を作ることで、「韓国は国際法を踏みにじる無法国家だ」という事実を、日本国内と国際社会に対し、強く印象付けることにあります。

その意味では、韓国がすべての手続を完全無視したとしても、韓国の日韓請求権協定違反状態が確定するのは、7月19日(あるいは18日?)を待つ必要があるのであり、逆に言えば、その効果を得るためには、もっと早い段階で仲裁手続に移行しておくべきでした。

「韓国は国際裁判にも応じない国」

ただし、少々時間はかかってしまいましたが、結果的に「日本は国際条約に従ってきちんとプロセスを踏む国」、「韓国は国際条約を踏みにじる国」という実績ができ、その実績を広く全世界にわかりやすく知らしめることができる、という意味では、日韓関係も良い方向に変わってきたといえます。

事前の報道などによれば、この請求権協定のプロセスが不調に終われば、次は国際裁判に移行する確率が高いとみられますが、この「国際裁判」が国際司法裁判所(ICJ)のことを指すのならば、結果的に裁判は成立しないでしょう。というのも、

日本とは違って韓国は「自国を当事者とする紛争が生じる場合、裁判に無条件に応じる」というICJの強制管轄権関連の選択議定書に加入していないため、ICJに提訴されても韓国側の同意がない限り裁判権が自動的に発動されるのは難しい」(2018/10/08 07:33付 中央日報『韓国大法院の強制徴用判決控え…日本「企業の賠償確定ならICJ提訴」』より)

からです。

そうこうしている間にも、日本企業は韓国国内で続々敗訴するでしょうし、すでに資産を差し押さえられている日本製鉄と三菱重工などに対しては、原告側は「資産を売却するぞ、売却するぞ、今度こそ本当に売却するぞ!」などと脅してくるでしょう(売却できるものならしてみな、と言いたいところですが…)。

しかし、考えてみれば、日本政府がこの問題で韓国政府をICJ提訴した状態で放置しつつ、日本企業に「絶対に賠償に応じるな」と釘を刺しておけば、あとは勝手に韓国は自滅していきます。

まず、まともな企業経営者であれば、韓国で事業を行うことのリスクを意識しないはずがありません。

昨年、当ウェブサイトでは『「債権差押」爆弾は日本企業撤退招く?徴用工巡る韓国式思考』のなかで、差押え資産が金銭債権などに及べば、そのときは日本企業が韓国とのビジネスを一斉に縮小するであろうと予想しました。

「債権差押」爆弾は日本企業撤退招く?徴用工巡る韓国式思考

また、今年4月には実際に「韓国における訴訟リスク」を理由に韓国からの事業一部撤退を決断した日本企業が出現しましたし(『【速報】セルフ経済制裁?日本企業が韓国からの事業撤退発表』)、韓国国内で国際法が守られないという事実が周知されれば、こうした動くは他社に及ぶかもしれません。

これが本当の「セルフ経済制裁」なのでしょう。

韓国への経済制裁

経済制裁の5類型

さて、私自身、本件の自称徴用工問題とはまったく別の次元で、韓国への「経済制裁」が必要だと考えているのですが、その目的は『韓国への対抗手段は経済制裁ではなく、経済焦土化作戦なのか』で述べたとおり、「潜在的に日本に敵対する国である韓国から経済力を削ぐこと」にあります。

韓国への対抗手段は経済制裁ではなく、経済焦土化作戦なのか

このように考えていくならば、韓国に対して経済制裁を加える名目として相応しいものは、「自称徴用工問題」とは限りません。韓国が事実上、北朝鮮核開発を支援している問題なども、経済制裁の名目としては望ましいと思います。

こうしたなか、「具体的な経済制裁のメニュー」としては、「積極的な経済制裁」、「サイレント型の経済制裁」、「協調型の経済制裁」、「消極的な経済制裁」、「セルフ経済制裁」が考えられます。

積極的な経済制裁

日本政府が自称元徴用工訴訟問題やレーダー照射事件などの個別懸案を巡り、韓国に対して個別・具体的な経済制裁措置を講じること。「ヒト・モノ・カネの制限」という観点からは、たとえば次のようなパターンが考えられる。

  • ①日本から韓国へのヒトの流れの制限
  • ②日本から韓国へのモノの流れの制限(外為法第48条に基づく輸出規制など)
  • ③日本から韓国へのカネの流れの制限(外為法第16条に基づく送金規制など)
  • ④韓国から日本へのヒトの流れの制限(入国ビザ制限など)
  • ⑤韓国から日本へのモノの流れの制限(関税引き上げなど)
  • ⑥韓国から日本へのカネの流れの制限

