【夕刊】外貨準備:韓国はいつものウソをつく

「夕刊」と呼ぶには少し奇妙な時間ですが、また「いつものあの記事」を発見したので、メモがてら紹介しておきたいと思います。

またしても韓国外貨準備報道

そもそも外貨準備って?

当ウェブサイトではかねてより、韓国の外貨準備高のうち7~8割はウソであり、危機の際に役に立つのはせいぜい500~1000億ドル程度ではないかとの仮説を議論して来ました。これにはきちんとした根拠があります。

まず、一般に「外貨準備」は、国際通貨基金(IMF)が「国際的な市場で自由に両替できる通貨(freely usable currencies)」として認めた5つの通貨(米ドル、ユーロ、日本円、英ポンド、そしてなぜか中国人民元)を中心に、流動性が高いと考えられている通貨で構成されます。

IMFの公式外貨準備統計(Currency Composition of Official Foreign Exchange Reserves, COFER)によれば、集計区分は上記5つの通貨に加え、豪ドル、加ドル、スイス・フランの3つの通貨が設けられています。

次に、IMFの約款上、外貨準備の適格資産としては、「高い流動性と換金可能性がある株式や債務証券」とされていますが、現実には株価は大きく変動するため、多くの場合、外貨準備はおもに安全性の高い債務証券(米国債、日本国債、ドイツ国債など)で運用されています(同79項)。

また、COFER上、外貨準備の通貨別比率は、米ドルが63%、ユーロが20%、日本円と英ポンドがそれぞれ5%ずつ、などとなっていますが、外貨準備の性質上、外貨準備をユーロで保有しているのはユーロ圏に近接する諸国(スイス、デンマークなど)が中心だと考えられます(著者私見)。

このことから、おそらく韓国の場合、外貨準備の70~80%程度が米ドルであり、残りを日本円、中国人民元、ユーロなどの通貨で保有しているのではないかと想定しているのです。

また出た!「韓国の外貨準備高が過去最高」報道

こうした中、昨日もこんな報道が出て来ました。

韓国、外貨準備高が過去最高に…3967億ドル(2018年04月04日11時09分付 中央日報日本語版より)

韓国メディア『中央日報』日本語版によると、韓国の外貨準備高が過去最高となる3967億ドル、つまり4000億ドル弱にまで達したと報じられています。ここで、仮に外貨準備の80%が米ドル建てだったとすれば、韓国の外貨準備高は、次のように分解できます。

  • 総額…4000億ドル――①
  • 米ドル建て…3200億ドル(=①×80%)――②
  • ②以外…800億ドル(=①-②)――③

このうち、③の部分については、とりあえず全額、きちんとした安全資産で運用されているものと仮定しましょう。しかし、問題となるのは②の部分です。仮に②を3200億ドルと仮定すれば、この金額が韓国名義で、米国債などに投資されているはずです。

ところが、以前執筆した『韓国紙「韓国の外貨不足額は1200億ドル」』で行った分析を再掲しておくと、韓国の外貨準備額の最大値は1734億ドルに過ぎません。

米国財務省が公表する「外国居住者別証券投資残高(U.S. Long-Term Securities Held by Foreign Residents)」によると、2017年11月末時点の韓国の有価証券保有額は、次のとおりです。

  • (1)米国債…91,972百万ドル(つまり約920億ドル)
  • (2)エージェンシー債…45,381百万ドル(つまり約454億ドル)
  • (3)その他の公社債…35,986百万ドル(つまり約360億ドル)
  • (4)株式…114,138百万ドル(つまり約1141億ドル)

単純合計額は2875億ドルですが、(4)の株式は一般に外貨準備に含まれませんので、これを除外した残額の1734億ドルが、韓国の外貨準備高のうち、ドル建て資産の最大値ということです。しかし、現実には韓国の民間企業、民間金融機関も外債を保有しています。

民間企業・金融機関が保有する米ドル建て外債の金額を少なめに700億ドルだと見積もれば、韓国のドル建ての実質的な外貨準備高は1000億ドルです(もっとも、この金額でも少し多すぎると思いますが…)。

これに、先ほどの③を加えれば、韓国が自由に使える外貨準備高は4000億ドルではなく、1800億ドルと計算できるのです。これはかなり多く見積もった金額であり、実際にはさらに少なくなるであろうと想定することができます。

なお、『韓国紙「韓国の外貨不足額は1200億ドル」』でも触れたとおり、韓国国内の研究機関が「通貨危機に見舞われた際の外貨不足額は1200億ドル以上に達する」とする試算を発表しています。これは、私自身が予測する韓国の外貨不足額とも大きく異なりません。

なぜ外貨準備額をことさらに報じるのか?

