何事も自分に都合よく解釈する中央日報

本日は珍しく2本目の記事を更新します。韓国メディア『中央日報』に掲載された、奇妙な記事を紹介します。

朝鮮半島危機巡る報道

またいつもの中央日報の虚報

日々、北朝鮮情勢を巡る緊張が高まっており、今週木曜日には米ワシントンで、日米の外相・防衛相による「2+2」会合が開催されます。そして、新月となる2017年8月22日(火)か2017年9月20日(水)あたりに、米国が北朝鮮攻撃に踏み切る可能性は否定できません。

こうした中、韓国の「保守系メディア」を自称する『中央日報』日本語版に、こんな記事が掲載されました。

「韓半島8月危機説」の“火消し”に動く韓米(2017年08月15日08時48分付 中央日報日本語版より)

記事の要旨を私自身の言葉で要約しておきます。

  • 8月9日の北朝鮮の「グアム包囲射撃計画」脅迫後に朝鮮半島「8月危機説」が高まっているが、米韓両国が同時に「火消し」に動いている
  • 文在寅大統領は14日、「北はこれ以上状況を悪化させず、挑発と威嚇的言動を直ちに中断することを促す」、「大韓民国の国益は平和」などと述べた
  • 一方、米国のティラーソン国務長官とマティス国防長官はWSJに寄稿し、「北朝鮮が善意を持って交渉をする意志があるということを先に見せる場合、米国は北朝鮮と交渉する意向がある」と述べた
  • いわば米韓両国が「8月危機説」の火消しに動いた格好だ

この記事のうち、文在寅(ぶん・ざいいん)大統領の発言については、「韓国はこの危機において頼りにならない」という事実を再確認するだけの意味しかなく、まともに取り上げる価値すらありませんので無視します。しかし、ティラーソン・マティス両長官のWSJへの寄稿については、中央日報が紹介したニュアンスとはやや異なります。

両長官のWSJ寄稿

では、両長官はWSJに、どのような文章を投稿したのでしょうか?これが問題の記事です。

We’re Holding Pyongyang to Account(米国時間2017/08/13(日) 17:37付=日本時間2017/08/14(月) 06:37付 WSJオンラインより)

※リンク先の記事は英文であり、また、WSJは契約していないと原文の閲覧ができないことがあります。あらかじめご了承ください。

このWSJの記事を1行で要約すると、

The U.S., its allies and the world are united in our pursuit of a denuclearized Korean Peninsula.(仮訳)米国とその同盟国、そして世界は、朝鮮半島の非核化という目標で一致している。

ということです。私の文責で大意を要約しておきましょう。

  • トランプ政権は国際社会の協力を得て北朝鮮に対し、外交上・経済上の圧力を加えている。
  • 我々はすでに北朝鮮に対する「戦略的忍耐」を失敗だと認めた。
  • 我々の平和的圧力の目的は北朝鮮の非核化にあり、北朝鮮の体制変更や再統一などではない。
  • 我々はこの目標を、中国を含めた世界の多くの国と共有している。
  • 北の非核化のためには中国の協力が必要だ。
  • 我々はこの問題を巡り、国連、南朝鮮、日本と密接に協力して対処する

といったものであり、いわば、「対話のフェーズは過ぎ、現在は外交・経済上の圧力(そして今後は軍事力行使)」という、米国の従前の立場を繰り返しただけの記事です。どこをどう読んだら、「8月危機説の火消しを行っている記事」だと読めるのでしょうか?まったくもって意味不明です。

こうした中、中央日報の記事で紹介されたと思しき箇所は、次の記載です。

“The U.S. is willing to negotiate with Pyongyang. But given the long record of North Korea’s dishonesty in negotiations and repeated violations of international agreements, it is incumbent upon the regime to signal its desire to negotiate in good faith. A sincere indication would be the immediate cessation of its provocative threats, nuclear tests, missile launches and other weapons tests.”

全体の文脈を正しく読めば、この部分が意味する内容とは、

私たちだってもちろん、北朝鮮と交渉したいとは思っている。しかし、いままで散々、約束を破ってきたのは北朝鮮の側だから、交渉の場に就きたいと思うなら、誠意(in good faith)を見せるのは北朝鮮の側である

といったものであることは明白です。それなのに、中央日報は、

北朝鮮が善意を持って交渉をする意志があるということを先に見せる場合、米国は北朝鮮と交渉する意向がある

と曲解して報道してしまっているのです。私には、中央日報の記者に、文章を読み込む能力が根本的に欠落しているとしか思えません。

明日の予告:首相の靖国参拝について

さて、明日の当ウェブサイトの記事は、久しぶりに「現職総理大臣や政治家の靖国参拝」について、私なりの考察を披露したいと思います。どうか、この問題について議論を深めて欲しいと思います。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. めがねのおやじ より:

    いつも拝読させていただいてます。
    日本も他国の事は言えないけども、更に低劣なのが南鮮報道です。朝鮮にまともな新聞などありません。中央日報、朝鮮日報、ハンギョレ、東亜、聯合他すべての書き手が、最低限の記者としての文章を書く能力、事実をそのまま脚色せずに伝える力、明日を読む能力、読み手に与える感動、なにもありません。なぜか。真実を曲げて伝えてしまい、事実を偏らずに書く能力がまるでないからです。記者としての最低限のスキルもありません。小さい頃からの教育に問題があります。第一線の記者なら20〜40代でしょう。その人達は、どっぷり反日で、反共で、反米で非民主的な社会で過ごし、勝ちか負けしかない異常社会、賄賂贈収賄の酷さ、鬱屈した社会で、人間としての尊厳、正しい道徳などを教わっていません。言わば高等教育は受けたかもしれないが、南鮮にしか通用しないローカルルール上のことで、他国とはスタンダードが異なるのです。南鮮報道のタチの悪いところは、核心が分からずに(あるいはわざと)「こうなればいいな」という願望で書かれていることが多い事です。つまり曲げて報道している。また受け手の愚民がそれに乗せられてしまうという病的な精神構造。日本の場合左傾の酷い報道はあるものの、必ず逆にも振り子は振られます。それを何が正しいのか、事実は何かを知る眼、頭を一般人も持つ人が多い。中には極端な誹謗中傷、暴力的な行為もありますが、南鮮のようなボンクラ記事に惑わされることはない。これは民度の差です。戦後72年でなぜ、こんなに日本と大差がついたか。妬み、僻み、被害者意識が国の成長を拒んで来ました。北への攻撃は十分あり。自分の国の周りで大騒ぎなのに、ただ見ているだけ。本当に李氏朝鮮のまま(笑)。

  2. オールドプログラマ より:

    先日の中央日報の記事に「日本の鼻をへし折った」と仰々しいタイトルがあったので読んでみると、高知県高知市で開催された全国高校生「まんが甲子園」で韓国の高校生が1位をとったことが余程嬉しかったのか、表記のようなタイトルになったようです。
    http://japanese.joins.com/article/250/232250.html?servcode=400&sectcode=400
    この記事に対して200件ものコメントが寄せられていました。たかが、高校生が優勝したぐらいで日本の漫画を凌駕したと本気で思い込んでいるのが中央日報らしいと思いました。

    1. 左翼 より:

      オールドプログラマーさんへ、

      いやぁ、それってホントに酷いわ(笑)高々1回くらいトップを取って、(鼻をへし折る)って表現、一々下品ですね。

      そりゃ努力した高校生には敬意を表して然るべきですが、だからと言ってこう言う見出しで報じられると、他の出場者に対しても侮辱だし、失礼です。

      所詮はそう言う国なのでしょうね。

  3. 左翼 より:

    全ての情報を自分にとって有利に解釈するとこんな風になってしまうのですね。因みに韓国人が自分が良いように情報を解釈するのはこの記事の例に限りません。誰だってある程度はバイアスを掛けてしまうのは当然ですが、韓国の場合はそれが飛び抜けて酷いです。

    あと、情報が片寄っていると言う意味ではネトウヨのサイトとかも酷いのですが、何と言っても突き抜けて酷いのは左翼系のサイトでしょう。自戒を込めて申し上げますと、市民団体とかのサイトでは、自分達の意見に沿ったコメントしか、絶対に承認されません。少しでも自分の事を批判する意見は封殺してしまうのです。

    だから、左翼系の活動家がツイッターやフェイスブックでコメント制限をしていない時には、アッと言う間に炎上してしまうのです。

    ここのブログではブログ主がコメント制限を設けていないので、私と意見は合わない点は多々ありますが、それでも私はついついこのブログをやって来てしまうのです。ブログ主は(議論が大事だ、)、と普段から主張してますが、その点については本当にここのブログ主はブレないし首尾一貫してますよね。

    ここのブログが批判に強いのも、(議論、)、を大事にするからなんだと思いますよ。

  4. 夕刻の寿司 より:

    書くことは速度でしかなかった
    追い抜かれたものだけが紙の上に存在した

    とは寺山修司の至言である

    その寺山がこれを見たら歓喜の涙で神映画一本作っただろう

    日本政府、「市内バス少女像」設置に「あってはならないこと」
    http://japanese.joins.com/article/322/232322.html?
    servcode=A00&sectcode=A10&cloc=jp|main|top_news

    シュールなオブジェである
    まんま高松張子「奉公さん」(知らん人は画像検索)
    まあ、奉公さんなわけだけどな高給売笑は
    「売笑」というように、娼婦も交尾も日本では「笑い」の範疇だった
    おおらかにまぐわって歌垣で盛り上がる、それが大和んちゅの文化
    明治にインテリが耶蘇教に洗脳されてから変様したけどね

    ようつべで聞いてみるがいい
    津軽弁はまるで朝鮮語、いやいや絶対フランス語じゃねでべした
    寺山だったら血がたぎっただろう
    市内バス少女像の悪夢な寺山の映像が見たかった、いやほんとマジで

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