ただし、上記①については、現在の日本の法制度上、適用が困難であり、⑥については日韓のカネの流れに照らしてあまり意味がないため、事実上、機能するのは②~⑤である。

サイレント型の経済制裁

上記「積極的な経済制裁」と異なり、日本政府が「今から韓国に経済制裁を適用する」と宣言せずに実施する、韓国に関してのみ、わざと行政手続を厳格化するなどの実質的な経済制裁(あるいは嫌がらせ)。具体例としては、次のようなものが考えられる。

  • ①ヒトの流れの制限(韓国国民に対するビザ発給をわざと拒否する、厳格化するなど)
  • ②モノの流れの制限(外為法上の輸出許可手続を厳格化する)
  • ③カネの流れの制限(外為法上の送金許可手続を厳格化する)
  • ④その他の嫌がらせ(在日企業に対する税務調査の頻発、在留資格更新の拒否など)
諸外国との協調制裁

日本が積極的に音頭を取るのではなく、外国が韓国に対して経済制裁を掛けるタイミングで、日本もこれに便乗する形の制裁。たとえば、米国が韓国に対し、「北朝鮮の核開発を事実上、幇助している」と判断した場合に、日米で協調して韓国に対する経済制裁を適用することが考えられる。

消極的な経済制裁

韓国が何らかの困難な状況に陥ったときに、あえて助けないで見放すような形の制裁。具体例としては、次のようなものが考えられる。

  • ①韓国が通貨危機に陥った際、韓国側から日韓通貨スワップ協定待望論が出て来たときに、わざとその要望を無視する。
  • ②韓国以外の国(たとえばマレーシアや台湾、ニュージーランドやデンマークなど)と、これ見よがしに通貨スワップ協定や為替スワップ協定を締結する。
  • ③韓国・北朝鮮以外の国(ASEAN諸国や台湾など)とのハイレベル経済対話を常設化する。
セルフ経済制裁

韓国の日本に対する度重なる不法行為に嫌気して、自然と日本企業が韓国から距離を置くようになることで、結果的に日本が何らかの経済制裁を加えたのと同じような結果が生じること(具体例としては、『セルフ経済制裁の恐怖:「脱コリア」の流れは続くのか?』等を参照)

つまり、日本政府が積極的・明示的に行う経済制裁(とくにヒト・モノ・カネの流れの遮断)だけでなく、サイレント型の経済制裁(こっそり経済制裁すること)、諸外国を巻き込んで経済制裁することなど、多数のメニューがあり、これらも広い意味では経済制裁を構成しているのです。

また、韓国が「自爆」することが前提ではあるものの、「韓国が困ったときにあえて助けない」という意味での消極的な経済制裁や、「セルフ経済制裁」なども広い意味では経済制裁の一種と捉えることもできるかもしれません。

経済制裁、いつやるの?

さて、私自身、日本政府の対応は腰が重く、やるべきことを十分に尽くしているとは言い難い、という不満を持っていますし、また、日本政府が毅然として対処すべき局面で、そうしてこなかったという点にも憤りを感じています。

ただ、それと同時に、日本が焦って「伝家の宝刀」を抜くべき局面ではないというのもまた間違いないでしょう。

「経済制裁」にあたって考慮すべきファクターは、大きく2つあります。

考慮すべき1つ目のファクターは、実際、『徴用工と瀬戸際外交:放置すれば日本の選択肢が増えるのも事実』でも報告したとおり、時間が経過すればするほど韓国側に選択肢がなくなり、日本側に選択肢が増える、という側面です。

徴用工と瀬戸際外交:放置すれば日本の選択肢が増えるのも事実

つまり、日本政府が時間稼ぎをすればするほど、日本国内に対しては韓国という国の異常性を周知することができますし、また、日本政府がわざわざ手を下さなくても、放っておけば焦った韓国が自爆して、結果的にどんどんと自国を不利な状況に追い込んでいくことが期待できるからです。

たとえば、自称元徴用工の原告側も、ピケを張って抗議行動をしようとしているようですが、当ウェブサイトでは、原告側が自縄自縛に陥っていることは、『放っておけば勝手に自滅 自称元徴用工代理人のホンネとは?』などで一貫して申し上げてきたとおりです。

放っておけば勝手に自滅 自称元徴用工代理人のホンネとは?

