フェイク・ニュース「韓国がダム決壊を鹿島建設に責任転嫁」

「河野太郎外相が日韓断交を決断した」、といった、明らかなウソの情報を掲載したブログのことを、私は「フェイク・ニューズ・ブログ」と呼んでいます。そして、某匿名掲示板で、「韓国のSK建設が日本の鹿島建設にラオスのダム決壊事件の責任を押し付けはじめた」とする書き込みがあったようです。

ラオスのダム決壊と日本

先月、ラオスで韓国企業などが建設に関わっていたダムが決壊しました。この事故を巡って当ウェブサイトでは先日、「韓国ではすでに、ダム決壊が日本のせいだとする世論操作が始まっている」とする説を紹介しました(『ラオスのダム決壊が日本のせい?「韓国の世論操作」説』参照)。

ラオスのダム決壊が日本のせい?「韓国の世論操作」説

といっても、私自身は「韓国がダム決壊の責任を日本になすりつけようとしている」という情報の妥当性について、現時点で検証したわけではなく、あくまでもこれは現時点において、産経系のウェブメディア『zakzak』にジャーナリストの加賀孝英氏が寄稿した記事を紹介しただけのものです。

加賀氏は「日韓両政府筋の情報によれば、韓国のネット上で『工事で使った設計図は日本のものだ』『決壊した部分は日本の業者が工事した』という情報が流された」、と主張していますが、私自身、別に日韓両国政府に知り合いはいないため、この説の妥当性を検証することはできません。

しかし、先日より申しあげているとおり、韓国は慰安婦問題や徴用工問題など、ウソ、捏造などに基づいて、ありもしない事件をでっちあげ、日本を不当に貶めて来た国です。このため、韓国が「ダム決壊は日本の責任だ」といった悪質な世論工作活動を行っていたとしても、私はまったく驚かないと思います。

いずれにせよ、ここで重要なポイントは、取材源については「日韓両政府筋の情報」という非常にあいまいな書き方であるにせよ、こうした主張はジャーナリストである加賀氏がご自身の文責において執筆されているという点でしょう。

フェイク・ニューズ・メディア

再び出現した、悪質なフェイク・ニューズ・ブログ

しかし、証拠もないのに「韓国が今回の事故の原因を、日本の鹿島建設になすりつけようとしている」などと言い出せば、これは非常に悪質な「フェイク・ニューズ」の範疇に入ります。そして、昨日、そんな「フェイク・ニューズ記事」を発見しました。そのタイトルは、

【ラオスダム決壊】 韓国「責任取るべきは施工した鹿島建設であり、SK建設に責任は一切無い」ついに無関係な日本企業に責任を押し付け始めるwwwwww

です(敢えてリンクを示すことはしませんが、検索して頂ければすぐに出てくると思います)。

気になってこのブログの内容をチェックしてみたところ、タイトルの根拠とは、どうやら某匿名掲示板に書き込まれた、次の一文にあるようです。

責任取るべきは施工した鹿島であり、SKに責任は一切無い

つまり、この、誰が何を根拠に書き込んだのかもわからないような書き込みが、「SK建設が無関係な鹿島建設に責任を押し付けはじめた」という、このニューズ・ブログのタイトルになっているのです。朝日新聞のことを「根拠もなしにウソを垂れ流すメディアだ」と批判する資格は、このブログにはありません。

もちろん、韓国が今まで、散々、日本に対して名誉を傷つけ、貶めて来たことは事実です。しかし、だからといって現段階で情報源がいっさい存在していないにも関わらず、「鹿島建設」という具体的な会社名まで出して、堂々とウソを垂れ流すことはいかがなものかと思います。

「河野太郎閣下、日韓断交を決断」

インターネットでネトウヨ系と思しき人たちが運営しているブログ・サイトを見ると、他にも酷いページがたくさん見つかります。その中でもとくに酷いのは、今年1月に河野外相が日韓断交を決断したとするブログや、今年6月に二階俊博・自民党幹事長は「韓国は面倒な国だと言い放った」とするブログです。

  • 【速報】 河野太郎閣下、韓国との断交を決意!!!!
  • 【韓国発狂】「スワップ!お願いニダ!!」「二階先生助けて!」二階「韓国は面倒な国だ」

これらについても、敢えてリンク先は示しません。もし知りたければ、検索エンジンで調べてみてください。

私は普段から朝日新聞をはじめとするマス・メディアにウソ、捏造報道が多いこと、彼らが「マスゴミ」と蔑まれていることなどを批判しています。しかし、だからといってインターネットに流れている情報が正しいとは言いません。とくに、非常に悪質なフェイク・ニューズ・ブログはあとを絶たないからです。

もちろん、こうした過激で悪質なフェイク・ニューズ・ブログが蔓延る理由は、マス・メディアにもあります。それは、韓国に忖度しているためでしょうか、韓国にとって都合が悪いニュースをほとんど流さないという姿勢に、一般の人々が辟易しているためです。

そして、韓国を不当に貶めるブログ・サイトは非常にたくさんあります。また、韓国のことを「バ韓国」(ばかんこく)などと中傷しているブログも見かけますが、これだと「韓国にたいするヘイトだ」と批判されても、文句はいえません。

言論空間では、「相手が憎ければ何を言っても良い」というものではありません。あくまでも客観的事実をきちんと踏まえたうえで、努めて理論的、冷静に持論を展開していく必要があります。その道を踏み外した人間に、言論人たる資格はありません。

誰でも言論人になれる!

