私は現在、かつて運営していた「楽天ブログ」「アメブロ」に過去に投稿した記事の中で、現在でもアクセス数が多い記事を、こちらのウェブサイトに転記する作業を続けています。昨年冬に「日韓慰安婦合意」が締結される直前に執筆・投稿した記事を再録し、あわせて現時点での追記を行っておきたいと思います。
韓国とは少しずつ着実に距離を置くべき~政治ブログ 2015/12/10(木)号~
オリジナル記事 投稿日時 2015-12-10 00:00:00
韓国の朴槿恵(ぼく・きんけい)大統領が、色々な批判にさらされています。「国定教科書」の採択などを巡って、韓国国内では大規模な反政府デモが発生しているようです。また、産経新聞の前支局長を「大統領に対する名誉棄損」容疑で起訴したことや、「慰安婦問題」に関する論文を巡って学者を起訴したことで、「韓国政府は自由な言論を弾圧している」という国際的批判も巻き起こっています。
ただ、当職にしてみると、これらはいずれも韓国の「身から出た錆」にしか見えません。韓国政府は「反日」に関しては一貫しているものの、それ以外の政策については支離滅裂だからです。
まずは「軍事パレード事件」です。朴大統領は今年9月の中国共産党による軍事パレードに参列。カザフスタンのナザルバエフ大統領、ウズベキスタンのカリモフ大統領、スーダンのバシル大統領といった「独裁者」らと並んでいるシーンが、写真に収まってしまいました。ちなみに韓国出身の潘基文(はん・きぶん)国連事務総長もこのパレードを観覧しています。
次に「AIIB出資事件」です。中国が発足を目指している「アジアインフラ開発銀行」(AIIB)に、日米を除く西側諸国も相次いで参加表明したことは記憶に新しい点ですが、これに韓国も名を連ねています。
さらに、「南シナ海航行問題」です。先月のAPECでは米国と日本が共闘し、アジア太平洋諸国の多くを巻き込んで「中国による南シナ海上の不法な埋立」を非難しましたが、この非難声明に韓国は参加しませんでした。
つまり、対中傾斜を急速に強め、同盟国であった米国から不信感を持たれているというのが、現在の朴政権なのです。そして、朴大統領の後継者となる可能性が高い有力な次期大統領候補である潘基文・国連事務総長も、熱烈な中国信者として知られています。
もちろん、米国がいますぐ「米韓同盟の破棄」に動く可能性は低いと言えます。しかし、日米が主導するTPPからも排除され、政治・軍事・経済の全面にわたって対中依存を急速に強めつつある韓国は、数年かけて間違いなく中国に取り込まれていくことになるでしょう。
日本としては、静かに、しかし着実に、韓国と距離を置くという戦略が正しいのだと思います。おりしも先月、靖国神社の公衆トイレで爆発テロが発生。容疑者として韓国人が浮上していますが、これがちょうど良いリトマス試験紙になるでしょう。日本として正しい韓国との付き合い方は、次のようなものだと思います。
- 慰安婦問題を初めとする「歴史問題」は交渉で時間稼ぎする一方で、国際社会に対して少しずつ「韓国による矛盾・捏造」を浸透させる
- 韓国の位置付けを「価値を共有する関係」から少しずつダウングレードし、最終的には「単なる隣国」という認識にまで落としてしまう
- 日韓間の問題については、韓国とは直接交渉せず、米中露、あるいは国際社会を巻き込んで、「国際法に基づく解決」を図る
百年以上前、「大韓帝国」は「日韓併合条約」によって独立国の地位を失いました。しかし、現在の韓国の挙動を見ていれば、やはり現代国際社会において「独立した主権国家」を持つ資格がない民族だと感じざるを得ません。「どこかほかの国に隷属しているべき」だというのは、もはや「民族のDNA」なのかもしれません。
後日追記
この記事を執筆したのは2015年12月10日ですが、同年の12月28日には、突如として「慰安婦問題の解決に関する日韓外相合意」が発表され、日本側が10億円を韓国に支払うことで「慰安婦問題の解決」を図る、という、考えられる限り最悪の愚策が取られました。しかも、日本の岸田文雄外相は「当時の軍の関与の下に多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた」などと事実に反する内容を述べており、これにより、私が上記エントリーで主張した「放っておけば韓国は自壊し、問題も自然に解決する」という選択肢はなくなってしまいました。
安倍総理が主導した「日韓外相合意」とは、いわば旧日本軍がやってもいない「慰安婦の強制連行」を日本政府が自ら認めたことと同じであり、日本側が8月に支払った10億円は、国際的には「事実上の賠償金」です。金額の多寡が問題なのではなく、「日本政府が強制性を認めて賠償金を払った」という事実が重要なのです。
私の理解では、安倍総理は「日韓外相合意」により、朴槿恵(ぼく・きんけい)政権の反日外交を完全に封殺することを狙っていたようです。実際、「日韓外相合意」以降、ある程度は韓国の反日外交が封じ込まれました。ただ、それも朴槿恵政権が2018年2月までの任期を全うすることが前提でしたが、肝心の朴政権が「崔実順(さい・じつじゅん)」なる人物に国家機密を漏洩していたとして、現在、同政権は事実上、機能を停止している状況にあり、下手をすると退陣を余儀なくされるかもしれない状況に追い込まれています。
そうなると、せっかく安倍政権が「日本人の名誉」を犠牲にしてまで締結したこの合意も、無駄に終わる可能性が高くなってきました。
それでも野党が無能すぎるためでしょうか、今のところ、安倍政権に対する支持率は50%台後半から60%前後と高く、おそらくよほどのことがないかぎり、安倍総理は2020年の東京五輪まで在任するでしょう。つまり、この「日韓外相合意」という「大失敗」については、ご自身の手で挽回するチャンスがまだまだある、ということです。
私は安倍政権の今後の対韓政策に期待したいと思っています。