一方、考慮すべき2つ目のファクターは、米国との関係にあります。

米国は現在、米中貿易戦争やインド太平洋戦略で、どの国を仮想敵国とし、どの国を同盟国とするかという選別の過程にありますが、「おまえは米国につくのか、中国につくのか」という「踏み絵」を迫る相手という意味では、韓国も同じことです。

この点、日本はすでに、安倍晋三総理大臣の働きもあり、「日米同盟を基軸として、インド太平洋を中心とする自由民主主義諸国との同盟を拡大しつつ、中国・ロシアなど仮想敵国との偶発的な衝突を防ぐ」という大戦略を確立させています。

つまり、韓国が近い将来、中国にひれ伏すにせよ、北朝鮮と統一国家を形成するにせよ、日米陣営から離反することは、日米側としても織り込み済みではないでしょうか。

問題は、その時期です。

昨日紹介した『鈴置高史氏の重要な指摘 イランと北朝鮮、点が線でつながる』によれば、米韓同盟の消滅は最速で今年もあり得るとのことですが(ただし、これにはさまざまな条件が付きます)、少なくとも戦時作戦統制権が韓国に返還される2022年までのどこかにその好機が訪れるのではないでしょうか。

その意味で、自称徴用工問題も結局のところ、「日韓関係が清算されるなかでの1つの里程標」に過ぎない、といえるでしょう。

※本文は以上です。

ウェブサイトからのお知らせ

当ウェブサイトからのお知らせです。昨年、当ウェブサイトに掲載した『数字で読む日本経済』シリーズを書籍化しました。株式会社ビジネス社より『数字でみる「強い」日本経済 』が刊行されます。発売は7月中旬を予定しおり、現在、予約受付中です。


【PR】スポンサーリンク・広告

記事の転載、引用、記事へのコメントは、ガイドラインに従い、ご自由になさってください。また、気に入っていただければ、是非、クリック、あるいはSNSなどでシェアして下さい。
このエントリーをはてなブックマークに追加 このエントリーをはてなブックマークに追加

お勧め記事一覧/スポンサーリンク・広告

ウェブサイトからのお知らせ

コメントは「関連記事」の下に入力可能です。注意事項「当ウェブサイトへのコメントについて」を踏まえたうえで、ご自由にコメントをなさってください。なお、原則として頂いたコメントには個別に返信いたしませんが、必ず目を通しておりますし、本文で取り上げることもございます。是非、お気軽なコメントを賜りますと幸いです。
なお、当ウェブサイトでは、現在、1日1~2回、記事を更新しており、最新記事はトップページにて常に30件表示しています。これを機に、ぜひ、「新宿会計士の政治経済評論」をブックマークに登録してください。