慰安婦問題を論破したインターネット

ただ、だからと言って私は、「素人が気軽に情報発信をすることは禁止すべきだ」などと申し上げるつもりはありません。いや、話は真逆であり、素人だろうが玄人だろうが、誰だって気軽に情報発信できる社会については、大切にしていかねばなりません。

考えてみれば、朝日新聞による日本人に対するヘイト犯罪といえば、何といっても「慰安婦捏造報道事件」です。これは、文筆家・吉田清治のウソをベースに、植村隆なる元記者を中心とする朝日新聞の記者らが行った捏造報道が、「日本による戦時性奴隷という戦争犯罪」にまで発展した事例です。

戦時性奴隷なるものが本当にいたにしては、その物的証拠が何1つとして残っていない点は不自然と言うほかありませんが、それでも自称慰安婦らの「証言」をベースに、この問題は日本による女性の人権を蹂躙した事例として、全世界に知られています。

つまり、過去、現在、未来のすべての日本人が、朝日新聞によるウソにより名誉を傷つけられ続けているのです。実際、本日も韓国メディア『中央日報』(日本語版)に、こんな報道が出ているほどです。

国連人権理事会代表、「旧日本軍慰安婦問題、日本が迅速に行動すべき…切なる呼び掛け」(2018年08月03日11時29分付 中央日報日本語版より)

記事の末尾に

現在、韓国政府に登録された旧日本軍慰安婦被害者のうち生存者は27人のみとなっている。

とありますが、韓国側の主張によれば、日本軍により誘拐された少女の人数は20万人であり、生存者が27人しかいないという時点で、国連側も「韓国の主張は極めて不自然である」と気付くべきでしょう。

それはともかくとして、朝日新聞は2014年8月に、一連の慰安婦問題関連報道が「誤報」だったと認め、「記事を撤回する」と発表しました(※ただし、本当は「誤報」ではなく「捏造報道」ですが、朝日新聞はこの点については認めていません)。

そして、朝日新聞を記事撤回に追い込んだのは、有名、無名の一般国民であり、それを実現したのはインターネットの力です。その意味で、誰もが情報発信できる(つまり誰もが言論人になれる)という社会の在り方については、大切にする必要があります。

フェイク・ニューズ・ブログを見破れ!

しかし、だからといって、先ほど引用したような、『【ラオスダム決壊】 韓国「責任取るべきは施工した鹿島建設であり、SK建設に責任は一切無い」ついに無関係な日本企業に責任を押し付け始めるwwwwww』という悪質なフェイク・ニューズ・ブログについても「素晴らしい」と褒めたたえることはできません。

あくまでも言論とは、「客観的な事実を踏まえ、いかに説得力のある議論を構築するか」が勝負どころであり、存在しない情報を勝手に捏造して、「SK建設が日本の鹿島建設に責任を押し付けはじめた」などと大々的に主張して良いはずがありません。

そして、こうしたフェイク・ニューズ・ブログが蔓延していけば、マス・メディア側からも針小棒大に取り上げられ、「インターネットの情報はすべてフェイク・ニューズだ」、「だからインターネットのブログは禁止すべきだ」、といった短絡的な議論に利用されかねません。

ところで、この手の「まとめブログ」の1つが先日、在日朝鮮人の女性から訴えられ、損害賠償を命じられた、という事件がありました。この事件についてはさまざまな反応があるのですが、私はシンプルに、「ブログ記事に行き過ぎた表現を使うことを戒める判決」だと捉えています。

もちろん、某匿名掲示板の議論をまとめているだけのブログであっても、人々の不満のガス抜きという側面はありますから、一概に否定すべきではありません。やはり、最終的には私たち一般国民一人ひとりが賢くなり、この手のフェイク・ニューズ・ブログを見破るだけの見識を備えるしかないのだと思います。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. めがねのおやじ より:

    < 更新ありがとうございます。

    < 【フェイク・ニューズ・ブログ】ねえ。確かにインターネットには蔓延してますね。こんなのが雨後のタケノコの如く現れるから、『インターネットなど嘘ばかり』『針小棒大に触れ回るだけ』『投稿者も見る人もレベルが低い』『若い奴のオモチャ』とマスゴミ関係者に言われる訳です。

    < こういうラオスダム崩壊が日本企業の責任という、『嘘ニュース』なども最初に1行見た瞬間『コイツはオカシイ』と殆どの方は思うし、それ以上詳細を見ようとしないでしょう。今回は私も会計士様のサイトにあったからナニナニと覗いただけで、普段なら『アホか』で済ませてます。付き合っているヒマなどない(笑)。

    < この『かがこうえい』さんという方も、色々過去書いてますが、?が多いと思います、、、、ジャーナリストですか、、、。   以上。

  2. とある東京都民 より:

    警戒は、必要だ!

    >>…だからといって、先ほど引用したような、『【ラオスダム決壊】 韓国「責任取るべきは施工した鹿島建設であり、SK建設に責任は一切無い」ついに無関係な日本企業に責任を押し付け始めるwwwwww』という悪質なフェイク・ニューズ・ブログについても「素晴らしい」と褒めたたえることはできません。

    って言うけど、あの国だし・・・。
    10年位前まで、何も問題でもないし、一切歯牙にもかけてなかった謂う所の『捏造・旭日旗問題』とか、
    ある時を境に、この数年程で、ものすごい事になってんジャン!
    しかも、世界中で、旭日旗に似たデザインや模様のモノを、事ある毎に見付けて来ては、イチャモン付けまくっとるし…。

    警戒は必要でしょ!!!

    インターネットに、スマホ・タブレットPCなど使い、簡単に容易にアクセスできる機器環境があり、
    かつ、ツイッターはじめSNSなど、簡単かつ直ぐに情報や意見を発信できる環境下でも、

    まだまだ、韓国・中共・キタ朝鮮について、知らないヤツ多すぎ!
    つか、団塊世代前後なぞ、一頃より減ったものの、かの特亞三カ国について、真の姿を知らないのまだいっぱいいるし!マスゴミ信奉者も多いし!

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