【夕刊】生活保護巡る説得力のない記事

生活保護に関するおかしな記事を発見しました。ツッコミがてら記事を読みつつ、私が直接知っている事例についても紹介したいと思います。

生活設計を間違えている人

生活保護制度に関するおかしな記事

ゴールデンウィーク中の5月3日、福井の地方紙「福井新聞」オンライン版に、こんな記事が掲載されました。

生活保護、やまぬ減額に受給者は/「最低限の生活」保障されているか(2018年5月3日 午前7時10分付 福井新聞オンラインより)

記事が取り上げている事例とは、生活保護を受けている福井市の69歳の独身男性です。記事には次のような内容が書かれています。

  • 6年前、アルバイト先のホームセンターから解雇を告げられ、高齢に加え体調も崩しがちであることから福井市に生活保護を申請。軽乗用車を手放し、家賃5.5万円から3万円台のアパートに移った
  • 現在の生活扶助費は月額約7万円で、食事は昼晩の2回、お茶漬けやパンが多く、湯船に浸かって入浴するのは「ガス代がきつい」ため月1回で、あとは3日に1回のシャワーで済ませている
  • 唯一の嗜好品であるたばこをやめられないこともあり、2年ごとのアパート更新時に不動産業者と保証人に支払う3.5万円のために月1000円ずつためるのがやっとだ

いろいろとツッコミどころが多すぎる記事です。生活保護を受けているのだったら、まず、たばこをやめましょう。そして、月額7万円もあれば、きちんとした食事をとることもできるはずですし、風呂も毎日入れるはずです。その具体的な計算をする前に、生活保護制度の概要を確認しておきましょう。

生活保護制度とは?

生活保護制度についての説明は、厚生労働省のホームページに設けられています。

生活保護制度(厚生労働省HPより)

厚生労働省のホームページによると、生活保護制度とは、

資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する方に対し、困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長する制度

のことです。あくまでもその資産、能力、その他あらゆるものを活用しても、どうしても最低限の生活を維持することができない場合に、例外的に支給されるものであり、かつ、「自立を助長する制度」である、という点がポイントです。

困っている人がいれば、無限に助けてあげたいのが人情ですが、残念ながら財源は有限です。私たち国民が納めた税金から支給されるものである以上、無節操におカネをあげる、というわけにもいかないのが実情です。厚生労働省は

  • 預貯金、生活に利用されていない土地・家屋等があれば売却等し生活費に充ててください
  • 働くことが可能な方は、その能力に応じて働いてください
  • 年金や手当など他の制度で給付を受けることができる場合は、まずそれらを活用してください
  • 親族等から援助を受けることができる場合は、援助を受けてください

と述べていますが、国民の税金を使う以上は、本当に必要な人に限定的に支給するのは当たり前の話でしょう。

また、保護の種類と内容については、

▼生活扶助(食費、光熱水道費等)、▼住宅扶助(アパート等の家賃の実費)、▼教育扶助(義務教育を受けるための学用品等)、▼医療扶助(医療機関へ支払われ、本人負担なし)、▼介護扶助(介護事業者へ支払われ、本人負担なし)

などがあり、非常に充実しています。

記事への疑問点

これを踏まえたうえで、先ほどの記事に戻りましょう。

厚生労働省の基準によれば、福井市は「2級地-1」に該当しており、平成30年4月時点において「70歳以上の単身世帯の最低生活費」は67,460円(=30,580円+36,880円)と算出されるようです。これに寒冷地などの冬季加算があるため、先ほどの記事の「月額約7万円」と整合します。

(もっとも記事の男性は70代ではなく69歳ですので、金額はこれよりも若干少なくなるはずですが、以下では月額67,460円だと仮定して議論を進めることにします。)

まず、記事への大きな疑問点は、アパートの更新費用です。これは本来、「住宅扶助」のカテゴリーで、67,460円とは別枠で支給されるはずです。そして、一定の条件はあるものの、更新費用についても生活保護のカテゴリーから支弁されます。この点については、この男性の知識不足かもしれません。

次に、食事代については、要は自炊するかどうかという話です。たとえば、『公益財団法人米穀安定供給確保支援機構』のウェブサイトによれば、茶碗1杯のごはんの値段は約30円とされます。わが家の近所のスーパーで売られているコメは5キロで2,000円程度なので、だいたいこの計算とも合います。

コメが嫌で朝食くらいはパンを食べたいという人であれば、食パンを買って来ましょう。6枚切りの食パンは、安い所で1斤100円前後で売られています。朝食1回あたり2枚食べたとしても、3日分の食事になります。

自分でガスでお湯を沸かせば、紅茶もコーヒーも淹れ放題です。卵も特売を狙えば10個入りで1パック100円~150円のものが手に入ります。目玉焼きを作れば、栄養も満点です。さらに、わが家の近所では果物が売られていて、安い時にはバナナ3本で100円、イチゴ1パック400円程度です。