【最新記事100件】
  • 2020/07/05 05:00 【韓国崩壊
    「韓国とは交渉するな、叩き潰せ」=慰安婦問題の教え (1コメント)
  • 2020/07/04 12:00 【読者のページ
    読者雑談専用記事通常版 2020/07/04(土) (76コメント)
  • 2020/07/04 09:00 【時事|経済全般|外交
    日本企業は中韓との往来制限が続く可能性を覚悟すべき (10コメント)
  • 2020/07/04 05:00 【韓国崩壊
    対日WTO提訴が韓国経済の終焉を意味するとしたら… (43コメント)
  • 2020/07/03 15:00 【時事|外交
    初動としては歓迎したい「習近平訪日中止要請」=自民 (35コメント)
  • 2020/07/03 12:00 【時事|韓国崩壊
    【為替操作の賜物?】韓国の外貨準備高が史上最大に  (17コメント)
  • 2020/07/03 08:30 【時事|韓国崩壊
    言外に「価値共有しない国にはG7資格なし」=茂木氏 (48コメント)
  • 2020/07/03 08:00 【マスメディア論|時事
    イラネッチケー控訴:テレビ業界をNHKがぶっ壊す! (26コメント)
  • 2020/07/03 05:00 【数字で読む日本経済
    消費税ゼロと国債400兆円増発で日本経済が大復活! (11コメント)
  • 2020/07/02 16:00 【時事|韓国崩壊
    「韓国の努力に日本が答える番だ」=韓国経済副首相 (38コメント)
  • 2020/07/02 11:30 【時事|金融
    韓国が外貨準備高のうち1573億ドルを「積極投資」 (11コメント)
  • 2020/07/02 08:30 【時事|韓国崩壊
    韓国さん、政策対話を滞らせてしまって大丈夫ですか? (27コメント)
  • 2020/07/02 08:00 【数字で読む日本経済
    インターネットによる情報発信が日本を変えていくのか (3コメント)
  • 2020/07/02 05:00 【韓国崩壊
    歴史問題にエサを与えないでください!=自滅する韓国 (22コメント)
  • 2020/07/01 16:00 【数字で読む日本経済
    【お知らせ】数字でみる「強い」日本経済=ビジネス社 (26コメント)
  • 2020/07/01 15:30 【時事|韓国崩壊
    「資産売却」騙る弁護士のインタビュー=自称元徴用工 (39コメント)
  • 2020/07/01 12:00 【読者のページ
    読者雑談専用記事通常版 2020/07/01(水) (90コメント)
  • 2020/07/01 11:55 【時事|韓国崩壊
    韓国メディア「輸出規制で安倍破産」 (7コメント)
  • 2020/07/01 08:00 【時事|韓国崩壊
    対韓輸出管理適正化措置は「意図せざる経済制裁」に (7コメント)
  • 2020/07/01 05:00 【金融
    香港国家安全法を受けた「対中経済制裁」発動パターン (18コメント)
  • 2020/06/30 17:00 【時事|経済全般
    「日豪などからの入国を容認」、EUの苦しい台所事情 (12コメント)
  • 2020/06/30 12:00 【時事|外交
    「日本は破廉恥水準が全世界最上位圏」=韓国政府高官 (79コメント)
  • 2020/06/30 11:00 【時事|韓国崩壊
    韓経「日本は脅しただけでアクションを取らなかった」 (28コメント)
  • 2020/06/30 08:00 【時事|韓国崩壊
    中央日報「破綻を避けるためには日韓両国が努力せよ」 (20コメント)
  • 2020/06/30 05:00 【RMB|金融
    「減税」が結果として中国に対する経済制裁となる理由 (28コメント)
  • 2020/06/29 15:00 【マスメディア論|時事
    共同通信「韓国の反発は必至」→本当に反発して来た (29コメント)
  • 2020/06/29 12:00 【読者のページ
    読者雑談専用記事通常版 2020/06/29(月) (104コメント)
  • 2020/06/29 11:00 【時事|韓国崩壊
    日本経済にとっての「韓国洗濯機」、今こそ買い替え時 (20コメント)
  • 2020/06/29 10:00 【時事|韓国崩壊
    中央日報「米、WTOでの紛争解決を支持」記事の真相 (7コメント)
  • 2020/06/29 08:00 【マスメディア論|時事
    「衰退産業」で振り返る、「武漢コロナの半年間」 (15コメント)
  • 2020/06/29 05:00 【日韓スワップ|韓国崩壊
    朝鮮日報の珍説「韓日スワップは日本に円安もたらす」 (35コメント)
  • 2020/06/28 16:00 【時事|韓国崩壊
    共同通信「日本がG7拡大に反対、韓国の反発は必至」 (31コメント)
  • 2020/06/28 12:00 【時事|韓国崩壊
    韓国メディア「韓日は最悪の事態避けるため知恵絞れ」 (37コメント)
  • 2020/06/28 09:00 【マスメディア論|時事