韓国の外貨準備統計の怪しさについては、ほかにもいくつか論点がありますので、もしご興味があれば、ぜひ『韓国紙「韓国の外貨不足額は1200億ドル」』を再読して下さい。本日は少し視点を変えて、どうして韓国がことさらに外貨準備高を発表しているのか、考えてみましょう。

外貨準備とは、簡単に言えば、通貨防衛のための手段です。ただ、韓国は変動相場制の国であり、しかもOECD加盟国です。本来であれば、自分の国の通貨を国際的に自由に使えるようにする責務があります。

しかし、現実に韓国の通貨は国際的な市場で使い物になりません。これについては今月執筆した『韓国で猛威を振るった「KIKOオプション」』や『韓国経済新聞が報じた「3つの苦境」とは?』あたりで議論しているので、ここでは繰り返しません。

この事実から導き出されることとは、やはり、韓国が資金流出を極度に恐れている、ということです。

実際、日本経済新聞社の鈴置高史編集委員あたりは、米国が韓国に「通貨制裁」を加える準備がある、といったニュアンスの論説を執筆されていますが、これは金融規制の専門家という立場から見ても、同じ結論が導き出せるのです。

そうなれば、やることは北朝鮮や中国と全く同じです。すなわち、

わが国は全然困っていない!

と、ことさらに大声で強調して見せることです。今回の外貨準備統計の結果についても、そういうニュアンスを強く感じてしまうのです。

こうした私自身の感覚が正しいのか、間違っているのかは、現時点ではわかりません。しかし、韓国がしきりに日本の方向を向いて、「通貨スワップ協定をくれ」と言ってくるということ自体、韓国が外貨を喉から手が出るほど欲しがっている証拠であるように思えてならないのです。

どんないくさであっても、「敵を知り、己を知る」ことが必要だといいます。韓国が日本に対して歴史プロパガンダ戦を仕掛けて来ている以上、私にとっては韓国は日本の敵だと思っているのですが、その敵国の内情を詳しく分析するのも、やはりウェブ評論家としての役割なのかもしれません。

読者コメント一覧

  1. りょうちん より:

    逆に考えるんだ。為替操作しなくて済む様になったからドルなんか要らないってね!

    こうですね。

  2. 黄昏せんべい より:

    「〇島はわが領土」
    そう言えば、必死にそう主張する国がありますね
    なんか後ろめたいことでもあるのでしょうね

    いつもは買わないお土産や花束
    亭主がそういうもの買って帰ってきたら要注意だそうです
    なんか後ろめたいことがある証拠(笑)

  3. めがねのおやじ より:

     < 夕刊の発信ありがとうございます。
     < また中央日報が韓国政府発表のプロパガンダを報じてますね。それも声高らかに(日本のほう向いて)「我が国は外貨準備高が3967億ドルあるぞ。だから小賢しい日本とのスワップなど必要ない!」*但し日本国の方を見て、「日本がスワップを締結したいのならそちらから言ってくれれば考えなくもない」(←後半はボソッと独り言)(笑)。
     韓国は毎月、この話題を報じます・しかし、コノ国の場合、大声で正反対の事を言う性癖がある。つまり、よっぽど外貨準備に困っているのでしょう。
     <韓国の外貨準備高は新宿会計士様のお見立てで多くて1,000億ドル。いや、いざという時に使える外貨は500~1,000億ドル。全然足りませんやん。この期に及んでまだ日本を「用日」するとは失礼千万、カンコクに渡すカネなど1円もありません。   以上。

  4. 歴史好きの軍国主義者 より:

    いつも知的好奇心を刺激する記事の配信有り難うございます。

    要は企業会計で言えば粉飾決算をしてる状況ですかね。

    と言うことは外貨準備高に関する虚偽の情報公布を逆手に取って実際に韓国が国家破産した時に韓国政府に日米で懲罰的に賠償を取れないでしょうか?

    住民の生存権をまるごと買う位で。

    そして住民は全員日本海に入水頂き、無人になった土地にイスラエルのユダヤ人に全員引っ越し頂き東方エルサレム共和国を建国して日本と同盟を結んだらどうでしょうか。

    要は朝鮮半島にて河豚計画再びです(笑)。

    実行出来たらパレスチナ問題と朝鮮半島問題がこれで一気に解決です(笑)。

    ついでに対中国にも期待できる同盟国家ができます。

    まあ実際は無理でしょうが(笑)。

    皆様の息抜きになれば。

    長文失礼しました。

  5. 新宿会計士 より:

    追加です。

    本文中にも少しだけ記載したのですが、外貨準備の範囲には換金可能な上場株式も含まれます。これはIMFの定義から確認できるのですが、ただ、私が知る限り、上場株式などを外貨準備に含めているケースはありません。その理由は、大量保有報告書の提出義務が生じるなど、法制度面から保有し辛いという点に加え、株式は債券と比べて価格変動の幅(ボラティリティ)が大きく、安全資産とは言い難いからです。

    「韓国の外貨準備高に株式も含まれているのではないか?」といったツッコミが来るかな?とも思っていたのですが、さすがにそこまでのツッコミはないようです(笑)

    引き続きご愛読並びにお気軽なコメントを賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

    1. 埼玉県民 より:

      毎日の更新ありがとうございます。 
      ひょっとして韓国年金機構の外貨資産も加算していたりしませんか?
      http://fund.nps.or.kr/jsppage/fund/mcs_e/mcs_e_01.jsp

      1. むるむる より:

        年金まで外貨準備に加えてるとか恐ろし過ぎるんだけど……
        国民の年金を経済的な国家防衛に利用するなんてなに考えてるんだか……

  6. りょうちん より:

    楽韓Webさんによると
    http://blog.livedoor.jp/rakukan/archives/5352183.html

    海外投資も惨憺たるものがありそうですね。
    ジャンクボンドをどれだけ抱え込んでいるのやら。

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