さらに、鶏肉(胸肉なら100グラム78円程度、もも肉なら100グラム95円程度)、豚肉(細切れ100グラム138円程度)などの材料を買ってきて、ほうれん草(最近だと1パック100円、高くても200円程度)などと一緒に炒めれば、美味しい食事の出来上がりです。

たとえば朝は食パンと卵、昼はそば、夜は米を炊いて味噌汁とおかずを作れば、1日あたり1,000円以下に抑えることができます。要は自炊するかどうかという話です。

さらに、福井市のガス代は「13A都市ガス」で使用量が1立方メートルで807円であり、毎日風呂を沸かして入るなどしてガスの使用量が5立方メートルになったとしても1,722円です。福井市の水道代も、2ヵ月で30立方メートル使ったとしても、料金は4,170円(つまり1ヵ月2,085円)に過ぎません。

こう考えていけば、

  • 食費…1,000円×30日=30,000円
  • 風呂…1,722円+2,085円=3,807円

で、先ほどの67,460円からこれらを引いても、まだ33,653円残ります。

タバコは「健康で文化的な生活」の必需品なの?

ところで、記事のなかで、男性が「唯一の嗜好品であるタバコがやめられない」という記述があるのですが、そもそも論として、タバコは「健康で文化的な生活」の必需品なのでしょうか?

先ほども紹介した厚生労働省のウェブサイトには、生活保護制度の目的の1つが「健康で文化的な最低限度の生活を保障する」ことにあると明記されています。JTウェブサイトによれば、セブンスターは20本入りで460円もします。

1日1箱吸えば毎月30箱で、これだけで13,800円です。1日2箱吸う人だと、その2倍、27,600円もタバコに消える計算です。月収が67,460円の人が「嗜好品」としてタバコを吸って良いはずがありません。

しかも、タバコを吸う人は医療費が余分にかかります。この人の場合も生活保護を受けていれば医療費がかかりませんが、その分、国民の税金に負担のしわ寄せがいくのです。そもそも記事をよくよく読んでみたら、この男性は「昼と夜の2食しか食べない」ことが多いようですが、これもおかしな話です。

あまりきついことを申し上げるのも酷ですが、タバコをやめ、きちんと朝起きて朝食を摂り、スーパーに買い物に行って自炊するだけで、生活はかなり改善します。その意味で、この事例は「生活保護の問題」ではありません。「自覚のない自堕落な生活をする人の特異事例」です。

冷静に考えたらおかしいとわかるはず

この生活保護費の問題については、いろいろと社会的な議論があることは私も認めます。

なかには、本当にどうしようもない理由で生活に困窮してしまったような人もいますし、どうしても働けない人もいます。生活保護という制度は、こうした生活困窮者にとっての最後の命綱として、絶対に存在し続けなければならないものです。

ただ、サヨクと呼ばれる勢力が引用する事例は、極端なものが多すぎます。さきほどの福井新聞の事例にしてもそうですが、記事を読んで行けば、あきらかにこの男性が困窮している理由は、生活保護の問題ではなく、この男性そのものの問題であることは明らかでしょう。

このように考えていくならば、福井新聞の「社会の木鐸」としての機能は、「生活保護費が低すぎること」を糾弾することではありません。生活保護受給者に対し、自覚を促すことでしょう。福井新聞に限りませんが、合理的で常識的な記事を書くことができないからこそ、新聞が人々から見放されているのだと思います。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

私事で恐縮ですが、私自身の叔母(※日本への帰化をしていない在日韓国人)が生活保護を受け取っていたことがあります。もっとも、叔母(母の妹)といっても、人間のクズの見本のような者であり、親戚づきあいなど、ほとんどありませんでした(今はほぼ絶縁しています)。

私の母親(故人)は在日韓国人の家庭に生まれたのですが、生前に日本に帰化済みです。しかし、この叔母は、帰化するチャンスが何度もあったにもかかわらず、また、自立するチャンスもあったにも関わらず、自らの意思で、それらのチャンスをことごとく潰して来た人間です。

つまり、彼女は外国人でありながら、私たち日本の大事な国民の税金から生活保護費をかすめ取っていたのです。わが身内のことながら、思い出すと本当に腹が立ちます。叔母は韓国人ですから、本来、「在日本大韓民国民団」(民団)か韓国大使館あたりに助けを求めるべきだったはずです。

どうして日本国民ではない韓国人が生活保護を受け取れるのか、私にはまったく理解ができません。こうした点も、日本政府には早急な是正を求めたいと思います。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. 権兵衛 より:

    在日韓国、朝鮮人への生活保護支給に関してですが、年間どの程度の公費が支払われているか調べてみたことがあるのですが、ズバリの数字はなかなか見つからず、推測値で700億~1000億円くらいとなりました。
    この数字自体は、自分で試算したものなので、当たらずとも遠からずなのか、見当はずれなのか、判断つきません。
    日本人を含めた総支出が4兆前後だったと思いますが、それを朝鮮半島籍者の比率で単純に按分したものが、上記の数字です。
    ご多忙のところ恐縮なんですが、新宿会計士様、この辺の数字お詳しければ、お教えいただけませんでしょうか?
    無論、外国籍者への現金支給は極力減らす、もしくは本国へ送還すべきと考えております。