    民放各社こそ「NHKに初勝訴」を全面的に歓迎すべき (12コメント)
  • 2020/06/28 05:00 【マスメディア論
    NHKは日本に必要か~最新財務諸表分析から考察する (13コメント)
  • 2020/06/27 12:00 【読者のページ
    読者雑談専用記事通常版 2020/06/27(土) (121コメント)
  • 2020/06/27 09:00 【数字で読む日本経済|金融
    科学的アプローチで理解する、「国の借金論の間違い」 (43コメント)
  • 2020/06/27 05:00 【韓国崩壊
    金与正の瀬戸際外交による最大の成果は「韓国の掌握」 (30コメント)
  • 2020/06/26 16:30 【時事|金融
    米ドル為替スワップ、残高は2263億ドルにまで減少 (4コメント)
  • 2020/06/26 11:00 【時事|外交
    イージス・アショア配備中断、河野太郎氏が丁寧に説明 (41コメント)
  • 2020/06/26 08:00 【時事|韓国崩壊
    「蚊帳の外」にいたはずの日本に「逆ギレ」か?=韓国 (49コメント)
  • 2020/06/26 05:00 【金融
    いまこそ確かめたい、「財政再建=増税」論の大間違い (69コメント)
  • 2020/06/25 17:00 【数字で読む日本経済|金融
    【速報】家計が相変わらず一千兆円超の現金預金を保有 (18コメント)
  • 2020/06/25 12:15 【時事|金融
    韓国政府が外国為替平衡基金債券発行へ=韓国メディア (15コメント)
  • 2020/06/25 08:00 【日韓スワップ|時事|韓国崩壊
    CMIMでなぜか「支援受ける気満々」=韓国メディア (7コメント)
  • 2020/06/25 05:00 【マスメディア論
    産経記者「共同通信は毒水を流すインフラ屋」と苦言か (25コメント)
  • 2020/06/24 12:30 【時事|韓国崩壊
    韓国が「輸出規制」と騒ぐこと自体、日本の脱韓を促進 (23コメント)
  • 2020/06/24 12:00 【読者のページ
    読者雑談専用記事通常版 2020/06/24(水) (98コメント)
  • 2020/06/24 10:30 【時事|外交|金融
    日本が香港の金融業を誘致:課題もあるが着眼点は秀逸 (15コメント)
  • 2020/06/24 08:00 【時事|経済全般
    「PCR検査を全国民に実施せよ」を数学的に論破する (53コメント)
  • 2020/06/24 05:00 【金融
    多国間通貨スワップ「CMIM」増額などは見送られた (12コメント)
  • 2020/06/23 16:30 【金融
    トルコが中国との通貨スワップを実行し人民元を引出す (14コメント)
  • 2020/06/23 11:11 【読者投稿
    【読者投稿】在韓日本人が写真で見る「現在のソウル」 (30コメント)
  • 2020/06/23 10:00 【時事|国内政治
    安倍総理は消費税と憲法争点に解散総選挙に打って出よ (23コメント)
  • 2020/06/23 08:00 【韓国崩壊
    意識だけ先進国?信頼を踏みにじる韓国が払う「対価」 (27コメント)
  • 2020/06/23 05:00 【時事|経済全般
    産経「日中往来制限の長期化により中国で不良品頻発」 (15コメント)
  • 2020/06/22 17:45 【時事|国内政治
    入管への抗議デモは筋違い 「出国の権利」を行使せよ (18コメント)
  • 2020/06/22 12:00 【読者のページ
    読者雑談専用記事通常版 2020/06/22(月) (81コメント)
  • 2020/06/22 11:45 【時事|韓国崩壊
    日韓関係「自然消滅」論を裏付ける韓国メディアの記事 (20コメント)
  • 2020/06/22 08:00 【マスメディア論|時事
    河井夫妻逮捕という「不祥事」なのに支持率が上昇の怪 (22コメント)
  • 2020/06/22 05:00 【韓国崩壊
    韓国メディア「日本の対韓制裁は殴るフリだけで効く」 (34コメント)
  • 2020/06/21 12:00 【経済全般
    「戻ってきてほしいトップは台湾」=訪日外国人観光客 (38コメント)
  • 2020/06/21 05:00 【韓国崩壊
    なぜ「日本は韓国に一本取られた」と勘違いするのか (65コメント)
  • 2020/06/20 15:00 【時事|韓国崩壊
    【補遺】韓国で国産化したフッ化水素は5Nに過ぎない (69コメント)
  • 2020/06/20 12:00 【読者のページ
    読者雑談専用記事通常版 2020/06/20(土) (78コメント)
  • 2020/06/20 09:00 【マスメディア論
    世論調査不正問題、むしろ焦点は「他社の対応」では? (27コメント)
  • 2020/06/20 05:00 【経済全般
    韓国メディア「日本の輸出規制で対日貿易赤字幅縮小」 (26コメント)
  • 2020/06/19 11:30 【時事|経済全般
    入国制限の緩和は4ヵ国からスタート 台湾・香港は? (24コメント)
  • 2020/06/19 09:00 【金融
    日欧韓で全体の8割占める=米FRBドル為替スワップ (8コメント)
  • 2020/06/19 08:00 【時事|韓国崩壊
    WTO提訴する韓国は「グループB」にすら値しない (19コメント)
  • 2020/06/19 06:00 【経済全般
    テレビ局「今すぐ事業をやめて解散した方が儲かる」? (17コメント)
  • 2020/06/19 05:00 【時事|韓国崩壊
    韓銀「韓米通貨スワップ延長は市場状況を見て決める」 (11コメント)
  • 2020/06/18 12:12 【時事|韓国崩壊
    運転席理論は幻想!この難局を韓国はどう乗り切るのか (55コメント)
  • 2020/06/18 11:00 【時事|国内政治
    「ネズミも逃げ出す泥の船」と化しつつある立憲民主党 (13コメント)
  • 2020/06/18 08:00 【時事|経済全般
    米系投資ファンド「日本の地上波テレビに将来性なし」 (7コメント)
  • 2020/06/18 06:00 【韓国崩壊
    日本政府、韓国に輸出規制など経済制裁の発動は可能か (15コメント)
  • 2020/06/18 05:00 【マスメディア論|時事
    不要なのはコメンテーターか、テレビ局そのものなのか (31コメント)
  • 2020/06/17 12:30 【日韓スワップ|時事|金融
    国際競争力で日本を上回る相手国に通貨スワップは不要 (27コメント)
  • 2020/06/17 12:00 【読者のページ
    読者雑談専用記事通常版 2020/06/17(水) (122コメント)
  • 2020/06/17 11:00 【時事|国内政治
    山尾志桜里議員:「肥溜め」→「三角コーナー」へ移籍 (32コメント)
  • 2020/06/17 08:00 【時事|外交
    北朝鮮による事務所爆破と金正恩危篤説はつながるのか (40コメント)
  • 2020/06/17 05:00 【経済全般
    【総論】経済制裁「7つの類型」と「5つの発動名目」 (3コメント)
  • 2020/06/16 22:30 【時事|外交
    【速報】「北朝鮮が開城連絡事務所破壊」は権力承継? (22コメント)
  • 2020/06/16 15:00 【時事|国内政治
    毎日新聞によると大串博志氏も「#」と発音したらしい (14コメント)
  • 2020/06/16 11:11 【時事|韓国崩壊
    非上場株式の売却を「時限爆弾」と呼ぶ韓国メディア (17コメント)
  • 2020/06/16 08:00 【韓国崩壊
    「約束破り」の常習国家が日本に「約束を守れ」と要求 (36コメント)
  • 2020/06/16 05:00 【時事|国内政治
    コロナ禍と不法滞在、そして「強制退去違反罪」の創設 (10コメント)
  • 2020/06/15 12:00 【読者のページ
    読者雑談専用記事通常版 2020/06/15(月) (72コメント)
  • 2020/06/15 11:00 【時事|韓国崩壊
    韓国で「資産現金化でも日本の経済報復に耐えられる」 (105コメント)
  • 2020/06/15 08:00 【韓国崩壊
    相次ぐ韓国の自爆、日本が「エサ」与えなくなったから (34コメント)
  • 2020/06/15 06:00 【マスメディア論|時事
    NHKにとっては企業倒産よりも受信料収入の方が大事 (12コメント)
  • 2020/06/15 05:00 【時事|韓国崩壊
    北朝鮮の軍事行動示唆発言に感じる「不自然さ」の正体 (38コメント)
  • 2020/06/14 11:30 【時事|国内政治
    足を引っ張る野党とメディア、まったく休まぬ安倍総理 (37コメント)
  • 2020/06/14 09:00 【時事|韓国崩壊
    「輸出規制」巡る一般読者の反応のレベルは総じて高い (17コメント)
  • 2020/06/14 05:00 【国内政治
    テレビ見る人ほど安倍総理を「信頼できない」と考える (37コメント)
  • 2020/06/13 12:00 【読者のページ
    読者雑談専用記事通常版 2020/06/13(土) (88コメント)
  • 2020/06/13 08:00 【時事|経済全般
    まだ間に合う?中韓に対し「輸入国」に転落する前に… (42コメント)
  • 2020/06/13 05:00 【マスメディア論
    新聞社説のブログ化、そして相次ぐ虚報がもたらすもの (23コメント)
  • 2020/06/12 14:14 【時事|韓国崩壊
    毎日新聞社説「日韓両国指導者は失ったもの直視せよ」 (33コメント)
  • 2020/06/12 11:35 【日韓スワップ|時事|韓国崩壊
    「真の友人」なら、もう日韓スワップを結んでいるはず (24コメント)

  • 著者のコンタクト先:info@shinjukuacc.com

    【PR】スポンサーリンク・広告

    ※広告表示の詳細についてはプライバシー・ポリシーのページをご参照ください。