  2. めがねのおやじ より:

    < 第3報ありがとうございます。
    < そもそも在日韓国人、朝鮮人に対して、行政は及び腰です。戦後すぐ頃のGHQら支配者に日本人が厳しく指導された朝鮮人への贖罪意識からか、ずっとこの生保の制度も見直しされていません。生活保護法には『すべての国民に無差別平等に適用』とありますが、外国人は適用外です。また裁判所の判例でも生保の適用外と出ているのに、一向に進みません。この管轄が地方自治体の為、まとまってないのかもしれません。
    < 生活保護を受ける事実上の夫婦が、昼間からパチンコ・スロットを打ち、そこまでの足はなんとベンツ。結構見かける風景ですね。バレ無いように仕事をしたり、他に収入がある連中も居る。本当に生活に困っている人には手を差し伸べるべきだが、不正を(あるいはグレーゾーン)している受給者は、受給カットの上、追徴するべきです。『唯一の嗜好品がタバコ』など、もっての外。すぐヤメロ。月に1万円以上浮くじゃないか。今現在、新規で需給を受けようとすると、審査は大変厳しいと聞きますが、昔のドサクサ時は相当甘かったと思います。1950年制定ですから。また外国人へはすべて給付ゼロにすべしと思います。 以上

  3. 為替トレーダー より:

    生活保護って社会システムは、実は設計がかなり難しい社会保険ですね。
    このようなシステムがあれば必ず不正受給者が出ます。
    一方、本当に生活に困っている方々も相当数います。

    となると、どうやって「本当に生活に困っている方々」と「不正受給者」を区別するか?
    というところが問題の本質であるってところは、明白だと思います。

    その理解の上でその区別に「どれだけコストがかかるか?」

    ここからはちょっと難しい話ですが、実際はその区別コストを支払っているのも、社会保険からです。
    特別会計の支払コストには調査費用も含まれているのです。
    筆者様や各位コメント見ても、その社会費用の総額って発想は無いようにお見受けします。

    要するに、
    区別コストをあまり掛けずに甘々な受給基準で行えば不正受給が増えて生活保護支給は減りません。
    一方、区別コストにたくさん配分すれば不正受給は減るけど社会費用の総額はあまり減りません。

    そして、
    区別コストにかかる費用=公務員または準公務員、及び外注費用であり、
    ここにも「別の意味の不正受給」が増えてしまいます。

    結局のところ、
    「生活に困っている方々を社会が助ける」
    って行為そのものが、
    「不正受給」
    の温床となり、恐らくほぼ比例するでしょう。

    そこで近年、BI(=ベーシックインカム)論という発想が生まれてきたわけですが、、、
    論旨が外れるのでまたの機会にします。

    1. 通行人 より:

      不正受給者発見って密告制度で良いと思う。生活保護受けてるくせにパチンカスっていうのを密告で摘発してニュースになっていた気がするけどそれが一番コスト安上がりだしね。

  4. 通行人 より:

    まーあれだな。ブログ主の主張もわかるが、1日1000円で食費を収めれるような堅実な人が生活保護を受ける状態になるなんてないっしょ、フツー。あまり差別的なこと言いたくないけど、計画性がないからこそ生活保護を受けているって人が大半じゃね?ちゃんと調べたわけじゃないけどね。 第一年金貰ってない時点で国民年金収めてないってことだし独身ってことは離婚したのかな?未婚なのかな?いろいろ計画性がないのは仕方がない気がする。

    1. 為替トレーダー より:

      まあ、ある意味、生活保護ってのは計画性のない怠惰で無能な生き物を、
      同じ人として助けようって発想のものですからねぇ。。。

      制度自体が不必要なものであるとは、、、
      正直、あくまで個人的な意見としてはありますね。
      しかしその社会システムとしての生活保護に携わることで生計を立てている公務員・準公務員、外注業者もいます。
      大きく論ずれば、この社会保険ってシステムそのものが所得の再配分を目的としているんじゃないでしょうかね。
      (その所得の再配分が外国籍の人も含むというのは承服しかねますが。。。)

      拡張して考えれば、年金だって同じじゃないでしょうか?

      国家予算の内、毎年問題視されている一般会計は年100兆円前後、
      一方、社会保険を主とする特別会計はほぼ倍の200兆円規模。

      マスゴミも政治家も誰も「特別会計の闇」を問題にしない
      (注:以前にこの問題にメスを入れようとして暗殺された政治家がいたけど)けど、
      この特別会計の中にこそ、、、

      「生活保護の不正受給」なんてちんけな問題なんかよりはるかに腐敗した
      「不正な所得再配分システム」が潜んでいるかと・・・

      韓国籍の在日にも生活保護出すのも、
      生活保護支給でパチンカーやって北朝鮮に貢いでいるのも、、、

      全ては繋がっているんじゃないですかな?

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